2021年09月16日

中国恒大集団の経営危機、国家予算クラスの40兆円の債務、うち有利子負債は15兆円、中国不動産バブルの終焉、




ネット上の記事はすぐに消えてしまうことが多いので、
自分が興味を引かれた記事をここに
自分用の記録(備忘録)として保管しておきます。



国家予算クラスの40兆円の債務、そのうち有利子負債は15兆円、中国不動産バブルの崩壊、中国恒大集団の経営危機

令和4年8月6日更新







●中国経済のゾンビ状態≠ウらに悪化 若者の失業率40%超、住宅ローンの債務残高960兆円 地方のショッピングモールでは売り子があくび
2022/8/5(金) 17:00配信
夕刊フジ
【心肺停止の中国】

「心肺停止」が、中国経済の現状診断である。経済の心臓部はカネの循環、血液にあたる。



公務員の給与減額、遅配が顕著となった。地方公務員、教員の給与削減、ボーナスなしとなり、教職員が学校前で抗議集会を開いている。日本では、ほとんど報道されていない。

地方銀行では取りつけ騒ぎ、河南省ではやくざと組んだ不正融資で8000億円が闇に消え、農民、庶民の銀行口座が凍結された。内モンゴル自治区や吉林省では、銀行の国有化という救済措置が取られた。

コロナ禍によって、人の流れがとまった。恒大、碧桂園、世茂集団など、有名なデベロッパー(不動産開発会社)が、デフォルトの連鎖に陥った。建設現場でクレーンが止まり、労働者が消え、完成のめどがたたないまま風雨にさらされた。

これは2019年からの中国各地の現象である。足で歩かないジャーナリストたちが公表データだけを頼りに、「中国各地のマンションは値上がりが続いている」と虚報を流していた。

大手デベロッパーが軒並み倒産すると、下請けや孫請けには自殺も出る。若者の失業率は、実際には40%を超えているという。

住宅ローンの債務残高は960兆円。当局は外債、米企業債、株式などの売却に転じた。ローンの支払いボイコットにより、中央銀行の損失は47兆円強(ブルームバーグ、8月1日)。

中国のGDP(国内総生産)の30%を支える不動産ビジネスが壊滅状態となると、規制されていた「融資平台」(=地方政府傘下の投資・事業会社が発行する債券)が復活した。

社会融資規模は6800兆円。新幹線累積赤字はすでに120兆円。それでも強気で新幹線を2035年に7万キロ達成だと呼号している。新たに73兆円が必要だ。財源をどうするかという議論は真剣になされず、経済政策をつかさどるのは国務院だが、李克強首相ら共青団幹部は冷笑しながら習近平国家主席の失敗をじっと待っている。

消費者が敏感なのは、ショッピングモールの落日だ。全土に8000近い巨大ショッピングモールのテナントが3割以上埋まっていない。テナントの空きが20%を超えると、そのモールは経営が成り立たない。

人口の少ない地方都市にも、大都市並みの豪華ショッピングモールができて、客がほとんどいない。売り子があくびしている風景が中国全土に展開されている。

「心肺停止」の次は?

■宮崎正弘(みやざき・まさひろ) 評論家、ジャーナリスト。1946年、金沢市生まれ。早大中退。「日本学生新聞」編集長、貿易会社社長を経て、論壇へ。国際政治、経済の舞台裏を独自の情報で解析する評論やルポルタージュに定評があり、同時に中国ウォッチャーの第一人者として健筆を振るう。著書に『歩いてみて解けた「古事記」の謎』(育鵬社)、『日本の保守』(ビジネス社)、『歪められた日本史』(宝島社新書)など多数。


新しい視点
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●中国恒大集団、広州スタジアム事業解約−55.2億元の払い戻し受ける
Zac Fleming
2022年8月5日 1:38 JST
This aerial photo taken on September 17, 2021 shows a view of the under-construction Guangzhou Evergrande football stadium in Guangzhou in China's southern Guangdong province.
This aerial photo taken on September 17, 2021 shows a view of the under-construction Guangzhou Evergrande football stadium in Guangzhou in China's southern Guangdong province. Photographer: STR/AFP

不動産開発企業として世界最大級の負債を抱える中国恒大集団は、広州市にサッカースタジアムを建設する契約を破棄したことに伴い、同市から55億2000万元(約1089億円)が払い戻されることを明らかにした。

  中国恒大の発表文によれば、同社は土地使用権を返還し、広州都市開発自然資源局がこれに応じて返金する。返金分はスタジアム建設計画に絡む債務の返済に充当されるという。






●中国の不動産大手「世茂集団」がデフォルト…創業者は富豪ランキング上位も経験
2022/07/05 12:27

 【北京=山下福太郎】中国の不動産大手「世茂集団」は、3日が満期だった米ドル建ての債務10億ドル(約1350億円)に関する支払いができず、債務不履行(デフォルト)になった。コロナ禍で中国の不動産市況は一段と悪化し、売上高が急減した。

債務不履行に陥った中国の不動産大手、世茂集団(ロイター)
 世茂は中国の不動産業界で十数位の規模にある。香港証券取引所に提出した開示資料によると、1〜5月の販売額は342億元(約6800億円)で、前年同期に比べて72%減った。

 2021年後半から不動産市況が悪化したことに加え、感染を抑止するロックダウン(都市封鎖)によって取引が縮小した。プロジェクトを中断し、資産売却も進めたが、資金繰りが確保できなかったとみられる。

 中国の不動産大手では、昨年9月に中国恒大集団の経営危機が表面化し、12月にはドル建て社債の利払いができず、一部債務不履行と認定された。世茂は、恒大に比べて経営が比較的安定していると見られており、当局が資金繰りを支えているとの報道も出ていた。

 創業者の許栄茂氏は、富豪ランキングの上位に選ばれたこともある。







●中国恒大、外貨建て債務再編計画先送り 年内公表めざす
グローバルマーケット
2022年7月30日 0:37
中国恒大集団の債務再編は難航している(重慶市のビル)=共同
【香港=木原雄士】経営再建中の中国不動産大手、中国恒大集団は29日、7月末に暫定的な案をまとめるとしていた外貨建て債務再編計画について、資産査定の作業を近く完了し、年内の公表をめざすと発表した。債権者との調整や資産売却が難航しており、事実上先送りした。

上場する香港取引所に債務再編の進捗状況と原則を公表した。恒大は「グループの規模や複雑さを考慮して、デューデリジェンス(資産査定)の作業は継続している」と指摘。「中国の不動産市場は依然として調整中であり、事業や資産価値の回復には比較的長い時間がかかる」と認めた。

そのうえで、債務再編にあたり、国際的な原則を尊重するなどの基本方針を示した。債務再編はグループ傘下の電気自動車(EV)会社、中国恒大新能源汽車集団と不動産管理の恒大物業集団の株式も含めて検討する。今後、アドバイザーや債権者との協議を加速し、計画策定を進める。

恒大をめぐっては、資産売却が難航しているほか、グループ会社の預金流用に絡んで夏海鈞・最高経営責任者(CEO)が更迭されるなど、企業統治の混乱も続いている。






●債務危機に揺らぐ中国恒大、夏海鈞CEOと最高財務責任者が辞任
Blake Schmidt
2022年7月23日 3:10 JST
傘下の不動産サービス会社での担保保証アレンジに関与との調査結果
後任CEOは肖恩氏、調査終了後には独立調査委が報告書公表へ
Xia Haijun Photographer: Anthony Kwan/Bloomberg
債務危機に陥っている中国の不動産開発大手、中国恒大集団は22日、夏海鈞最高経営責任者(CEO)が
辞任したことを明らかにした。
  発表資料によると、同社幹部の肖恩氏が後任となる。最高財務責任者(CFO)の潘大栄氏も職を退いた。



●中国恒大、CEOら辞任 グループ内の資金流用に関与
ロイター編集

 経営再建中の中国不動産大手、中国恒大集団は7月22日、夏海鈞・最高経営責任者(CEO)らが辞任したと発表した。グループ傘下の不動産管理会社の資金を巡り、不適切な流用に関与していたことが調査結果で判明した。深センで昨年9月撮影(2022年 ロイター/Aly Song)
[22日 ロイター] - 経営再建中の中国不動産大手、中国恒大集団は22日、夏海鈞・最高経営責任者(CEO)らが辞任したと発表した。グループ傘下の不動産管理会社の資金を巡り、不適切な流用に関与していたことが調査結果で判明した。

中国恒大は、傘下の不動産管理会社、恒大物業集団が担保に入れていた預金の134億元を銀行に差し押さえられたことに関して調査を進めていた。

調査の結果、資金は第三者を通じてグループに戻され、運転資金として利用されており、夏氏や潘大栄最高財務責任者(CFO)が不適切な流用に関わっていたことが判明したという。





●中国恒大、「暫定再編計画」提示せず−7月中にとの約束不履行
Bloomberg News
2022年7月30日 3:26 JST 更新日時 2022年8月1日 4:59 JST
代わりに「暫定再編方針」を提示、具体的な計画は年内発表を目指す
盛京銀行の株式売却を示唆、仲裁で73.1億元の支払い命じられ
Signage at the China Evergrande Center in Hong Kong, China. Photographer: Chan Long Hei/Bloomberg
不動産開発企業として世界最大級の負債を抱える中国恒大集団は、7月中に約束していた「暫定再編計画」の提出を履行しなかった。
中国の不動産業界全体に債務危機が広がる中、投資家が焦燥感を募らせるリスクが高まった。
中国恒大集団が29日遅くに代わりに提出したのは、オフショア債に関する「暫定再編方針」というものだった。同社の債務総額は
約3000億ドル(約39兆9800億円)、このうちドル建て債は約200億ドル。再編が行われるとなれば、中国史上最大クラスとなる可
能性がある。






●中国恒大で610億円超稼いだCEO、突然退場−迫る債務再編計画
Venus Feng、Pei Yi Mak
2022年7月29日 14:11 JST
夏海鈞氏、未公表の融資保証手配に関与したとしてCEO辞任
多額の債務抱える中国恒大、今月末が再編計画の提出期限
中国の不動産開発大手、中国恒大集団の最高経営責任者(CEO)を務めていた夏海鈞氏は、同社を創業した許家印氏の最側近と長らく考えられてきた。
夏氏は2018年に米ハーバード大学を許氏が訪問した際に随行したほか、市場の信頼感を高めるため恒大債も購入、昨年は香港に赴き、同社の資産売却に関して協議していた。




●許家印
きょ かいん
実業家
許 家印は、中華人民共和国の実業家、会社経営者。不動産開発会社「恒大集団」の創業者、代表取締役会長・共産党委員会書記。
ウィキペディア
生年月日: 1958年10月9日 (年齢 63歳)
出生地: 中華人民共和国 周口市 太康県
純資産: 85億アメリカ合衆国ドル (2022年) フォーブス
配偶者: Ding Yumei (1983年から)
両親: Xu Xiangao
子女: Xu Xihao、 Xu Zhijian
兄弟姉妹: Xu Jiaqin、 Xu Long'er



●中国恒大 債務再編案を年内公表、事実上先送り 負債総額40兆円
2022/7/30(土) 9:41配信

毎日新聞
北京市郊外で建設中の中国恒大集団のマンション=2022年1月13日午後2時53分、小倉祥徳撮影

 経営危機に陥っている中国不動産大手、中国恒大集団は29日夜、経営再建に向けた債務再編案を年内に公表すると発表した。7月末までに発表するとしていた暫定的な再編案については、具体的な中身の説明が一切なく、事実上先送りした形だ。負債総額約2兆元(約40兆円)を抱える同社の先行きは依然不透明で、低迷し続ける中国の不動産市場全体の重しとなりそうだ。

 同社によると、現在も債権者を含む関係者と協議を続けており、同社の資産査定も進行中という。開発中の不動産プロジェクトの売却などを進めて債務圧縮を図ると見られているが、主力の不動産事業をどこまで縮小するかや、7月に予約受け付けを始めた電気自動車(EV)事業にどこまで注力するかなどが焦点となっている。

 恒大は2020年の売上高が5072億元(約10兆円)、住宅販売面積中国2位、従業員数約20万人の巨大企業。高騰し続ける不動産価格を警戒する中国政府が、不動産融資の規制を強化したことを受け、21年夏ごろに資金繰り問題が表面化。12月には、ドル建て社債の利払いを期日通り行えず、格付け会社から一部債務不履行(デフォルト)と認定されていた。【北京・小倉祥徳】



ローン拒否が拡大「総額8兆円」慌てる中国当局 恒大問題の現場は今
小倉祥徳

毎日新聞 2022/7/30 15:45(最終更新 7/30 16:39)

中国東北部遼寧省瀋陽市で建設していた中国恒大集団のマンション=2021年7月10日、小倉祥徳撮影
 中国経済に不動産不況という暗雲が垂れこめている。不動産大手の中国恒大集団が総額約2兆元(約40兆円)という巨額の負債を抱えて資金繰りに行き詰まったことは記憶に新しい。問題は他の不動産大手にも波及し、マンション購入者が住宅ローンの返済を拒否する動きが全国で広がっている。政府も対応に慌てる問題の現場を訪ねた。

恒大破綻で懸念された「バブル崩壊」
 まずは恒大問題をおさらいしたい。

 1996年に中国広東省広州市で創業した同社は、中国の不動産ブームに乗り、2020年には売上高5072億元(約10兆円)、住宅販売面積中国2位、従業員数約20万人の巨大企業に成長した。事業も多角化を進め、電気自動車(EV)の製造やプロサッカーチームの経営にまで乗り出した。創業者の許家印氏は、17年時点で資産2900億元(約5・8兆円)と中国の長者番付で首位になったこともある。

 だが、高騰し続ける不動産価格を警戒する中国政府が、不動産融資の規制を強化したことを受け、21年夏ごろに資金繰り問題が表面化。6月末時点の負債総額が約2兆元にも達したことから、海外を中心に一時は「中国の不動産バブル崩壊」「リーマン・ショックの再来」と呼ばれ、世界経済全体のリスクとして危機感が強まった。12月には、米ドル建て社債の利払いを期日通り行えず、格付け会社が一部債務不履行(デフォルト)を認定。恒大は今年7月末までに経営再建に向けた債務再編案を発表するとしていたが、29日深夜、22年内に発表を事実上先送りする方針を表明。同社の先行き不安はなお続いている。

 恒大の経営危機は同社のみならず市場全体の冷え込みを招いている。中国の不動産販売は21年7月から前年実績割れが続いていたが、最近では新たな問題を引き起こしている。








●2022/04/04
不動産バブル崩壊で、いまや世界経済のお荷物に…中国経済を迷走させる習近平政権の断末魔
上海市の「2500万人のロックダウン」が追い打ちに

PRESIDENT Online
真壁 昭夫
多摩大学特別招聘教授

恒大集団、佳兆業集団…次々と決算発表を延期
不動産市況は悪化するだろう。足許、上場規則で定められた3月末までに2021年の監査済み決算を公表できない不動産デベロッパーが増えている。主な企業として、中国恒大集団(エバーグランデ)や佳兆業集団(カイサ・グループ)、緑地香港(グリーンランド・ホンコン)、宝龍地産(パワーロング・リアルエステート)などが決算発表を延期した。

デベロッパーの本格的なデフォルトや経営破綻のリスクを低下させるべく地方政府は支援を強化している。その上で、共産党政権は民間の不動産企業を救済するのではなく、資産の切り売りを加速することによって不動産市況を安定させようとしているが、事態は好転していない。

中国不動産セクターから撤退する大手監査法人も出始めた。計算方法にもよるが、中国のGDPの30%近くを占めると言われる不動産関連セクターで企業の資金繰りはさらに悪化し、事業運営に行き詰まる企業は急増する恐れがある。それは経済成長率の低下要因だ。

IT先端企業への締め付けを強めているが…
現在、共産党政権はIT先端企業への締め付けを強めている。貧富の格差拡大阻止の姿勢を示すことに加えて、政権に対する不満を高めかねないSNSなどを抑え込む必要がある。現時点では、習氏の政権基盤が揺らぐ状況には至っていないものの、先行きは楽観できない。例えば、不動産市況の悪化が深刻化すれば、保有してきた財産価値の急減に直面する人は増える。その結果、国民の生活が苦しくなってくる。

それは政権に対する不満を高めることになりかねない。今年秋の党大会を控える習氏は、なんとしても求心力を保たなければならない。アリババやテンセントなどへの締め付けは想定以上に強まる可能性がある。3月下旬にテンセントは共産党政権の規制強化に従うと恭順の意を示した。

それによって民間企業の創業経営者は当局からの圧力に対応しつつ、より自由度の高い国で新しい取り組みを進めようとするだろう。やや長めの目線で考えると、IT先端企業への締め付け強化によって中国から海外に流出する生産要素(ヒト、モノ、カネ)は増えると考えられる。







●S&P、中国恒大をデフォルト判定 ドル建て債の利払い不履行
2021/12/17(金) 20:04配信
ロイター
大手格付け会社S&Pグローバルは17日、中国の不動産開発大手、中国恒大集団を正式にデフォルト(債務不履行)したと判定した。香港で7日撮影。(2021年 ロイター/Tyrone Siu/File Photo)

[ロンドン 17日 ロイター] - 大手格付け会社S&Pグローバルは17日、中国の不動産開発大手、中国恒大集団を正式にデフォルト(債務不履行)したと判定した。

S&Pは声明で「中国恒大集団とオフショア金融部門の天基控股は米ドル建てシニア債の利払いを実行しなかったとみなす」と表明。

また格付けを「一部不履行(SD)」に引き下げた後、中国恒大から格付けの撤回要請があったと明らかにした。

「恒大、天基、信託人は利払いの状況について、発表や当社への確認を一切していない」とした。


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最終更新:12/17(金) 20:04
ロイター




●中国恒大、事実上のデフォルト 事業は継続へ
2021/12/7 19:18
三塚 聖平

中国・深圳の中国恒大集団本社=9月(ロイター=共同)
【北京=三塚聖平】複数の欧米メディアは7日、巨額債務で経営危機に陥っている中国不動産大手「中国恒大(こうだい)集団」の米ドル建て社債の保有者が、6日の期限までに利払いを受けていないと報じた。これにより、同社として初のデフォルト(債務不履行)状態に陥った可能性がある。デフォルトになってもすぐに事業を停止せず、地元政府の監督下で海外の債権者との債務再編の協議などを進める見通し。

実行できなかったと伝えられているのは計8249万ドル(約94億円)の利払い。11月6日に本来の期限を迎えていたが実行せず、30日間の猶予期間に入っていた。同社はこれまで、猶予期間終了間際に利払いを行い、ギリギリのところでデフォルトを免れていた。今後も社債の利払いが控えており、国内外の金融市場の反応が注視される。

同社の資金繰りは綱渡りの状態が続いており、今月3日には債権者から米ドル建て2億6000万ドルの債務保証の履行を求められていると発表。海外の債権者と債務再編の協議に入ることも表明していた。返済期限の延長や、債権カットを求めるとみられ、債務再編協議は難航が予想される。

恒大集団は6日、経営危機の対処にあたる「リスク管理委員会」の設置を発表。メンバーには、同社が本社を置く広東省の政府系投資会社の幹部らが加わった。広東省政府は恒大集団に作業チームを派遣するなど関与を強めている。

恒大集団の負債総額は、6月末時点で1兆9665億元(約35兆円)。中国当局は、同社の問題は「やみくもな事業拡大」に原因があると突き放している。恒大集団の救済が目的でなく、不動産・金融市場の安定を重視する姿勢を明確化している。

習近平政権は昨年夏以降、不動産価格高騰やバブルに対処するため、不動産融資に関する規制を強化。それにより、恒大集団など不動産大手が経営状況を悪化させている。







●中国恒大、ドル債利払い資金を送金 土壇場でデフォルト回避
2021/10/22(金) 11:04配信
ロイター

 中国不動産開発大手の中国恒大集団は、9月23日に期限を迎えていた社債利払いの資金を10月21日に受託者の口座に送金した。関係筋が22日、ロイターに明らかにした。写真は広東省深センいある同社の本社ビル。9月撮影(2021年 ロイター/Aly Song)

[香港 22日 ロイター] - 中国不動産開発大手の中国恒大集団は、9月23日に期限を迎えていたドル建て債利払いの資金を今月21日に受託者の口座に送金した。関係筋が22日、ロイターに明らかにした。翌23日が30日間の利払い猶予期間の期限で、土壇場でデフォルトを回避することになる。

21日にドル建て債の利払いとして8350万ドルをシティバンクの受託者口座に送金したという。これにより、全ての社債保有者が利払い猶予期間が終了する23日までに利払いを受けられることになる。利払い資金の送金については中国政府系の証券時報が先に報じていた。

一部社債保有者の担当弁護士は「(恒大は)短期的なデフォルトを回避したようで、流動性を何とか確保したことは若干の安心材料だ」とした上で、「ただ債務の再編は必要だ。今回の利払いは、恒大が厳しい再編手続きを前に利害関係者に責任感のようなものを示したとも考えられる」と述べた。

恒大は、ロイターのコメント要請に応じていない。シティはコメントを拒否した。

恒大を巡っては21日、支払いを見送っていた2億6000万ドル相当の社債の償還期限延長で保有者側と合意したと金融情報サービスのREDDが伝えていた。

中国当局者からはここ数日、債権者の利益は保護されるといった不安緩和を狙った発言が相次いでいたが、利払い実行のニュースは市場参加者には驚きだった。

高騰国際資産管理の運用担当者は、デフォルトを予想する人が多かったため、ポジティブサプライズだったと述べ、今回の利払いを受けて次回以降も実行されるとの見方を示した。

恒大は9月23日と29日、10月11日が期日だった計2億8000万ドル弱のドル建て債利払いを見送っていた。

22日の取引で恒大のドル債は急伸。デュレーション・ファイナンスのデータによると、2022年償還債と23年償還債は10%以上上昇した。

株価は一時7.8%急伸。同社株は2週間余りの取引停止を経て前日に再開されたばかりだった。恒大のニュースを受け、香港のハンセン本土不動産株指数は4%超急騰。本土市場でもCSI300不動産指数が6.5%の大幅高となった。

恒大にとって次の重要局面は、9月29日に実行しなかったドル債利払いの猶予期間が切れる10月29日。






●中国指導部 恒大集団の経営危機で軍・警察に「第1級厳戒態勢」を発令
2021/10/17(日) 7:05配信

NEWSポストセブン
恒大集団の経営危機が様々な影響を

 中国不動産開発大手、恒大集団が巨額な債務を抱えて経営破綻の危機に陥ったことに関して、マンション購入者らが購入代金の返還などを求めて混乱や暴力を伴う集団的な衝突が頻発しかねないとして、中国共産党指導部が中国人民解放軍や武装警察部隊などに対して「第1級厳戒態勢」を発令していたことが明らかになった。

 これは恒大集団が20万人の社員や380万人の間接雇用者、全国280都市で1300の不動産建設案件を抱えているためで、恒大集団が経営破綻した場合、全国的に大きな動揺を招くことが予想されるからだ。米政府系報道機関「ラヂオ・フリー・アジア(RFA)」が報じた。

 恒大集団は1兆9700億元(33兆7461億円)という巨額の負債を抱えており、債務不履行は避けられないとみられている。そうなれば、恒大集団だけでなく、不動産関連の鉄鋼、アルミ、建設業界にも影響が及び、民衆の不満が爆発する可能性がある。

 実際に、恒大集団の本社がある広東省深セン市では数百人のマンション購入者らが集会やデモを行って、「金を返せ」などと叫んで、警官隊と衝突するなど、一時、本社前は騒乱状態になったこともあった。

 このため、中国政府は9月下旬、全国の地方政府や国有企業に対して、「恒大集団の倒産によって起こりうる暴風雨に備えなければならない」とする文書を通達。「恒大集団が法的に秩序だった管理ができなくなった場合、最後の場面で介入しなければならない。最も重要なことはマンション購入者や失業など経済全体の連鎖反応を阻止し、社会的動揺を防ぐことだ」などと指示した。

 地方政府は法律家や会計士の専門家グループを組織したほか、警察などの政法部門を中心に集団暴動に対処する体制を整えている。

 また、党中央指導部の命令を受けた中央軍事委員会は全国の5大戦区の各部隊宛てに「第1級厳戒態勢」を発令し、休暇の取り消し、全隊員の待機、緊急時の出動に備えるよう命令した。これは「暴動や無差別殺傷事件など今後も不測の事態が発生する可能性がある」として、新疆ウイグル自治区やチベット自治区に継続的に出されている厳戒態勢と同じレベルだ。


●中国恒大、3回目の社債利払い遅延 過去3週間で
2021/10/12(火) 13:53配信

ロイター
 10月12日、中国恒大集団の一部のオフショア債券保有者は、ニューヨーク時間11日中に利払い受けられなかった。写真は深センで9月撮影(2021年 ロイター/Aly Song)

[香港 12日 ロイター] - 経営危機に陥っている中国の不動産大手、中国恒大集団は12日、社債の利払いを再び見送った。利払い遅延はこの3週間で3回目となる。

一部の債券保有者は中国恒大の2022年4月償還債、23年4月償還債、24年4月償還債にかかる総額1億4800万ドルの利払いについて、日本時間12日午後1時までに受け取れていないと証言。猶予期間の30日間が終了すれば投資家は多額の損失を被る可能性がある。

中国恒大からは今のところコメントを得られていない。

証券会社CGS−CIMBはノートで「流動性問題が際立って改善しなければ今後デフォルトは拡大するだろう」と指摘。信用格付けが引き下げられたデベロッパーは現時点で借り換えも困難になっていると付け加えた。

RFAは北京の識者の話として、「習近平国家主席ら最高指導部は地方の暴動が首都北京や上海などの大都市に波及することで、一党独裁体制が揺らぎかねないとの危機感を抱いているようだ」と報じている。

 このため、国際的な信用格付け機関であるフィッチ社は、住宅投資は中国の国内総生産(GDP)の約10%を占めており、他の産業にも大きな波及効果をもたらしているとして、「住宅着工件数が減少し、財政圧力が不動産投資を圧迫していることから、今年の中国の経済成長率の見通しをこれまでの8.4%から8.1%に下方修正する」と発表。また、バンク・オブ・アメリカも来年の中国の経済成長率予測を6.2%から5.3%に引き下げている。






●中国恒大、なぜ経営危機? 政府の方針転換に翻弄―ニュースQ&A
2021年09月25日17時45分

 中国不動産開発大手の中国恒大集団が経営危機に陥った。負債は国内総生産(GDP)の2%に相当する約33兆円。国内外で不安が広がっている。
 ―どんな状況なの。
 恒大は23日にドル建て社債の利息を支払う約束だったが、米メディアによると、資金不足で支払うことができなかった。
 ―今後どうなる。
 期日を過ぎても、30日以内に支払えば大目に見てもらえる。ただ、それもできなければ、元本も返せない「デフォルト(債務不履行)」状態に陥ったと見なされ、信用を失う。銀行取引などは難しくなり、経営破綻の可能性が高まる。
 ―倒産しそう?
 恒大は電気自動車(EV)事業や、香港に保有するオフィスビルなどを売却して資金を確保し、利息の支払いに充てようとしている。売却交渉は行われているが、30日以内にまとまるかどうか分からない。
 ―危機の背景は。
 中国政府は経済成長の重要な担い手として、不動産業界の発展に力を入れてきた。ただ、住宅価格が高くなり過ぎたため、業界への融資を抑えるよう、国内の銀行に指示した。恒大は新たな借り入れができなくなり、資金繰りが悪化した。政府の方針転換に翻弄(ほんろう)された格好だ。
 ―影響はどうなの。
 大半の建設工事がストップし、住宅購入者に物件を引き渡せなくなっている。また、恒大がお金を集めるために販売した高利回りの投資商品は利払いが滞り、商品購入者が本社に詰め掛ける騒ぎも起きている。
 ―問題は広がる?
 恒大と同じように多額の借り入れに頼ってきた不動産開発会社が行き詰まっている。万一破綻が相次ぐと、融資した銀行の経営も悪化しかねない。景気への影響も心配だ。
 ―「リーマン・ショック」みたいになるの。
 専門家の間では、世界中を巻き込む金融危機にはならないとの見方が優勢だ。中国指導部は、極めて重要な共産党大会を1年後に控えて社会の安定を最重視している。金融危機は全力で阻止するだろう。ただ、これだけ巨大な不動産会社の経営危機は中国で過去に例がなく、政府の対応がどうなるか不透明だ。(北京時事)






●経営危機の恒大集団 香港市場での取引停止
10/4(月) 13:27配信
TBS系(JNN)
 経営危機に陥っている中国の不動産大手「恒大集団」とグループ会社の株式取引が香港市場で停止されました。

 中国メディアによりますと、香港証券取引所はけさ、恒大集団と不動産管理を行うグループ会社について、株式の売買を停止すると発表しました。取引停止の理由については明らかにされていません。自動車関連のグループ会社については取引が継続されています。

 恒大集団をめぐっては、先月に支払期日を迎えたドル建ての社債について利払いができなかったと報じられています。(04日11:59)





●中国で「第2の恒大」警戒 不動産1日1社が消滅
2021/10/2(土) 18:45配信

産経新聞
【北京=三塚聖平】総額33兆円の巨額負債を抱えた中国不動産大手「中国恒大(こうだい)集団」の経営危機が深刻化しているが、中国の不動産業界では同社以外にも資金繰りに窮する大手企業の存在が指摘される。「第2の恒大」となることが懸念されており、習近平政権も混乱が市場全体に波及することを警戒している。

9月下旬、中国不動産大手の「融創(ゆうそう)中国」の経営状況への懸念がにわかに高まった。中国メディアによると、同社の浙江省紹興市にある子会社が、住宅販売が落ち込んで資金繰りも悪化しているとして地元当局に支援を要請したとされる書簡がインターネット上に流出したためだ。同社本社は声明を発表し、子会社幹部が作った文章だということは認めつつも、「政府に要請はしていない」と主張。事業運営は正常だと強調するなど懸念払拭に努めた。

業界4位という同社は、今年6月末時点の負債総額が約9971億元(約17兆2000億円)に達する。不動産市場の過熱を警戒する習政権の規制強化で、恒大に限らず業界全体で経営環境は悪化している。中国政府は昨年夏、資産に対する負債の比率を一定範囲内に抑える措置を打ち出しており、こうした政策変更で不動産会社の資金調達が難しくなっている。

工業団地の開発を主に手掛ける不動産大手の「華夏幸福」も9月上旬までに、既に期日を過ぎている計800億元(約1兆4000億円)を上回る社債の元本や利息の支払いができていないと伝えられる。業界内で連鎖的に資金繰り悪化をもたらす事態も懸念される。

規模が小さい企業はより厳しい状況とみられ、年初から9月5日までに274の不動産会社が経営破綻しているという。1日平均1社のペースで消滅している計算となる。

習政権も、不動産市場全体の混乱を防ぐ姿勢を鮮明にしている。中国人民銀行(中央銀行)は9月下旬に開いた金融政策委員会で、「不動産市場の健全な発展や、住宅消費者の合法的な権益を守る」との方針を確認。同委で「不動産」に触れるのは異例だという。

ただ、習政権は「共同富裕」を掲げて貧富の格差解消に重点を置いており、個別の不動産会社の救済には乗り出さないという見方が根強い。融創中国トップの孫宏斌氏は8月末に、今年後半の業界の状況について「悲惨となることが見込まれる」と指摘している。






●経営危機の中国恒大 社員「7月から頻繁に金融商品買わされた」
2021/9/27(月) 17:40配信

TBS系(JNN)

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 経営危機に陥っている中国の不動産大手・恒大集団。そのグループ会社の社員がJNNの取材に応じ、「今年7月から金融商品を頻繁に買わされるようになった」と証言、資金繰り悪化の実態が浮かび上がりました。

 33兆円もの巨額の負債を抱えた中国恒大集団。年末に向け、社債の利払いの期日が相次いで迫っています。

「恒大集団」グループ会社の社員
 「恒大の金融商品を買った分の金も取られた。会社から言われて買ったのに、 しかも給料も出してくれず、二重の損失です」

 JNNの取材に応じたのは「恒大集団」傘下の会社に今年入社した30代の男性。先月から2か月分の給料が支払われず、5月に購入した10万元、日本円でおよそ170万円の金融商品も返済されない状態だといいます。

「恒大集団」グループ会社の社員
 「以前から社員は(恒大の)金融商品の購入を強いられていた。今年7月から頻繁に買わされるようになりました」

 今年5月から9月にかけて、6人の幹部が満期の前に金融商品の償還を受け、処分される一方で、一般の社員は1人最低170万円のノルマで幹部から強制的に商品を購入させられたといいます。恒大や関連企業は社員から現金を集めなければならないほど、この時点には資金繰りがかなり悪化していた可能性があります。

 「恒大は金融詐欺をしている」

 今月24日、湖南省で撮影された映像です。中国共産党で腐敗や汚職を監督する機関の前で、個人投資家は返済を要求。恒大への抗議活動も続いていて、北京にある関連事務所のほか重慶市など、返済を求める声は各地に広がっています。

 社員に対し、何の説明もしていないという恒大集団。経営トップの許家印氏は、事業継続への意欲を強調していますが、すでに期日を迎えたドル建て債券の利払いの行方など経営不安は依然払拭されていません。(27日17:19)








●中国恒大、なぜ経営危機?  政府の方針転換に翻弄
2021/9/26(日) 7:30配信

時事通信
 中国不動産開発大手の中国恒大集団が経営危機に陥った。負債は国内総生産(GDP)の2%に相当する約33兆円。国内外で不安が広がっている。

 ―どんな状況なの。

 恒大は23日にドル建て社債の利息を支払う約束だったが、米メディアによると、資金不足で支払うことができなかった。

 ―今後どうなる。

 期日を過ぎても、30日以内に支払えば大目に見てもらえる。ただ、それもできなければ、元本も返せない「デフォルト(債務不履行)」状態に陥ったと見なされ、信用を失う。銀行取引などは難しくなり、経営破綻の可能性が高まる。

 ―倒産しそう? 
 恒大は電気自動車(EV)事業や、香港に保有するオフィスビルなどを売却して資金を確保し、利息の支払いに充てようとしている。売却交渉は行われているが、30日以内にまとまるかどうか分からない。

 ―危機の背景は。

 中国政府は経済成長の重要な担い手として、不動産業界の発展に力を入れてきた。ただ、住宅価格が高くなり過ぎたため、業界への融資を抑えるよう、国内の銀行に指示した。恒大は新たな借り入れができなくなり、資金繰りが悪化した。政府の方針転換に翻弄(ほんろう)された格好だ。

 ―影響はどうなの。

 大半の建設工事がストップし、住宅購入者に物件を引き渡せなくなっている。また、恒大がお金を集めるために販売した高利回りの投資商品は利払いが滞り、商品購入者が本社に詰め掛ける騒ぎも起きている。

 ―問題は広がる? 
 恒大と同じように多額の借り入れに頼ってきた不動産開発会社が行き詰まっている。万一破綻が相次ぐと、融資した銀行の経営も悪化しかねない。景気への影響も心配だ。

 ―「リーマン・ショック」みたいになるの。

 専門家の間では、世界中を巻き込む金融危機にはならないとの見方が優勢だ。中国指導部は、極めて重要な共産党大会を1年後に控えて社会の安定を最重視している。金融危機は全力で阻止するだろう。ただ、これだけ巨大な不動産会社の経営危機は中国で過去に例がなく、政府の対応がどうなるか不透明だ。(北京時事)


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●恒大、ドル債券利払いできず…中国当局は破産に備え指示
2021/9/25(土) 7:49配信

ハンギョレ新聞
ロイター「外国人投資家8350万ドルの利子受け取れず」 中国当局は直接支援を避ける模様
 最悪の流動性危機でぐらついている中国2位の不動産開発大手の恒大集団(エバーグランデ・グループ)が、ドル建て債券の利子を払えないことが伝えられた。350兆ウォン(約33兆円)台の負債を抱える恒大の破産憂慮がますます拡がっている。

 24日のロイター通信などの報道を総合すると、恒大は額面20億3千万ドル規模のドル債券に対する利子8350万ドルを前日までに支払わなければならなかった。だが恒大のドル建て債券を保有する外国人投資家らはこの日午前まで利子を受け取れなかった。

 複数の消息筋は「利払いがされず、恒大側は利子の支払いに関連した質問に返事もない状態」と伝えた。ただし、債券契約により利子の支給予定日から30日間の猶予期間が設定されているため、直ちに債務不履行(デフォルト)宣言がなされはしない状態だ。

 恒大側もこの日支給しなければならない中国元建て債券の利子2億3200万中国元(約39億6千万円)問題を「解決」したと前日明らかにした。だが、恒大が利子をまともに支払ったのではなく、債権者との交渉を通じて一部だけ支払ったり期間を延長したという観測が優勢だ。これに先立って恒大は今月13日に、現金分割返済▽実物資産返済▽住宅購入残金相殺返済などを債券返済方案として提示している。

 中国当局は、恒大に対する直接支援の代わりに、金融市場の安定化に集中している。ブルームバーグ通信は「恒大事態で不安感が増幅された金融市場の安定化のために、人民銀行はこの日だけで700億中国元(約1兆2千億円)の短期流動性を供給した」として「ここ5日間で人民銀行が金融市場に投じた資金は合計4600億中国元(約7兆8千億円)に達する」と伝えた。

 これと関連して同通信は、内部の消息筋の話を引用して「中国金融当局が最近、恒大側に対し、現在進行中の不動産開発事業を早く終え、個人投資家の債権を積極的に返済する一方、短期的にドル債券の債務不履行(デフォルト)を避けるためのすべての措置を取るよう促した」と報道した。だが、債務履行のために金融当局が恒大側に財政的支援をするとみられる情況はなかったと伝えた。

 ウォールストリートジャーナルも前日「中国当局が地方政府と国有企業側に、恒大が秩序ある方式で問題を管理できなくとも、介入は最後の瞬間にするよう指示した」と伝えた。当局次元の直接支援ではなく、恒大破産の“後の混乱”に備えるもようだ。

 同紙は「国務院金融安定発展委員会(委員長:劉鶴副首相)が今月初めに地方政府側に実務陣を設け、恒大事態と関連した社会・経済的不安の点検を指示した」として「特に地方政府別に会計・法律の専門家を中心に実務陣を構成し、当該地域で恒大が進行中の事業の金融状況を点検し、地域の国営企業と民間企業側も恒大の事業引き受けの可能性に備えるよう指示した」と付け加えた。

 恒大は、現在中国の200都市余りで約800件の不動産開発事業を進行中だが、納品業者に対する代金未支給などにより一部の工事はすでに中断されたと伝えられた。

北京/チョン・インファン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )




●【グローバルアイ】中国政府は恒大を救うだろうか
2021/9/24(金) 16:04配信

中央日報日本語版
恒大集団が北京に開発中のマンション。22日基準、タワークレーンが止まるなど工事が中断された状態だ。パク・ソンフン特派員

最近中国の話題は不動産開発会社「恒大集団」の破綻危機説だ。香港証券取引所を基準として恒大株は20日一日だけで10.24%ポイント急落した。今年6月23日に1万800元(184,680円)だった株価は3カ月で2280元(38,988円)に80%近く落ちた。

さらに会社財務報告書によると、総負債規模1兆9700億元(約33兆6,870億円)のうち1年以内に償還しなければならない金額は2400億元(4兆1,040億円)で、現金保有額868億元(1兆4,843億円)の3倍に達する。恒大危機説は今月8日に子会社2社が9億4300万元(161億2,530万円)の負債を償還できないことが伝えられて本格化した。外信を中心に2008年リーマンショックのような国際金融危機が世界を襲う可能性があるというニュースが連日流れた。

ところが中国現地で体感しているものとは多少距離がある。22日、北京首都空港の近くに恒大集団が建設中のマンションを訪れた。予想とは違って2023年完工予定のマンションの工事は現在も進行中だった。工事や販売に支障がないのか、恒大側の関係者に確認してみた。

財務関係者によると危機説が伝えられ始めてから物件を求めようとする顧客はむしろ増えたという。ブルームバーグ通信は20日、恒大が流動性確保のために実物資産に対する売却に入ったとし、最大48%までおさえた価格で販売されていると報じたことがある。反面、房山区にある別の恒大建設マンションの現場は工事が中断された状態だった。大型タワークレーンは稼働を止め、工事現場に積み上がった木材は色があせていた。現場で会った入居予定者の李さん(45)は「資金源が切れればどうなるのかという心配で眠れない」と話した。

大型不動産建設会社の不渡りの波紋を知らないはずがない中国政府にもまだ特別な動きがない。15日、国務院記者会見で付凌暉報道官は恒大の債務不履行リスクを尋ねる質問に「一部の大型不動産会社が運営に困難があり業界に及ぼす影響に対する観察が必要だ」としつつも「政府が今年初めから住宅投機禁止原則を守り、不動産市場は全般的に安定的」と答えた。当局が現在の不動産状況に満足していて、介入する意思がないということを暗示したといえる。

恒大の負債はこの5年で1兆3600億元(23兆2,560億円)も暴騰した。レバレッジを狙って短期借入を増やした結果だった。共同繁栄を前面に出して不動産市場を安定させようとする中国政府の立場で、恒大は救済対象になりえるだろうか。「観察」は他の不動産会社と投機家・投資家に対する警告かもしれない。

パク・ソンフン/北京特派員




●2021/09/24

中国恒大、23日の利払い実行困難に 米時間で期限迫るも説明なし
By Reuters Staff

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[香港/シンガポール 23日 ロイター] - 中国の不動産開発大手、中国恒大集団3333.HKの資金繰り問題は、社債の一部の利払い日である23日が過ぎたが会社側から新たな説明がなく、デフォルト(債務不履行)懸念が一段と高まった。


中国の不動産開発大手、中国恒大集団<3333.HK>の資金繰り問題は、社債の一部の利払い日である23日が過ぎたが会社側から新たな説明がなく、デフォルト(債務不履行)懸念が一段と高まった。香港で8月撮影(2021年 ロイター/Tyrone Siu)
中国恒大集団は23日、20億ドルに及ぶオフショア社債の利息として8350万ドルを支払うことになっていた。また、来週には4750万ドルのドル建て債利払いが控えている。23日の人民元建て債については、利払いを実行すると今週発表し、市場の懸念が一部で和らいでいた。[nL4N2QO0KO]

現時点で中国恒大から何の情報もなく、広報担当者からのコメントも得られていない。利払い期限は過ぎたが30日の猶予期間があるため、即座にデフォルトとはならない。

プリンシパル・グローバル・インベスターズ(シンガポール)のアジア債券部門責任者、ハウ・チョン・ワン氏は「この段階では誰も大きなリスクを取りたがらないため不気味な沈黙が続いている」と述べ「中国恒大のような規模は前例がない。中国が連休に入るまでの今後10日ほどの間に事態がどのように展開するかを注視する必要がある」と指摘した。

ジャナス・ヘンダーソン・インベスターズの新興市場アナリスト、ジェニファー・ジェームズ氏は「市場はドル建て社債を保有する投資家がほとんど資金を回収できないとの見方を織り込んでいる」と指摘。同社が債権者と協議して事業再編計画をまとめるというのが最も確率の高いシナリオだとした。

また、中国政府が恒大問題への対応を誤れば、信頼の喪失が他の金融市場にも波及する可能性があると予想した。

ブルームバーグ・ローは23日、中国当局が同社に対し、当面ドル建て社債のデフォルトを回避するよう指示したと報じた。

報道によると、当局は恒大集団の経営陣との会合で、デフォルト回避に向けて債権者と積極的にコミュニケーションを図るべきと述べた。ただ、具体的な指針は示さなかったという。

一方、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは23日、関係筋の話として、中国当局が地方自治体に対し恒大集団の破綻に備えるよう求めていると報じた。

また、これとは別にブルームバーグは、恒大集団の電気自動車(EV)部門が従業員への給与とサプライヤーへの支払いを停止していると報じている。

  BNPパリバUSAのジャン・イブ・フィリオン最高経営責任者(CEO)は23日、CNBCに「中国恒大は深刻な状況にあるが、セクターという点では主に中国国内の不動産部門とその取引先に集約されている」とし、「歴史的に中国政府はこの種の状況に対処し、解決してきた。中国恒大の状況と堅調な米株市場との関連性はあまり大きくないと考えている」と述べた。

恒大の3050億ドルに上る負債のうち、オフショア債は約200億ドルにとどまる。同社の経営破綻は中国経済の4分の1を占める不動産部門の機能停止につながる恐れがあり、国内のリスクは大きい。

ソシエテ・ジェネラルは調査ノートで、住宅販売・投資の一段の減速は必至で、国内総生産(GDP)成長率を1%ポイント近く押し下げることになると分析。「政策当局が行動を先延ばしすればするほど、ハードランディングのリスクは高まる」とした。

しかし、これまでのところ当局が本格介入する兆しはあまりない。中国人民銀行は24日も含め、今週、計2700億元(420億ドル)を市場に供給、週間の合計としては1月以降で最大となり、株価を下支えした。

中国恒大の許家印主席は22日夜の社内会議で、同社の理財商品の投資家への償還が最優先事項だと述べたほか、確実な不動産の引き渡しを幹部に指示した。これを受け、株価は一時30%上昇した。[nL4N2QP1LY]

24日の取引で同社の株価は反落。EV部門の中国恒大新能源汽車集団0708.HKは18%急落し、4年ぶりの安値を付けた。

オスカー・アンド・パートナーズ・キャピタル創業者で最高投資責任者のオスカー・チョイ氏は、中国恒大が警戒しているのは建設事業が進められず、作業員に給与を支払えず、個人投資家が損失を被ることで社会的緊張をあおることだと指摘。こうした優先事項が解決できれば、同社は他の債権者と協議を行うと予想し、「そうでないと、数十万人が政府と争うことになる」と述べた。

DBS銀行(シンガポール)のマクロストラテジスト、Wei-Liang Chang氏は「中国の慎重な政策決定ペースを踏まえると、当局は時間稼ぎを選ぶかもしれない」と指摘。中国恒大が22年3月までドル建て債償還がないことから、当局は利払い猶予期間を利用して流動性支援を延長することが可能だと説明した。






●中国恒大集団の経営危機で露呈 そもそも中国人はなぜ、のどから手が出るほど不動産を欲しがるのか?

中島恵ジャーナリスト
2021/9/24(金) 13:51

(写真:ロイター/アフロ)
経営危機に陥っている中国不動産大手・中国恒大集団の今後を巡って、中国国内はもとより、日本など海外でも大きな注目が集まっている。

恒大が経営危機に陥ったのは、政府による不動産会社に対する引き締め策などが大きな原因だが、もともと不動産を持っていなかった中国人にとって、近年、高騰しすぎる不動産は「一生働いても絶対に買えない」存在になっており、不満が燻っていた。

その一方、2017年ごろから、習近平国家主席は「住宅は住むものであり、投機の対象ではない」と語っており、右肩上がりで高騰し続ける不動産価格を目論んで、投機目的で何軒も購入して売りさばく「炒房」(チャオファン)に走る富裕層もおり、それに対して政府は警戒感を示していた。

そもそも、中国の不動産市場は、その成り立ちが日本とは大きく異なっており、日本人と同じ目線で見ていたら理解しにくい。

中国人がここまで不動産の購入に目の色を変え、必死になるのも、その成り立ちに中国ならではの特有の事情があるからだ。

住宅は国から「分配」されるものだった
では、中国の不動産市場はどのようにして成り立ってきたのか。

中国の不動産市場の歴史は長くない。1978年の改革開放政策よりも以前、住宅を建設、または管轄していたのは地方政府や国有企業などで、不動産は民間に開放されていないものだった。

中国では住宅分配制度が施行されており、都市部に住む人々のほとんどは「単位」(ダンウェイ)と呼ばれる組織(職場や学校、団体など)から非常に低い家賃で、誰もが平等に、そして必ず「分配」されるものだった。

その当時、個人が不動産を売ったり買ったりことは不可能であり、中国人にとっての住居は、今でいう社宅や寮のようなイメージに近いものだった。

1960〜1970年代、住宅は職場の敷地内や近隣などにあり、1960年代の資料を読むと、家計に占める家賃の割合は2%ほどしかなかったとある。

1978年の資料では、都市部の1人当たりの居住面積はたった3.6平方メートルしかなく、トイレや台所などは、同じ建物内の他の居住者と共用であることも多かった、と記されている。

しかし、改革開放を経て1980年代に入ると、住宅制度改革が始まり、徐々に「分譲住宅」というものができ始め、販売が解禁されるようになった。中国初の分譲住宅は、奇しくも現在問題となっている恒大集団が本社を置く広東省深圳市内にある「東湖麗苑」というマンションだといわれている。

同マンションは現存しており、当時の販売価格は1平方メートル当たり1000元(当時の為替レートで計算すると約12万9000円)だったが、中国の不動産サイトによると、2020年には同、約5万8000元(約87万円)となっている。今は外観も古くなったマンションだが、中国元ベースで見れば、約40年間で50倍以上も値上がりしたことがわかる。

日本でも多く報道されているが、中国では土地は国家のものであり、企業や個人が土地を売買することは禁止されている。だが、土地の使用権は地方政府(または国家)の許可を得れば取得することは可能だ。住宅の場合、その使用権は最長で「70年」までという決まりがある。

不動産の転売で裕福になった
中国の不動産が大きく変わる転機となったのは1990年代後半だ。その頃になって、分譲住宅の開発や販売が進むようになり、それまで「単位」に住んでいた人々は、その住宅をかなり低い価格で払い下げられるようになり、それを入手することができた(ここで入手できた人々と、入手できなかった人々との間に、その後、膨大な格差が生じ始める)。

都市部に住んでいる人々は、そのときに格安で不動産を入手。それは一定期間、転売が禁止されていたが、上海市などを皮切りに転売することが許されるようになった。

2000年代になると、その不動産を高値で転売できるようになり、転売した資金で自分は新しい不動産を購入し、そこが値上がりすれば、また転売して莫大なお金を手にするという、前述したような「炒房」をする人が増えた。ちなみに、「炒」は「転がす」、「房」は「不動産、住宅」という意味だ。

日本ではとても信じられないことだが、中国では一般の労働者であっても、当時、狭い「単位」を購入し、それを転売すれば価格は10倍以上になることも珍しくなく、その資金によって、その後、汗水たらして毎日働かずとも裕福になっていった人々が増えた。

不動産は値上がりするものだった
中国国家統計局のデータによると、住宅の販売価格は2000年から2020年までの20年間で約5倍に膨れ上がっている。

このことからもわかる通り、不動産は「値上がりするもの」という認識を多くの人々が持っており、その結果、不動産は「自分が住むためのもの」ではなく、「お金を生む道具」となり、自分の人生をバラ色に変えてくれる「踏み台」へと変化したのだ。

むろん、中国人が不動産を欲しがる理由はこの点だけではない。日本と比較して、賃貸マンションでは居住者の立場が弱く、突然追い出されるなど理不尽な目に遭う確率が高いこと、近年の習慣で、結婚の際は男性が不動産を買わなければならないこと、中国人は現金以外の財産(不動産、宝石、ゴールドなど)に価値を置くこと……などの理由もある。

しかし、不動産を持てるようになってから日が浅い彼らにとって、不動産という「モノ」を所有することには、強いこだわりと憧れがある。だからこそ、彼らの多くは、不動産の購入に目の色を変えて夢中になり、のどから手が出るほど欲しがるのだ。


中島恵
ジャーナリスト
山梨県生まれ。フリージャーナリスト。著書は最新刊から順に「中国人のお金の使い道」(PHP研究所)、「中国人は見ている。」、「日本の『中国人』社会」、「なぜ中国人は財布を持たないのか」「中国人の誤解 日本人の誤解」、「中国人エリートは日本人をこう見る」(以上、日本経済新聞出版社)、「なぜ中国人は日本のトイレの虜になるのか?」、「中国人エリートは日本をめざす」(以上、中央公論新社)、「『爆買い』後、彼らはどこに向かうのか」、「中国人富裕層はなぜ『日本の老舗』が好きなのか」(以上、プレジデント社)など多数。中国、香港、台湾、韓国などの文化、社会、ビジネス事情を取材し、ネットや雑誌、書籍等に執筆。

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●必ず保証すると言ったじゃないか・自殺したい…習政権、「恒大」対応に苦慮
2021/9/24(金) 7:19配信

読売新聞オンライン
 【深セン(中国広東省)=吉岡みゆき、上海=南部さやか】経営危機に陥っている中国の不動産大手・中国恒大集団に対する債権者らの抗議が各地で続発している。債務不履行(デフォルト)の危機がささやかれる中、返済のめどが立たないためだ。中国政府が安易に恒大の救済に乗り出せば富裕層優遇との批判を招きかねず、倒産させれば社会不安につながる。習近平(シージンピン)政権は板挟みの状態だ。

社員に怒号
23日、上海市中心部にある恒大のビルに抗議のために集まった債権者ら。右端は警察官=吉岡みゆき撮影

 上海市中心部にある恒大のビルでは23日朝、金融商品を購入した住民約100人が抗議に押し寄せた。

 「必ず保証すると言ったじゃないか」

 「責任者を早く出して説明しろ」

 社員らに怒号を飛ばす住民を警官6人が懸命になだめている。社員に詰め寄っていた60歳代の男性は「50万元(約850万円)を投資した。返金されるまで諦めない」と憤った。

 恒大の負債総額は6月末時点で、1兆9665億元(約33兆4000億円)の巨額に上る。広東省深セン市の本社では23日、多数の警官が抗議再発に備えて警戒に当たっていた。今月上旬から「金を返せ」と抗議する人々が詰めかけて、警察が公共の秩序を乱したとして一部を連行しても、各地の抗議の動きはやまない。

 恒大は18日、事態の沈静化に向け、投資者らに対し、滞った返済金をマンションの部屋などの提供で相殺する措置を始めた。だが、広東省広州市の対応窓口では22日時点で「一時停止」の看板が出されるなど、手続きに進展はないようだ。

建設放置も
工事が止まった広東省仏山市の建設現場。フェンスには、恒大が米経済誌の世界企業番付に名を連ねたことが記されている(17日)=吉岡みゆき撮影

 恒大が全国で手がけるマンション建設も、途中で放置されるケースが相次ぐ。広東省仏山市の建設現場では7月に建設が止まって以降、作業員は一人も戻っていない。近くの女性清掃員(51)は「作業員への給料未払いで、労働争議も起きていた」と語った。

 投資目的でこのマンションの一室を五十数万元(約1000万円)の一括払いで購入した40歳代の男性会社員は、他の購入者らとの情報交換のためSNSのグループチャットに加わった。「結婚のために買った家だった。自殺したい」と投稿した人もいるという。


■建設放置も

 恒大は23日、8353万ドル(約91億円)の社債の利払いを控えていた。米ブルームバーグ通信は、社債の保有者の話として、夕方時点で支払いが行われていないと伝えた。29日も追加の社債の利払いがあるなど、年内に米ドル建てだけで合計6億3110万ドルの利払いを予定し、デフォルトの危機が今後も待ち受ける。

 習政権にとっては、恒大を救済せず倒産という事態になれば、抗議の激化が確実視されるうえ、大量の失業者も生みかねない。来年の共産党大会を前に、習国家主席が最重要視する「社会の安定」を損なう事態を招くおそれがある。

 一方で、習氏は、貧富の格差を解消して全国民が豊かになることを目指す「共同富裕」を打ち出しているだけに、乱脈経営を行った恒大の救済に乗り出せば、習氏の号令は看板倒れと受け取られかねない。

 中国紙関係者によれば、宣伝当局は官製メディアに対し、恒大の経営危機を巡り独自報道を禁じる通達を出したという。

 ◆中国恒大集団=中国不動産業界第2位で、2020年12月期の売上高は5072億元(約8兆6000億円)。傘下には、ミネラルウォーターや電気自動車(EV)メーカー、サッカーの強豪クラブである広州FC(旧広州恒大)もある。6月末時点の従業員は約16万3100人。










●中国恒大 社員「なぜ今騒ぐ?」 巨額負債で経営危機直面も
2021/9/23(木) 18:54配信

TBS系(JNN)

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 経営危機が伝えられる中国の不動産大手、恒大集団。経営トップが事業継続への意欲を強調する中、利払い期限を迎えた23日の本社の様子はどうだったのでしょうか。

記者
 「恒大本社前です。公安と書かれた警察の大型車両、きょうは4台、止められています」

 日本円にして33兆円もの巨額の負債を抱え、経営危機が伝えられる中国恒大集団の本社前。23日も厳重な警戒が敷かれていました。入り口では警察官が出入りをチェック。中国恒大の社員によると、本社ビルで働く人以外は建物には入れないといいます。

 男性社員は「なぜ今頃騒いでいる」と平然とした様子で、会社が抱える負債について、こう話しました。

中国恒大の社員
 「返済のメドが立って、どんどん返せています」

 ただ、23日が期限の社債の利払いについては・・・

中国恒大の社員
 「特に上から何も聞いていない」

 こちらは中国恒大が手がけた南部・雲南省のマンション。広さ140平方メートルですが、価格は196万元、日本円でおよそ3300万円と手頃な価格帯とされます。中国恒大は、金融機関からの融資や社債の発行などで資金を調達。全土で、こうした物件の開発を次々進めましたが、負債は膨らみました。また、中国政府が不動産バブルを警戒して規制強化を進めたことで資金繰りが悪化。経営破綻への懸念が広がっているのです。

 こうした中、経営トップの許家印氏は22日深夜の臨時会議で・・・

経営トップ 許家印氏
 「建設工事や販売を再開することによってのみ、投資家への円滑な支払いや金融機関への返済は確保できる」
 と事業継続への意欲を強調。

 ただ、年末にむけ利払い期限は今後も相次ぎ、また、「共同富裕」をスローガンに習近平指導部が格差是正を目指す中、救済に動くのかは不透明です。(23日18:25)





●中国恒大に96億円投資 年金運用「直ちに影響ない」―GPIF
2021年09月22日18時05分

 公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が中国の不動産開発大手で経営危機に直面している中国恒大集団とグループ企業に投資していたことが22日、分かった。2021年3月末時点で株式と社債を合わせて約96億円保有。GPIFは「長期的観点で分散投資しており、直ちに年金運用への大きな影響はない」と説明している。





●中国不動産大手・恒大ショックで“世界同時株安” 東証急落、3万円割れ 巨大債務抱え…下請け企業や取引銀行に経営不安拡大の恐れ
2021/9/21 20:00
経済
金融


 中国の不動産大手、中国恒大集団の巨額債務問題が世界の市場を揺らしている。香港や欧米株が急落したのを受けて、3連休明け21日の東京市場も朝から売り一色となり、日経平均株価は3万円の大台を割り込んだ。中国恒大は23日以降、社債償還の期日が相次ぐこともあり、市場関係者の警戒が続いている。

 日経平均は午前9時3分現在、前週末終値比667円53銭安の2万9832円52銭で取引されている。

 20日のニューヨーク市場でダウ工業株30種平均の下げ幅が一時、970ドルを超え、終値も614・41ドル安の3万3970・47ドルと3日続落だった。株式以外の相場も先行きへの警戒感が広がり、ニューヨーク原油先物相場や代表的な暗号資産(仮想通貨)のビットコインも下落した。

 この日は香港市場や欧州市場も軒並み下げた。世界株安の火種となったのが中国恒大だった。20日が期限の利払いを行わなかったほか、23日には8350万ドル(約91億円)の社債の利払い、29日には4750万ドル(約52億円)の社債の利払いが控える。30日以内に利払いを履行できなければ、デフォルト(債務不履行)となることから、資金繰りに関する投資家の懸念が急速に高まっている。

 20日の中国恒大の株価は一時、約19%下げた。終値は10・24%安の2・28香港ドル(約32円)だった。巨額債務を抱え、資金繰りが行き詰まれば、下請け企業や取引銀行に経営不安が広がる恐れもある。

 新政権への期待感から今月に入って3万円を回復していた東京市場も、朝方は「中国恒大ショック」の余波で売りが浴びせられた。

 市場では中国恒大1社だけの問題なのか、中国の不動産市場全体に波及する問題なのかを見極める展開だが、東京市場は23日も休場となるため、身動きが取りづらい相場となりそうだ。






●中国恒大株の下落続く、社債軟調−S&Pはデフォルト寸前と指摘
Kevin Kingsbury
2021年9月21日 10:09 JST 更新日時 2021年9月21日 13:49 JST

広範な波及がある場合にのみ、政府は介入せざるを得ない−S&P
最も暗い時期から近く抜け出すと確信−許会長が従業員に伝える
Hong Kong Stocks Sink as Property Fear Spreads Beyond Evergrande
Photographer: Lam Yik/Bloomberg
21日の香港株式市場で、中国不動産開発大手の中国恒大集団株が大幅続落。ドル建て社債も値下がりしている。格付け会社S&Pグローバル・レーティングが中国恒大はデフォルト(債務不履行)寸前の状況にあると指摘したことを受け、より幅広い波及懸念が強まった。

  21日の中国恒大株は一時7%下落。前日は約10年ぶりの安値で引けていた。ブルームバーグがまとめた価格によると、2022年償還のドル建て債(表面利率8.25%)は額面1ドルに対して24.9セントと0.3セント下落。恒大はアジアで最大の高利回り債発行体となっている。

Evergrande's shares have plunged to a near-decade low

  S&Pは20日のリポートで、「中国政府は複数の主要開発業者の破綻を引き起こしたり、経済へのシステミックリスクをもたらしたりする広範な波及がある場合にのみ、介入せざるを得ないとわれわれは考えている」とし、「恒大だけの破綻ならそのようなシナリオにつながる公算は小さそうだ」と説明した。

  だが、S&Pは中国恒大の問題が国内不動産セクターやジャンク(投機不適格)級のクレジット市場に対する投資家の信頼感に一段の打撃となる恐れがあるとも指摘。波及懸念が世界的な相場下落に拍車を掛けている。

  恒大の許家印会長は、同社が最も暗い時期から近く抜け出すと固く信じていると従業員に伝えたと、同社の書簡を引用して中国紙・証券時報が報じた。建物の確実な引き渡しに向けて建設の全面再開を加速するとも説明したという。同社の広報担当者は書簡が本物だと確認した。

中国恒大は暗闇から近く抜け出すと許会長が従業員に伝える−証券時報

  中国政府が債務の伸び抑制に向けて設けた「三条紅線(3つのレッドライン)」を通じ、この1年にわたり不動産セクターに打撃となってきた政策の引き締めを投資家が見極めようとしている。中国政府がどの程度支援する可能性があるのかを巡り議論が活発になっている。

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原題:Evergrande Is Likely to Default Without Direct Support, S&P Says(抜粋)

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MUFG、傘下の米地銀をUSバンコープに売却へ−総額8800億円
萩原ゆき、浦中大我
2021年9月21日 19:20 JST 更新日時 2021年9月21日 20:12 JST
対価として現金とUSバンコープ株式2.9%取得、業務提携を協議
来期に1500億円の売却益計上、株主還元として自社株買いを想定
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は21日、傘下の米地銀MUFGユニオンバンクの全株式をUSバンコープに売却すると発表した。売却の対価として現金55億ドルに加えて、USバンコープの株式2.9%分(25億ドル相当)を取得する。取引対価は約80億ドル(約8760億円)となる。

A US Bancorp. Location Ahead Of Earnings Figures
MUFGが傘下の米地銀をUSバンコープに売却へPhotographer: Daniel Acker/Bloomberg
  売却対象となるのはユニオンバンクが手掛けるリテールとコマーシャル ・バンキング事業。投資銀行業務などの一部事業はMUFG側が引き継ぐ。

  MUFGの米国部門は、規制対応や専門人材のコストが膨らみ経営効率の改善が課題となっていた。費用増加のピークは越えたが、今後のシステム対応への投資などを考慮し、売却を決めた。米国では持ち分方適用会社でもあるモルガン・スタンレーとの提携を通じた法人取引や投資銀行業務に経営資源を集中する。

  一方、USバンコープの株式を取得するとともに、同社との業務提携の締結を検討する。USバンコープを通じたリテールや商業銀行業務の間接的な関与を継続する。

  売却時期は関係当局の承認を前提に2022年1−6月を予定。MUFGの来期(23年3月期)業績で、特別利益として1500億円程度の売却益の計上を見込む。MUFGはユニオンバンク株の売却で得られる資金を株主還元や収益力強化に充てる考え。22年度中に自社株買いの実施を想定しているという。

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●中国恒大、幹部6人を処分 投資商品を前倒し償還
2021/9/18(土) 20:29配信

共同通信
香港にある中国恒大集団の建物の外観=2018年3月(ロイター=共同)

 【北京共同】中国の不動産大手、中国恒大集団は18日、グループが扱っている投資商品の償還を前倒しで受けていた幹部6人を処分したと発表した。恒大は巨額の債務で経営悪化が懸念されている。一般投資家より先に自社の幹部が償還を受けたことに批判が強まりそうだ。

 グループ傘下の恒大財富が扱う投資商品を保有し前倒しで償還を受けた幹部6人を処分した。償還も取り消した。恒大集団は「全ての人に対して区別のない対応を確保する」と強調した。

 恒大集団は不動産だけでなく電気自動車(EV)事業などへの多角化が裏目に出て債務が膨張している。

世界で最も資金調達能力の高い不動産企業といわれた中国恒大集団に、実は3000億ドル(1.95兆元、33兆円)以上の債務があることが明らかになった。昨年の段階で1.95兆元の債務のうち有利子負債は8700億元(14兆8000億円)あまりを占めていた。



●「中国恒大」問題とは?9兆円超す有利子負債を抱える巨大企業、破綻したらどうなる【一から解説】
2021/9/17(金) 16:25配信

ハフポスト日本版
中国恒大グループ本社(左)と中国恒大グループ本社前で座り込む女性(右)

ロビーに詰めかけた大勢の投資家たち。あちこちから「金を返せ」と怒号が鳴り響くー。

そんな光景が繰り広げられたのは、中国広東省深セン市にある不動産大手「中国恒大グループ」本社だ。

中国の不動産バブルに乗り、積極的な投資攻勢で成長。海外の有力選手も所属したプロサッカーチーム「広州恒大」など手広く事業を拡大したが、日本円にして9兆円を超える有利子負債を抱え、経営難にあえぐ。

なぜ中国不動産業界の雄は苦しんでいるのか。

過熱した不動産バブルはついに崩壊したのか。

破綻が起きた場合、どんな事態が待っているのか。

専門家への取材を元に一から解説する。

投資攻勢で成長
恒大グループは1996年に中国・広州市で創業した不動産開発大手だ。

中国では日本と違い、土地はすべて国が所有することになっている。

国は地方政府を通じて恒大のような開発業者などに土地の「使用権」を販売し、業者がマンションなどを建設。土地の使用権と建物の所有権をセットにして個人や企業へ売るのが一般的な流れだ。地方政府にとってみれば、この使用権を売り払った収入が貴重な財源になっている。

恒大はいわゆる不動産バブルに乗り、銀行などから融資を受けて積極的な投資を続け、2020年には中国物件販売面積で第2位となった。

金の元手は銀行からの借り入れだけではない。資産運用商品である「理財商品」も販売した。「理財」とは中国語で資産運用を指し、中国恒大に金を貸す代わりに得た債権を金融商品化したものだ。一般的には短期間で償還され利回りも高いものが多い(つまり、上手くいけば短期間で割りの良い儲けを得られる)とされるが、元本が保証されないものもある(大和証券)。

恒大は投資の対象を不動産事業以外にも広げる。電気自動車やヘルスケア、それに映画制作や日本のサッカーファンにも耳馴染みのある「広州恒大」などだ。創業者の許家印(きょ・かいん)氏はアメリカの経済誌Forbes(中国語版)の長者番付で中国トップに輝いたこともあった。

銀行は不良債権抱えるが...
大和総研の齋藤尚登・主席研究員(2020年3月撮影)

の恒大は今、負債に苦しんでいる。発表によれば、有利子負債(利子をつけて返すべき負債)は約5718億元(9.7兆円/21年6月末時点)まで膨らんでいる。

その理由はなぜか。過熱した不動産バブルが弾け価格が暴落したのかといえば、そうではない。

中国の不動産市場は活況だった。新型コロナ対策の一環として、政府が金融緩和(市場に出回る金を増やす効果がある)をすると、投資マネーが不動産市場に流れ込み、コロナ禍にあえぐ中国経済全体の成長を支えた。

一方で中国政府は「住宅は住むものであり、投機の対象ではない」というスローガンを掲げている。元は習近平国家主席の言葉だ。

そこで、不動産投資を抑制する政策を相次いで打ち出しているのだが、依然としてバブルは崩壊していない。政府が15日に公表した統計によると、今年1月から8月までに不動産投資に流れた金は、前の年と比べて10.9%増加。住宅価格自体も、伸び率こそ鈍化しているが上昇しているのだ。

「住宅はよく売れている状況です。政府の価格抑制策が悪い方向に影響したとか、バブル崩壊といった構図ではありません」中国経済に詳しい大和総研の齋藤尚登・主席研究員はそう指摘する。2015年12月から、中国の住宅価格の平均値は一度も下落していないという(70都市/対前年同月比)。

では、苦境の原因はどこにあるのか。

「恒大は電気自動車など幅広い事業に手を出しましたが、膨大な初期投資が必要でした。その資金を銀行やノンバンク、海外で社債を発行することで得たのですが、その後始末に困っているのが現状です。“野放図に事業を拡大させた巨大民営企業がデフォルトを起こしそう”。それ以上でも以下でもないと思います」

デフォルトとは債務不履行のこと。利息をつけて返すべき金が払えなくなったり、遅れたりすることで、齋藤さんは「そうなる可能性は高い」と分析している。

今回の問題で注目されているのは、中国政府の対応だ。国内屈指の不動産大手が経営破綻などに追い込まれた場合、国内経済全体への影響が危惧される。政府として救済措置を取るかどうかは焦点の一つだ。

「安易には救わないと考えます。元はと言えば放漫経営が招いたものですし、経営方針の誤りからデフォルトが起きるということ自体はどこにでもあります。その度に政府が助け舟を出せばモラルハザード(危機意識が薄れること)になります。デフォルトをしたら投資家が責任を被るのは当然で、(政府に)損失補填を求めるのはおかしい。ハイリスク・ハイリターンなものに投資するということは、そういうことです」

しかし、仮に経営破綻などに至った場合、その影響は中国経済全体に広がることはないのだろうか。例えば恒大に金を貸し付けている銀行が多くの不良債権(約束通りの金が支払われず、価値が低下した債権)を抱え、影響が波及することはないのか。

「例えば銀行を見れば、2020年の中国銀行全体の純利益は1.9兆元です。対して恒大の有利子負債は5700億元で、この中には(銀行が貸主ではない)社債なども含まれます。銀行からすれば、純利益の数割かは吐き出すものの消化可能な数字です。金融システムに異常が出る(金融危機などに陥ること)とは思えません。銀行のウエイトが大きい上海総合株価指数の動きを見ても、マーケットは恐ろしい事態の予兆だとは捉えていません」

しかしその一方で、恒大1社だけの問題とも言えなさそうだ。例えば、不動産価格は下落リスクに晒される。また、負債率の高い他の不動産開発業者も資金調達がより難しくなる可能性もあるという。

「恒大は不動産を値下げして“投げ売り”していると聞きます。それが価格全体に波及することはあり得ます。しかし、大幅な下落が数年続く事態は避けるべきですが、中国では収入の増加よりも早いペースで住宅ローンの負担が上昇していますから、下がること自体は悪いとは言い切れません」

さらに海外の投資家らが保有する米ドル建ての債権についても「デフォルトリスクは高い一方で、過大に受け取る必要はありません。リーマン・ショックのような時代を変えてしまうようなイメージは全くありません」と指摘した。

恒大は13日の声明で破産や再編を「全くのデマ」と否定した一方で、「未曾有の危機にある」と認めた。今後は、負債を減らすために資産の売却などが加速する見込みだ。

高橋史弥(Fumiya Takahashi)





●中国、「リーマン危機」再発防げるか−恒大巡る悪夢のシナリオ検証
2021/9/17(金) 13:56配信

(ブルームバーグ): 中国恒大集団への抗議活動が中国全土で行われている。極めて深刻な資金難に陥っている同社の資産運用商品を購入した7万人を超える投資家が損失や償還遅延に見舞われており、各地の同社オフィス前では抗議活動が繰り広げられている。恒大が関与する住宅の建設も止まりつつあり、100万人余りの購入者は途方にくれるばかりだ。

中国恒大巡る危機、新たな火種は満期の理財商品−抗議活動続く

恒大危機のあおりを受け、ただでさえ不安定だった不動産市場では投げ売りも見られ、同社以外の不動産開発会社も苦境に立たされている。その影響は中国国内総生産(GDP)の25%超を占めるサプライチェーン全体へと波及しつつある。新型コロナウイルス禍の中で消費者の買い控えが強まり、習近平国家主席が国民生活の向上を目指す政治的にも微妙な移行期に国民の不満が高まるリスクが強まっている。

信用市場の圧力は低格付けの不動産会社から、より大手の同業や銀行へと広がっている。今年6月までの1年3カ月で中国の株式・債券を計5270億ドル(約58兆円)購入した世界の投資家はこうした資産を手放し始めている。

恒大の下方スパイラルを中国政府が容認した場合、どうなるかを正確に予測するのは不可能だが、中国ウオッチャーらは共産党がどの程度の痛みを許容するかを踏まえつつ、最悪のシナリオを検証している。危機波及リスクの兆候が増す中で、介入圧力は高まっている。

中国恒大の債務、75%減免が債券アナリストの基本シナリオ

北京の投資銀行、香頌資本の沈萌ディレクターは「金融システムにとって重要なデベロッパーである恒大が破綻した場合、不動産セクター全体が問題に直面する」と予想。「債権者が債権回収に乗り出せば資産の投げ売りにつながるほか、住宅価格は打撃を受ける。サプライチェーン全体の利益率は圧迫され、資本市場でのパニック売りも招くだろう」と分析した。

現時点では沈氏を含め、取材に応じたバンカーやアナリスト、投資家のほぼ全員が中国政府は「リーマン危機」の再発を許すつもりはなく、恒大の債務3000億ドル相当の再編に当局が取り組み、システミックリスクを最小限にとどめるだろうとみている。

市場も同じ見解を示しているようで、上海総合指数は13日に6年ぶり高値を付けた後、3%未満の下げにとどまり、人民元は対ドルで3カ月ぶりの高値付近となっている。

しかし当局が介入しても問題が解決しない可能性もある。2016年1月に起きた中国株急落の際の対応失敗は、政策当局による金融市場のコントロールがいかに難しいかを如実に示した。

習主席がどの段階で行動に踏み切るかは引き続き不透明だ。金融当局は恒大創業者の許家印氏に対し債務問題の解決を迫ったが、当局はまだ政府が大型債務再編ないし破綻を容認するかどうかについて詳しく説明していない。

中国恒大は債務問題解決し「虚偽」情報の流布停止を−当局が叱責

また中国政府は必要なら民間企業を管理下に置くことを否定していない。中国人民銀行(中央銀行)と銀行保険監督管理委員会(銀保監会)は19年5月、包商銀行の公的管理に踏み切った。

中国政府が最終的に恒大をどう扱うかは、習主席が社会と金融の安定維持という目標とモラルハザード(倫理観の欠如)のバランスをどう取るかで決まる可能性がある。

中国は現在、経済成長減速や民間セクターに対する広範な締め付け、米国との緊張の高まりといった課題を抱えている。さらに習主席が共産党総書記としての3期目を目指す5年に1度の党大会を22年に控えており、判断の難しい時期となっている。

原題:China’s Nightmare Evergrande Scenario Is an Uncontrolled Crash(抜粋)

(c)2021 Bloomberg L.P.









●中国不動産業界に暗雲? 顧客詰めかけ「金返せ」
2021/9/16(木) 19:44配信

TBS系(JNN)

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 中国の不動産事業で業界2位の会社に経営破綻の懸念が出て、きょう一日、債権の取引が停止されるなど、混乱が続いています。

 「金返せ!金返せ!」

 中国・深センにある不動産大手「中国恒大」の本社で、金融商品の返済などを求めて抗議する人たち。「中国恒大」は業績の落ち込みで資金繰りが悪化し、経営破綻の懸念が高まっています。

 きょうは、傘下の不動産会社が信用格付け会社によって格下げされ、債券の取引が1日停止されました。

記者
 「『中国恒大』が手掛けるマンションです。今も、多くの作業員たちによって建設が進められています」

 「中国恒大」は「今までにない困難に直面しているが顧客の利益を全力で保障する」としていますが、中国政府は「一部の不動産企業の運営に困難がある」として業界に与える影響を注視する考えです。(16日18:16)






●中国恒大問題、業界全体に波及の恐れ=ゴールドマンとJPモルガン
2021/9/16(木) 9:12配信
ロイター
 9月15日、米ゴールドマン・サックスは、過剰債務と資金繰り不安に揺れる中国恒大集団の問題が中国不動産セクター全体に波及する恐れがあるとの見方を示した。香港で2018年3月撮影(2021年 ロイター/Bobby Yip)

中国恒大は2兆元(3050億ドル)近くの負債を抱えており、負債返済やサプライヤーへの支払いのための資金調達に苦慮している。

ゴールドマンのアナリストはノートで「中国恒大の不動産開発事業に一段の混乱が生じた場合、国内の不動産購入者や投資家のセンチメントに非常に悪い影響を与え、影響は不動産セクター全体に波及する可能性がある」と指摘。同社の選択肢として、オンショア事業の継続に向けた企業改革、第三者による出資、債務・株式の再編を挙げた。

また、JPモルガンは、同社を巡る状況は悪化しており、他のセクターに影響が及ぶことを防ぐために政府による追加措置が必要だと指摘。顧客やサプライヤーの利益を守るために同社が事業を継続することを期待しているとした。


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ロイター





●習近平には好都合?破綻危機「恒大集団」を見殺しか
2021/9/16(木) 6:01配信

1JBpress
(写真:Featurechina/アフロ)

 (福島 香織:ジャーナリスト)

 中国では不動産バブルが崩壊するとき、こういう状況がおきるのだなあ、と改めて震撼した。

 中国最大の民営デベロッパー「中国恒大集団」の一部理財商品(資産運用商品)の償還が9月8日に期日通りに行われず、さらに9月13日に、広東省当局が、恒大地産が行っている不動産プロジェクトに対して完成予定の不動産を抵当とする融資申請を認めない旨を通達した、との噂が流れた。これらのことが引き金となって、恒大集団総本部がある深圳、支社のある上海や重慶、四川省成都などの十数の都市で、数十人から数百人の理財商品購入者や個人投資家、住宅購入予定者がつめかけたのだ。

 ネットに流れる動画や写真をみると、群衆は、元金返金や建設再開を求めて、怒り、泣き叫び、企業関係者に詰め寄ったり、ガードマンともみ合ったり、興奮して失神したりしていた。ビルから飛び降りようとする社員もいた。恒大社員の中には、企業ノルマのために自分で自社の理財商品を購入していた者も多くいたのだ。年利7%をうたい文句にしていた理財商品は、もはや元本すら返ってくる可能性も薄い。まさに絶望と阿鼻叫喚の「取り付け騒ぎ」だ。こうした騒ぎが、これから全国に波及するかもしれない、と国内外のチャイナウォッチャーたちが固唾をのんで見守っている。

■ 3つのレッドラインを越えて「兵糧攻め」に

 中国はこの数年、ずっと「不動産バブル」圧縮政策を、手を変え品を変えて行い続けてきた。それでもなかなか思うように不動産価格が下がらず、ついに昨年(2020年)に不動産融資制限政策「三道紅線」(3本のレッドライン)という「兵糧攻め」策を打ち出した。3本のレッドラインとは、「(1)資産負債比率70%超、(2)純負債資本倍率100%超、(3)手元資金の短期債務倍率が100%を割り込む不動産企業」に対しては銀行からの融資を制限するという政策である。

この政策により、世界で最も資金調達能力の高い不動産企業といわれた中国恒大集団に、実は3000億ドル(1.95兆元、33兆円)以上の債務があることが明らかになった。昨年の段階で1.95兆元の債務のうち有利子負債は8700億元(14兆8000億円)あまりを占めていた。

 恒大は3つのレッドラインを越えていたため、銀行からの融資が制限される「兵糧攻め」に遭った。そこで恒大は、昨年から今年にかけて手持ち不動産を3〜5割の値引きで投げ売りして、償還金や返済の穴埋めに充てようとしたが、それでは間に合わなかった。さらに一部地方政府は不動産バブルが急激に弾けることをおそれ、販売代理店に対して不動産の過剰な値引きを禁止する行政指導を行った。一部都市では、15%以上値引きして不動産を売ることができなくなった。

 9月初めには地方当局から銀行に「返済」延期を受け入れるよう、指示が出て、格付け会社は「流動性と資金調達能力が悪化している」として恒大の格付けを一斉に引き下げた。株価はさらに暴落し、デフォルト不可避、早晩破産再編の手続きに入るであろう、との予測が広まっていた。

 一部理財商品の償還期日が延期されたことを受けて、9月10日には創業者で大富豪の許家印が「私が一文なしになっても、投資家たちが無一文になることはない」と訴えていたが、許家印の悲壮な訴えがなおさら不安をあおった。

 13日には広東省仏山市南海区住建局から、同区の恒大住宅リスクコントロール強化策として「不動産を抵当にした銀行への融資申請を認めない」「住宅を購入するための銀行への住宅ローン申請を受け付けない」という「紅頭文件」(公式文書)の写真がネットに流れた。このことが、前述の「取り付け騒ぎ」ににわかに広がったようだが、翌日、この文書がフェイクであり、拡散しないように、と当局からの呼びかけがあり、いっそう混乱した。

■ 政府は救済しない? 

 恒大集団のデフォルト危機に最終的にどう決着をくのかは、いくつかのシナリオが巷で流れている。

 当初は、やはり最終的には国家が救済してデフォルトを回避する可能性を予測する声もあった。

 中国の国有4大資産管理会社の1社である「華融資産管理」は、恒大集団と並ぶ巨大負債金融企業としてデフォルト寸前までいった。だが結局今年8月に、国有金融大手「中国中信集団」を通じた増資で破綻を回避した。国有銀行の不良債権の受け皿として作られた華融を破綻させてしまうと金融システミックリスクを引き起こすと心配されたからだった。

 だが恒大集団は民営企業であり、この8〜9月の中国の動きをみると、華融式の救済はないであろう、とみられている。一部では、破産再編に向けた委員会設立が模索されているという情報も流れており、広東省当局が編制した再編チームが恒大集団に派遣され、財務状況の調査を進めている、という。

 ブルームバーグが報じたアナリストの見立てでは、ドル建て債券保有者は投資額の25%ほどが回収されるという。主要住宅プロジェクトは国有デベロッパーが引き継ぐ形で完成させ、住宅引き渡しとサプライヤーへの支払いをまず守ろうとするだろう。

 最悪のケースとして言われているのが、他の不動産大手企業のドミノ連鎖的な倒産と金融システミックリスクが引き起こされる可能性だ。恒大集団の債務には外国人向けドル建て債券195億ドル(約2兆円)も含まれているので、当然、国際市場に対しても影響が小さくなかろう。リーマンショック級と言う人もいれば、それほどでもないのでは、と言う人もいる。

 中国当局者筋からは、金融システミックリスクを起こさず、企業の淘汰、破産再編するノウハウはすでに詰み上がっている、という意見も聞かれる。これがはったりかどうなのかは、私にはわからない。

 またドミノ倒産については、中小不動産企業はすでに昨年だけで500企業以上も倒産しており、すでに不動産業界の構造改革は始まっているという見方もある。


だがいわゆる「3つのレッドライン」のいずれかを越えている大手・中堅の不動産デベロッパーは60近くある。たとえ金融システミックリスクが回避できたとしても、深刻な失業問題や経済停滞現象を引き起こすことは避けられまい。不動産業は資源・資材、サービス業など非常に幅広い産業とリンクしている。

■ 「改革開放」と決別か

 だがそういったことも含めて、習近平政権の期待するところなのかもしれない。

 不動産バブル退治の荒療治は、習近平が掲げる社会主義初心への回帰、社会主義的「共同富裕」の理想という目標に通じる経済構造改革の一環であり、学習産業規制、芸能・エンタメ産業粛清などを含む昨今のあらゆる規制強化、指導強化、寡占禁止と連動した動きと考えていいだろう。この動きを左派ブロガーの李光満は「変革」「革命」と呼んだ。革命ならば流血も混乱も犠牲も当然伴うだろう。

 仮に恒大が破綻したとすれば、資産を失う投資家や富裕層は、その革命成就のために必要な犠牲、ということになる。しかも、阿鼻叫喚の取り付け騒ぎで悲鳴を上げる人々の混乱は、月給1000元レベルの6億人に上る共産党の基層階級(労働者、農民)からすれば無関係、むしろ仇富心(金持ちを妬み恨む気持ち)が刺激され、「ざまあみろ」と溜飲を下げるかもしれない。習近平にすれば、中国経済の減速や、規制強化による息苦しさの不満の矛先を自分に向かわせないために、ちょうどよい「混乱」になるというわけだ。

 こういう状況の中で、私は、許家印は「三角帽」を被せられ市中を引きずり回され、群衆の怒りの矢面に立たされる役割を担わされるのではないか、とみている。

 恒大集団創業者の許家印は今年8月半ばに、その責任を負う形で恒大集団の会長職を辞任した。1958年に河南省の貧困農村に生まれ、幼くして母を失い祖母に育てられ、苦学して武漢鉄鋼学院に進学、卒業後は国有鉄鋼企業でエンジニアとして10年働いた後、1996年、従業員20人から恒大を創業。改革開放の波に乗って世界500強企業に育て上げた。

恒大は、中国280都市で1300以上の住宅不動産プロジェクトを進め、社員20万人、プロジェクトに伴う雇用創出は3800万人、プロサッカーチームやサッカースクールを運営し、映画やアニメなど文化産業にも投資し、最近は電気自動車業界にも進出。実際、中国経済の大きな駆動力であったのだ。

 許家印は2017年、フーゲワーフ長者番付1位になり、総資産2900億元の中国一の大富豪になった。アリババ創業者・馬雲と並んで貧困から身を起こした成功者の象徴であり、まさに中国の改革開放の申し子なのだ。

 しかも父親が抗日戦争に参加した英雄であり、本人も忠実な党員であり、2018年に全国政治協商委員にとなって政治にも参加。「恒大のすべてを党にささげる、国家にささげる、社会にささげる」と公言していた。

 だが、だからこそ、習近平は許家印をターゲットにしたのだろう。貧農の出身とはいえ立身出世を遂げ、エルメスのベルトを締めて政治協商会議に出席する資本家の共産党員は、習近平の掲げる社会主義の初心の姿ではないのだ。むしろ、習近平の政敵、江沢民の「3つの代表」論(共産党が先進的生産力、先進的な文化、最も広範な人民の利益を代表するという理論)を反映したものである。実際、許家印は習近平の天敵ともいわれる太子党の重鎮、曽慶紅ファミリーと親交が深い。

 とすれば、恒大集団が破綻したとして、それは、単に中国バブル崩壊の序章にとどまらない。ポジティブな意味の不動産産業構造改革という話でもなかろう。ケ小平以降の改革開放時代に区切りをつける象徴的な事象であり、改革開放時代を通じて資本家クラブに変貌していた共産党を、再び農民と労働者の党に戻し、富裕層からの富を奪い基層に分け与える社会主義的「共同富裕」社会を実現しよう、という「革命」の始まりと言えるかもしれない。

 だが、それはすなわち、貧しく暴力的な階級闘争が吹き荒れた過去の混乱した時代、みなが等しく貧しい時代に中国が後退するということにはならないだろうか。

福島 香織












●中国恒大集団の経営危機、日本・世界経済に影響は? 専門家の見解
2021/9/16(木) 6:00配信

朝日新聞デジタル
 中国の不動産大手・中国恒大集団の経営危機は、日本経済への影響も心配されている。15日は東京や香港などの株式市場で値下がりがめだった。専門家は今後の中国共産党指導部の対応に注目する。

 この日の東京株式市場では、日経平均株価が前日終値から158円39銭(0・52%)値下がりし、3万511円71銭で取引を終えた。このところの値上がりの反動に加え、中国経済の先行き不安も売り材料になっている。香港株式市場のハンセン指数も下がった。アジア市場を中心に投資家の警戒感が強まっている。

 中国経済はコロナ禍からいち早く回復してきた。中国向けの輸出は堅調で、日本の大手メーカーなどは中国の経済成長に期待する。恒大集団の危機が深刻化すれば、中国だけでなく日本の景気も左右しかねない。中国経済に詳しい大和総研の斎藤尚登・主席研究員は「不動産開発への投資が減れば、中国経済の成長率を押し下げる可能性はある」と指摘する。日本企業の関係者にも、中国の成長鈍化への懸念が広がる。

 中国の指導部は、これまで不動産バブルを抑えようと規制を強化してきた。斎藤氏は「金融危機が起きないことを前提に、不健全な企業には責任をとらせるのではないか」とみる。

 恒大集団は中国不動産大手の中でも借り入れへの依存度が高く、経営問題が取りざたされてきた。規制強化もあって、新たな資金調達が難しくなったとみられる。

 国内大手証券の中国担当者によると、現時点では恒大集団1社の資金流動性の問題にとどまっているとみられている。会社側には売却できる資産もあるとされ、「直ちに経営が行き詰まるとは考えにくい」との見方がある。

 「リーマン・ショック」のような世界的な経済危機につながることも市場では不安視されているが、この担当者は「過度に警戒する必要はない」と話す。中国政府が事態収拾のため、会社側と投資家との仲介をしようとしているという。

 ただ、担当者は不透明感が強まっているのは間違いないとしており、「中国に建材を輸出する企業など、日本でも関連産業には影響が出かねず、状況を注視する必要がある」と呼びかける。(渡辺淳基、千葉卓朗)




●S&P、中国恒大集団を「CC」に引き下げ 流動性枯渇
9/15(水) 18:37配信

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ロイター
9月15日、S&Pグローバル・レーティングは、中国の不動産開発大手、中国恒大集団と複数の子会社の格付けを「CC」に引き下げた。流動性が枯渇しているようだとしている。写真は香港で8月撮影(2021年 ロイター/Tyrone Siu)

[15日 ロイター] - S&Pグローバル・レーティングは15日、中国の不動産開発大手、中国恒大集団と複数の子会社の格付けを「CC」に引き下げた。流動性が枯渇しているようだとしている。

S&Pは「中国恒大集団は、販売の大幅な落ち込みが発表され、現金収支が悪化し、返済で引き続き不動産を利用していることで明らかなように、流動性と資金調達能力が大幅に悪化している」と述べた。


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●「中国恒大」が経営危機、ついに来るのか中国の不動産バブル崩壊
東アジア「深層取材ノート」(第101回)
2021.8.27(金)
近藤 大介

北京の夜景。2016年撮影(写真:ロイター/アフロ)
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 俗に、「桐一葉落ちて天下の秋を知る」と言う。

 昨年1月に、中国の武漢でパンデミックが起こって以降、中国の官製メディアは、いかに官民挙げて経済復興を進めているかを「感動的に」伝えていた。当時、私が知りたかったのは、中国の正確な経済損失だったが、本当のところは、いつもの中国らしくブラックボックスだった。

 そんな中で、昨年2月半ば、「桐一葉」が落ちた。それは、中国の不動産最大手・恒大(Hengda)集団の「動向」だった。中国全土で販売中の住宅用マンションとオフィスビルを、2月18日から29日まで、一律25%引きにすると内部通知したのだ。さらに3月1日から31日までは、22%引きにすると決めた。

資金繰り悪化で資産投げ売り
 恒大集団は、2019年の売り上げが6010億元(約10兆2200億円)で、「2019年版 フォーチュン・グローバル500」で世界138位につけていた。当時の従業員は約14万人で、中国280都市で1300以上もの不動産プロジェクトを展開していた。

 恒大集団は、主力の恒大地産(不動産)の他にも、恒大物業(不動産管理)、恒騰網路(インターネット番組)、房車宝(中古不動産・中古車)、恒大童世界(テーマパーク)、恒大健康(ヘルスケア)、恒大氷泉(ミネラルウォーター)、それに450億元(約7700億円)を投資して創った恒大新能源汽車(新エネルギー車)を加え、8大企業から成っている。本社がある広州に、プロサッカーチームも保有し、2019年のCリーグ覇者となり、アジアクラブ選手権で鹿島アントラーズや浦和レッズと死闘を繰り広げた。

 そのような不動産業界の巨人でも、コロナ禍で、もはや背に腹は代えられなくなって「投げ売り」に走ったのである。この情報から、恒大集団はもとより、恒大に代表される中国の不動産業界、ひいては中国経済が、相当疲弊しつつあることが推測できた。

「マンションは住むもの、投機するものではない」
 そして、この「桐一葉」から一年半を経た現在、いよいよ恒大という「大樹」が、抜き差しならないことになってきたのだ。コロナ禍に加え、「マンションは住むものであって投機するものではない」という習近平主席の強い引き締め政策もあいまって、不動産バブル崩壊の兆しが出てきた。

 その「矢面」に立たされたのが、恒大である。今年年初の時点で、負債総額は8700億元(約14兆8000億円)にも膨れ上がっていた。

 そんな中、今年6月、深圳に建設中だった恒大都会広場の工事が、突然、ストップされた。資金繰りがつかなくなったためだった。

続いて、8月2日、江蘇省の南通三建集団が、請け負っていた漯河恒大悦府の工事をストップした。翌3日、同じ江蘇省の鎮江句容紫東で始まっていた恒大文化旅游城住宅プロジェクトもストップした。

 12日には雲南省の昆明恒大の大型マンション開発プロジェクトである金碧天下二期隽翠苑と坤海湖の二つの工事がストップした。15日にも、江蘇省蘇州の太倉恒大文化旅遊城(テーマパーク)の工事がストップした。

危機脱出をアピールするも株価は大幅下落
 8月10日には、恒大集団が自ら、次のような発表を行った。

<わが社(中国恒大集団)は現在、まさにいくつかの潜在的に独立した第三者の投資者と接触中で、わが社の傘下にある一部の資産売却を模索しているところだ。上場している企業の関連企業に限らず売却を検討している。中国恒大新能源汽車集団及び恒大物業集団の一部の権益も含めてである>

 ついに、資産売却計画を自ら認めたのである。これは、巷間噂されている「恒大倒産説」を払拭する狙いがあるものと見られた。負債額は現在、5700億元(約9兆7000億円)まで圧縮した。8月25日現在の株式時価総額で、恒大集団が596億元、恒大物業が652億元、恒大汽車が713億元で、計1962億元(約3兆3400億円)を有しており、危機は克服できるというわけだ。

 だが、今年春以降の香港市場における恒大関連株の急落は、いかんともしがたいものがある。中国恒大は、16.2元(3月1日)から4.24元(8月26日)、恒大物業は19.7元(2月28日)から5.73元(8月26日)、恒大汽車は70.8元(4月30日)から5.25元(8月26日)へと、いずれも急落している。特に、起死回生の頼みの綱にしていた恒大汽車が、この約4カ月の間に、約93%も暴落しているのだ。

「広州の帝王」の退場
 8月17日、ついにグループの総帥として君臨してきた許家印(Xu Jiayin)董事長(会長)が辞職した。

 許董事長は、中国の経済界で立志伝中の人物である。1958年河南省生まれで、武漢科技大学卒業後、地元河南省の鉄鋼会社に就職。1990年代に入り、経済特区の深圳に出てきて、1996年に広州で恒大実業を創業し、中国最大の不動産会社に育て上げたのだ。


2017年10月22日、中国のプロサッカークラブ「広州恒大淘宝」が中国スーパーリーグで7連覇を達成した。ルイス・フェリペ・スコラーリ監督(左)と喜びを分かち合う恒大グループ創業者の許家印氏(写真:アフロ)
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 2017年には、中国長者番付(胡潤百位富豪排行榜)で、総資産2900億元(約4兆9300億円)でトップに立った。アリババ創業者の馬雲(ジャック・マー)元CEOや、脱税騒ぎで世間を賑わせたトップ女優の范冰冰(ファン・ビンビン)ら、多彩な交友関係でも知られる。本人は「許教授」と呼ばれるのを好むが、「広州の帝王」と呼ばれていた。そんな中国実業界の巨星が、ついに身を引いたのである。

 それでも、上述の如く、株価の下落に歯止めがかからない。「倒産説」も、相変わらずくすぶっている。


経営危機の恒大は中国経済転落の「桐一葉」になるのか
 だが仮に、恒大が倒産した場合、中国社会におけるマイナスの影響は計り知れない。例えば、恒大は今年1月から7月までを見ても、計3847億元(約6兆5400億円)もの不動産収入を得ているのだ。相変わらず、中国の不動産業界でトップである。


『ファクトで読む米中新冷戦とアフター・コロナ』(近藤大介著、講談社現代新書)
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 中国の報道によれば、2019年から今年7月まで、恒大は中国で564万人にマンションを売った。また、グループの関連企業なども含めると、380万人の従業員を抱えている。もしいま倒産したら、合わせて1000万人近い人々の生活に、多大な影響を及ぼすことになる。

 中国の不動産業界には、「金九銀十」という格言がある。「国慶節」(10月1日の建国記念日)の大型連休前の9月に、販売の黄金期を迎え、10月はそれに続くという意味だ。

 だが今年は、コロナ禍などで、すでに少なからぬ中小の不動産会社が潰れていることもあって、明るい声は聞かれない。この先、万が一、恒大が倒産することになれば、それが中国経済転落の「桐一葉」となるかもしれない。




●ジェット機や豪邸失ったが「焼け石に水」 恒大集団、トップの苦境
広州=西山明宏2021年11月19日 10時00分
2021年7月、天安門の楼上に立つ中国恒大集団の創業者でトップの許家印氏=同社の微信公式アカウントから
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 「中国恒大集団の許家印氏が巨額の個人資産を次々手放している」――。経営危機にある中国不動産大手の創業者トップの苦境を中国メディアが連日のように報じている。中国の富豪ランキングで首位だったこともある許氏だが、巨額の負債を抱え、資金調達の手段は自身の豪邸や自家用ジェット機にまで及んでいる。

 中国の経済系メディア「第一財経」は16日、関係者の話として許氏が7月以降、個人資産を売却したり借金の担保に入れたりして、恒大に70億元(約1200億円)以上の資金を投じたと報じた。社債の利払いや投資商品の償還、社員の給与支払いなどに充てているという。

 また、米ウォールストリート・ジャーナル紙によると、許氏は10月に自家用ジェット機2機を約5千万ドル(約57億円)で売却。さらに香港のネットメディアは、許氏が所有する香港の豪邸を担保に入れて資金を調達したと報じた。こうした動きの背景には、資金繰りに苦しむ恒大に対し、中国政府当局が許氏の個人資産の売却を求めていることがある。