2020年03月13日
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●発生元は?新型コロナウイルス、新型肺炎、どうして中国・武漢は「新型コロナの発生地」になったのか?
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令和2年7月4日更新
●WHO、初期対応の時系列を修正 第一報は中国のWHO事務所から
2020/7/4(土) 13:59配信
AFP=時事
世界保健機関のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長(2020年7月3日撮影)。【翻訳編集】 AFPBB News
【AFP=時事】世界保健機関(WHO)は今週、新型コロナウイルス危機の初期段階に行った説明を修正し、中国・湖北(Hubei)省武漢(Wuhan)で初めて肺炎の症例が確認された際に報告を受けたのは中国ではなく、同国内のWHO事務所からだったと明らかにした。
【写真】新型ウイルスへの警告を最初にした中国の李文亮医師
WHOは4月9日、流行発生の初期対応への批判に応える意味も含め、コロナ対応をめぐる時系列の動きを公表。これには、武漢市衛生健康委員会が昨年12月31日に肺炎症例の発生についてWHOに報告したとのみ記載されており、具体的に誰が知らせたかについては明記されていなかった。
WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は4月20日の記者会見で、中国から最初に報告があったと述べ、報告したのが中国当局か別の情報源かについては明らかにしていなかった。しかしWHOが今週公表した新たな時系列の報告には、発生に関する情報がもっと詳しく記されている。
これによると、12月31日に武漢市衛生健康委員会のウェブサイト上で「ウイルス性肺炎」の感染発生についてメディア向けの発表を見つけてWHOの地域連絡窓口に報告したのは、中国国内のWHO事務所だった。
WHOの疫病情報機関は同日、世界各地の疫病情報を監視する米拠点のネットワーク、感染症速報「ProMED-mail」が、武漢での原因不明の肺炎が集団発生した事例に関する別の報道を伝えていることを確認。WHOは1月1日と2日に、中国当局にこの2件の報告について問い合わせ、同3日に当局から回答が得られたという。
WHOの緊急事態対応を統括するマイケル・ライアン(Michael Ryan)氏は3日、記者会見で、各国は症例について公式に確認し、性質や発生原因についてWHOに追加情報を提供するまで24〜48時間の猶予が与えられると説明。WHOが中国当局に症例報告について確認を求めた際、同当局は迅速に報告したと述べた。【翻訳編集】 AFPBB News
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最終更新:7/4(土) 18:29
AFP=時事
●峯村健司/《米中コロナ戦争》CIAと武漢病毒研究所の暗闘〈習近平はなぜ絶体絶命のピンチを切り抜けたか〉――文藝春秋特選記事【全文公開】
5/27(水) 6:00配信
文春オンライン
新型コロナウイルスを巡り、米国大統領、ドナルド・トランプの中国批判が止まらない。
「中国国内で食い止められた可能性もあったが、実際はそうならなかった。ミスにより収拾がつかなくなってしまったのか、意図的だったのか。両者には大きな違いがある。故意だったとしたら報いを受けるべきだ」
トランプが4月18日の会見でこう語ったように、いま、焦点となっているのは、ウイルスの「発生源」である。特に、米国から疑念の目を向けられているのが湖北省武漢市にある政府系研究機関「中国科学院武漢病毒(ウイルス)研究所」だ。発端は4月14日付けのワシントン・ポストの報道である。同研究所を視察した米外交官が、2018年に本国に送った外交電報の内容を明らかにしたのだ。
「この研究所ではコウモリに寄生するコロナウイルスの研究をしているが、安全に運営するための訓練を受けた技術者が不足している。このウイルスは人に感染する恐れがあり、重症急性呼吸器症候群(SARS)のような感染拡大を引き起こす危険性がある」
新型コロナはコウモリ起源とみられている。つまりこの記事は、米政府が2年前の時点で、SARSの再来を懸念していたことを明らかにしたのだ。
記事を執筆した同紙コラムニストのジョシュ・ロギンは、筆者が勤務していた朝日新聞アメリカ総局の元同僚で、ホワイトハウスや国務省の幹部に幅広い人脈を持っている。今回の電報は政権内部から入手したとみられ、信頼性の高い報道だろう。
実は筆者も武漢ウイルス研究所に関心を抱いていた。武漢には多くの重要な軍事関連施設があり、北京特派員時代にしばしば取材で足を運んでいた。軍と関係があると言われている武漢ウイルス研究所にも着目しており、今年1月に新型コロナの感染が表面化したとき、すぐにその名前が思い浮かんだ。
改めて研究所のHPを確認すると、ワシントン・ポストが指摘したように、2018年3月に米外交官が訪問し、研究員の石正麗らが応対した様子が写真付きで紹介されていた。石は新型コロナがコウモリを感染源とすることを示した論文の執筆メンバーの1人だ。現在、このHP上の記載は削除されている。
ワシントン・ポストの報道から5日後の4月19日、武漢ウイルス研究所研究員の袁志明は「絶対に研究所から出たものではない。我々には厳しい管理制度・科学研究基準があり、自信がある」と流出疑惑を強く否定した。
一方、冒頭でトランプが「故意」を疑ったように、ネット上で同研究所が開発した、「生物兵器説」が根強く囁かれていた。同研究所内には、有効な治療薬や予防法がない病原体について研究する「バイオセーフティレベル4」の施設を備える国家生物安全実験室があることも疑惑を深める。
●武漢ウイルス研究所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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中華人民共和国国務院 > 中国科学院 > 武漢ウイルス研究所
中国科学院武漢ウイルス研究所[1]
正式名称 中国科学院武汉病毒研究所
日本語名称 中国科学院武漢ウイルス研究所[1]
略称 WIV
組織形態 感染症研究所
所在地 中華人民共和国の旗 中華人民共和国
〒430071
湖北省武漢市武昌区小洪山中区44号
北緯30度32分21.9秒東経114度21分3.07秒座標: 北緯30度32分21.9秒 東経114度21分3.07秒
活動領域 感染症・ウイルス学
設立年月日 1956年
上位組織 中国科学院
所管 中国科学院
保有施設 武漢国家生物安全実験室
公式サイト http://www.whiov.cas.cn/
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中国科学院武漢ウイルス研究所(ちゅうごくかがくいんぶかんウイルスけんきゅうじょ、簡: 中国科学院武汉病毒研究所)は中華人民共和国 湖北省武漢にある、ウイルス学研究所である。1956年設立。中華人民共和国国家重点実験室に指定されている。
2016年12月現在、研究所には合計266人の研究員がおり、内訳は科学研究職189名、大学院生253名(博士課程124名と修士課程129名)などが在籍する[2]。
所長は王延軼(中国語版)。党委員会書記は肖庚富(中国語版)。
目次
1 沿革
2 付属施設
3 研究機器
4 歴代所長
5 歴代党委員会書記
6 疑惑
7 脚注
7.1 出典
8 関連項目
9 外部リンク
沿革
1956年、「中国科学院武漢微生物研究室」として設立。
同年6月5日、中国科学院が武漢大学と華中農業大学と協力して武漢に微生物学研究所を設立することを決定。
研究室の設立は、武漢大学学部長で微生物学の主任教員を務めていた高尚蔭(中国語版)を筆頭として行われた。 研究室は、各分野の研究のために次の4つのグループに分かれていた[3]。
研究分野 研究内容 指導者
ウイルス学 動物および植物ウイルス、細菌ウイルス 武漢大学学部長兼微生物教育研究主任 高尚蔭(中国語版)
土壤微生物学 土壌微生物の生命活動と植物および土壌との関係 華中農学院土壤農学研究主任 陳華癸(中国語版)
植物病理学 微生物を利用した植物病の抑制 華中農学院植物保護研究主任 楊新美(中国語版)
微生物変異学、遺伝学および育種学 細菌(放線菌を含む)およびそれらのファージ変異、遺伝学および選択 武漢大学微生物教育研究副主任 趙保国(中国語版)
1961年11月、「中国科学院中南微生物研究所」[4]、さらに1962年10月には「武漢微生物研究所」に改名され、1966年に中国科学院の地方分院が廃止されるとともに湖北省科学技術委員会の所管となり、「湖北微生物研究所」となった。1978年の科技大会(中国語版)の前に中国科学院の管轄に戻され、「中国科学院武漢病毒所」として改編された[5]。
付属施設
中国科学院武漢国家生物安全実験室(中国科学院武汉国家生物安全实验室、National Biosafety Laboratory (NBL), Wuhan[6])は、武漢P4ラボまたは地元では単にP4ラボとも呼ばれる、武漢市政府と共同で建設されたP4(バイオセーフティレベル4:BSL-4)研究所である。
2015年1月31日に完成し、2018年1月5日に正式な運営が開始された。
新型コロナウイルスの感染拡大が顕在化する以前は、実験施設を対外的にアピールしており、2017年2月23日には当時のフランス首相、ベルナール・カズヌーブが視察を行っている[7]。
研究機器
日立製作所 H-7000FA透過型電子顕微鏡
Amray 1000B走査型電子顕微鏡
ギルソン GIAPD多機能分析システム
島津製作所 GC-9Aガスクロマトグラフィーシステム
島津製作所 UV-300紫外可視近赤外分光光度計
アジレント・テクノロジー Super NOVA 極薄スライサー[5]
歴代所長
# 姓名 任期 備考
1 高尚蔭(中国語版) 1956年6月−1984年3月
2 丁達明(中国語版) 1985年9月−1987年9月
3 何添福(中国語版) 1994年4月−2000年10月
4 胡志紅(中国語版) 2000年10月−2008年8月
5 陳新文(中国語版) 2008年8月−2018年10月
6 王延軼(中国語版) 2018年10月−
歴代党委員会書記
# 姓名 任期 備考
1 許 力 1958年3月−1959年2月
2 劉 然 1961年3月−1979年12月
3 曹 健 1980年1月−1984年7月
4 湯吉梅 1987年9月−1992年4月
5 何添福 1992年4月−1996年6月
6 李興革 1996年6月−2004年8月
7 袁志明 2004年8月−2013年8月
8 肖庚富 2018年12月−
疑惑
「2019新型コロナウイルス」、「2019新型コロナウイルスによる急性呼吸器疾患」、「新型コロナウイルス感染症の流行 (2019年-)」、および「2019年コロナウイルス感染症流行に関連する誤情報」も参照
2015年にアメリカ国立衛生研究所は研究の委託として370万ドルの資金援助を行うなど同研究所はコロナウイルスを積極的に研究している[8][9]。
2017年頃から、施設管理の面からウイルス漏洩の可能性が指摘されており、現在、武漢華南海鮮卸売市場とともにCOVID-19の感染源であるとの疑惑が上がっている[10][11]。
アメリカ合衆国のFOXニュースやワシントン・ポストでは2018年にアメリカの外交官が同研究所を視察した際に「危険性」があると、研究所の安全面の不備についてアメリカ国務省に公電にて伝達していたとする報道があり[12][13]、これについて米政府も調査中である[14][15][16]。
これに対し、武漢ウイルス研究所の幹部は「ありえない」話だとして全否定[17][18][19][20]、日本の外務省に当たる中華人民共和国外交部も同研究所からウイルスが流出したとの説を否定した[21]。
さらに、世界保健機関(WHO)もウイルスは動物由来で、人工のものではないとしたうえで、「研究所から流出した可能性はないとみている」とした[22]。アメリカのインテリジェンス・コミュニティーを統括する国家情報長官室(ODNI)もウイルスは人工のものではないと発表し[23]、英語圏5カ国の諜報当局が運営するUKUSA協定(ファイブアイズ)も「研究所から流出した可能性は極めて低いとみている」と報じられた[24]。
2020年5月18日にテレビ会議形式で開かれたWHOの総会では、中国での新型コロナウイルスの発生源について国際的な独立調査を行うことで同意した[25][26][27]。
●中国の「コウモリ女」 発生源めぐる非難に反論
2020/5/26(火) 21:10配信テレ朝 news
All Nippon NewsNetwork(ANN)
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新型コロナウイルスの発生源を巡ってアメリカと中国が非難の応酬を続けるなか、中国の「コウモリ女」と呼ばれる研究員が「長年の研究がウイルスの迅速な識別を可能にした」と反論しました。
武漢ウイルス研究所の“コウモリ女”・石正麗研究員:「私たちは2004年にコウモリコロナウイルスの研究を始めた。研究の蓄積が(原因不明の肺炎の病原体を)最短で明らかにした」
武漢ウイルス研究所の石正麗研究員は長年、コウモリとウイルスの研究を続け、中国の「コウモリ女」とも呼ばれています。石研究員は中国国営メディアのインタビューで研究が新型コロナウイルスの起源となったことを否定し、「科学を政治的に利用している」と反論しました。その一方で「15年間、コロナウイルスを研究してきた蓄積により、病原体を最短で明らかにできた」と強調しました。トランプ大統領は、ウイルスが「武漢ウイルス研究所」から流出したと主張していて、ここでコウモリ関連のコロナウイルス研究を統括してきた石研究員に注目が集まっていました。
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最終更新:5/26(火) 21:33
テレビ朝日系(ANN)
●武漢の研究所長が否定 コロナ発生源疑惑 中国
2020/5/24(日) 15:14配信
時事通信
【北京時事】新型コロナウイルスの発生源の可能性があるとして米政府が調査している中国科学院武漢ウイルス研究所の王延軼所長は「ありもしないことをつくりだそうとしている。われわれは昨年12月30日に初めて原因不明肺炎のサンプルを受け取った」と述べ、同研究所から漏えいしたなどとする疑惑を否定した。
国営中央テレビの国際ニュースチャンネルが24日、王所長へのインタビューの様子を伝えた。王所長がメディアに登場するのは、新型コロナ発生以降初めて。2018年に37歳で所長に就任した王氏をめぐっては中国のネット上で、今年1月初めに全所員宛てに出した電子メールで肺炎の情報を外部に漏らさないよう指示したことや情実人事疑惑が取り沙汰されていた。
同研究所に所属するコウモリ由来のウイルス研究者、石正麗氏のチームが過去に検出したウイルスについても、王所長は「重症急性呼吸器症候群(SARS)ウイルスとの相似性は最高96%だったが、新型コロナとは同79.8%にすぎない」とし、別物だと強調した。
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トランプ氏「中国間違い犯した」 コロナ拡大また批判
最終更新:5/24(日) 18:32
時事通信
●【解説】新型コロナの流出源? 武漢研究所を取り巻く疑惑
2020年4月18日 5:30 発信地:武漢/中国 [ 中国 中国・台湾 ]
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【解説】新型コロナの流出源? 武漢研究所を取り巻く疑惑‹ ›
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中国・武漢で、武漢ウイルス研究所の病原体レベル4(P4)実験室が入る建物(2020年4月17日撮影)。(c)Hector RETAMAL / AFP
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【4月18日 AFP】新型コロナウイルス流行の中心地となった中国・武漢(Wuhan)のはずれの山沿いに位置する「武漢ウイルス研究所(Wuhan Institute of Virology)」──。厳重な警備下に置かれたこの施設が新型ウイルスのパンデミック(世界的な大流行)の発生源だった可能性があるとの疑惑が今、米国で取り沙汰されている。
以下に、同研究所をめぐる主な疑問をまとめた。
■どのような施設なのか?
同研究所内には中国ウイルス培養物保存センター(CCVCC)がある。公式ウェブサイトによると、同センターはアジア最大のウイルス保管施設で、1500株以上を保管している。
同研究所では2015年、病原体レベル4(P4)を扱える最高水準の安全性を確保した実験室が完成し、2018年に稼働を開始。P4は人から人への感染の危険性が高いウイルスを指し、エボラウイルスなどが含まれる。
P4実験室の建設に当たっては、仏バイオ企業の創業者アラン・メリュー(Alain Merieux)氏が顧問を務めた。同研究所では病原体レベル3(P3)実験室も2012年に稼働を開始している。
AFP記者が最近、同研究所を訪れたところ、内部に人の動きはみられなかった。
■新型ウイルスはここで発生したのか?
米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)とFOXニュース(Fox News)は匿名の情報筋の話として、新型ウイルスがこの研究所から誤って流出した可能性があると報じた。
ワシントン・ポスト紙が入手した外交公電からは、当局者らが特に重症急性呼吸器症候群(SARS)に類似したコウモリコロナウイルスの取り扱いをめぐる安全対策の不備に懸念を示していたことが明らかになった。
FOXニュースは、同施設で研究対象となっていたコウモリ由来のウイルス株に感染した人物が「0号患者」となり、そこからウイルスが武漢の住民に広まった可能性があると伝えた。
中国の科学者らは、新型コロナウイルスは武漢の野生動物市場で動物から人へと感染した可能性が高いとしているが、インターネット上では武漢ウイルス研究所が起源だとの疑惑をめぐるさまざまな陰謀説が拡散。ついには米政府もこの疑惑に言及し、当局がウイルスの出所をめぐり「徹底的な調査」を行っていることをマイク・ポンペオ(Mike Pompeo)国務長官が表明するに至った。
同研究所は17日、コメントを拒否したものの、今年2月にはうわさを否定する声明を出していた。また中国外務省の趙立堅(Zhao Lijian)報道官は17日、同研究所から新型コロナウイルスが流出したとの説を否定した。
■新型ウイルスについて分かっていることは?
科学者らは、新型ウイルスの起源はコウモリだと考えており、そこからセンザンコウを媒介して人へと感染した可能性があるとみている。センザンコウは絶滅が危惧されているが、中国国内ではそのうろこが伝統薬の材料として違法に取引されている。
だが今年1月、英医学誌ランセット(Lancet)に発表された中国科学者チームの論文では、最初の感染者と、初期に感染が確認された41人のうちの13人が、ウイルス発生源とされる武漢の野生動物市場とはつながりがなかったことが明らかにされた。
中国を代表するコウモリコロナウイルス研究者の一人で、武漢ウイルス研究所P4実験室の副所長でもある石正麗(Shi Zhengli)氏は、新型コロナウイルスがコウモリ由来であることを初めて示した論文を出した研究チームの一員だ。
米科学雑誌サイエンティフィック・アメリカン(Scientific American)のインタビューに応じた石氏は、新型コロナウイルスのゲノム配列は自身の研究所がこれまでに収集・研究したコウモリコロナウイルスのいずれとも一致しなかったと述べた。
英ロンドン大学キングスカレッジ(King's College London)のバイオセキュリティー研究者、フィリッパ・レンツォス(Filippa Lentzos)氏はAFPに対し、新型ウイルスが武漢の研究所から流出したとする説には今のところ証拠がないとする一方、野生動物市場が発生源だとする説にも「確固たる証拠はない」と指摘。「私にとって、パンデミックの起源は依然として未解決の疑問だ」と語った。(c)AFP/Jing Xuan Teng with Laurie Chen in Beijing
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●中国がドイツに「報復」、経済的攻防がコロナで激化
5/16(土) 8:00配信JBpress
中国がドイツに「報復」、経済的攻防がコロナで激化
2017年7月、ドイツを訪問した習近平主席(前列中央)はドイツのメルケル首相とともに中国とドイツの青少年サッカー親善試合を観戦した。前列左は習主席の夫人・彭麗媛氏(写真:新華社/アフロ)
(譚 璐美:作家)
4月15日、欧州でコロナ禍が吹き荒れる中、ドイツ最大のタブロイド紙「ビルト」が社説「私たちへの中国の負債」を掲載して激しく中国を批判した。コロナウイルスが世界中に拡大したのは「中国が全世界を欺いた」からであり、ドイツが受けた経済的損失の約1650億ドル(約18兆1500億円)を、中国は支払うべきだとも要求した。
【写真】新型コロナウイルス感染拡大の経緯について独立した調査が必要と提起し、中国の猛反発を受けているオーストラリアのスコット・モリソン首相
翌日、中国は「劣悪な要求だ」と反論したが、同紙は一歩も引かず、習近平主席を名指しして、「あなたの友好とは・・・微笑で偽装した帝国主義であり、トロイの木馬なのだ」と、激烈な批判を展開し、激しい舌戦はなおも続いている。
■ “経済的パートナー”ドイツからの厳しい言葉
メルケル首相も4月20日、「中国がウイルスの発生源について、より透明性を持てば、各国がよりくわしく学ぶことができる」と、控えめながら中国政府に「透明性」を求めた。
習近平主席にとって、メルケル首相の言葉は予想外のものだったろう。というのも、ほんのひと月前の3月22日、習近平主席はドイツに電報を送り、コロナウイルスの感染が拡大中のドイツに慰問の意を表し、「ドイツと共に努力することで両国の全方位的なパートナー関係を深め、中国とヨーロッパの関係発展を促進していきたい」と強調したばかりだったからだ。
新型コロナウイルスの発生源などをめぐり、各国首脳から中国の対応に疑念の声が相次ぐ中で、唯一、経済的に重要なパートナーだと思いこんでいたドイツの冷めたい反応は、大きな衝撃だったにちがいない。
コロナ禍をきっかけにして、今、ドイツと中国の間で再び経済的攻防が火花を散らしている。
■ 蜜月関係にあるドイツの優良企業が中国企業のM&Aの標的に
振り返れば、ドイツと中国の間には歴史的な禍根が少ない。20世紀初頭にドイツ帝国が清国の山東省膠州湾を租借したものの、第一次世界大戦の時期に、中国侵略を企てた日本がドイツの権益を奪って以降、ドイツはヨーロッパ戦線に忙殺されて、どちらかといえば中国と疎遠な関係にあった。そのためドイツ人も中国に対して固定観念を持たず、悪感情を抱いていなかったのである。それが21世紀に入り、中国が経済成長すると、両国は急接近した。
2005年、メルケル首相は首相就任後、景気低迷にあえぐドイツ経済を再興しようと、対中貿易の促進に踏み切り、現在まで合計12回の訪中をしている。日本には、2回のサミットを含めて5回しか訪問していないのとは大違いだ。
中国にとっても「渡りに船」だった。
中国は建国100年目の2049年に世界制覇を目指して、国家的大構想「一帯一路」プロジェクトを立ち上げ、欧州と中国を陸と海で結んで貿易取引を発展させようと考えた。長距離鉄道を敷設して「陸のルート」を開設する一方、「海のルート」を確立するため、航路沿線にあるアジア、中東各国の港湾を強引な手段で次々と獲得していった。
2015年には具体的な戦略「中国製造2025」も打ち出した。2025年までに欧米先進国と日本に追いつき、追い越すために、10の重点分野を発展させる計画だ。重点分野は、省エネルギー産業、新エネルギー自動車、電力設備、バイオ医療、ロボット分野などの最先端技術ばかりだ。だが、中国はこれらを自ら研究開発するのではなく、外国企業を買収して手っ取り早く最先端技術を奪おうと目論んだ。その主要なターゲットとなったのが、「蜜月関係」にあるドイツの先端企業だった。
JETROのレポート『中国からの直接投資とドイツのジレンマ』(2020年1月9日付)が紹介したドイツ連邦銀行の経済統計によれば、中国からドイツへの直接投資が急増したのは2016年。手法は主としてM&Aだった。
2016年6月、中国の大手家電メーカーの美的集団がドイツの産業用ロボットメーカーのクーカを買収したのを皮切りに、中国企業は次々にドイツ企業にM&Aをしかけた。
2016年の中国のドイツへの投資総額は、前年比24倍の125億6000万ドルに達し、2017年には過去最高額の136億8400万ドルを記録した。
■ ドイツで急速に高まった対中警戒感
そこまで事態が進むと、さすがにドイツ人は貴重な先端技術が流出するのではないかと不安になり、ドイツ政府は2017年7月、対外経済法施行令を改正して、軍事産業や安全保障、ハイテク、インフラ、エネルギー分野で、EUおよび欧州自由貿易連合(EFTA)加盟国以外の外国企業がドイツ企業を買収する場合、買収通知の提出と資本参加の審査を義務化するなど、規制を強化した。
だが、中国の勢いは止まらず、2018年2月、吉利汽車がダイムラーへ資本参加して筆頭株主になり、寧波の自動車部品メーカー、継峰汽車零部件もドイツの自動車内装部品メーカー大手のグラマーの株式を取得して、議決権を84%取得した。
危機感を覚えたドイツ政府はついに「拒否権」を発動した。
2018年7月、国家電網(SGCC)による送電大手の50ヘルツ(50Hertz)の株式取得を阻止するため、ドイツ復興金融公庫(KFW)が株式20%を買い取った。同年8月、煙台市台海集団による精密機械メーカーのライフェルト・メタル・スピニングの買収も拒否した。同社は従業員200人の小規模ながら、宇宙船や航空機の部品製造の技術は世界的に評価が高く、原子力発電や核関連分野にも利用されている優良企業だ。
5カ月後の12月、ドイツは万全を期すため、EUおよびEFTA加盟国以外の外国企業が、安全保障上重要なインフラ企業の株式を取得する際の審査基準を、従来の決議権25%以上から10%以上に引き下げ、中国企業による買収に歯止めをかけた。
その結果、2018年のドイツ企業に対する中国企業の直接投資は2割減の106億8100万ドルとなり、2019年上半期には5億500万ドルと激減した。
だが、二度にわたる規制強化にも関わらず、2019年1月、中国のアリババ集団はドイツのデータ分析のスタートアップ企業であるデータ・アルチザンスを9000万ユーロで買収し、なおもM&A攻勢の手を緩めてはいない。
■ 一帯一路の“要所”となる地域で集中的にM&A
ところで、中国企業によるM&Aの約60%は、ドイツの特定地域に集中している。バーデン・ヴュルテンベルク州、ノルトライン・ヴェストファーレン州、バイエルン州の3州で、最先端技術をもつ企業がひしめく地域だ。
3州のひとつ、ノルトライン・ヴェストファーレン州はドイツ経済の中心地で、現在、華為技術(ファーウェイ)、中興通訊(ZTE)、徐工集団(XCMG)、三一重工(Sany Heavy Industry)など、中国の有名企業の欧州本部が置かれているほか、1100社の中国企業があり、約1万人の従業員がいる。また、同州のドイツ企業2700社以上が中国に駐在員事務所をもち、ドイツの対中投資額の4分の1を占めている。メルケル首相がかつて推進した経済交流の蜜月時代の所産でもある。
実は、同州はドイツで最初に中国の「一帯一路」プロジェクトに署名した州で、州政府の官員の中には共産主義者も少なくないと指摘されている。
中国が同州に目を付けた最大の利点は、同州にあるデュイスブルク港だ。欧州最大の内陸港として知られ、720キロメートルの内陸航路に120の港湾があり、北海、バルト海、大西洋、地中海、黒海に通じ、欧州の重要なハブになっている。2018年の中国政府の公式ウェブサイトによれば、デュイスブルク港には、中国の重慶を起点として、週に35〜40本の長距離鉄道が運行されている。
同州の州都デュッセルドルフ市は、2015年に中国総領事館が設置された後、武漢市と姉妹都市を締結して、毎年「中国祭」を開催するなど密接な関係を保っている。2019年9月には、米国が強く警告する中で、ファーウェイと「スマートシティ」プロジェクトの開発契約を結んだ。
一言でいえば、ノルトライン・ヴェストファーレン州などドイツ3州は、ここ5年間で中国と深く結びつき、ドイツ経済の根幹を中国に握られるほど密着してしまったのである。そして、この経済的な密着こそ、今回のコロナウイルスが感染拡大した最大の要因となったのである。
ドイツでは、コロナウイルスの感染者は17.2万人で、死者は7551人(5月8日現在)にのぼる。その中で被害が最も多いのが、バイエルン州(感染者4万4265人、死者2153人)、ノルトライン・ヴェストファーレン州(同3万4964人、1425人)、バーデン・ヴュルテンベルク州(同3万3287人、1542人)の3州である。
武漢で発生した新型コロナウイルスは、文字通り「一帯一路」プロジェクトの「陸のルート」を通って、武漢から長距離鉄道でドイツに伝わり、「海のルート」の欧州の入り口であるイタリア同様、欧州各国へと感染が拡大していったのである。事ここに至って、冒頭で触れた「ビルト」紙のような、公然とした中国批判が噴出するようになった。
だが、コロナ禍を巡ってドイツ政府やメディアが中国を非難する中で、中国は「報復外交」ともいえる対抗手段で、すでに布石を打っていた。
ドイツの「ドイチェベレ中国語電子版」(2020年1月16日付)は、ドイツ公共放送連盟の経済番組「プラスマイナス」を引用する形で、中国が2020年に導入予定の「企業版社会信用システム」に、数社のドイツ企業を「ブラックリスト」に載せたことが判明したと報じた。
同報道によれば、ドイツのフォルクスワーゲン・フィナンシャル・リーシング社(天津大衆汽車公司)、ドイツ大手建設会社ツプリン社の中国子会社など数社が「ブラックリスト」に掲載されているという。理由はいずれも商取引上の行き違いや、10年も前の税金申告漏れなど、些細な内容ばかりのようだが、はっきりとはわからない。
ボッシュ、BMW、ZFフリードリヒハーフェン社の上海子会社なども、企業データ、金融データ、社会的交流、ネット言論の内容に至るまで、逐一中国政府のデータ庫に保存されているとされる。
■ 中国の意に沿わない外国企業を窮地に追いやることもできる
中国ですでに導入されている個人対象の「社会信用システム」は、AIを使った厳しい監視体制が国民のプライバシーを過度に侵害するものとして外国でも知られているが、「企業版社会信用システム」が本格的に導入されれば、ドイツ企業ばかりか、中国でビジネスを展開する外国企業にとって、まことに深刻な事態である。すべての外国企業や合弁企業は中国政府に企業データを提供する義務が生じ、中国政府は外国企業の先端技術をたやすく獲得して、政治的に活用することが可能になる。
中国政府の意に沿わない外国企業は信用度が低くなり、融資や商取引の面で数々の不利が生じる。高級管理職の外国人の言動も制限され、企業イメージにも大きな影響を及ぼす。取引相手の信用度とも関連するため、企業同士で互いに疑心暗鬼に陥ることも考えられる。「ブラックリスト」に載せられたら、取り消されるまで数年もかかり、ビジネス展開のうえで致命的なダメージを被る。そしてなにより「企業版社会信用システム」の評価基準があいまいで、中国政府の腹ひとつで信用度が大きく左右されることが、最大の懸念になっている。
ドイツへの直接投資を阻止された中国は、なりふり構わず「報復外交」を展開し、留まるところを知らない。両国の経済的攻防はこれからも続いていくのは必定だろう。
コロナ禍を契機に、今、ドイツを含めたEU諸国が一致協力して、中国の脅威に対抗しようと動き出したことこそ、未来への明るい希望である。
譚 璐美
●中国政府に口封じされた……武漢・中国人女性医師の手記〈幹部はこう指示した。「肺炎について絶対言うな」〉/アイ・フェン――文藝春秋特選記事【全文公開】
5/14(木) 6:00配信 有料文春オンライン
3月10日、中国共産党系人民出版社傘下の月刊誌『人物』に、武漢市中心病院救急科主任のアイ・フェン(艾芬)医師のインタビュー記事(文・(尤+共)菁g/編集・金石)が掲載された。だが、発売と同時に回収され、インターネット掲載記事も2時間後に削除され、転載も禁じられた。しかし義憤を覚えた市民たちが、外国語、絵文字、甲骨文字、金石文字、モールス信号、点字、QRコードを駆使して記事を拡散させた。本稿はその全文の日本語訳である。
武漢市中心病院は、感染源と見られた「華南海鮮市場」の近くにあり、医療関係者の感染が最も多い病院の一つとなった。新型ウイルスの流行拡大にいち早く警鐘を鳴らし、他の7名とともに地元公安当局から「訓戒処分」を受けた眼科の李文亮医師も、武漢市中心病院の勤務医で、その後、自身も感染して新型肺炎で亡くなってしまうが、人工呼吸器を装着した姿と地元警察に無理矢理、署名させられた「訓戒書」は、“武漢で真っ先に告発した医師の悲劇”として世界で大きく報じられた。
李医師が、2019年12月30日、グループチャットで医療関係者と共有し、「訓戒処分」の原因となった画像は、そもそもアイ・フェン医師が流したものだ。原因不明の肺炎患者のウイルス検査報告を入手したアイ・フェン医師が、「SARSコロナウイルス」と書かれた箇所を赤丸で囲み、大学同期の仲間に送信したのが、「警鐘」の発端となったのである。
「本当に悔しい。こうなると初めから分かっていたら、譴責など気にかけずに」と後悔を口にするアイ・フェン医師の告白はあまりに痛ましい。最初に武漢で何が起きたのか? 武漢でこれほど感染拡大したのはなぜか? それを知るための貴重な証言である。
◆◆◆
2019年12月16日、1人の患者が、私たち武漢市中心病院南京路分院の救急科に運び込まれた。原因不明の高熱が続き、各種の治療薬を投与しても効果が現れず、体温も全く下がらなかった。
22日、患者を呼吸器内科に移し、ファイバースコピーで検査し、気管支肺胞洗浄を行い、検体サンプルを外部の検査機関に送ったところ、シーケンシング技術によるハイスループット核酸配列の検査が行われ、「コロナウイルス」との検査結果が口頭で報告された。病床を管理する同僚は、私の耳元で「艾主任、あの医師は『コロナウイルス』と報告しましたよ」と何度も強調した。後に、患者は武漢市の華南海鮮卸売市場で働いていたことが分かった。
12月27日、また1人の患者が南京路分院に運び込まれた。同僚の医師の甥で、40代で何の基礎疾患もないのに、肺が手の施しようのない状態で、血中酸素飽和度は90%しかなかった。他の病院で10日間治療を受けたが、症状は全く好転しなかった。そのため、呼吸器内科の集中治療室に移され、先の患者と同様に、ファイバースコピーで検査と気管支肺胞洗浄を行い、ハイスループット核酸配列の検査に回された。
●2020/05/06(水) 16:32
■石正麗(Shi Zhengli) 55歳女性 武漢ウイルス研究所 研究主任
彼女は2015年のNature Medicine誌において、「SARSコロナウイルスバックボーンと中国キクガシラコウモリの遺伝子操作により
人間のACE2受容体と結合できるハイブリッドコロナウイルスを設計した」と発表。
コロナウイルスには王冠のような突起があり、その突起が人間と結合すれば感染する仕組みだが、コウモリの中にいた元のコロナウイルスは人間とは結合できない種類。
しかし石正麗はそのコロナウイルスを改造し、人間への感染を可能にした新型コロナウイルスを開発。
その上で更に研究を進め、ヒトが新型コロナに対して免疫を持ちにくくするため、HIVウイルスとの遺伝子合成する研究も行っていた。
https://www.nature.com/articles/nm.3985
■新型コロナウイルスは「免疫細胞を無効化する」という研究結果
研究が進むにつれて、研究者たちは新型コロナウイルスの破壊的な能力を新たに発見しました。
上海の復旦大学ル・ル氏とニューヨーク血液センターのチャン・シボ氏の研究者チームによって、新型コロナウイルスが人の免疫細胞を殺すことを発見したのです。
この免疫破壊作用は、コロナウイルスの感染症である重症急性呼吸器症候群(SARS)にはなく、新型コロナウイルス特有のものであるとのこと。
研究の詳細は4月7日、「Cellular and Molecular Immunology」誌に掲載されました。
https://nazology.net/archives/56567
●「新型コロナの真相調査を!」叫ぶオーストラリアに中国がちらつかせる“制裁”
西岡省二 | ジャーナリスト
2020/4/30(木) 15:39
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29日の記者会見で発言するモリソン豪首相=ABCのウェブサイトより
新型コロナウイルスの感染拡大をめぐり、中国とオーストラリアの間に険悪なムードが漂う。新型コロナウイルスの起源を調べるための独立調査機関の設立を呼び掛けるオーストラリアに対し、中国は経済的圧力をちらつかせて封じ込めを図っているためだ。ただ国際社会では中国の責任を問う声が日増しに強まり、包囲網の拡大に中国は危機感を募らせている。
◇中豪の激しい応酬
オーストラリアの公共放送ABCによると、ダットン豪内相は4月17日のテレビ番組でこう主張した。
「米国は『新型コロナウイルスに特定の経路あるいは起源があることを示す証拠を持っている』と言っている」
「何が起きたかを正確に理解して再発を防止するためにも、中国にはこうした(新型コロナウイルスに関する)疑問に答え、情報を提供する義務があると思う」
さらにペイン外相も19日のABCの番組で「(中国の透明性への懸念が)非常に高まっている」と指摘したうえ、発生源▽どう対処したか▽世界保健機関(WHO)とどのようなやり取りをしたか――などのすべてをテーブルに乗せて検証する必要があると訴えた。
これに対し、中国が激しく反発した。
外務省の耿爽副報道局長は20日の定例記者会見で「ペイン外相の発言は事実に基づくものではない」と反発。駐豪大使館報道官は21日にウェブサイト上で「オーストラリアの一部政治家は最近、中国を攻撃する米国側の主張をオウム返しのように述べている」と皮肉った。
さらに成競業駐豪大使は27日付の豪紙のインタビューで「中国国民は、今のオーストラリアに失望し、動揺し、落胆している」と指摘し、豪州産ワインや同国への旅行のボイコットにつながりかねないと言及し、経済的圧力を前面に押し出した。
また共産党機関紙・人民日報系「環球時報」の胡錫進編集長は28日に中国版ツイッター「微博」上でオーストラリアを取り上げ、「中国の靴の裏にくっついたチューインガムのようだ。時には、それを取り除くための石を探さねばならない」と侮辱した。
そもそもオーストラリアと中国は緊張関係にある。オーストラリアは同盟国・米国とともに太平洋諸国の盟主として周辺国の援助を担って存在感を維持してきたが、近年はこの地域での中国の影響力が浸透して利害関係が対立しているためだ。
◇高まる真相究明の声
中国側がオーストラリアに対する圧力を強化する一方で、中国に向けて真相究明を求める声は高まっている。
英国では4月16日、首相代行を務めていたラーブ外相が「科学的手法に基づき、事後検証を極めて深く実施する必要があるのは明らかだ」と強調。そのうえで将来の中国との関係について、次のような見解を表明した。
「間違いなく言えるのは、危機が去ったとしても、すべてが元通りになるわけではないということ。そして、新型コロナウイルス感染が発生した経緯や、どうすれば拡大を早期に食い止められたのかという点を、厳しく問いたださなければならないということだ」
トランプ米大統領も27日の記者会見で「われわれは中国に不満がある。新型コロナウイルスの発生源において(感染拡大を)素早く食い止められたはずであり、そうしていれば世界中に拡大しなかったはずだ」との認識を示した。そのうえで「(中国に)責任を負わせる方法はたくさんある。我々は非常に重要なことを調査している」と述べ、中国に対して損害賠償を請求する可能性をにじませた。
また、ドイツ大衆紙ビルトは15日の段階で「中国に1490億ユーロ(約17兆円)の損害賠償を請求する」との記事を掲載し、話題になった。
記事では3〜4月の「損失」として▽観光産業240億ユーロ▽映画業界72億ユーロ▽ルフトハンザドイツ航空は1時間当たり100万ユーロ▽ドイツ国内中小企業500億ユーロ――などと主張した。ドイツの国内総生産(GDP)が4.2%減少し、ドイツ人1人当たりの損失は1784ユーロになると訴えている。
中国側の激しい反発を受け、オーストラリアのモリソン首相は29日、記者会見でこう訴えた。
「新型コロナウイルスは世界で20万人の命を奪い、世界経済をシャットダウンした。世界中の人々が教訓を学び、再発を防止するために、これがいかにして起きたのかという点で独立した評価を得たいと思うのは、まったくもって妥当であり、良識的であると思う」
●米政府がターゲットにした新型コロナ“コウモリ女”&「テレワーク」Zoom創始者の謎の組み合わせ
西岡省二 | ジャーナリスト
2020/5/8(金) 15:46
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米政府のターゲットにされた石正麗氏(武漢ウイルス研究所のウェブサイトより)
新型コロナウイルス感染をめぐる米中衝突が激しくなるなか、米教育省がテキサス大学システムに対し、中国の研究機関などとやり取りした電子メールなどの提出を要求している。その中で、コウモリ関連のコロナウイルス研究を統括して「コウモリ女」と呼ばれる石正麗氏と、コロナ禍で急成長したビデオ会議システム「Zoom」の創業者、袁征(エリック・ユアン)最高経営責任者(CEO)のふたりだけがターゲットとして名指しされており、この謎めいた組み合わせが関係者の話題になっている。
◇電子メールや契約書の開示要求
米教育省がホームページ上で公開した書簡(4月24日付)によると、同省がテキサス大学システムに提出を求めたのは▽中国科学院▽武漢ウイルス研究所▽石正麗氏▽袁征氏――との間で交わされた電子メールや契約などのあらゆる記録。同時に中国共産党やその代理人などとのやり取りに関しても情報共有を求めている。
中国科学院や武漢ウイルス研究所、石正麗氏は今回の新型コロナウイルス感染拡大のカギを握る組織・人物であり、米国としては、中国の責任を問うために、こうした対象に関する情報を可能な限り収集しておきたい。特に石正麗氏に関しては「秘密文書を持ち出して逃亡した」との噂が飛び交い、その動向が注目されている。(参考資料:新型コロナで注目の“コウモリ女”が「中国から機密文書を持ち出して米国に亡命」情報の真偽)
ただ、新型コロナウイルスに絡む中国との衝突に関連して、米政府がなぜZoomの袁征氏とテキサス大学システムとのやり取りに関心を抱いているのか、書簡だけでははっきりしない。
ほかにも同省は、北京大学や上海大学、中国通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)など、20以上の中国の大学や大手企業、共産党機関からの寄付や契約に関する資料の提出を求めている。
◇「ビル・ゲイツ氏に感銘」
調査の対象となった袁征氏は米国籍を持つ中国人(漢族)。米中メディアの情報を総合すると、1970年、中国山東省泰安で生まれ、現在の山東科学技術大学を卒業した。
1994年に4カ月間、横浜に滞在。その時、ビル・ゲイツ氏の「情報ハイウェイ」に関する演説を聞いて感銘を受け、シリコンバレーを目指した。ところが米国ビザの取得が難航し、94〜95年に計8回拒否されたという。
1997年に米企業WebExにエンジニアとして入り、同社がコンピュータネットワーク機器開発会社Ciscoに買収されたのちには技術部門の責任者を務めた。2011年に離職し、「Zoom Video Communications」(本社・米カリフォルニア州サンノゼ)を設立した。
新型コロナウイルスの感染が拡大し、外出自粛などの措置が取られるなか、Zoomは新たなコミュニケーションツールになって「オンライン飲み会」などで使われ、昨年末時点で1000万人だった1日当たりの利用者は、今年3月に2億人以上に急増。4月下旬には3億人を突破した。
一方で、プライバシーや安全性に関連した問題が続出する。英ニュースサイト・インディペンデントがZoomを使って社内会議を開いたところ、英経済紙フィナンシャル・タイムズの記者が無断で侵入したと報じられるなど、トラブルが相次いでいる。
◇外国資金に警戒
米教育省が外国からの資金に関する調査を実施するのは、中国などが米国の研究者の活動を支援して知的財産を獲得しようとしている、との懸念があるためだ。
英BBCによると、米教育省は今年2月、中国やサウジアラビアなどから寄付や契約として何億ドルもの資金提供を受けたにもかかわらず正確に報告していなかったとして、ハーバード大とエール大を調査した。合わせて華為技術との関係についての説明も求めた。
教育省の記録では、米国内の複数の大学は1990年ごろから中国やサウジアラビアなどから少なくとも66億ドル(約7020億円)を受け取ったのに、適切に報告していなかったという。
●新型コロナの危険察知の“コウモリ女”の口を封じた17歳下“美人”上司
西岡省二 | ジャーナリスト
2020/5/11(月) 15:15
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武漢ウイルス研究所の王延軼所長(研究所ホームページより)
中国湖北省の中国科学院武漢ウイルス研究所でコウモリ関連のコロナウイルス研究を統括してきた石正麗氏(1964年生まれ)について、オーストラリアのメディアが「中国当局に口止めされていた」と伝え、波紋を呼んでいる。そこには“情実人事”で研究所トップに抜擢された30代女性も関与しており、石氏ら第一線研究者との確執が複雑に絡んでいる。
◇「情報を漏らすな」
オーストラリアのニュースサイト「news.com.au」は5月3日、石氏と武漢ウイルス研究所をめぐる確執を詳細に記している。
同サイトは、中国当局が12月30日、石氏の研究チームに血液サンプルを分析するよう求めた▽分析の結果、石氏は新型コロナウイルスが人を殺すということを知った▽したがって石氏は、新型コロナウイルス感染により武漢で人が死んでいたことを知る世界最初の科学者の1人ということになる――と位置づけている。
新型コロナウイルス感染拡大後、石正麗氏は中国人ジャーナリストと接触。このジャーナリストは同サイトの取材に「武漢ウイルス研究所は今年1月2日の段階で遺伝子配列と関連の実験を終えていた。だが口封じされた」との見方を示したという。実験の詳細は記されていない。
これを裏付けるかのように、同じ1月2日、同研究所の王延軼所長が「重要提示」「武漢の原因不明の肺炎に関連した(情報の)公開を厳禁とする通知に関して」と題する電子メールを研究所の全職員に送っている。その中で王延軼氏は次のように記している。
「最近、原因不明の肺炎が社会のパニックを引き起こしている。我々は現在(それに)関連した業務を進めている。国家衛生健康委員会はメディアや個人メディア、ソーシャルメディア、提携企業を含む部外者に今回の肺炎の情報を漏らさないよう要求している」
研究所による「遺伝子配列と関連の実験」と所長のメールの関係は不明だが、こうした事実関係が正確であれば、中国当局は1月2日の段階で、事態の深刻さを把握して情報管理を進めていたことになる。
同サイトは、石正麗氏が4月のオンライン講義で「自分たちのチームは1月14日、自分たちが特定したウイルスが、ヒトに感染する可能性があることを確認した」と話した、と伝えている。中国当局が「ヒト・ヒト感染確認」と発表(1月20日)する6日前だ。
石氏をめぐっては現在、オーストラリアを含む英語圏5カ国の情報ネットワーク「ファイブ・アイズ」が調査を試みているとされる。同サイトによると、石氏は「安全管理が不十分なため誤って新型コロナウイルスが漏れ出たのではない」との主張を続けているという。ただ、米科学雑誌とのインタビューでは、石氏は感染が爆発的に拡大した際には「眠れぬ夜が続いた」と弱気になっていたようだ。
オーストラリアは新型コロナウイルスの起源を調べるための独立調査機関の設立を呼び掛けており、中国との関係が険悪化している。(参考資料:「新型コロナの真相調査を!」叫ぶオーストラリアに中国がちらつかせる“制裁”)
◇“情実昇進?”美人所長
実は、武漢ウイルス研究所では所長の王延軼氏をめぐるいざこざが起きていた。
王延軼氏は1981年生まれ。2004年に北京大学生命科学学院卒業後、2006年に米コロラド大学で修士号を取得。帰国して2010年、武漢大学生命科学学院で博士号を取得した。2012年に武漢ウイルス研究所に入り、2018年に37歳で所長になるというスピード出世を果たしている。
この人事に批判が集中している。本人の実力ではなく、15歳年上の夫・舒紅兵武漢大学副学長の七光りをバックにしているという声が根強いのだ。
舒紅兵氏は1967年、重慶生まれ。免疫学が専門で、2013年には武漢大学副学長、2014年には武漢大学医学研究院長を兼任している。北京大学生命科学学院で特任教授を務めていた2000〜2004年、教え子だった王延軼氏と知り合った。インターネット上では「王延軼氏は舒紅兵氏の4度目の結婚相手」と噂されている。
こうした事情もあり、武漢ウイルス研究所では不満が噴出し、規律が緩んでいたという。
事態を案じた中国生命科学界の権威、饒毅・北京首都医科大学学長(元北京大学生命科学学院教授)は2月3日夜、舒紅兵氏に「微信」(WeChat)でメッセージを送り、こう苦言を呈している。
「武漢ウイルス研究所の研究はウイルス学が中心であり、王延軼氏はその専門家ではない。多くの研究者たちも彼女をリーダーとして認めていないだろう。これでは研究所の威信は保てず、指導力も発揮できない」
「彼女の研究レベルはまだ低い。そんな状況では武漢ウイルス研究所は国内で尊重されず、発展も難しい」
「彼女は若すぎる」
そのうえで「最良の解決方法は、彼女に辞職願を提出させ、中国科学院に害を及ぼさないようにすることだ。あなたの夫人は明らかに、武漢ウイルス研究所のリーダーとして適任ではない」と強烈に批判している。
また饒毅氏はメッセージの冒頭で、舒紅兵氏が、教え子だった王延軼氏に手を出した点にも触れ、「私が(北京大学生命科学学院教授に)就任してからは教え子との恋愛は禁止した」と記し、舒紅兵氏自身にも批判の矛先を向けている。
武漢ウイルス研究所をめぐるトラブルはこの後も続く。
王延軼氏が全職員に送ったメールが流出したのが2月16日。その翌日には、実在する武漢ウイルス研究所の研究員が中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」上で身分証番号を明らかにしたうえで王延軼氏を誹謗中傷する文章を公開した。
「新型コロナウイルスは王所長が漏らした」
「王所長はいつも研究所から実験用動物を持ち出して、武漢華南海鮮卸売市場で売っていた」
この投稿はデマとして扱われ、削除された。研究所のホームページは即日、当該研究員名義で「事実ではない」とする声明を出すほどの神経の使い方だった。
こんな険悪なムードの中で持ち上がっているのが、石正麗氏亡命の噂というわけだ。(参考資料:新型コロナで注目の“コウモリ女”が「中国から機密文書を持ち出して米国に亡命」情報の真偽)
●新型コロナで注目の“コウモリ女”が「中国から機密文書を持ち出して米国に亡命」情報の真偽
西岡省二 | ジャーナリスト
2020/5/7(木) 16:42
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「石氏が行方不明」と伝えるインドテレビ局のウェブサイト(筆者キャプチャー)
中国湖北省の中国科学院武漢ウイルス研究所でコウモリ関連のコロナウイルス研究を統括してきた石正麗氏について、インターネット上で「家族と共にフランスの米国大使館に亡命申請した」との噂が広がり、中国側が火消しを急いでいる。この研究所は、米国などがたびたび“新型コロナウイルスの発生源”などと疑惑の目を向ける施設で、そこの専門家である石氏は「蝙蝠女侠(コウモリ女)」と呼ばれるキーパーソンだ。欧米各国が中国への損害賠償請求の動きを見せるなか、核心人物亡命の噂に各国メディアは浮足立っている。
◇野生動物の商取引に警告
石氏が主任を務める武漢ウイルス研究所新興感染症研究センターには、中国各地のコウモリ生息地から集められたコロナウイルスなどの大量の病原体が保管されている。
米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)によると、石氏は武漢の大学で生物学を学び、2000年には仏モンペリエ大学でウイルス学の博士号を取得した。英語だけでなくフランス語も堪能。英紙デイリー・テレグラフなどによると、02〜03年に重症急性呼吸器症候群(SARS)が大流行したあとの06年、石氏はオーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)管轄下のオーストラリア疾病予防センター(ACDP)で3カ月間、訪問学者としてコウモリを研究していた。テーマは「SARSとコウモリの関係」だったという。
WSJは「石氏がこれまで論文や講演で『野生動物の商取引を規制するという具合にその危険性に注意が払われなければ、彼女のチームがコウモリの体内で発見してきた各種コロナウイルスが、SARSと同じように猛威を振るうことになる』と絶えず警告してきた」と記している。
また、WSJは「石氏のチームが2013年に雲南省で採取したサンプルと、今回の新型コロナウイルス感染症を引き起こしたウイルスの遺伝子配列は、約96%一致している」と伝え、ここから“石氏の研究施設から流出して武漢市民に感染したのではないか”という説に結びつく、と記している。
◇「臭い口を閉じるよう忠告」
こうした見方に石氏は激しく反応する。2月のSNS上の投稿で、ウイルス発生源が自身の研究所でないことを「命に賭けて約束する」と表明し、「悪意のあるメディアの噂を信じて拡散する人たちには、その臭い口を閉じるよう忠告する」と反撃した。
ところが、4月末ごろになって、インターネット上に次のような話が書き込まれるようになった。
「石氏が1000件近い秘密文書を持ち出して、家族と共に欧州に逃亡し、フランスの米国大使館に亡命を申請した」
これがネット上で広まり、中国のネットユーザーの間で「石氏は裏切者だ」という批判が出た。筆者が情報を検索してみると、インドのニュース専門テレビ局WIONも5月6日に「彼女は有名なウイルス学者で、世界が求めている問いに対する答えを持っているかもしれない」としたうえ「だが彼女は行方不明になっている」と伝えている。
この「亡命説」について、中国共産党機関紙・人民日報系「環球時報」は5月2日の段階で、石氏が中国版LINE「微信(WeChat)」上で友人に向けて書いたものとして、次の文章を掲載した。
「私と私の家族はみな元気です。いかに多くの困難があろうと、『叛逃(国に背いて亡命すること)』のデマにあるような状況にはなりえない」と否定したうえ「我々は何も間違ったことはしていない。我々の心の中には、科学に対する揺るぎない信念がある」
WSJが伝えたカリフォルニア大学デービス校のパンデミック専門家、ジョナ・マゼット氏の話によると、石氏は長年研究の対象としてきたすべてのコロナウイルスを目録にしているという。ただ、石氏はマゼット氏に「今回の新型コロナウイルスがヒトに感染するまで、自分たちの研究所はこのウイルスを持っていなかった」と伝えたそうだ。
マゼット氏は、この10年間、仕事を通して石氏と交流があるといい、「今回のことで、彼女は信じられないほどの緊張とストレスにさらされている」と話している。
◇ファイブ・アイズが石氏らを調査?
米国と中国の間では新型コロナウイルスの発生源をめぐって緊張が続く。
トランプ米大統領とポンペオ米国務長官は最近、「発生源が武漢ウイルス研究所であることを示す膨大な証拠がある」「中国は非常におぞましいミスをした。隠そうとした」などと、武漢ウイルス研究所をターゲットにした発言を繰り返している。
複数の米メディアは相次いで、トランプ政権は同研究所と新型コロナウイルスの関わりについて調査を進めている▽ポンペオ長官は研究施設の公開を中国側に要求した▽2年前にこの研究所を視察した米外交官が「コロナウイルスを研究している。だが安全対策が不十分である」と警告する公電を送っていた――などと伝えている。
またデイリー・テレグラフは、英語圏5カ国(米国、英国、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド)の情報ネットワーク「ファイブ・アイズ」が石氏らに対する調査を試みていると伝えた。ただ当局者はこの報道に関する確認は避けている。
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西岡省二
ジャーナリスト
大阪市出身。毎日新聞入社後、大阪社会部、政治部、中国総局長などを経て、外信部デスクを最後に2020年独立。大阪社会部時代には府警捜査4課担当として暴力団や総会屋を取材。計9年の北京勤務時には北朝鮮関連の独自報道を手掛ける一方、中国政治・社会のトピックを現場で取材した。「音楽」という切り口で北朝鮮の独裁体制に迫った著書「『音楽狂』の国 将軍様とそのミュージシャンたち」は小学館ノンフィクション大賞最終候補作。
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●豪提案「独立調査」に中国猛反発 コロナ発生源、WHO総会控え
2020/5/10(日) 15:43配信共同通信
豪提案「独立調査」に中国猛反発 コロナ発生源、WHO総会控え
中国陝西省を視察する習近平国家主席(右から2人目)=4月(新華社=共同)
【北京共同】新型コロナウイルスの発生源や感染拡大の経緯を巡り、独立した調査が必要だと主張するオーストラリアに、中国が猛反発している。オーストラリアは今月半ばの世界保健機関(WHO)総会で議題になるとの立場を示しており、中国はウイルス拡散を巡る「中国責任論」の高まりを警戒している。
【写真】中国、女性医師を丸刈りに「英雄」と宣伝
「何が起きたのか、独立した調査が必要だ」。オーストラリアのモリソン首相は4月23日の記者会見でこう強調した。
独立した公衆衛生の検査官がパンデミック(世界的大流行)の関係地に行き、迅速に状況を把握する重要性を指摘。情報が得られれば「多くの生命を救える」と訴えた。
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最終更新:5/10(日) 19:53
共同通信
●中国農家による遺伝子組み換えトウモロコシの違法栽培
2016年1月14日 yusuke.saito GMO, トウモロコシ, 中国, 違法栽培, 遺伝子組み換え
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国際環境NGO・Greenpeaceは水曜日、中国北東部の農家で遺伝子組み換えトウモロコシが違法に栽培されていると報告書上で発表した。これにより中国政府は、国産食品の安全性に対する信頼をさらに損なう可能性がある。
14億人の人口の食糧供給を目指し、中国政府は遺伝子組み換え作物に数十億ドルという投資を行ってきたが、遺伝子組み換えに対する抵抗感が根強い中、いまだ商業栽培は許可していない。
Greenpeaceの報告書は、商業栽培が一度許可されれば政府当局による遺伝子組み換え作物の監督が難しくなり、遺伝子組み換え種子が拡散することで食物連鎖が汚染される懸念を裏付けることになりそうだ。報告書によれば、中国の主要農業地帯である遼寧省内5県のトウモロコシ畑から採取されたサンプルの93%に遺伝子組み換えの陽性反応が確認された。
さらには、同地域の種子市場およびスーパーマーケットから採取した、種子のサンプルとトウモロコシ製品のほとんどから遺伝子組み換えが検出された。違法な遺伝子組み換えトウモロコシはすでに国中の貯蔵倉庫、卸売および小売市場に出回り、最終的には市民の食卓にまで達している可能性が高いとGreenpeaceは述べている。Greenpeaceは遺伝子組み換えトウモロコシがどのような経緯で市場に流入したかは不明だとするが、以前より実地試験で栽培された遺伝子組み換え作物が違法に農家に売られている疑いが指摘されていた。
そのような発表を受け、遺伝子組み換え技術に対する国民の反感は高まっている。一部の遺伝子組み換え反対活動グループは、政府が遺伝子組み換え作物の輸入および国内での栽培認可計画の開示を怠ったとして訴訟を起こすに至っている。遼寧省の種子市場で陽性反応が出た6株のトウモロコシ種子のうち、3株は中華人民共和国農業部(日本の農林水産省に概ね該当)による認可を受けておらず、残り3株は通常の種子として認可を受けたものであり、遺伝子組み換え種子による汚染を受けたと考えられると団体は述べている。
中国農業部はGreenpeace報告書に対するコメント依頼に対し、すぐには返答しなかった。同部は昨年、開発中のバイオ関連製品の監督強化のために規制変更を行っていると述べていた。
調査で特定された遺伝子組み換えトウモロコシの株は、国際企業であるモンサント社(Monsanto)、シンジェンタ社(Syngenta)、デュポン・パイオニア農場(Du Pont Pioneer)のものであるとGreenpeaceはいう。デュポン・パイオニアは法律上中国にバイオテック種子を販売することはないと述べ、未承認のバイオテック作物の流出元について憶測は控えるとした。「知的財産権はどの市場においても懸念される問題だ。なぜならそれは、農家に販売する商品の品質保証のためにも、企業が当社の投資を回収し、当社が新技術への投資を持続するためにも、重要な要素となるためである。」と同社の広報担当者は述べた。モンサント社とシンジェンタ社はコメントを求めるEメールに返答していない。
違法な種子の生産および販売の原因は、種子市場の“非常に手ぬるく無秩序な”管理システムにあるとGreenpeaceは指摘する。同団体は、トウモロコシの品種改良を行う全企業に対する調査と、違法遺伝子組み換え種子の処分を中国政府に推奨している。また中国北部における播種期の年次調査、遺伝子組み換え作物の研究および栽培の監督強化が必要だとした。遺伝子組み換え作物の処分により生じた損失は補償されるべきであると主張している。
関連記事
・シンジェンタ買収 中国におけるGMOへの影響
参考:http://www.eco-business.com/news/chinese-farmers-are-illegally-growing-gmo-corn-greenpeace/
●2018.01.24 No.887
遺伝子組み換え
■中国の害虫抵抗性GM米 米国FDAが承認
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米国食品医薬品局(FDA)は1月9日、中国・華中農業大学(湖北省武漢市)が開発し申請した害虫抵抗性の遺伝子組み換えイネ「華恢1号」を承認した。米国環境保護庁(EPA)の承認も得たという。この遺伝子組み換えイネは、2006年以来たびたび見つかって問題となっている、日本では未承認のBt63と同じもののようだ。
FDAは、華中農業大学のチェン氏に宛てた書簡で、「(華恢1号の)構成、安全性と他の関連したパラメータが、現在市場に出ている米を原料とする食品や飼料と実質的に異なるとは考えていないと理解している。遺伝子組み換えの華恢1号は、FDAによる市販前審査または承認を必要とする問題を提起していない」と述べ、食品や飼料として問題がないとしている。
公開されたFDAの書簡では、この華恢1号は、ニカメイガやコブノメイガなどの鱗翅目(チョウ目)害虫に対する殺虫性毒素を作り出す細菌(バチルス・チューリンゲンシス)由来の遺伝子Cry1AbとCry1Acを組み込んだものとしている。
環球時報(英語版)によれば、中国政府は2009年、この遺伝子組み換えイネ華恢1号についてバイオセーフティ証明を出したものの商業栽培を許可しなかった。中国では2009年の試験栽培に関する承認を最後に、遺伝子組み換えイネの商業栽培に関する承認はないという。この米国FDAの承認によって、すぐに遺伝子組み換え米の流通につながるということではないだろう。
しかし、このFDAの承認は、「安全評価、栄養評価の実験方法及びデータが、米国関連機関から完全に承認されたことを意味する」(人民網)として中国に自信を与えていることは確かだろう。
この数年、遺伝子組み換え食品に慎重だった中国政府は、徐々に解禁の方向に舵を切っているように見える。中国政府は2016年8月、「新しい害虫抵抗性の綿とトウモロコシ、除草剤耐性の大豆の商業栽培の推進」を公表している。一方で中国の消費者は、遺伝子組み換え食品への忌避感が強いとも報じられている。中国黒竜江省は2017年2月、9割の市民の反対を受けて、省全域での遺伝子組み換え作物栽培を禁止するGMOフリーゾーンを決めている。
商業栽培の承認がないとしても、中国国内では研究機関から流出した遺伝子組み換え米が違法に栽培されていることも確かなことであり、輸入の米加工品から検出される可能性がなくなったわけではない。
・FDA, 2018-1-9
Biotechnology Notice File No. BNF 000156
・人民網日本語版, 2018-1-22
中国の遺伝子組み換え耐虫性稲が米国で食用の許可取得
・Global Times, 2018-1-22
China's first GM rice gets US FDA approval
・Reuters, 2018-1-23
U.S. gives safety approval to Chinese genetically modified rice strain
●欧州のウイルス専門家、新型コロナウイルスに「消すことのできない人工的痕跡」
2020年02月13日 15時28分
欧州在住の伝染病研究者である董宇紅氏はこのほど、新唐人テレビの番組に出演し、新型コロナウイルスについて「人工的に作られた可能性が大きい」と指摘した(新唐人テレビより)
欧州在住の伝染病研究者である董宇紅氏はこのほど、新唐人テレビの番組に出演し、新型コロナウイルスについて「人工的に作られた可能性が大きい」と指摘した(新唐人テレビより)
中国で猛威を振るう新型コロナウイルスについて、一部の海外の専門家は、同ウイルスが実験室で人工的に合成されたと指摘した。米ホワイトハウスはこのほど、アメリカの科学者に対して、ウイルスの発生源について調査するよう求めた。
欧州在住の中国出身ウイルス学者・董宇紅氏は2月9日、新唐人テレビの「熱点互動」番組に出演し、新型コロナウイルスが人工的な産物だとの見方を示した。
董宇紅氏は、中国の北京大学医学部を卒業、伝染病学博士を取得したのち、北京大学附属第一医院で勤務していた。現在、スイスのバイオテクノロジー会社、SunRegen Healthcare AGで首席科学官を務めている。
以下は、番組インタビューの内容である。
司会者:新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大につれ、医学界はこのウイルスの発生源について関心を寄せています。最近、複数の医学研究者がこのウイルスの構造と特性について研究を行い、このウイルスには人工的に作られた痕跡があると指摘しました。欧州に住むウイルス専門家の董宇紅さんは先日、大紀元に寄稿し、新型コロナウイルスについて自らの見解を示しました。
董さん:視聴者の皆さんこんにちは。
司会者:董さん、こんにちは。董さんは先日、大紀元に寄稿されました。この寄稿の中で、董さんは、一部の医学研究報告を分析した結果、新型コロナウイルス(2019-nCoV)について、今まで見たことのない特徴があると述べました。つまり、このウイルスは自然発生の可能性が非常に低いということです。言い換えれば、人によって作られたと言えます。なぜこのような結論にたどり着いたのでしょうか?
董さん:私の専門は伝染病研究です。80代の両親と他の親戚、兄弟は皆、都市封鎖措置が実施された湖北省黄岡市と武漢市に住んでいます。今、家族や親戚は非常に不安になっています。家族の話を聞いて、私は事態の重大さに気づきました。実に、2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)がまん延していた際、私は北京にいました。あの時、私は体調が悪くて、北京市内の病院で1、2カ月間入院していました。その時の北京市内も、市民はかなり不安でしたが、しかし今の新型肺炎は、比べものになりません。それに、当時、感染拡大の影響で外出に少々不便はありましたが、都市封鎖の措置はなかったのです。アメリカの研究者、エリック・ファイグルーディン(Eric Feigl-Ding)博士は新型肺炎について、「熱核反応のような」大流行だと警告しました。
多くの医学研究報告が、新型コロナウイルスにこれまで見られなかった特徴があると指摘しました。
イギリスの医学誌「ランセット(The Lancet)」に最近掲載された報告書では、41人の感染者を臨床研究しました。このうちの3分の1の患者が集中治療室(ICU)での治療を受けなければならなかったのです。半分の患者に呼吸困難の症状が見られました。さらに、致死率が15%に達したと報告されました。医師として、私はこの感染拡大は尋常ではないと直感しました。
それに親、他の親族や友人、中国のすべての国民は今、非常に不安になっています。これを見て、私はこのウイルスがどういうものかと考え、「ランセット」「サイエンス」「ネイチャー」など国際医学誌で発表された研究資料を調べ始めました。これは、感染防止の最前線にいる中国の医師や科学者による研究資料です。なかに、中国疾病予防管理センターや国家生物安全重点実験室、武漢市金銀潭医院の専門家や医師がいるので、信ぴょう性が高いと思います。
新型コロナウイルスのゲノム配列情報は、すでに国際的な遺伝子データベースに送られたので、海外の専門家は非常に注目しています。各国の研究者はこのゲノム配列の情報を基に、それぞれ研究を行っています。私は、客観的公平性を重視しているので、公式に発表された論文しか読まないようにしています。それで、おおよそ10数本の論文を読みました。ここで今まで得た知見を皆さんに紹介したいと思います。
司会者:はい、お願いします。
董さん:科学者が新しいウイルスを発見した時、一般的にまず、ウイルスのゲノム配列を調べるのです。つまり、この新しいウイルスは他のウイルスと比較して、配列にどのような違いがあるのかを調べるのです。この配列とすでに知られているウイルスのゲノム配列の類似性から、ウイルスの種類を分類していきます。
1つ目は、多くの研究論文は、この新型コロナウイルス(2019-nCoV)をコロナウイルスに分類しました。しかし、新型コロナウイルスは、コロナウイルスの中で「非常に新しいメンバー」だと言えます。新型コロナウイルスは、2種類のコウモリ由来のコロナウイルスと非常に似ていますが、それでもそのゲノム配列の類似性は高くないのです。
これを見て最初に、私は、新型コロナウイルスのタンパク質をさらに調べる必要があると思いました。なぜなら、ゲノムはタンパク質が(生体の)機能を決めるからです。
2つ目は、皆さんが知っているように、ウイルスと言うのは寄生体で、宿主の細胞に寄生してはじめて生きられます。では、新型コロナウイルスの場合、どのようにして宿主の細胞に入ったのでしょうか。これは、受容体と呼ばれるヒトの細胞のタンパク質がこのウイルスの表面にあるタンパク質と結合しなければならないということになります。新型コロナウイルスの表面にあるタンパク質が「鍵」であるなら、ヒトの細胞の表面にある受容体は「錠」です。受容体がウイルスのタンパク質と結合した後、受容体を持つ細胞には食作用(phagocytosis)が起きます。つまり、細胞が細胞外にある物質を取り込むエンドサイトーシス(endocytosis)が発生するのです。これによって、ウイルスが宿主の細胞に侵入するのに成功したと言えます。ここから、ウイルスは宿主の細胞の構造とタンパク質や酵素を利用して、自身の生命活動と増殖を始めるのです。だから、ウイルスは非常に狡猾な微生物だと言えます。細胞内に入り込んだ後増殖するというこのウイルスの特徴から、抗ウイルス剤による薬物治療が難しくなっており、ワクチンの開発も困難です。
コロナウイルスには共通点があります。この種のウイルスは特有のスパイク・タンパク質(Spike Protein)を持っています。専門家は、このスパイク・タンパク質が人の細胞の内部に侵入するコロナウイルスの表面にあるタンパク質であると認識しています。このスパイク・タンパク質は、宿主に感染する際に親和性を大きく発揮しているだけではなく、毒性も発揮しています。
スパイク・タンパク質について、多くの論文はある共通の現象に言及しています。このスパイク・タンパク質のゲノム断片は、新型コロナウイルスの他のタンパク質、つまり、スパイク・タンパク質ではないタンパク質のゲノム断片と大きく異なり、それぞれのゲノム配列も違っています。仮に、新型コロナウイルスのその他のタンパク質が同種類のコロナウイルスと、80〜90%似ているとします。しかし、新型コロナウイルスのスパイク・タンパク質と同種類のコロナウイルスのスパイク・タンパク質の類似性は70%しかないです。この差は歴然です。
なぜこのように大きく異なっているのでしょうか? 専門家は、新型コロナウイルスのスパイク・タンパク質の中間配列について困惑しています。この中間配列の源を見つけることができていないのです。多くの研究者は、このウイルスのゲノム配列を解析していますが、しかし、そのうちの数千の塩基対(base pair、略してbp)はすべてのウイルスデータベースに照合しても、見つけることができませんでした。だから、専門家はみな驚いています。
3つ目、新型コロナウイルスのスパイク・タンパク質のタンパク質構造にも、異なる点があります。ご存知のように、タンパク質は三次構造となっています。一部のゲノム配列はタンパク質の表面に現れます。これが、他の受容体と結合する際大きな役割を果たすのです。
ある2本の論文は、新型コロナウイルスのスパイク・タンパク質にある4つの重要なアミノ酸残基が人為的に替えられたと指摘しました。4つのアミノ酸残基が替えられたにもかかわらず、スパイク・タンパク質と受容体の結合性に変化がないのです。1本の論文は、中国科学院パスツール研究所の専門家、崔傑氏が書いたものです。もう1本の論文は、インド工科大学のプラダン(Pradhan)教授らが執筆したものです。インドの研究チームは、新型コロナウイルスのタンパク質はHIVウイルスと酷似していると指摘しました。中国の研究チームは、新型コロナウイルスがACE2(血管機能に関わるアンジオテンシン変換酵素2)細胞受容体に結合して感染するとの見方を示しました。
遺伝子の突然変異について、特にウイルスの遺伝子突然変異は一般的に、自然突然変異と言います。これは無作為で、いかなる機能性や目的性を持たないので、遺伝的浮動(genetic drift)と言い、ウイルスの自然的な再集合とも言います。しかし、新型コロナウイルスについて、われわれはこのウイルスが、受容体タンパク質の働きを保ちながら、正確に「異変」していることに驚いています。
このウイルスはなぜ、その働きを保ちながら、正確に異変したのでしょうか。自然界では、このような現象はありますが、しかしウイルス研究者として、このような現象を目にする確率は非常に低いのです。だから、その2本の論文は、新型コロナウイルスが人為的に合成されたものだという仮説を唱えたのです。
新型コロナウイルスにpShuttle挿入の痕跡
司会者:董さんは大紀元に寄稿された後、米国の科学者、ジェームス・ライオンズ・ウェイラー(James Lyons-Weiler)博士と意見を交換したと聞きました。ライオンズ・ウェイラーさんは、別の角度から新型コロナウイルスを研究して、同じような結論にたどり着きました。
董さん:このアメリカの科学者は生物遺伝学の専門家です。彼はエボラウイルス(Ebola)について研究してきました。中国で新型コロナウイルスの感染が拡大してから、ウェイラー博士は新型コロナウイルスに注目し、ウイルスのデータベースを通じて、新型コロナウイルスのゲノム配列を調べていました。彼は自分のブログで研究結果を掲載しています。
新型コロナウイルスを調べている私がウェイラー博士のブログを読んだ後、彼に連絡しました。ウェイラー博士もまず、新型コロナウイルスのスパイク・タンパク質が、このウイルスのほかのタンパク質のゲノム配列と大きく相違していると指摘しました。
彼はこのように言いました。「なぜこのウイルス(2019-nCoV)の多くの遺伝子の中で、このタンパク質だけが配列が全く異なっているのでしょうか。これは全く筋道が通らないことです。他の場所から由来したとしか考えられません」
ジェームス博士の専門は進化生物学だから、この現象に違和感を感じたのでしょう。彼は最初、中国の科学者が発表した新型コロナウイルスのゲノム配列の論文に注目しました。この論文は、新型コロナウイルスのスパイク・タンパク質のゲノム配列にマッチするゲノム配列がないと気づき、仮説として、ヘビ由来のコロナウイルスのゲノム配列と関連性があると主張しました。しかし、その後この仮説は覆されました。
ジェームス博士はその後、分子生物学のゲノム解析方法で、新型コロナウイルスのあの不自然なシークエンスを、非ウイルス由来のシークエンスと比較しました。この結果、博士は、SARSウイルスの再集合に必要なpShuttle-SNと呼ばれる特異の遺伝子配列に非常に近いと気づきました。Shuttle bus、シャトルバスをよく聞きますね。Shuttleは、定期往復便という意味です。遺伝子の研究では、Shuttleというのはある種を別の種に運ぶことを指します。遺伝子を運ぶ道具だと言えましょう。このpShuttle-SNを開発した実験室は、中国のSARS遺伝子ワクチンタンパク質を生成した実験室であります。
ジェームス博士は、新型コロナウイルスが人為的に作られた生物兵器だとは思っていませんが、しかし実験室で行われた遺伝子組み換えによって、非常に危険なウイルスが合成されたとの見方をしています。研究員があるウイルスの一部の配列を別のウイルスの一部の配列に組み込んだことで、人工的な遺伝子組み換えウイルスを作り出したのです。このような人工的な遺伝子組み換えウイルスは、予想もしなかった毒性を持つようになるかもしれません。
司会者:一部の専門家は、新型コロナウイルスにpShuttleを挿入した痕跡がはっきりしていて、指紋を残したかのようだと指摘しました。
董さん:そうですね。このpShuttleはウイルスに見られますが、生物には存在しないのです。この配列は、一般的に遺伝子組み換えを行うときに使われます。これは人の指紋のようです。人の指紋がそれぞれ異なっているのと同じように、生物の遺伝子の一部の配列も特徴的です。特徴的な配列はそれぞれ違うのです。だから、(pShuttleを挿入したことは)まるで「絶対に消すことができない人工的な痕跡」を残したということになります。
司会者:ジェームス博士の結論は?
董さん:ジェームス博士は、この新型コロナウイルスについて、90〜95%の確率で「ラボ・イベント(lab event)」によって引き起こされたとの結論を付けました。ラボ・イベントは、人為的にウイルスを改造する実験室を指します。
米政府が調査を要求
司会者:アメリカ政府の科学技術政策局(OSTP)は最近、科学者や医療研究者宛てに公開書簡を送って、新型コロナウイルスの源を迅速に解明するよう求めました。
董さん:中国で新型肺炎の感染拡大は深刻で、突如に現れた災いと言えます。このウイルスの生物学的特徴、感染ルート、遺伝子断片、毒性の強さなどはまだわかっていません。さらに、このウイルスによる動物実験や臨床研究においても、データが混在していて不明な部分が多いです。
世界を巻き込む重大な公衆衛生事件として、中国だけではなく、全世界に脅威を与えています。アメリカには、世界トップレベルのウイルスや伝染病の研究者がいます。アメリカ政府は、新型肺炎の感染拡大を阻止するために、中国や国際社会に協力する義務があると思います。
もちろん、アメリカだけでなく、他の国も医師や研究者チームを中国に派遣すべきだと考えます。なぜなら、中国に降りかかった災いは全世界の人々の災難であり、中国の問題は全世界の人々の問題でもあると思います。
司会者:董さんがおっしゃったように、新型コロナウイルスが人為的に作られた、あるいは実験室のミスによって合成されたものだとすれば、誰がこの責任を負うべきだと思いますか?
董さん:バイオテクノロジーにおいて、現在、遺伝子操作や遺伝子組み換えの技術があります。過去数十年来、科学者たちは、さまざまな遺伝子組み替え技術を通じて、ウイルスを改造したり、ウイルスを再集合させたりしてきました。この技術によって新しいウイルス、新しいワクチンが生まれました。また、この技術で治療のために、有益なタンパク質を人体に組み込みました。
しかし、物事は弁証的に見なければなりません。物事にプラスの面があれば、マイナスの面もあります。たとえば、私が読んだ一部の論文は、遺伝子操作技術によって作られたキメラウイルスについて研究しています。研究者は、野生由来のウイルスにある毒性の高いタンパク質を、すでに知られたウイルスの中に結合させてから、その後遺伝子組み換えによって生じたタンパク質や、この新ウイルスの毒性を調べています。この技術は分子生物学の研究のためにあります。しかし、新しく作られたウイルスの毒性はもっと強い可能性があります。人類に潜在的な脅威を与えることになります。
アメリカの分子生物学者のリチャード・エブライト(Richard Ebright)博士は2015年、「ネイチャー」誌に論文を発表しました。エブライト博士はウイルスの遺伝子組み換えによって新しいウイルスを生成したことは、「実験室で新しい非自然のリスクを作り出した」と警告しました。先ほど話したジェームス博士は、新型コロナウイルスはSARSワクチンの研究と関係があるという仮説を唱えています。
なぜなら、SARSワクチンも遺伝子組み換え技術によって作り出されたからです。新型コロナウイルスが実験室で人為的に合成されたとすれば、その動機とやり方はともかく、実験室は、毒性を持つウイルスが外部に漏れないように責任を持って扱うべきだと思います。
私は科学の発展が重要だと考えています。しかし、これは人類にとって有益で、人類の基本的な道徳観に基づくものであるべきだと思います。道徳観を無視して科学を発展させるのは、必ず大きな危機を招くことになります。人類は、科学技術の過剰な発展によって壊滅される危険性にされされています。
なぜ街で市民が突然倒れるのか
司会者:一部のネットユーザーは、中国の街で、あるいはスーパーなどで、市民がバタッと倒れる様子の写った動画を投稿しています。このことについて、どう思いますか。
董さん:私もこのような動画をたくさん見ました。本当に恐ろしいです。今までの医療活動で、あるいは(中国で)SARSがまん延した当時もこの現象を見たことがないです。動画では、市民は買い物袋やトランクを持っていて、突然、倒れました。しかも、倒れた後、びくともしないです。
これは、苦痛やけいれんが見られないので、心臓や肺の機能が停止したと見受けられます。一般的に心肺停止状態になると、人が死亡したと判断しても良いです。しかし、検視報告書を読まなければ、この現象について結論を付けることはできません。
このような突然死に関して、まず中国の衛生当局が数十件の検視報告を提供しなければならないです。その次に、心肺停止になった原因を調べなければならないと思います。
新型コロナウイルスに感染した患者の半分以上に呼吸困難が報告されました。そのうちの12%の患者に急性の心臓損傷がみられました。さらに、60%以上の患者には急性リンパ球減少が起きました。これは、血液に流れたサイトカインというタンパク質と関係します。サイトカインは砲弾のように、各臓器の細胞を攻撃し、多臓器の機能障害や多臓器不全を引き起こします。あの突然死の映像を見ると心が痛みます。今までこのような現象を見たことがなかったです。今後これについての研究報告を期待します。
新型コロナウイルス新たな現象
司会者:現在、新型コロナウイルスに関する研究の発見が多くなっています。一部では、このウイルスが変異し続けています。報道では、マスクを着けない場合、数十秒の接触でこのウイルスに感染するとか、無症状感染、母子感染などがあります。中国当局も、エアロゾル感染の可能性も示しました。
董さん:ウイルスの人体への危害を判断する上で2つの基準があります。1つ目は伝播性、あるいは感染力です。人々の間で感染が広まる速度とその能力です。2つ目はウイルスの毒性です。先の質問は、新型コロナウイルスの感染力に関する話です。
中国当局の発表では、このウイルスには2つの感染ルートがあります。1つ目は、SARSと同じように、咳やくしゃみなどによる飛沫感染です。2つ目は、接触感染です。しかし、最も恐ろしいのは無接触感染、またはエアロゾル感染という感染経路があります。中国当局は、エアロゾル感染は新型コロナウイルスを含んだ飛沫が空気中で微粒子となって、空気の流れとともにさらに遠く飛ばされ、これを吸い込むと感染すると説明しました。つまり、新型ウイルスは遠距離伝播ができるということです。このエアロゾル感染は新型コロナウイルスの伝播能力を反映していると思います。
司会者:遠距離伝播はどのくらいの距離ですか?
董さん:私が今まで見た伝染病ウイルスの症例の中に、このような遠距離伝播ができるエアロゾル感染がないです。なので、正確には言えないです。しかし、近距離伝播の5〜10メートルまでより遠くなることは間違いないです。武漢市政府はなぜ、厳戒令を発動するのではなく、都市封鎖措置を実施したのかを考えると、やはり中国当局は新型コロナウイルスの感染力の速さと広さに気づいたからだと思います。当局が、数十メートル、あるいは数百メートル、さらに遠い距離でも他の人にこのウイルスを感染させてしまうことがわかったと推測します。
新型コロナウイルスのもう一つの特徴は、ヒトからヒトへの強い感染力です。このウイルスの潜伏期間に、他の人に感染する可能性があるのです。一般的なウイルス性伝染病の場合、症状が現れてから、初めて他の人に感染するのです。なぜなら、症状が出た時、体内にあるウイルスの毒性がピークになっているから、人にうつすことが可能です。
しかし、新型コロナウイルスは潜伏期間内に他人にうつしています。公共施設にいる市民のなかに、誰がこのウイルスの感染者かを知る余地もないでしょう。だから、感染拡大防止に大きな困難をもたらしました。すべての人にウイルス検査を行うのは不可能だからです。
新型コロナウイルスの致死率の高さにも注目しなければならないです。SARSが発生した当時は、致死率が9.3%でした。最近、医学誌「ランセット」で発表された論文は41人の感染者について調査を行い、致死率が15%だという見方を示しました。
したがって、新型コロナウイルスの毒性が非常に強いとわかるのです。毒性は、ウイルスのタンパク質の機能と特性によって決められます。これが、私がなぜ新型コロナウイルスのゲノム配列をさらに研究する必要性を訴えるかの理由です。スパイク・タンパク質はこのウイルスの感染力を決めるのです。スパイク・タンパク質によってこのウイルスが人体の細胞に侵入するのです。だから、どのようなタンパク質がこのウイルスの毒性を生じさせたのか、どのように受容体、あるいは細胞に結合するのかなど、このような研究にさらに取り組む必要があります。
中国当局に「情報の透明性を」
司会者:医師として、中国当局の対応をどのように見ていますか?
董さん:中国は今、今まで見たことのない危機と災難に直面しています。中国当局は最大限に情報やデータを公開する必要があります。当局は、現在把握している症例、研究結果を公にするべきです。これができて、はじめて各国の専門家や医師が中国当局に支援の手を差し伸べることができます。
新型コロナウイルスの由来、毒性の特徴、感染力、人体の臓器組織への危害を明らかにして、われわれ研究者ははじめて感染防止の方法を見出すことができます。
同時に、中国側は国際社会の支援を受け入れるべきだと思います。感染者が毎日急増しています。だから、これは極めて困難な防疫任務で、全世界の科学者と医師、政府関係者が一丸となって共に解決していく必要があります。新型肺炎のまん延は人命にかかわる重大なことです。中国で起きた今回の災難は、重大な人道的な災難だと言えます。われわれは、すべての資料を公開するよう中国当局に呼び掛けています。
司会者:ありがとうございました。
(翻訳編集・張哲)
●【解説】 新型ウイルスの「研究所流出」説、証拠はあるのか?
2020年04月18日
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ポール・リンコン科学編集長、BBCニュースウェブサイト
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新型コロナウイルスを検査するギリシャの研究室
アメリカ国務省の公電によると、在中アメリカ大使館の職員から、中国・武漢市にあるウイルス研究所のバイオセキュリティーについて懸念の声があがっている。この研究所は、新型コロナウイルスのアウトブレイク(大流行)が最初に世界の注目を集めたのと同じ都市にある。
ドナルド・トランプ大統領は、新型ウイルスがこの研究所から流出したものだという未確認情報について調査すると発言している。
この説は果たして、現在のパンデミック(世界的流行)の理解に寄与するのだろうか?
国務省の情報とは?
米紙ワシントン・ポストは、入手した外交公電をもとに、これについて報じている。それによると、2018年にアメリカの科学専門の外交官がたびたび、中国の研究施設視察に繰り返し派遣されていた。その上で本国の政府へ、研究所の安全性に問題があるという警告を2件送っていた。
記事によると、米外交官たちは、武漢ウイルス研究所(WIV)の安全性と管理体制にぜい弱性があり、支援が必要だと求めていた。
また、この研究所が行っていたコウモリのコロナウイルスの研究が、重症急性呼吸器症候群(SARS)のようなパンデミックを起こしかねないと、視察した米当局者たちは懸念してたと、ワシントン・ポストは続けている。
その上で同紙は、米政府内ではこの外交公電をもとに、WIVあるいは武漢市内の別の研究所が、今のパンデミックを起こしているウイルスの発生源ではないかという議論が加速していると報じた。
米保守系フォックス・ニュースも、研究所が新型ウイルス発生源だという説を支持する記事を掲載した。
新型ウイルスは昨年12月に存在が確認され、初期の症例は武漢の食品市場との関連が指摘されている。しかしインターネット上で研究所説が急激に拡散されているにも関わらず、Sars-CoV-2(新型ウイルスの正式名称)が研究所から流出してしまったののだという証拠は一切出ていない。
研究所のセキュリティー対策はどんなものか
ウイルスやバクテリアを取り扱う研究所は、バイオセーフティーレベル(BSL)と呼ばれる安全基準に従っている。
BSLは世界保健機関(WHO)が制定した実験室生物安全指針に基づき、扱う病原体によって4つのレベルに分けられている。
最も低いBSL-1は、人間に害がなく、研究の進んでいる病原体を扱う研究所に適用される。
レベルは封じ込めの度合いと共に上昇し、最高レベルのBSL-4の研究所では、天然痘ウイルスやエボラウイルス、マールブルグウイルスといった、ワクチンや治療法の少ない病原体を扱っている。
このうち天然痘ウイルスについては、アメリカとロシアの2カ所の研究所でしか取り扱いが認められていない。
BSLの基準は国際的に使用されているが、地域ごとのバリエーションもあるという。
英キングス・コレッジ・ロンドンでバイオセキュリティーを専門とするフィリッパ・レンツォス博士は、「たとえばロシアでは最低レベルを4、最高レベルを1としており、BSL水準とは逆になっている。でも実際に行われている安全策やインフラ要請は似ている」と説明した。
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ハンガリーのこの研究所を含め、検査機関は4レベルに分かれた安全基準に沿って作業する。4つのレベルは、扱う病原体の危険性によって異なる
だが、WHOが各レベルについて必要な指針を発表しているものの、BSLは国際条約で義務付けられている基準ではない。
レンツォス博士はBSLについて、「研究所職員が自分たちや地域住民を感染させないため、そして偶発的な汚染を防ぐため、安全に働ける環境づくりのために開発されたもの」だと説明する。
その一方で、「基準を守るかどうかは財布のひも次第だ。国際パートナーと共同プロジェクトを進めたければ、一定の基準を順守していることが条件になる。市場で販売する製品や検査といったサービスを提供する場合も、国際基準に則っていることが原則だ」
WIVに関して言えば、アメリカからの資金提供に加え、いつくかの米研究施設の支援を受けている。だからこそ米外交官は、米政府に追加支援の必要性を伝えたのだ。
米外交官が指摘した「安全上の懸念」とは何か
端的に言えば、ワシントン・ポスト記事からは、分からない。
しかし一般的には、ウイルスなど生物由来物資を取り扱う研究所は、様々な形で安全対策に違反する可能性がある。
レンツォス博士によると、「研究所に誰が入れるのか、科学者や技術者がどういう訓練を受けているのか、記録の取り方、標識の付け方、病原体の在庫リスト、事故対応の訓練、緊急対応」などが、安全基準違反の原因になり得る。
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武漢の初期症例は市内の海鮮市場に関連すると言われていた
しかし、外交公電にかかれた懸念点は、特筆すべき異例のものだったのだろうか。
これまでも事故は起きている。2014年にはワシントン近郊の研究センターで、天然痘ウイルス入りの小びんの入った段ボール箱が放置されていたのが見つかった。2015年にはアメリカ軍が誤って、死んだ炭疽菌サンプルの代わりに生きたものを、国内の9カ所の研究所と韓国の軍事基地に送りつけていた。
また、BSLレベルの低い多くの研究所では、安全基準がまちまちだという。小規模の安全違反は特にニュースにもならない。
一方で、BSL-4に指定されている研究所は少ない。WikipediaにはWIVを含む50カ所以上がBSL-4と記載されているものの、正式なリストは存在しない。
BSL-4の研究施設は最も危険な病原体を扱うため、非常に高度な設計に基づいて建設される。そのため一般的には、その安全性は評価されている。
つまり、BSL-4施設の運営状態について懸念が指摘されたというだけでも、十分に注目に値する。
これまでにもウイルスが流出したという主張は
あった。新型ウイルスに注目が集まってすぐに、その出所をめぐり憶測が飛び交った。そのほとんどは根拠のないものだった。
1月には、このウイルスは生物兵器として操作されたものだという説がインターネット上で拡散した。しかし、新型ウイルスは動物由来、恐らくはコウモリによるものだという研究結果が発表されており、兵器説は複数の科学者によって何度も否定されている。
基礎的な科学研究のために、ウイルス操作が行われることもある。たとえば、ウイルスがどうやって変異するのかを調べる機能獲得実験は、病原体の感染力を高める可能性がある。
しかし、新型コロナウイルスについて、アメリカの研究チームが3月に発表したゲノム研究は、遺伝子操作された形跡は見つからなかったとしている。論文の共同筆者、米スクリプス研究所のクリスティアン・アンデルセン氏は、「既知のコロナウイルスの塩基配列と比べた結果、Sars-CoV-2が自然発生したものだと断定できる」と述べている。
その後、新型ウイルスは研究所から流出した自然のウイルスだという疑惑が持ち上がった。アウトブレイクが明らかになった武漢の海鮮市場の近くには、感染症の研究をしている研究所が少なくとも2カ所あり、これが疑惑を加速させている。
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新型コロナウイルスは野生動物が発生源で、おそらくコウモリだろうといわれている
WIVがコウモリ由来のコロナウイルスの研究を行っていたことは公式記録に残されている。この研究は完全に合法で、国際的な学術誌にも掲載されている。2000年代にSARSのアウトブレイクを経験した国の行う研究としても、全く驚くものではない。
レンツォス博士は、ウイルスの発生源は「非常に難しい問題」だとした上で、「海鮮市場が発生源だという意見は中国側が強力に主張しているものだが、バイオセキュリティーの専門家の間では、これを疑問視する議論が舞台裏で、静かに続いている」と話した。
しかし現時点では、武漢にある研究所がSars-CoV-2の発生源だという証拠は何一つない。
中国外務省の趙立堅報道官は16日の記者会見でこの問題を取り上げ、WHOは「新型ウイルスが研究所で作られたものだという証拠はないと何度も言っている」と述べた。
一方で、政府のパンデミック対応について国内の批判が高まる中、トランプ大統領は、この研究所説を政府として調査すると発表した。
中国政府はかねて、アウトブレイク初期の状況や対応について透明性に欠けていると非難されており、マイク・ポンペオ国務長官は、中国は知っていることを「明らかにする必要がある」と指摘している。
アメリカと中国が舌戦を繰り広げる中、新型ウイルスの発生源を突き止めるため、実に精緻で慎重な研究が水面下で続いている。
(英語記事 Is there any evidence for coronavirus lab release idea?)
関連トピックス
●遺伝子組み換え作物に対する中国のジレンマ
チャン・チューリン(Zhang Zhulin)
ジャーナリスト
訳:大津乃子
農業大国中国が、遺伝子組み換え作物(GMO)をめぐって揺れている。2018年1月、中国の研究者によって開発された遺伝子組み換え米の安全性が、初めてアメリカ食品医薬品局によって承認された。しかし、この遺伝子組み換え米を中国国内で生産することはできない。中国政府は、GMOの研究は奨励するが、懐疑的な世論に配慮して、公式にはGMOの栽培を制限するといった、矛盾する対応を取っている。[日本語版編集部]
(仏語版2018年2月号より)
photo credit: leniners, Rice
≪ 原文 ≫
2017年5月。午前中ずっとタクシーを走らせて、寿山の曲がりくねった道を走り回り、ようやく遺伝子組み換えの米を栽培する試験場を見つけた。(中国南東部に位置する)福建省の省都である福州市から約20キロ離れた、亜熱帯植物が繁茂した山の中にある人口1万6,000人のこの町では、私がインタビューをした住人の中に「遺伝子組み換え作物」(GMO)という言葉を知っている人はいなかった。
しかし、行き止まりの道の奥に、検査なしで通れる金属製の小扉が大きく開いていて、そこにかかっているプレートには「国立遺伝子組み換え米の中間試験および製品化センター」と書かれている。2009年以来、中央政府からの600万元(76万9,000ユーロ)の資金提供と地方政府からの400万元(51万2,000ユーロ)の出資を受けて、中国におけるGMO研究の第一人者の1人である研究者、ヂュ・ヂォン氏の北京チームと協力した福建省農業科学院が170畝(ムー)(11.33ヘクタール)の土地を管理している。8つの温室にある普通の米の水田の中のセメントでできた100程度の容器には、数千の遺伝子組み換え米の若い苗が生えている。一つひとつの容器には土に挿したラベルがあり、植付の日にちと管理しているチームの名前が書いてある。
有名なテレビ番組で明かされた新事実
この遺伝子組み換え米の存在は、2010年11月26日、福建省当局のプレスリリースによって誤って知られることとなった。食品局、食料安全保障部、農業および農業の商品化と産業化機関がサインをした「遺伝子組み換え米の検査と管理強化に関する情報」と題されたこの発表によると、福建省の市場では遺伝子組み換え米の販売は禁止されていた。そのプレスリリースが政府のウェブサイトに載っていたのは数日だけだったが、それ以降、GMOが存在するという疑念が湧き上がった。
中国はGMO開発における先駆的な国の1つで、1988年からウイルスに耐性があるタバコの生産さえしている(1)。しかし現在、中国が商業目的での遺伝子組み換え栽培を許可しているのは2品目だけで、それは綿とパパイヤだ。農業省は数え切れないくらい何度も、他の作物は存在しないと公式に断言してきた。しかし、中国の中央部に位置する湖北省の省都である武漢市で2014年7月に最初の大きなスキャンダルが巻き起こった。中国の中央テレビ(CCTV)の有名な調査番組「新聞調査」のおかげで、GMOの栽培に関する論争が全国に拡がった。ジャーナリストたちは、彼らが街のスーパーで買った5つの米袋のうち3つに、苗木を害するメイガを駆除するCry1Acという毒素を作り出すよう遺伝子コードが組み替えらた米「Bt63」が含まれていたと指摘した。Bt63は中国科学院のヂャン・チーファ氏のチームによって導入された。同氏は武漢市の華中農業大学の教授で、遺伝子組み換え米の研究プログラムの責任者だった。
中国ではよくあることだが、そのニュースは外国から入ってきたもので、そこでは10年前から知られていることだったが、中国国内では大スクープとなった。確かに2004年12月、ヂャン・チーファ氏はアメリカの雑誌ニューズウィークで、武漢市の種子企業が遺伝子組み換え米の種子を販売しているとはっきり認めていた。彼は100ヘクタール以上にわたって栽培が行われているとまで詳しく述べていた(2)。
グリーンピース・チャイナは当時、2カ月間の現地調査を行っていた。2005年4月に発表された「違法な遺伝子組み換え米に汚染される中国米」と題した調査報告によると、既に950から1,200トンの遺伝子組み換え米が湖北省の市場に流通していた。その作付面積は1,333から1,666ヘクタールに及び、グリーンピースはその栽培の拡大リスクについて警告していた。非政府組織(NGO)が当局に厳しく監視されているこの国では(3)、グリーンピースは現地で調査をできるほぼ唯一の組織だ。彼らの調査の一つひとつが、厳しく統制されているはずの中国のメディアで大きく報道されている。このことは、国の指導者たちの意見が割れていることを示している。
5年後、北京の雑誌チャイナニューズウィークリーのルポルタージュでは、再度調査を行い、湖北省において遺伝子組み換え米の大規模な栽培が行われていることが示された。許可はされていないが、「商品化を目的とした遺伝子組み換え米の栽培は紛れもない現実である」と同誌は認めていた。2010年のグリーンピースの新しい報告によると、遺伝子組み換え米は(その派生商品とともに)中国の南東部にある3つの省(広東省、福建省、湖南省)で商品化されていた。さらに2年後、中国科学院植物学研究所の主席研究員であるジィァン・ガオミン氏は自身のブログで、南東部の別の省である浙江省で850万人の住民が既にそれとはまったく知らずに遺伝子組み換え米を食べただろうと推定していた。
農業省はわれわれの問い合わせには答えず、「GMOの無認可での栽培は存在しない」と公式に繰り返すにとどめている。しかしながら、中国の外でそれは見つかっている。欧州委員会の欧州食品安全機関によると2006年から2013年の間、委員会は中国と香港からの「遺伝子組み換え」の表示がないGMOを含んだ製品に対して197件の警告を発したが、そのうち194件は米に関するものだった。(入手可能な直近の数字である)2014年から2016年にかけては、警告の件数は減少傾向にあり、米が19件、パパイヤが1件だった。
2016年の初め、中国の穀物生産における戦略的地域の1つである(東北部の)遼寧省での8カ月間に及ぶ調査の後、グリーンピースはもう1つ(別の)大スクープを放った。すなわちトウモロコシの種子の市場で採取された7つのサンプルのうち6つは遺伝子組み換えだった、というものだ。畑では、5つの地区でグリーンピースがランダムに採取したサンプルのうち93%がGMOだった。これらはアメリカ企業のモンサント社、スイス企業のシンジェンタ社(2017年に中国の化学系コングロマリットのケムチャイナに買収された)、およびアメリカの種子企業であるパイオニアハイブレッド社とダウ・ケミカル社からのものだ。「これらの遺伝子組み換えトウモロコシのうち、中国で商業目的の栽培が許可されているものはない」とグリーンピース・チャイナはウェブサイトで公開している報告の中で強調している。政府は、それは例外的な事例だと断言している。
良質な穀物栽培で知られている近隣の黒竜江省でも同様のことが起こっている。北京の経済誌チャイナビジネスジャーナルがこう主張している。「黒竜江省の農民は遺伝子組み換え大豆を栽培している(2013年から2014年の収穫の時に発覚した)。種子がどこから来たのかは謎だ」。3,000キロ西にある新疆ウイグル自治区にも同じ謎がある。2016年5月、アルタイ地区のブルルトカイ県の農業庁は、違法に遺伝子組み換えトウモロコシを栽培している133ヘクタールの畑をつぶした。しかしながら、疑いをかけられた農業従事者のリィゥ・ヨンジュン氏は財新誌の記者に対して自分は無実だと誓った。「問題の原因は種子企業です。私は知らなかったのですから」と彼は断言した。
公式には、GMOの栽培を可能にするには、5つの段階を踏まなければならない。すなわち研究室での研究、面積が0.2ヘクタール以下の半閉鎖式の場所での1年から2年間の中間試験、1年から2年に及ぶ2ヘクタールまでの水田における栽培の後の環境試験、1年から2年間の商品化前の試験、バイオセキュリティの証明(安全証明書)の交付による許可である。中国政府は7品目にしか安全の証明を認めていない。それはトマト、ペチュニア、唐辛子、米、トウモロコシ、パパイヤと綿である。そのうち最後の2品目のみが栽培し、商品化できる。
「中国政府は紙の上では多くの条件が必要だという態度をとっています。実際には問題があるのです」と、グリーンピース・チャイナの農業と食品計画の責任者であるリー・イーファン氏は慎重だ。北京の中央民族大学生命科学学院の教授であるシュェ・ダーユェン氏によると、「これらの遺伝子組み換え種子は中国の研究者がもたらしたもの」で、彼らはそれを輸入するかあるいは作っている。彼は2005年に栽培が許可されていなかった田圃が差し押さえられたことを指摘する。すなわち公式には湖北省の農業庁の命令で666ヘクタール以上の農地がつぶされたというものだ。「実際に破壊されたのは6.66ヘクタールだけです」と彼は推定する。「誰が中国で666ヘクタールの耕作地をつぶせるでしょうか?」。特に「何人かの研究者は自分たちの研究の成果を売り込み、自分たちの生産物をテストするためにまさにそれを利用したいと思っているのです」
このテーマについてルポルタージュのシリーズを制作した、匿名希望の広州の記者によると、「(ある研究者たちの)目的は、既成事実を作り上げること」だ。現在のところ、種子企業も小売業者も研究チームも農民もこれらの種子の違法な流通の責任を認めていない。
種子企業の影響を受けた研究調査
消極的な人々を納得させるため、逆キャンペーンを張る研究者もいる。2013年5月と6月に、約20の町で遺伝子組み換え米の試食会がおこなわれ、数千人が参加した。これらのイベントは部分的に華中農業大学によって主催されたもので、やはりある疑いを呼び起こすものであった。「なぜヂャン・チーファ教授は私たちにこの試食会の場面を見せたのでしょう? 科学教育目的のほかにどんな魂胆があるのでしょう?」と広州の記者は自問する。その答えはおそらくヂャン・チーファ教授が作成し、61人の研究者が署名した公開書簡の中にある。そこには「遺伝子組み換え米の産業化を遅らせるべきではない。さもなければ、国に害をなす恐れがある(4)」とある。
フランスではフランス国立農学研究所(INRA)のチームが、研究者と種子企業の密接なつながりによる影響を明らかにした。すなわち「利益相反関係は研究成果の結論に明らかに作用を及ぼしている。利益相反があると[利益相反がない場合よりも]49%高い確率で種子企業に有利な結論が出る(5)」。研究者と種子企業が切っても切れない関係にある中国では、必然的な現実だ。かくして、2004年12月2日、種子企業のLeFengが公式発表で「昆虫に耐性がある遺伝子組み換えのハイブリッド米の新種を研究開発するために、Fengleグループ、中国科学院遺伝・発育生物学研究所および福建省の農業科学院とバイオテクノロジーの企業を創設することを決定した」と伝えたとき、同社の株価は株式市場で高騰した。この会社の時価総額は3,000万元(380万ユーロ)だった。上述の2つの研究機関は同社株のそれぞれ18%、17%を保有し、お互いのノウハウと知名度を交換したのだった(6)。福建省の農業科学院の研究者であるスー・ジュン氏は、少なくとも3年前から同科学院はこのバイオテクノロジーの会社の株を保有していないと、現在では断言している。
中国のGMOの大家であるヂャン・チーファ氏はといえば、利益相反の疑惑から逃げられない。中国科学院のメンバーでBt63米の研究の責任者である彼は、同時にモンサント社の奨学金評価委員会の委員長でもある(7)。さらに同氏は2001年2月に創設された武漢市の遺伝子組み換え米専業のKeni社の社長でもあった。この会社は4年後には解散した。
巨額の投資をしている政府
より一般的にいえば、安全証明書を交付する委員会の3分の2の委員(セッションによって58人から75人になる)は、GMO専門の研究者である。その中の複数の研究者は、公にはしていないにしろ、証明書を持っているか、あるいは申請手続き中だ。環境や食品安全性の研究の専門家はほとんどいない。ジャ・シーロン氏はその完璧な例だ。中国農業科学院のバイオテクノロジー研究所の研究者、深圳市にある種子企業の研究責任者で重役である彼は、2002年から2013年にかけて安全委員会の第1セッションから第3セッションの委員だった。「委員会による評価は公正で公平なのでしょうか?」とシュェ・ダーユェン氏はいぶかる。
研究者と企業のこうした不透明な関係に加えて、何人かの研究者の職業倫理の欠如には背筋が凍る思いだ。2008年、湖南省で6歳から8歳の25人の子どものグループが、ベータカロチンの含有量を増やすために遺伝子組み換えをした「金の米」のためのモルモット代わりに使われた。5月20日から6月23日まで、子どもたちは毎日昼食に60gの米を食べていた。彼らは遺伝子組み換え米を食べていることを知らなかったし、親たちも知らされていなかった。この調査は生物学の研究者でアメリカのタフツ大学の健康安全研究室の責任者であるタン・グゥァンウェン氏によって行われ、アメリカ農務省の支援を受けていた。4年後にこの事実が発覚したとき(8)、中国全土で抗議が巻き起こった。
中国の指導者たちはしばしば同国が抱えるジレンマを引き合いに出す。中国は地球上の耕作可能地の7%を所有しているが、それで世界の人口の20%に近い人々を養わなければならないのだ。2006年に発表された国家中長期科学技術発展計画(2006年-2020年)において、遺伝子組み換え品種の研究には油田やガス田の開発、あるいは航空宇宙計画における大型飛行機事業と同じ優先度が与えられた。2年後には、中央政府はGMOの研究に対して2020年までに200億元(25億6,000万ユーロ)の投資を行うとした。
農業省の目には、農業大国である中国が遺伝子組み換え技術において地位を獲得するのは至極当然に映るようだ。ハン・チャンフー大臣は2014年3月6日の北京での記者会見で、「大豆油のようなGMOを原材料にした食品を」食べるとさえ宣言した。しかし立て続けに食品に関するスキャンダルを経験したこの国では、年を追うごとに食品の安全性に関して政府は全く信頼を失っており、ますます高まる人々の不信感に直面して、政府の態度ははっきりしないままだ。かくして2014年、習近平国家主席は、GMOは「新しいテクノロジー」であり、「社会で論争と疑念を引き起こしているが、それは当然だ」と認めた。「われわれは研究においては大胆でなければならないが、商品化においては慎重でなければならない」。そして「外国企業に市場を独占させるわけにはいかない」と明言した(9)。
反対意見は70%以上
それ以降、既に不利な状況にあった反対派は、よりいっそう立場が弱くなったようだ。CCTVで花形の司会者だったツイ・ヨンユェン氏は、GMO反対運動における中心人物の1人になった。政府に「助言を与える」ために年に1度開催される中国人民政治協商会議のメンバーだが、彼には他のメンバーよりも効果的な手段があるわけではない。「最初は、指導者たちはGMOの問題点に関する私の提案を検討するふりをするが、それ以降の会議では彼らはそれを完全に無視する」と彼は残念そうに言う。彼は中国でもっとも影響力があるSNSであるウェイボーで、検査を強化することと食品安全の表示と独立した評価システムの創設を提案した。しかし、その投稿記事はなんと彼のアカウントから消えてしまった。
中国科学技術発展戦略研究院と科学技術ジャーナルが実施した世論調査を発表した「中国社会の分析と長期的見通し2017年版」という白書によれば、中国人の70%以上が明確にGMOに反対の態度を示している(10)。国際アグリバイオ事業団(Isaaa)の調査が正しいとするならば、GMOの耕作面積は減少している。つまり、2016年には世界8番目の280万ヘクタールだったのが、1年足らずで90万ヘクタール減少したのだ。中国の小麦の主要生産地である黒竜江省の立法議会は、2016年末に同省におけるGMOの耕作を完全に禁止する法律を発布した。同地方政府によって13の町で行われた世論調査に対する明確な回答である。その調査で調査対象者の90%以上がこれらの製品に反対していることがわかった……。
外部からの圧力も無視できない役割を果たしている。2017年3月28日に国際大豆生産者同盟によって開催された、アメリカにおける持続的な生産と中国との貿易に関するフォーラムで、農家組合代表のペドロ・マニュエル・ヴィニョー氏はこう告白した。「もし適当なときに、中国で遺伝子組み換えに関するある技術が認可されなければ、われわれはこの遺伝子組み換え大豆をアルゼンチンで栽培できなくなるでしょう(11)」。福州市にある福建省の農業科学院の事務所では、研究者のスー・ジュン氏はときが来るのを待っている。「ひとたびアメリカ合衆国が遺伝子組み換えの小麦の商品化を許可したら、あるいは干ばつのような深刻な自然災害が起きれば、中国で遺伝子組み換え米は商品化されるでしょう」。2016年の時点で既に、中国はその大部分が遺伝子組み換えの大豆8,391万トンを輸入している。
(1) Cf. Zhang Tao et Zhou Shundong, ≪ L’impact économique et social de l’utilisation d’organismes génétiquement modifiés en Chine ≫, Perspectives chinoises, Hongkong, mars-avril 2003.
(2) Craig Simons, ≪Of rice and men≫, Newsweek, New York, 20 décembre 2004.
(3) ギヨーム・ピトロン「環境保護運動を阻む中国の『レッドライン』」(ル・モンド・ディプロマティーク日本語版2017年7月号)参照
(4) Nanfang Dushi bao, Canton, 20 octobre 2013.
(5) Thomas Guillemaud, Éric Lombaert et Denis Bourguet, ≪Conflicts of interest in GM Bt crop efficacy and durability studies ≫, Plos One, 15 décembre 2016, http://journals.plos.org
(6) Nanfang Zhoumo, Canton, 9 décembre 2014.
(7) 2009年2月13日に設立されたモンサント社の奨学金制度では、毎年、華中農業大学の学生25人に奨学金を給付する。奨学金の金額は5年で、160,000ドル。
(8) The Beijing News, 7 décembre 2012.
(9) Chuin-Wei Yap, ≪ Xi’s remarks on GMO signal caution ≫, China real time report, 9 octobre 2014.
(10) フランスでは10人に8人が反対の意見を示している。 IFOP- Dimanche Ouest-France, 27 septembre 2013.
(11) Caixin, Pékin, 29 mars 2017.
(ル・モンド・ディプロマティーク 仏語版2018年2月号より)
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●やっぱり中国は隠してる「新型コロナ」感染拡大はこうして起こった
5/8(金) 11:01配信現代ビジネス
やっぱり中国は隠してる「新型コロナ」感染拡大はこうして起こった
写真:現代ビジネス
武漢のウイルス研究所に向けられる疑惑
『Fox News』や『The Washington Post』が、コウモリ由来の新型コロナウイルスは湖北省武漢の海鮮市場ではなく、武漢のウイルス学研究所から流出したのではないかと、米政府内で議論になっていると報じた。
【写真】失踪した中国人研究者の「消されたコロナ論文」衝撃の全訳を公開する
その理由として、以下の3点を挙げている。
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1.感染者が出た当時は武漢の市場にコウモリはなかった。
2.2018年に適切に訓練された研究者と技術者の深刻な不⾜で安全性に問題があると警告していた。
3.コロナウイルスの危険な研究していた。
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科学雑誌『SCIENTIFIC AMERICAN』によれば、この研究所には雲南省などの洞窟にいるコウモリからコロナウイルスを採取していて、「コウモリ女」とあだ名される研究者がいると紹介されてるほどで、流出の条件としては揃っている。
余談だが、武漢の大学でコメの遺伝子組み換えを研究していたところ、研究室からそのコメが流出して、あっという間に中国南部に拡がったことがあった。
管理が非常に杜撰だったからだが、そんなことを考えるとウイルスの流出はあり得ない話ではない。ただ、いずれも直接証拠になるようなものはなく、どこまで信憑性があるかはわからない。
武漢ウイルス学研究所では、少数のコウモリコロナウイルスが培養されていたことは間違いないという。また、3の「コロナウイルスの危険な研究」とは、キメラウイルスを作ってマウスで実験をしていた(Nature Medicine)ことを指しているのだろう。
だから、ウイルスが研究所から漏れたという説は完全に否定できないのだが、かといって、自然界もしくは市場で売られているコウモリから感染したという説も否定できない。
ただ『The Washington Post』によると、実際、感染が始まった当時は武漢の市場にコウモリは売られていなかったそうである。
しかし、新型コロナウイルスは感染しても8割近くが無症状だということ考えれば、どこかで感染した人物が、知らないうちに周囲を感染させていたということも考えられる。
もちろん、研究所はウイルスが漏れたということは否定している。また、研究所が、新型コロナウイルスをサンプリングして、研究所が保管しているウイルスと比較してみたが一致するものがなかったという。
それでも、研究所から漏れたという説がいつまでもくすぶっているのは、中国がこの研究所を第3者に査察させないからである。
なぜパンデミックになったのかを知ることが、次のパンデミックを防ぐためには不可欠のはずだ。それゆえ、査察を受け入れないのは何かを隠しているのではないかと疑ってしまうのだろう。
新型コロナウイルスの系統図が教えるもの
武漢に出現したこの新型コロナウイルスが、中国から国外に出てパンデミックになるまで何があったのか。これまで海外で報じられてきたことを時系列にたどりながら検証してみたい。
それには格好の材料がある。「中国国家生物情報センター」というところが公開している新型コロナウイルスの詳細な系統図である。
武漢のウイルスが、ランダムにゲノムを変えながら、どのように世界中に広がっていったかを、全世界の新型コロナウイルスをサンプリングしながら、ウイルスの拡散と進化を追跡していったものだ。おそらく、1つのウイルスをここまで解析したのは初めてだろう。
この系統図とは別に、2月15日に中国の研究者が医学雑誌『THE LANCET』に発表した論文がある。おそらく論文公開に当たって、中国政府は深く関与したはずだから、重要なデータは隠されているはずで、それを承知で参照してみた。
この論文によると、新型コロナウイルスに感染した最初の患者が現れたのは12月1日だった。
新型コロナウイルスに感染した人物をXとするが、感染ルートについては何も書かれていない。ただ、武漢のシーフード市場とは関係がないとしている。この感染者は発熱や呼吸器に問題はなく、「その後の症例との間に疫学的関連は見られなかった」としているが、では、その後どうなったかについてはまったく触れていない。
市場と接触した感染者が現れるのは12月10日以降である。1月2日までに入院した患者は41名。そのうち27名(66%)が武漢シーフード市場にいたとしているが、残りの14名がどこで感染したかについてはわからない。ただ、疑惑の人物Xは14名の一人に含まれているようである。
また、武漢の病院には12月16日から入院記録はあるそうだが、おそらくその中に感染者Xも含まれているはずだが、まったく触れていない。
中国は隠し続ける
「中国国家生物情報センター」の系統図に現れる最初のウイルスは12月23日である。これが12月10日以降に市場で感染した患者のウイルスだろうか。では、12月1日に現れた最初の感染者のゲノムはなぜここにないだのだろう。
また『The Washington Post』によれば、当時、武漢シーフード市場ではコウモリを売ってなかったことや「中国は初期のコロナウイルスのサンプルをアメリカの専門家に提供していない」と書いている。12月1日のゲノムは「中国国家生物情報センター」の系統図にも載せていない。なぜ隠すのだろうか。
中国側の発表によると、原因不明の肺炎を発見したのは12月末で、30日には管轄の医療機関に緊急通達を出したとしていて、論文にある12月1日のことや、系統図にある12月23日にはふれていない。
台湾が、原因不明の肺炎は人から人へ感染していることをWHOに警告したのは12月31日。しかし、年が明けると、北京から専門家チームが武漢に派遣されてくるが、彼らは人から人へ感染させる明確な兆候は見られないと報告している。おそらくWHOにもこうした報告をしたのだろう。
しかし、先ほどの論文によれば「家族感染も1つ見つかった」としているから、すでに初期の段階で人から人に感染することは認識していたはずである。
たとえば、12月30日に「SARS(重症急性呼吸器症候群)の患者が7名いる」とSNAに発信して処罰を受けた李文亮医師は、「ヒトからヒトへ感染するということは明らかです」(『財新』)と語っている。北京から派遣されたような専門家が、なぜ嘘を報告しなければならなかったのだろうか。
全人代の前に騒ぎを起こすな
1月7日に習近平主席が「指示を出した」とされているが、どんな指示だったかは不明である。ただ翌日に「病原体は新型コロナウイルス」と断定したことを発表しているからこのことだろうか。これは、翌日に日本の新聞も報じている。
系統図を見ると、ウイルスは12月末から変異しながら複雑に分岐していくが、1月8日には、ついに国境越えてタイに感染が拡大している。
1月11日、上海公衆衛生臨床センターは、世界で初めて新型コロナウイルスのゲノムを公開したが、なぜかすぐに閉鎖され、関係者は姿を消したという 。
1月13日、タイで再び感染者が出た。そのことを内部報告によって知った「北京の指導者たちはパンデミックの可能性を認めた」という。翌日には関係者で電話会議が行われ「春節で多くの人が旅行するので感染の拡大のリスクが高い。パンデミックに備えなければならない」(いずれもAP通信)と確認したという。
それにもかかわらず、北京の指導者たちは動かなかった。おそらく3月5日から始まる予定だった全国人民代表大会(中国の国会に相当)の前に余計な騒ぎを起こすなという判断ではなかったか。
パンデミックで大勢の人が死ぬ可能性よりも、彼らには全人代をいかに成功させるかのほうが大切だったのだろう。1月下旬に当時の武漢市長が「私は(中央から)許可を得た後でなければ情報を開示できない」と語って驚かせたが、おそらく北京の最高幹部から公にしないように指示が出されていたと思われる。
そして1月19日、WHOのテドロス事務局長が「人から人への感染リスクは少ない」と発表して、世界中を安心させてしまった。
その翌日、習近平は「真剣に受け止めなければならない」と初めてパブリックコメントを出し、ウイルスは人から人へ感染させることを認めたが、すでにこの時点で中国国内では 3000人以上の感染者がでていた。
春節を契機に世界中に広まった
1月23日、ついに武漢は封鎖されたが、それ以外の人の移動が禁じられたわけではなかった。こうして春節を利用した何千万という中国人が世界に散っていくのである。
そして1月には、日本だけで97万人の中国人観光客がやってきた。結果的に彼らは日本中にウイルスをばらまいたというわけである。
この系統図では、日本でサンプリングしたゲノムが出てくるのは1月23 日。まさしく春節に入る直前だった。まだ他国の出来事のように思っていた日本人の間で、静かに感染が広がっていたのである。
系統図から、1月中に各国でウイルスがサンプリングされた日を時系列に並べてみると、1月8日にタイ、1月13日タイとネパール→19日アメリカ→22日オーストラリア→23日フランス→25日台湾およびカナダ→27日カンボジアおよびインド→28日ドイツ→29日イタリア→30日韓国と広がり、春節をきっかけにしてウイルスが全世界にばらまかれたことがわかる。
2月6日、台湾が素早く中国人の入国を全面禁止したのは、中国が公表したデータを信じていなかったからだろう。北朝鮮は中国と似た国だから、本能的になにか隠しているとわかったのか、1月24日という早い段階で中国との国境を閉鎖している。
もし中国が、パンデミックの可能性を理解した1月13日、世界に向けて公表していたら、これほどのパンデミックにはなっていなかったし、少なくとも25万人(5月5日)もの命が奪われなくてすんだはずなのだ。
奥野 修司
●コロナ「武漢研究所起源」説、米情報当局が異例の調査確認
By Warren P. Strobel
2020 年 5 月 1 日 02:52 JST
【ワシントン】米情報当局は、新型コロナウイルスが中国・武漢の研究所から流出し、パンデミック(世界的大流行)につながった可能性を巡り、調査を行っていることを公式に確認した。これは米情報当局が出す声明としては異例のものだ。
●新型コロナ「武漢研究所起源はありえる」WHO顧問、中国に抗議しなかったWHOを疑問視
飯塚真紀子 | 在米ジャーナリスト
5/4(月) 11:08
WHO諮問委員は、新型コロナが事故で武漢研究所から流出した可能性を指摘。(写真:ロイター/アフロ)
新型コロナの“武漢研究所起源”疑惑について議論が続く中、米ポンペオ国務長官が、米ABCテレビの”This Week”で発言した。
「新型コロナが武漢の研究所に由来するという大きな証拠がある」
先日、トランプ氏も新型コロナが中国の研究所から発生した証拠を確認したと豪語していたが、それをバックアップした格好となった。
ちなみにポンペオ氏は、新型コロナが人工ウイルスであるとまでは言及せず、“ウイルスは遺伝子操作されたり、人工的に作られたりしたものではない”と結論づけた米国家情報長官室(ODNI)の報告に同意した。
「情報機関の報告を見た。彼らの報告が間違いであるとは考えられない」
米情報機関が、武漢研究所から何らかの事故で新型コロナが流出した可能性も調査していることを考えると、ポンペオ氏は事故による流出に関する大きな証拠を掴んだのだろうか? しかし、ポンペオ氏はその大きな証拠が何であるかは明らかにしなかった。
ちなみに、米紙ワシントン・ポストが入手した、在中国米国大使館の外交官が米政府に2年前に送った外交公電に、武漢研究所の安全運営上の問題が指摘されていたことも、“事故による新型コロナ流出説”に信ぴょう性を与えていた。
WHO顧問は事故流出の可能性を指摘
一方、WHO(世界保健機関)は武漢研究所起源については一貫して否定、同機関のマイケル・ライアン氏も「配列を調査した多くの研究者に何度も確認した。我々はこのウイルスが自然起源によるものだと確信している」と述べて、武漢研究所起源説を改めて否定している。
しかし、WHOの顧問の中からは、武漢研究所から事故で新型コロナが流出した可能性はあるとの声も上がっている。
「ヒトゲノム編集に関するWHO国際諮問委員会」のメンバーの1人であるジェイミー・メツル氏が、「ナショナル・レビュー誌」のインタビューに対し、こんな発言をしたのだ。
「中国での感染爆発を見た場合、動物からヒトへのウイルスのジャンプは、武漢や湖北省ではなく、広東省南部か雲南省で起きる傾向がある。武漢研究所は中国にある、ただ1つのレベル4のウイルス研究所で、武漢にあり、危険なコロナウイルスの研究を行なっている。危険なウイルスを研究している中国の研究所があり、そのウイルスと非常に類似したウイルスがその研究所のすぐそば(海鮮市場は研究所から9マイルのところにある)から出たことを考えると、論理的に考えて(武漢研究所が起源であると)推論してもおかしくないだろう」
WHOは中国に抗議することができたのに
メツル氏は1月から武漢研究所起源の可能性はあると考えていたとし、
「WHOは、12月終わりから1月初めにかけて中国から出された情報に対し、もっと懐疑的になることができたのではないか」
と話している。
メツル氏は、中国の新型コロナ対応を一貫して高評価してきたWHOの中国寄りな姿勢にも疑問を感じていたようだ。
自身のウェブサイトで、「中国は、過去にバイオ・セキュリティー上の問題があった」と述べ、
「武漢研究所からの事故による新型コロナ流出の可能性を含め、何が感染の起源であったとしても、危険で現在も進行している中国の情報抑圧活動がこの危機の下地となっている。感染発生初期の重要な時期に、中国がWHOの専門家の武漢訪問を拒否した時、WHOはそれに抗議することができたのではないか(WHOの調査チームはすぐには武漢訪問ができなかった)。WHOは中国のプロパガンダをオウム返しに繰り返す必要はなかった。WHOは、もっと早くから(新型コロナ危機の)警告を発することができただろうに」
とWHOの対応の遅れにも疑問を投げかけている。
政府の研究資金打ち切り
メツル氏はまた、トランプ政権の新型コロナ対応に対しても批判的で、
「リーダーシップの点でアメリカ史上でも最大の失敗をした。トランプ政権は(感染症専門家の)警告を聞き入れなかったり、検査体制を台無しにしたりしただけでなく、トランプ氏は国民に間違った情報をぶちまけ、コロナ危機を否定していた」
と話している。
ところで、前記事で、米国立衛生研究所から武漢研究所に370万ドルの研究資金が流れていたとするメディアの指摘を紹介したが、トランプ政権は、この研究資金を武漢研究所に送っていたと目されている伝染病研究機関「エコヘルス・アライアンス」への研究資金を突然打ち切ってしまった。
それにしても、トランプ政権は、武漢研究所に立ち入ることなく新型コロナの起源を立証するのは難しいと言われる中で、いったいどんな証拠を得たというのか?
新型コロナ危機への対応が批判されているトランプ氏は、秋の大統領選で苦戦することが予想されている。「証拠あり」と豪語した背景には、中国という米共和党が歴史的に敵視してきた国に矛先を向けることで、政権の求心力を高めようとする狙いもあるのかもしれない。
米国家情報長官室は事故流出説について、果たしてどんな評価を下すのか? 結果報告が待たれる。
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【新型コロナ】公電が示す“武漢研究所起源説”の信憑性 研究所には米政府の金が流れていた
飯塚真紀子
在米ジャーナリスト
大分県生まれ。早稲田大学教育学部英語英文科卒業。出版社にて編集記者を務めた後、渡米。ロサンゼルスを拠点に、政治、経済、社会問題、トレンドなどをテーマに、様々な雑誌に寄稿している。ノーム・チョムスキー、ロバート・シラー、ジェームズ・ワトソン、ジャレド・ダイアモンド、エズラ・ヴォーゲルなど多数の知識人にインタビュー。著書に『9・11の標的をつくった男 天才と差別ー建築家ミノル・ヤマサキの生涯』(講談社刊)、『そしてぼくは銃口を向けた」』、『銃弾の向こう側』、『ある日本人ゲイの告白』(草思社刊)、訳書に『封印された「放射能」の恐怖 フクシマ事故で何人がガンになるのか』(講談社 )がある。
●【新型コロナ】公電が示す“武漢研究所起源説”の信憑性 研究所には米政府の金が流れていた
飯塚真紀子 | 在米ジャーナリスト
4/19(日) 9:38
コロナ研究を行なっている武漢研究所。写真:www.thesun.ie
新型コロナウイルスは武漢研究所が発生源。
科学者たちが“トンデモ説”と言って否定してきた新型コロナの“武漢研究所起源説”が、今、にわかに信憑性を帯び始めている。
武漢研究所とは「中国科学院武漢ウイルス研究所」のことで、ここでは、危険性が最も高い、バイオセイフティーレベル4のウイルスや病原体が研究されており、コロナウイルス研究の中心的な研究所としても知られている。
この研究所で感染した科学者が“感染者第1号”となって、地域に感染を広めたという“武漢研究所起源説”は“新型コロナ生物兵器説”とともに、“トンデモ説”として、科学者たちに否定されているが、今、トランプ政権は、この説の検証を進めている。
2年前の公電の中で、武漢研究所の安全運営上の問題が指摘されていることがわかったからだ。
一方、検証を進めているトランプ政権にとっては、好ましくない情報も流れている。英米メディアが、武漢研究所のコロナウイルスの研究に、米政府が莫大な研究資金を援助していたことを報じているからだ。
つまり、もし、この研究所から新型コロナが流出していたことが証明された場合、新型コロナの感染拡大には、間接的ではあるが、米政府も関与していたということになる。米の議員は、米国民の税金が中国の危険な研究に使われた可能性があるとして、怒りの声をあげている。
安全運営が不十分な研究所
武漢研究所の安全運営の問題について報じたのは、4月14日付のワシントン・ポスト電子版だ。
2年前、北京のアメリカ大使館の外交官が、武漢研究所を数度訪問、その際、研究所の安全性に問題があることに気づかされた外交官は、米政府に「コウモリのコロナウイルスに関する危険な研究を行なっている研究所の安全性が不十分である」と警告する公電を2回送っていたという。
2018年1月19日付の公電は、
「この研究所には、高度に密閉された研究室の安全運営に必要な、訓練された技術者や調査員が非常に不足している」
と安全運営の問題を指摘。
さらに、公電は、コウモリ由来のコロナウイルスは人に伝染して疾病を引き起こし、将来、コロナウイルスによる感染爆発が起きる可能性も指摘している。
「最も重要なのは、研究者が、SARSのようなコロナウイルスは、ACE2という人の受容体と結びつくことを示したことだ。これは、コウモリ由来のSARSのようなコロナウイルスが人に伝染し、SARSのような疾病を引き起こすことを示唆している。公衆衛生の観点から、コウモリが持っているSARSのようなコロナウイルスの調査と、将来発生するコロナウイルスの感染爆発の防止に重要なアニマルーヒト・インターフェイスの研究を継続して行う必要がある」
トランプ政権の国家安全保障担当の高官らは、武漢研究所から新型コロナが流出した可能性と、新型コロナが人工的に開発された生物兵器であるという可能性を考えていた。しかし、後者の可能性はゲノム解析の結果、人工的に作られたものではないとわかり、否定された。
そして、2ヶ月前から、2年前のこの公電がトランプ政権内を駆け巡り始め、安全運営に問題があったと指摘されていた武漢研究所から新型コロナが流出した可能性が議論され始めたという。
米政府は研究資金を援助
では、どうやって新型コロナは流出したのか?
英紙デイリーメールは、新型コロナを含んだ血を浴びた武漢研究所の科学者が感染者第1号となり、その科学者が地域に感染が広めた可能性があると報じている。
公電はまた、コウモリのコロナウイルス研究は重要かつ危険であることから、米政府は武漢研究所を支援するよう訴えているが、実際、米政府は研究所に研究資金を援助をしていたと英米のメディアは指摘している。
英デイリーメールが入手した書類によると、アメリカは武漢研究所のコロナウイルス研究に370万ドルの資金援助を行なっていたという。
武漢研究所は、研究所から1千マイル以上離れた雲南省の洞窟に住むコウモリをコロナウイルスの実験に使っていたが、同紙によれば、その実験には、米国立衛生研究所(NIH)が出した370万ドルの研究資金が投じられていたというのだ。
また、フォックスニュースも、武漢研究所は、米国立衛生研究所から710万ドル相当の研究資金を得ていたと報じている。うち、370万ドルが前述のコウモリのコロナウイルス研究に関する研究資金で、340万ドルがウイルスをねずみの脳に注入する研究資金だったという。
ちなみに、中国は、コロナウイルス研究を通して、中国はアメリカ並みかアメリカ以上に、コロナウイルスの発見に取り組んでいることを示したかったようだ。
新型コロナの感染爆発を警告していた
また、武漢研究所の主任研究員で「コウモリ女」というニックネームを持つジェンリー・シー氏は、1年前に発表した論文で、コウモリに由来するSARSのようなコロナウイルスの感染爆発が中国で起きることを、以下のように警告していたという。
「将来起きるSARSやMERSのようなコロナウイルスによる感染爆発はコウモリに由来する可能性が非常に高い。そして、感染爆発は中国で起きる可能性が高まっている」
アメリカ人の死は中国の責任
米政府の資金援助で行われたコロナウイルス研究の過程で新型コロナが流出し、感染が世界に拡大した可能性があることに対し、アメリカの議員たちは怒りを抑えきれない。
「米国立衛生研究所は370万ドルの研究資金を武漢研究所に提供し、研究所はそのお金でコロナウイルスの研究者を募集、その後に、武漢で新型コロナ感染が発生した。アメリカ政府が何年間も、武漢研究所の危険で残酷な動物実験に資金提供を行い、それが、新型コロナ感染の世界拡大を引き起こした可能性があることを知り、むかついている」(共和党下院議員のマット・ガエズ氏)
「アメリカ人が死んでいるのは中国共産党政府の責任であることに疑いの余地はない。彼らは、新型コロナの起源を隠蔽することで、アメリカ人の命を危険にさらしている。米国立衛生研究所はすぐにアメリカ人の税金を中国の危険な研究に投じるのをやめなければならない」(共和党上院議員のマーサ・マクサリー氏)
ところで、武漢研究所に資金提供していたのはアメリカだけではなかった。
カナダも、直近では、先月、この研究所に資金提供していたことを、カナダのレベルニュースが伝えている。カナダの研究機関は、3月初め、新型コロナと闘うための研究開発資金を同研究所に提供すると発表したという。
海鮮市場起源はおかしい
信憑性を帯びてきた、武漢研究所起源説。
しかし、武漢研究所も中国政府も感染爆発は研究所とは無関係と主張しており、多くの専門家も関係性を否定している。
一方で、新型コロナが武漢の海鮮市場に由来するという中国政府の主張はおかしいという指摘もある。
ランセットに出された中国人研究者の論文によると、昨年12月1日に確認された最初の感染者や、最初の感染者集団の3分の1以上の人々は海鮮市場と繋がりがなく、また、市場ではコウモリが売られていなかったからだ。
また、中国政府は新型コロナの感染源に関する情報を完全に封じ込め、アメリカ人専門家に、初期の患者から採取した新型コロナの検体をまだ提供していないという。
1月11日に新型コロナのゲノムを発表した上海の研究所はすぐに閉鎖され、医者や初期に感染拡大を報じたジャーナリストは姿を消してしまったとも言われている。
新型コロナは武漢研究所発なのか?
トランプ政権がこの研究所から新型コロナが流出したという証拠を突き止めるのは難しいという声もあるが、今後の行方が注目されるところだ。
飯塚真紀子
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大分県生まれ。早稲田大学教育学部英語英文科卒業。出版社にて編集記者を務めた後、渡米。ロサンゼルスを拠点に、政治、経済、社会問題、トレンドなどをテーマに、様々な雑誌に寄稿している。ノーム・チョムスキー、ロバート・シラー、ジェームズ・ワトソン、ジャレド・ダイアモンド、エズラ・ヴォーゲルなど多数の知識人にインタビュー。著書に『9・11の標的をつくった男 天才と差別ー建築家ミノル・ヤマサキの生涯』(講談社刊)、『そしてぼくは銃口を向けた」』、『銃弾の向こう側』、『ある日本人ゲイの告白』(草思社刊)、訳書に『封印された「放射能」の恐怖 フクシマ事故で何人がガンになるのか』(講談社 )がある。
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●2020/05/03(日) 23:16
新型コロナウィルスの発祥地とも言われている武漢。そんな中、ドナルドトランプ米大統領が武漢にある
研究所からウィルスが漏れたのではないかと指摘。その証拠もあるとしているが証拠は出せないとしている。
そんな中、武漢にあるウィルス研究所の研究員である石正麗(せきせいれい)が家族と共にフランスの
アメリカ大使館に亡命していたことがわかった。研究員は1000近くもの極秘書類を持って保護を要請。
保護された人は研究員の情報共有についてはフランスとアメリカで行われるようだ。
財産と資料ともに守られており、現在この研究員はオーストラリアに送られた。
石正麗は1990年から武漢ウィルス研究所で研究実習員助手として働いており、2000年以降は研究員に就任している。
この研究員が持ち出した資料から、新型コロナウィルスの発症が研究所だと判明したら、それこと中国はかなり危うくなるのではないだろうか。
そもそも中国はなんでこんな重要な人物の国外渡航(脱出)を許可したのかすら謎だ。
追記:2020年5月3日 17時00分
石正麗の亡命について中国のメッセージサービス、WeChatに否定する投稿が行われた。
WeChatには文章とともに9枚の写真が確認されたと中国の公式メディアであるグローバルタイムズは報じている。
今回の亡命に関する報道はTwitterだけでなくサウスチャイナモーニングポストをはじめとする世界中のメディアが既に報じており、
それを否定するかたちとなった。情報戦なのか本当に亡命しなかったのかは定かではない。
ただグローバルタイムズがどのようにWeChatの文章と画像を入手したのかは不明だ。
https://gogotsu.com/archives/56983
https://gogotsu.com/wp-content/uploads/2020/05/seki.jpg
新型コロナウィルスの発生源は武漢にある研究所だと中国の教授が公表 教授が行方不明になり論文も削除
https://gogotsu.com/archives/56218
●武漢研究所ウイルス流出疑惑、米情報機関が調査結果提出へ
2020.4.18 09:44
【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米大統領は17日の記者会見で、新型コロナウイルスが中国湖北省武漢市の中国科学院武漢ウイルス研究所から流出した疑いが強まっているとされる問題で、米政府として大規模な調査を進めていることを明らかにした。
FOXニュースは同日、米情報機関が同研究所および感染初期状況に関する情報を徹底的に収集して時系列的に分析し、事態の全容解明を図っていると報道。調査結果は近くホワイトハウスに提出され、トランプ氏らは内容を精査した上で中国にどのように責任を取らせるかについて判断を示すとしている。
報道によれば、米情報機関はウイルスに関し、生物兵器として人工的に作成された可能性を現時点で排除し、研究所内で取り扱われていた自然界に存在するウイルスが武漢市に流出したとの見方をとっている。
トランプ氏は、ウイルスが研究所から流出したかどうかについて、断定は避けつつ、一連の説は「理にかなっているように思われる」と述べ、支持する姿勢を示唆した。
●武漢市「ウイルス研究所」に“中国とフランスの闇”は暴かれるのか? 仏の全面的協力で完成した「P4実験室」が発生源の可能性
4/28(火) 16:56配信夕刊フジ
新型コロナウイルスをめぐる米中対立が激化するなか、欧州でも発生国・中国への不信感が強まっている。初動対応の失敗や隠蔽疑惑に加え、「マスク外交」を展開して自己正当化に利用しているのだ。こうしたなか、米国メディアが報じた湖北省武漢市の「ウイルス研究所」設立に協力したとされる、フランスの動向が注目されている。感染者約12万1300人、死者約2万2200人(25日、世界保健機関=WHO=調べ)という甚大な被害を受けた科学・文化大国は対中戦線に加わるのか。ノンフィクション作家、河添恵子氏の緊急寄稿第12弾−。
◇
「われわれが知らないことが起きているのは明らかだ」
フランスのエマニュエル・マクロン大統領は4月中旬、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)紙のインタビューでこう述べた。この表現には、同国ならではの「特別な事情」が含まれていそうだ。
武漢には、「中国科学院武漢病毒(ウイルス)研究所」が2カ所(武昌区と江夏区)存在する。米国などは「新型コロナウイルスの発生源の可能性がある」として、フランスの全面的協力で完成した「P4実験室」が備わる研究所(通称『新しいラボ』=江夏区)の査察を求めている。
フランス大統領府は一応、「現時点で、新型コロナウイルスの由来が『新しいラボ』であることを証明するものは何もない」との声明を発表している。
だが、ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)の中国語版などを読むと、識者による10数年の「中仏共同プロジェクト」の経緯とともに、「中国への強烈な不信感」をにじませる内容が噴出している。
中国とフランスが「中仏予防・伝染病の制御に関する協力」の枠組みを締結したのは、SARS(重症急性呼吸器症候群)が流行した翌年(2004年)。当時から、フランスの細菌戦争の専門家らは反対を唱えていたという。
なぜなら、01年9月の米中枢同時テロ後、米国で炭疽(たんそ)菌によるテロ事件が発生するなど、世界で生物兵器への警戒が強まっていた。フランスの国防国家安全保障事務総局(SGDSN)は、「『P4実験室』は将来、生物兵器庫に変容するのではないか」との懸念を抱いていたのだ。
フランス議会の総意ともほど遠いなか、ジャック・シラク大統領(当時)と、ジャン=ピエール・ラファラン首相(同)は「中仏共同プロジェクト」の合意へと突き進んだ。医療機器関連や製薬業界が後押しした、との話もある。そして、専門性の高い10数社のフランス企業が、武漢の「新しいラボ」の設計、技術支援に携わったという。
フランス人作家で雑誌記者のアントワーヌ・イザンバール氏は「P4実験室は、特定の部品のシーリングの点で、わが国の原子力潜水艦のそれに匹敵する」と説明する。
ただ、中国との共同プロジェクトを進めるうちに、フランス側は徐々に不信感を高めていったようだ。
「新しいラボ」は15年1月に完成するが、中仏共同プロジェクトの首席、アラン・メリュー氏は辞任した。メリュー氏はフランス・リヨン出身で、1963年にメリュー生物科学研究センターを設立した。工業規模のワクチン製造法を開発し、多数の人々にワクチン接種を行えるようにした功績などで世界的にも著名だ。
17年2月には、フランスのベルナール・カズヌーヴ首相(当時)と、保健大臣が「武漢P4実験室に、フランス人研究者50人を5年間送り込む」ことを発表した。実験室のバイオセーフティーレベルを向上させる、中仏共同研究プログラムの作成と実行を目指し、技術的な専門知識の提供を中国側に約束した。
ところが、フランス側の発信によると、現在に至るまで、フランスは十分に関与できていないという。それどころか、「16年以降、両国の感染症委員会の会合すらない」「フランスの研究者は武漢入りできない」との話まである。「両国で締結した内容、フランス側の意図に反して、武漢の『新しいラボ』は中国人の研究者で占められ、フランスの科学者による制御を逃れている」というのだ。
これらは、フランスの一部から噴出した「言い分」としても、フランス全体にとっては「言い訳」になりそうだ。
そのうえで、注目に値するのは、中国が18年、北京の人民大会堂で行った改革開放40周年を祝賀する式典で、外国人10人に送られた「中国改革友誼章」だ。大平正芳元首相や、パナソニックの創業者・松下幸之助氏らとともに、メリュー氏が選ばれていたのだ。
武漢のP4実験室は、習近平国家主席が14年3月に訪れたリヨンのP4実験室の技術と設備が導入されているが、メリュー家のビジネスは、中国においてますます発展型のようだ。
フランス政界の「黒幕」で、武漢の「新しいラボ」竣工(しゅんこう)へと突き進んだシラク氏は昨年9月に鬼籍に入った。もう1人は、07年に「フランスは売り手でも買い手でもなく、中国の戦略的パートナーだ」と語り、中国への技術移転に邁進(まいしん)し、「武漢P4」の認可を後押ししたニコラ・サルコジ元大統領という。
そして、中国側の「黒幕」は、江沢民元国家主席と、長男の江綿恒氏と噂される。この度のパンデミックにより“中仏の闇”は暴かれるのか?
■河添恵子(かわそえ・けいこ) ノンフィクション作家。1963年、千葉県生まれ。名古屋市立女子短期大学卒業後、86年より北京外国語学院、遼寧師範大学へ留学。著書・共著に『米中新冷戦の正体−脱中国で日本再生』(ワニブックス)、『世界はこれほど日本が好き』(祥伝社黄金文庫)、『覇権・監視国家−世界は「習近平中国」の崩壊を望んでいる』(ワック)など。
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夕刊フジ
●新型コロナウイルス、7年前すでに中国の洞窟で発見
2020/4/27(月) 20:08配信
朝鮮日報日本語版
(写真:朝鮮日報日本語版)
科学者らが2013年、中国の洞窟で新型コロナウイルス(Covid-19)の祖先と推定される新種のウイルスをすでに発見していた事実が明らかになった。
ウイルス専門の非営利機関「エコヘルス・アライアンス」のピーター・ダスザック代表は26日(現地時間)、CNNとのインタビューで「わが研究チームは1万5000羽を超えるコウモリのサンプルを採取し、約500種の新しいコロナウイルスを究明した」「このうち2013年に中国のある洞窟で発見したウイルスが(現在流行している)コロナウイルスの祖先だという可能性がある」と述べた。エコヘルス・アライアンスは人間や動物、環境を脅かす各種の感染症に対処するために1971年に設立された機関だ。2009年に米国国際開発庁(USAID)が資金を支援して発足した流行病防止プロジェクト「プレディクト(Predict)」に、カリフォルニア大学デイビス校、スミソニアン協会、野生動物保護協会などと共に参加している。プレディクトは過去10年間に31か国で活動し、このうちエコヘルス・アライアンスは20か国でウイルス究明作業を進めた。
エコヘルス・アライアンスは中国の南西部にある雲南省地域でコウモリの研究を集中的に行っている。ダスザック代表は「初めはSARS(重症急性呼吸器症候群)の起源を探し出すために中国で研究を始めたが、ほかに数百種の危険なウイルスがあることを把握し、それを突き止める研究へと方向転換した」と話した。
ダスザック代表によると、新型コロナウイルスの流行が始まったとき、武漢ウイルス研究所の石正麗研究員はまずエコヘルス・アライアンスが究明した新種のウイルス500種と比較したが、予想は的中した。ダスザックはCNNに対し「新しいコロナウイルスは2013年に雲南省の洞窟で採取したコウライキクガシラコウモリのウイルスのサンプルと96.2%一致した」として「遺伝子3.8%の差異を勘案すると、ヒトに伝染する際に中間宿主を介した可能性が高い」と述べた。CNNは「これは該当サンプルのウイルスが、パンデミックを引き起こした新型ウイルスの祖先か親戚という可能性があることを意味する」と伝えた。
ダスザック代表は「コロナウイルスがどこに由来しているのかを知ることは、変異(ウイルス)がどのようにして人間に伝染するのかを理解し、今後の発生を予防する上で役に立つだろう」とも述べた。同代表は「可能な限り早く、迅速に(中国に)行ってコロナウイルスが正確にはどこからやって来たのかを突き止めることに全ての努力を集中させたい」と話した。
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朝鮮日報日本語版
●著名キャスターの“反乱”で発覚! 中国人75%が「新型コロナは人工的ウイルス」 習政権の“世論操作”にも物議
2020.3.11 20:00
【断末魔の中国】
「新型コロナウイルスは、『(1)天然ウイルス 自然に感染』『(2)天然ウイルス 過失漏れ』『(3)人工ウイルス 過失漏れ』『(4)人工ウイルス 悪意ある拡散』のいずれだと思うか?」
新型肺炎(COVID19)の流行が世界へ拡大していた2月28日、ある著名な中国人がツイッター上で、このような世論調査を行った。
これに反応した、ツイッターを使用できる環境にある中国人ネットユーザーから、1日で1万人以上の回答を得た。
結果は、「人工ウイルス 過失漏れ」が51・1%、「人工ウイルス 悪意ある拡散」が23・8%、「天然ウイルス 過失漏れ」が13%、そして、12%と最も少なかったのが「天然ウイルス 自然に感染」だった。
この調査に答えた人たちの、実に約75%が、新型コロナウイルスについて「人工的なウイルス」と考えており、発生源は中国科学院武漢病毒研究所の「武漢P4研究室」だと推測しているようだ。SARS(重症急性呼吸器症候群)や、エボラ出血熱といった危険な病原体を研究するために指定された、中国で唯一の研究室である。
「個人の世論調査」という、思い切った行動をとったのは中国中央テレビ(CCTV)の著名なニュースキャスターだった崔永元氏である。詳細は省くが、さまざまなスキャンダルのなかで国営テレビ局を辞めて久しい。近年、中国のトップ女優、范冰冰(ファン・ビンビン)氏の巨額の脱税疑惑を暴露するなど、彼の名前が再浮上していた。
一方、習近平政権から絶大なる支持を得ている国家衛生健康委員会ハイレベル専門家グループのグループ長、鐘南山氏は2月下旬、「感染はまず中国で発生したが、ウイルス発生源が中国だとはかぎらない」と語り、「人民日報」などの官製メディアで発信され、国内外で物議を醸している。
反応のなかには、「中国政府が今、『米国が中国でウイルスを拡散した』とのプロパガンダを始めていることの一環だ」と指摘する有識者の声もある。すなわち、中国湖北省武漢市が感染源ではないかのような世論操作すら始めているのだ。
習国家主席の片棒を担いでいるのが、世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長である。「習主席のリーダーシップを他の国も見習うべきだ」と語るなど、「親中」姿勢を隠そうともしないテドロス氏は今月2日、新型コロナウイルスの感染拡大について、「WHOは韓国、イタリア、イラン、日本の情勢を最も懸念している」「過去24時間の感染件数の増加は、中国国外が国内の約9倍」などと指摘した。
日本の総感染者数は1000人を超えたが、大部分は英国船籍のクルーズ船「ダイヤモンドプリンセス号」の乗船者(約700人)なのだ。
さて、五輪開催国として日本政府がすべきことは、「中国からの入国制限」とともに、経済的ダメージなど国民への影響を最小限に食い止めるための財政出動ではないだろうか。
■河添恵子(かわそえ・けいこ) ノンフィクション作家。1963年、千葉県生まれ。名古屋市立女子短期大学卒業後、86年より北京外国語学院、遼寧師範大学へ留学。著書・共著に『米中新冷戦の正体−脱中国で日本再生』(ワニブックス)、『世界はこれほど日本が好き』(祥伝社黄金文庫)、『覇権・監視国家−世界は「習近平中国」の崩壊を望んでいる』(ワック)など。
●百田尚樹氏が指摘 新型コロナ“中国製造説”のもう一つの不安
4/19(日) 16:43配信東スポWeb
百田尚樹氏が指摘 新型コロナ“中国製造説”のもう一つの不安
百田尚樹氏
作家の百田尚樹氏(64)が19日、自身のツイッターを更新し、現在、フランスで大きな話題になっている、新型コロナウイルスが人工的に作られたものだとする説に触れた。
百田氏は作家・辻仁成氏の「エイズウイルスを発見し、2008年にノーベル生理学医学賞を受賞したリュック・モンタニエ博士が、新型コロナウイルスは人工的に作られたものだ、と発言し、今、フランスメディアは騒然となっています」というツイートを引用し「これ、本当だとしたら、どこの国が作ったのだ。それが明らかになれば、世界は許さないだろうね。あくまで、事実ならね」と投稿した。
その後、再びこの件に触れて「ノーベル賞(医学生理学賞)を受賞した医学博士が数学者と共に分析した結果、『新型コロナウイルスは人工ウイルスである』と断言したことは重い。もしこのウイルスが中国で作られたとしたら、世界は中国に対して怒りを表明するどころではなくなるだろう」とコメント。
さらに「新型コロナウイルスは中国が人工的に作ったものだとわかれば、世界は中国に対して厳しい経済制裁を開始するだろう。その時、私が心配するのは、日本が中国を助けないかということだ。日本にいる親中派の議員たちが猛烈に頑張ると思うが、果たしてそれを止められるか!」と私見を述べた。
フランス国内の報道では、ウイルス学者のリュック・モンタニエ博士(87)が新型コロナウイルスは中国が作ったものであり、武漢のウイルス研究所から事故で漏洩したものである可能性が高いと発表したという。
もともと中国が作ったという説はあったが、都市伝説のようなものと受け取られていた。しかし、今回はHIVの発見者で2008年にノーベル生理学・医学賞を授与されたモンタニエ博士の発言だけに、その重さが違うといえるが、果たして…。
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最終更新:4/19(日) 16:44
東スポWeb
●中国・武漢の研究所員がウイルス流出疑惑を否定→流出を否定できる具体的な証拠はあるのか?
米政府は追及姿勢
4/19(日) 13:57配信産経新聞
【北京=三塚聖平】新型コロナウイルスが中国湖北省武漢市の中国科学院武漢ウイルス研究所から流出したと米メディアで報じられていることについて、同研究所の袁志明(えんしめい)研究員は19日までに「このウイルスは絶対にわれわれのところから出たものではない」と中国国営メディアのインタビューで否定した。米政府は、この問題について真相を追及する姿勢を見せている。
インタビューは外国語放送の「中国環球電視網(CGTN)」が行った。袁氏は「研究所では退職者や学生、職員の誰も感染していない」と強調。その上で「われわれには厳格な管理制度がある」と主張した。
中国外務省の趙立堅(ちょうりつけん)報道官は16日の記者会見で「世界の多くの有名な医学専門家が、実験室から漏れたといった見解には科学的な根拠が全くないと考えている」と否定したが、詳細な反論は行わなかった。
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中国当局が関与!?新型コロナ「人工ウイルス」証拠論文が“消滅”
最終更新:4/19(日) 15:43
産経新聞
●中国当局が関与!?新型コロナ「人工ウイルス」証拠論文が“消滅” 超エリート教授が迫った「2つの研究所」と「ウイルス流出説」
2020.3.17
産経新聞
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習国家主席(新華社=共同)1/1枚ノンフィクション作家・河添恵子氏が緊急寄稿
<< 下に続く >>
中国発の新型コロナウイルスの感染拡大が、世界の脅威となっている。世界全体で感染者は15万人を超え、死者は6000人を上回った(共同通信、15日集計)。中国の習近平国家主席は、被害が深刻な韓国とイタリア、イランの各首脳に「心からの見舞い」を伝える電報を送ったというが、初動対応の遅れは「人類に対する罪」ではないのか。中国当局による情報操作や隠蔽疑惑への不信感も高まっている。こうしたなか、中国人の超エリート教授が「ウイルスの起源」に迫った英文リポートが注目されている。2月に英文で発表されたが、すぐ削除されたのだ。中国当局の関与も疑われている。ノンフィクション作家の河添恵子氏が迫った。
「習氏と私は、ウイルスがどこから来たのかを知っている」
ドナルド・トランプ米大統領は13日、ホワイトハウスで国家非常事態を宣言した記者会見でこう語り、周囲の笑いを誘った。
中国外務省の趙立堅報道官が前日、「米軍が(湖北省)武漢市に今回のウイルスを持ち込んだのかもしれない。米国はわれわれに説明すべきだ」とツイッターに書き込んだことへの、余裕のカウンターアタック(反撃)とみられる。
中国の挑発的な“責任転換”発言に対しては、デービッド・スティルウェル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)が13日、中国の崔天凱駐米大使を国務省に呼びつけて、厳重に抗議した。
共和党のジョシュア・ホーリー上院議員(ミズーリ州)も、「中国外務省の道化師が、ツイッターに『露骨なウソ』を書き込んだので、それに反論したところ、私をブロックしたことを喜んでお伝えする」とツイッターで発信したことも話題になった。
WHO(世界保健機関)がようやく、新型コロナウイルスの感染拡大を「パンデミック(世界的大流行)」と認めたことで、中国や習政権に対する風当たりが強まっている。
また、世界の科学者や専門家が少なからず、「天然ではなく人工の可能性」を示唆していることもあるのか、中国側は白々しく「米国が拡散した」「日本ウイルス」「イタリアウイルス」などと表現するなど、明らかにウイルスの“脱中国化”を進めようとしている。
これに対し、マイク・ポンペオ米国務長官は、以前から新型コロナウイルスを意図的に「武漢ウイルス」と呼ぶなど、中国の情報操作を許さず、「中国・武漢が発生源だ」と断言し続けてきた。
こうしたなか、カギを握る、あるリポートが注目されている。
科学者向けのグローバル情報共有プラットフォーム「リサーチゲート」に2月6日、中国の理系トップクラスの国立大学、華南理工大学(広東省広州市)の肖波涛教授と、武漢科技大学附属天佑医院に在籍し、科学調査も行う人物との連名で発表された「2019−nCoVコロナウイルスの可能な起源」という英文リポートだ。
肖氏は、生理学・生物物理や、医薬生物学、生物データ学、生化・分子生物学、微生物学が専門で、2011年から13年まで米ハーバード大学医学部ボストン小児病院に籍を置き、帰国後、17年まで武漢市の華中科技大学物理学院生物物理所の教授と副所長だった。
「武漢市疾病予防管理センターが協和病院に隣接している」の記述
私(河添)も入手した、リポートの一部を紹介しよう。
《(新型コロナウイルスはコウモリ由来とされるが)コウモリは武漢の海鮮市場では売買されていない。市場に飛んでくる可能性も非常に低い。他に感染経路はあるのか? われわれは、2つの研究所を特定した》
《第1の研究所は、海鮮市場から280メートル以内にある「武漢市疾病予防管理センター」。研究目的で動物を確保し、病原体収集と識別を専門にしていた。過去2年以内にコウモリを湖北省から155匹、浙江省から450匹調達している》
《第2の研究所は、海鮮市場から約12キロメートルのところにある「中国科学院武漢病毒研究所」。この研究所は、中国の馬蹄コウモリが、重度のSARS(重症急性呼吸器症候群)の大流行を2002年から03年に引き起こしたと報告している》
《誰かが、コロナウイルスの進化に関係していた》《ウイルスや、その誘導体が実験室から漏れる可能性はある》《ウイルスはおそらく、武漢の研究所で発生した》
もう一つ、このリポートで注目すべきは、《武漢市疾病予防管理センターは、医者らのグループが最初に感染した協和病院に隣接している》という部分である。
協和病院は今年1月中旬以降、医療関係者が「1人の肺炎患者を治療したところ、14人の医療従事者が同時感染した」「われわれの多くが感染しているはずだが、検査すらしてもらえない。われわれは隔離ではなく、軟禁状態にある」などとSNSで発信した“渦中の病院”なのだ。
肖氏らのリポートが正しければ、中国側の責任は重いとみられる。
ただ、「リサーチゲート」に掲載された肖氏らのリポートは削除されてしまった。しかも、肖氏らは現在、行方不明とされる。
中国では、昨年12月に「原因不明の肺炎発生」にいち早く警鐘を鳴らしながら、公安当局に「デマを広めた」と摘発され、今年2月に新型肺炎で亡くなった武漢市の男性医師、李文亮氏のようなケースがある。
肖氏のリポートは、より具体的であるため都合が悪かったのか…。おそらく、トランプ氏率いる米国は、全真相をつかんでいるはずだ。
■河添恵子(かわそえ・けいこ) ノンフィクション作家。1963年、千葉県生まれ。名古屋市立女子短期大学卒業後、86年より北京外国語学院、遼寧師範大学へ留学。著書・共著に『米中新冷戦の正体−脱中国で日本再生』(ワニブックス)、『世界はこれほど日本が好き』(祥伝社黄金文庫)、『覇権・監視国家−世界は「習近平中国」の崩壊を望んでいる』(ワック)など。
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●【解説】新型コロナの流出源? 武漢研究所を取り巻く疑惑
AFPBB News 2020/04/18 05:30
配布するマスクを紹介する有田市の望月良男市長=2020年4月17日、和歌山県有田市の市消防本部、滝沢貴大撮影市が1世帯にマスク50枚 地元企業寄付
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言を受け、閑散とする「八坂の塔」周辺=18日午後、京都市東山区国内の感染者が1万人超え、9日で倍増
中国・武漢で、武漢ウイルス研究所の病原体レベル4(P4)実験室が入る建物(2020年4月17日撮影)。c Hector RETAMAL / AFP 中国・武漢で、武漢ウイルス研究所の病原体レベル4(P4)実験室が入る建物(2020年4月17日撮影)。
【AFP=時事】新型コロナウイルス流行の中心地となった中国・武漢(Wuhan)のはずれの山沿いに位置する「武漢ウイルス研究所(Wuhan Institute of Virology)」──。厳重な警備下に置かれたこの施設が新型ウイルスのパンデミック(世界的な大流行)の発生源だった可能性があるとの疑惑が今、米国で取り沙汰されている。
中国・武漢にある武漢ウイルス研究所の病原体レベル4(P4)実験室で作業を行う職員(2017年2月23日撮影)。c JOHANNES EISELE / AFP 中国・武漢にある武漢ウイルス研究所の病原体レベル4(P4)実験室で作業を行う職員(2017年2月23日撮影)。
以下に、同研究所をめぐる主な疑問をまとめた。
中国・武漢にある武漢ウイルス研究所の病原体レベル4(P4)実験室を視察した当時の仏首相、ベルナール・カズヌーブ氏(中央、2017年2月23日撮影)。c JOHANNES EISELE / AFP 中国・武漢にある武漢ウイルス研究所の病原体レベル4(P4)実験室を視察した当時の仏首相、ベルナール・カズヌーブ氏(中央、2017年2月23日撮影)。
■どのような施設なのか?
同研究所は中国典型培養物保蔵センター(CCTCC)の所在地。公式ウェブサイトによると、同センターはアジア最大のウイルス保管施設で、1500株以上を保管している。
同研究所では2015年、病原体レベル4(P4)を扱える最高水準の安全性を確保した実験室が完成し、2018年に稼働を開始。P4は人から人への感染の危険性が高いウイルスを指し、エボラウイルスなどが含まれる。
P4実験室の建設に当たっては、仏バイオ企業の創業者アラン・メリュー(Alain Merieux)氏が顧問を務めた。同研究所では病原体レベル3(P3)実験室も2012年に稼働を開始している。
中国・武漢にある武漢ウイルス研究所の病原体レベル4(P4)実験室で作業を行う職員(2017年2月23日撮影)。c JOHANNES EISELE / AFP 中国・武漢にある武漢ウイルス研究所の病原体レベル4(P4)実験室で作業を行う職員(2017年2月23日撮影)。
AFP記者が最近、同研究所を訪れたところ、内部に人の動きはみられなかった。
■新型ウイルスはここで発生したのか?
米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)とFOXニュース(Fox News)は匿名の情報筋の話として、新型ウイルスがこの研究所から誤って流出した可能性があると報じた。
中国・武漢で、武漢ウイルス研究所の病原体レベル4(P4)実験室が入る建物(中央奥、2020年4月17日撮影)。c Hector RETAMAL / AFP 中国・武漢で、武漢ウイルス研究所の病原体レベル4(P4)実験室が入る建物(中央奥、2020年4月17日撮影)。
ワシントン・ポスト紙が入手した外交公電からは、当局者らが特に重症急性呼吸器症候群(SARS)に類似したコウモリコロナウイルスの取り扱いをめぐる安全対策の不備に懸念を示していたことが明らかになった。
FOXニュースは、同施設で研究対象となっていたコウモリ由来のウイルス株に感染した人物が「0号患者」となり、そこからウイルスが武漢の住民に広まった可能性があると伝えた。
中国の科学者らは、新型コロナウイルスは武漢の野生動物市場で動物から人へと感染した可能性が高いとしているが、インターネット上では武漢ウイルス研究所が起源だとの疑惑をめぐるさまざまな陰謀説が拡散。ついには米政府もこの疑惑に言及し、当局がウイルスの出所をめぐり「徹底的な調査」を行っていることをマイク・ポンペオ(Mike Pompeo)国務長官が表明するに至った。
同研究所は17日、コメントを拒否したものの、今年2月にはうわさを否定する声明を出していた。また中国外務省の趙立堅(Zhao Lijian)報道官は17日、同研究所から新型コロナウイルスが流出したとの説を否定した。
中国・武漢にある武漢ウイルス研究所の病原体レベル4(P4)実験室で作業を行う職員(2017年2月23日撮影)。c JOHANNES EISELE / AFP 中国・武漢にある武漢ウイルス研究所の病原体レベル4(P4)実験室で作業を行う職員(2017年2月23日撮影)。
■新型ウイルスについて分かっていることは?
科学者らは、新型ウイルスの起源はコウモリだと考えており、そこからセンザンコウを媒介して人へと感染した可能性があるとみている。センザンコウは絶滅が危惧されているが、中国国内ではそのうろこが伝統薬の材料として違法に取引されている。
だが今年1月、英医学誌ランセット(Lancet)に発表された中国科学者チームの論文では、最初の感染者と、初期に感染が確認された41人のうちの13人が、ウイルス発生源とされる武漢の野生動物市場とはつながりがなかったことが明らかにされた。
中国・武漢で、武漢ウイルス研究所の病原体レベル4(P4)実験室が入る建物(中央、2020年4月17日撮影)。c Hector RETAMAL / AFP 中国・武漢で、武漢ウイルス研究所の病原体レベル4(P4)実験室が入る建物(中央、2020年4月17日撮影)。
中国を代表するコウモリコロナウイルス研究者の一人で、武漢ウイルス研究所P4実験室の副所長でもある石正麗(Shi Zhengli)氏は、新型コロナウイルスがコウモリ由来であることを初めて示した論文を出した研究チームの一員だ。
米科学雑誌サイエンティフィック・アメリカン(Scientific American)のインタビューに応じた石氏は、新型コロナウイルスのゲノム配列は自身の研究所がこれまでに収集・研究したコウモリコロナウイルスのいずれとも一致しなかったと述べた。
中国・武漢にある武漢ウイルス研究所の病原体レベル4(P4)実験室を視察した当時の仏首相、ベルナール・カズヌーブ氏(前列右、2017年2月23日撮影)。c JOHANNES EISELE / AFP 中国・武漢にある武漢ウイルス研究所の病原体レベル4(P4)実験室を視察した当時の仏首相、ベルナール・カズヌーブ氏(前列右、2017年2月23日撮影)。
英ロンドン大学キングスカレッジ(King's College London)のバイオセキュリティー研究者、フィリッパ・レンツォス(Filippa Lentzos)氏はAFPに対し、新型ウイルスが武漢の研究所から流出したとする説には今のところ証拠がないとする一方、野生動物市場が発生源だとする説にも「確固たる証拠はない」と指摘。「私にとって、パンデミックの起源は依然として未解決の疑問だ」と語った。
中国・武漢にある武漢ウイルス研究所の病原体レベル4(P4)実験室で作業を行う職員(2017年2月23日撮影)。c JOHANNES EISELE / AFP 中国・武漢にある武漢ウイルス研究所の病原体レベル4(P4)実験室で作業を行う職員(2017年2月23日撮影)。
【翻訳編集】AFPBB News
●米で武漢研究所への疑念浮上 新型コロナ発生源めぐり
2020年04月16日20時35分
新型コロナウイルスに感染し病院に収容される患者=1月18日、中国湖北省武漢市(EPA時事)
新型コロナウイルスに感染し病院に収容される患者=1月18日、中国湖北省武漢市(EPA時事)
【ワシントン時事】新型コロナウイルスをめぐり、中国湖北省武漢市の研究所で行われていたコウモリのコロナウイルス研究の危険性を指摘したり、「研究所が新型ウイルスの発生源」と指摘したりする米メディアの報道が相次いでいる。新型ウイルスは武漢市で最初に発生したが、中国側は発生源の特定を避けている。
新型コロナ再拡大に懸念 楽観ムード戒め―武漢封鎖解除
FOXテレビ(電子版)は15日、複数の関係筋の話として、新型コロナウイルスの起源は武漢市にある研究所だったと報じた。生物兵器として開発していたのではなく、中国のウイルス研究が米国と同等以上だと示すための取り組みだったという。関係筋は、ウイルスがコウモリから所員に感染し、それから武漢に広がったとの見方を示した。
トランプ大統領は15日の記者会見でこの報道について聞かれ、「それについては話したくない。この恐ろしい状況の徹底的な調査をしている」と述べるにとどめ、確認を避けた。
ワシントン・ポスト紙(同)も14日、米当局者が2018年1月に武漢のウイルス研究所を訪問した後、同研究所がコウモリのコロナウイルスに関する危険性の高い研究を行い、安全性の確保が十分でないと指摘する公電を送っていたと報じた。公電はこのウイルスが人間に感染し、重症急性呼吸器症候群(SARS)のような世界的流行を引き起こす危険性を警告していたという。
一方、ニューヨーク・タイムズ紙(同)は11日、トランプ政権内に「研究所発生源説」を唱える高官がいるが、米情報機関はその証拠を得ていないと指摘している。
【国際記事一覧へ】 【時事ドットコムトップへ】
●新型コロナウイルス、研究所で作られた証拠ないとWHO=中国
→
それならば中国はウイルスが武漢のウイルス研究所で作られたものではないと言う証拠を示すべきだ
2020/04/16 19:17
新型コロナウイルス、研究所で作られた証拠ないとWHO=中国c Reuters/CARLOS GARCIA RAWLINS 新型コロナウイルス、研究所で作られた証拠ないとWHO=中国
[北京 16日 ロイター] - 中国外務省の趙立堅報道官は16日、新型コロナウイルスが研究所で作られた証拠はないと世界保健機関(WHO)が表明していると述べた。
トランプ米大統領は15日、ウイルスが湖北省武漢市のウイルス研究所から流出したものかどうかを米政府が調査中だと述べた。
趙報道官は定例会見で、トランプ氏の発言には直接触れず、「(WHOの当局者らが)ウイルスが研究所で作られたという証拠はないと何度も言っている」と述べた。
●中国「流行終息段階」の信用度と「人工的ウイルス」の可能性 BCG接種と新型コロナ死亡率には相関関係も
2020/4/14(火) 16:56配信夕刊フジ
中国「流行終息段階」の信用度と「人工的ウイルス」の可能性 BCG接種と新型コロナ死亡率には相関関係も
新型コロナウイルスについて語る杜祖健氏
中国発の新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めが利かない。米ジョンズ・ホプキンズ大学の集計によると、世界全体の感染者は12日、180万人を超え、死者も11万人を超えた。日本の感染者は同日、累計7378人(クルーズ船除く)、死者は計150人。こうしたなか、毒性学や生物兵器・化学兵器の世界的権威である、米コロラド州立大学名誉教授の杜祖健(アンソニー・トゥー)氏(89)を、ノンフィクション作家の河添恵子氏が緊急寄稿第10弾で再取材した。中国では国内流行が終息段階と伝えられるが、信用できるのか。「人工的ウイルス」の可能性は。結核を予防するBCG接種と新型コロナウイルス死亡率の相関関係などを、一気に聞いた。
「中国は自宅で亡くなった人を死者数に加えておらず、症状が軽い患者は退院させて、患者数を低く操作しているとも聞いている。習近平国家主席の側近が、発生地である湖北省武漢市に送り込まれたので、『患者が少なくなったのは、習氏の指導のおかげ』と宣伝したいのだろう」
杜氏はまず、こう語った。
米ブルームバーグ通信が今月初め、米情報機関が「中国政府は、新型コロナウイルスの感染者と死者を、実数よりも少ない虚偽の数字を公表している」という機密報告書をホワイトハウスに提出した−と報じたことを受けた感想だ。
杜氏は1930年に台北生まれ。台湾大学卒業後に渡米、スタンフォード大学やイエール大学で化学研究に従事し、コロラド州立大学教授に。天然毒が専門で、80年代にはソ連の生物兵器開発について、毒物のデータベース作成などで米政府に協力した。オウム真理教による一連のサリン事件で、サリンの分析方法を日本の警察当局に指導し、2009年に旭日中綬章を受章した。
先月初めに緊急来日した際、政府・与党関係者と接触したうえ、日本の複数メディアに登場して、新型コロナウイルスについて「世界(の専門家の間)では『人工的なウイルスだろう』という意見が多い」と発言して、注目された。
この発言に対して、異論・反論もあったが、杜氏は続ける。
「反論の根拠を聞くと、『ウイルスはいずれ自分の所にも戻ってくる。そんな危険なものを使うはずがない』といった希薄なものだった。だが、2001年の米中枢同時テロ後、米国では炭疽(たんそ)菌によるテロ事件が発生している。攻撃用として生物・化学兵器を準備している国は存在する。米国は『防御のため』に研究している。ウイルスが漏れたり、使用される可能性はある。先入観を排除して情報収集すべきだ」
海外では、結核予防のBCGワクチンが、新型コロナウイルス感染症の発症や重症化を防ぐ可能性が指摘され、オランダやオーストラリア、英国、ドイツなどで臨床治験が始まっている。
日本では0歳児を対象に定期接種が行われているが、米国やイタリアなどでは一律での接種を行っていない。新型コロナウイルスの死亡数とBCG接種国を色分けしたグラフを見ると、接種中止国などに死者数が多い。
杜氏は「(医学的な効果は不明だが)グラフを見る限り(BCG接種との)関係はあり得る」といい、「日本が他国と比べて感染者や死者の増加が遅いのは、衛生環境が優れていることが背景にあると思う」と述べた。
ちなみに、日本ワクチン学会も、BCG接種による効果は科学的に確認されていないとの見解を公表している。
米国では昨年10月以降、季節性インフルエンザで1万6000人が亡くなっている。そのため、一部では「実は、新型コロナウイルスだったのではないか?」との噂が出ている。
この件については、台湾初の医学博士となった杜氏の父、杜聡明博士を尊敬する日本在住の台湾人医師、林建良氏が次のように答えた。
「新型コロナウイルスが、季節性インフルエンザと明らかに異なる点は、肺に体液が一気に充満して、肺が溺れたような状態となって死に至ることだ。それから、肺だけなく、ほぼ全ての臓器にウイルスが入り込む可能性があること。SARS(重症急性呼吸器症候群)のようにウイルスが消えるかどうかは、現時点で誰にも分からない。ウイルスの抗体ができても、エイズのように体内から消えない可能性もある」
ともかく、「死のウイルス」には厳重警戒すべきだ。
■河添恵子(かわそえ・けいこ) ノンフィクション作家。1963年、千葉県生まれ。名古屋市立女子短期大学卒業後、86年より北京外国語学院、遼寧師範大学へ留学。著書・共著に『米中新冷戦の正体−脱中国で日本再生』(ワニブックス)、『世界はこれほど日本が好き』(祥伝社黄金文庫)、『覇権・監視国家−世界は「習近平中国」の崩壊を望んでいる』(ワック)など。
【関連記事】
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夕刊フジ
●米当局、中国・武漢の研究に警鐘 コウモリのコロナウイルス
2020/4/15(水) 16:47配信共同通信
米当局、中国・武漢の研究に警鐘 コウモリのコロナウイルス
新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真(米国立アレルギー感染症研究所提供)
【ワシントン共同】米紙ワシントン・ポストは14日、米当局者が2018年に中国湖北省武漢市の中国科学院武漢ウイルス研究所を訪問後、同研究所が行っていたコウモリのコロナウイルス研究の危険性に警鐘を鳴らす公電を米国務省に送っていたと伝えた。新型コロナウイルスが同研究所から漏えいした証拠はないが、トランプ政権内でこの公電が再び注目を集めているという。
【写真】バンクシーも在宅勤務? 新作公表
同紙によると、在中国米大使館員らは18年1月に研究所を数回視察。公電には研究内容に関し「コウモリのコロナウイルスが人に感染し、SARSのような病気を引き起こす可能性を強く示唆している」と明記していたという。
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共同通信
●2020/04/15(水) 08:00
State Department cables warned of safety issues at Wuhan lab studying bat coronaviruses
Two years before the novel coronavirus pandemic upended the world, U.S. Embassy officials visited a Chinese research facility in the
city of Wuhan several times and sent two official warnings back to Washington about inadequate safety at the lab,
which was conducting risky studies on coronaviruses from bats.
2年前、米国大使館職員は武漢市の中国の研究施設を数回訪問し、コウモリからのコロナウイルスの危険な研究を行っていた中国の研究室について
安全性が不十分であり危険だと公式に警告をワシントンに送っていました。
ワシントンポスト 2020年4月14日午後7時
https://www.washingtonpost.com/opinions/2020/04/14/state-department-cables-warned-safety-issues-wuhan-lab-studying-bat-coronaviruses/
前
前
https://hayabusa9.5ch.net/test/read.cgi/news/1586876336/
●第240話 中国人告発動画「中国武漢P4研究所爆発真実を日本の方に伝えたいです」を検証する
中国武漢P4研究所爆発真実を日本の方に伝えたいです
457,294 回視聴•2020/02/20
MOTOYAMA チャンネル登録者数 1.84万人
https://youtu.be/VzNqd7B_gko
事故現場で埋められる中国の高速鉄道の車両
92,423 回視聴•2011/07/25
朝日新聞社 チャンネル登録者数 26.7万人
https://youtu.be/25Nf0xvZQTE
中国武漢P4研究所が爆発されたという情報ですが、本当なんでしょうか?
ちょっとまだ未確認なですが、すでにブログとかにアップされてる。
新幹線が事故ったら埋めてしまうお国柄ですから本当かもしれませんねえ。
武漢のP4研究所が爆破された疑い【新型コロナウイルス】
http://wonder-creatures.com/%E6%AD%A6%E6%BC%A2%E3%81%AEp4%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%89%80%E3%81%8C%E7%88%86%E7%A0%B4%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%E7%96%91%E3%81%84%E3%80%90%E6%96%B0%E5%9E%8B%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E3%82%A6%E3%82%A4/
武漢のP4研究所というのは、今回の新型コロナウイルスに深く関わってる、中国のバイオセーフティレベル4のウイルス研究所です。
武漢のP4研究所はウイルス研究においてはほぼ最高峰の研究所になり、「ヒトあるいは動物に生死に関わる程度の重篤な病気を起こし、容易にヒトからヒトへ直接・間接の感染を起こす。有効な治療法・予防法は確立されていない。多数存在する病原体の中でも毒性や感染性が最強クラスである。エボラウイルス・マールブルグウイルス・天然痘ウイルスなど」を扱う研究所になります。
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バイオセーフティーレベル(英: biosafety level, BSL)とは、細菌・ウイルスなどの微生物・病原体等を取り扱う実験室・施設の格付け。
呼称
例えば「レベル4」の実験室はよく BSL-4 と呼ばれる。かつては物理的封じ込め (Physical containment) と呼ばれ、P4 ともいわれていたが、P が "Pathogen"(病原体)や "Protection level"(防御レベル)の略などとされることもあって混乱が生じたため、現在ではバイオセーフティーレベルもしくは BSL の名称を用いるようになった[1]。
世界保健機関 (WHO) が制定した Laboratory biosafety manual[2](日本語訳:実験室生物安全指針[3])に基づき、各国で病原体の危険性に応じて4段階のリスクグループが定められており、それに応じた取り扱いレベル(バイオセーフティーレベル)が定められている。
リスクグループ
微生物・病原体などはその危険性に応じ、各国により次の4段階のリスクグループに分類される。
病原体などの危険性は地域の環境に左右されるため、病原体などのリスク分類は、地域ごとに定めることになっている ([2]p. 2)。日本では、厚生労働省所管の国立感染症研究所が、国立感染症研究所病原体等安全管理規定(第三版)[4]の別表2・別表3 (p. 19-36) において日本国独自のリストを作成した。特に別表3は感染症法の定める特定病原体などをリスク分類したものである。
グループ1
ヒトあるいは動物に病気を起こす可能性の低い微生物。
グループ2
ヒトあるいは動物に病気を起こすが、実験者およびその属する集団や家畜・環境に対して重大な災害を起こす可能性はほとんどない。実験室感染で重篤感染を起こしても、有効な治療法・予防法があり、感染の拡大も限られている。インフルエンザウイルスなど。
グループ3
ヒトあるいは動物に生死に関わる程度の重篤な病気を起こすが、有効な治療法・予防法がある。黄熱ウイルス・狂犬病ウイルスなど。
グループ4
ヒトあるいは動物に生死に関わる程度の重篤な病気を起こし、容易にヒトからヒトへ直接・間接の感染を起こす。有効な治療法・予防法は確立されていない。多数存在する病原体の中でも毒性や感染性が最強クラスである。エボラウイルス・マールブルグウイルス・天然痘ウイルスなど。
バイオセーフティーレベル 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%82%BB%E3%83%BC%E3%83%95%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%99%E3%83%AB
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一説によるとここが新型コロナウイルスの発生源で、ここから漏洩したとも言われていて、中国の人民解放軍の生物化学兵器部門最高責任者の女性少将が武漢ウイルス研究所に着任したというニュースもありました。
陳薇チェン・ウェイという名の54歳の「女性士官」のようです。
第236話 人民解放軍の生物化学兵器部門最高責任者の女性少将が武漢ウイルス研究所に着任、新型コロナウイルス肺炎対策は気分と自然免疫を上げて乗り切れ!
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881040030/episodes/1177354054894226881
中国の人民解放軍のこの女性少将の役割は、おそらく、武漢の新型コロナウイルス騒動の調査なんだろうけど、この研究所自体は江沢民派の牙城だと言われていて、今回の非常事態に乗じて習近平派が占領したとも言えます。
以前のここの所長は若い女性王延軼ワン・ヤンイ(1981 - )さんで、北京大学で学士号を取得した後、アメリカのコロラド大学で修士号を取得したエリート中のエリートです。
その後、武漢大学生命科学部の准教授にまで昇進した後、2012年3月、武漢ウイルス研究所に異動となり、2018年10月に所長に就任しています。
どうも武漢のP4研究所は上海閥・江沢民閥のバイオ利権の中核らしく、江綿恒(江沢民の息子)が武漢大学副校長にした舒紅兵の妻が武漢ウイルス研究所の39歳の若き女性所長・王延軼ワン・ヤンイです。
武漢のP4研究所の設立には中国の経験不足もあり、フランスの協力もあったようで、その後、研究は米国の研究者との共同研究もあったようです。
つまり、武漢のP4研究所はほとんど、欧米の技術を導入して作られた研究所で、中国の武漢の研究所でありながら、カナダや米国との繋がりが深いウイルス研究所とも言えます。
北京閥・習近平閥からすれば、是非、手に入れておきたい研究所である訳で、今回の中国武漢P4研究所爆発はデマの可能性が高いです。
もしくは、上海閥・江沢民閥の者が、何らかの問題発覚をおそれて爆破した可能性もなくはないです。
確かなことは、この上海閥・江沢民閥と北京閥・習近平閥の責任問題の権力闘争が行われていることです。
上海の医療関係がアメリカへ脱出武漢の現場について
161,518 回視聴•2020/02/29
MOTOYAMA チャンネル登録者数 1.84万人
みんな生きていく為です
https://youtu.be/kwFoFZG3INc
三月一日の最新動画ですが、上海の医療関係がアメリカへ脱出して、武漢の現場について語ってます。
武漢では中国の官僚のコネがないと治療を受けられない現状があるようです。
武漢の患者の名札には印があって、官僚の誰々の親戚とかでないと満足な治療が受けられない。
武漢からの脱出もお金があれば可能だそうで、上海の医療関係がアメリカへ脱出するのも仕方ないという話です。
中国共産党の幹部が台湾に脱出したという情報もありましたね。
【新型コロナ】「新型コロナと習近平のジレンマ」 - 武漢肺炎がついに首都北京を襲う ヤバイ日本の大企業/武漢肺炎ショック/二階ショック
126,305 回視聴 2020/02/29
藤井厳喜の『ワールド・フォーキャスト』 チャンネル登録者数 15.3万人
https://youtu.be/F1sdOPRFv54
この動画観てたんですが、WHOが武漢に調査団を送るそうですが、中国側としてはすでに証拠隠滅してるだろうという見方もあって、中国武漢P4研究所爆発は本当かも知れませんね。
全く中国は困ったものです。
#P4施設 #爆破 #人民解放軍
P4施設を人民解放軍が爆破!その後6機のヘリコプターが・・・【最後に爆破映像あり】 146,350 回視聴•2020/02/27に公開済み
葵栄治【知的好奇心追求系YouTuber】AoiProject!TV
チャンネル登録者数 3.34万人
P4施設を人民解放軍が爆破!
その後6機のヘリコプターが・・・
【最後に爆破映像あり】
https://youtu.be/0-DxaTcBiCE
中国武漢P4研究所の爆破映像が出てきましたが、本当がかどうかは定かではないですが、中国の方の勇気ある告発動画を疑って申し訳ない。
どうも日本でも中国共産党の工作員が活躍して動画やSNSの情報を消しているようです。
とはいえ、僕は状況から考えて、米国仕掛けた細菌戦だと思ってます。
9.11と状況が似ているし、米国お得意のショックドクトリンのような気がしてならないです。
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こういったリークは、習近平に衛生官僚たちが不満をもっていることが背景にあると考えるべきだろう。単純に責任のなすり合いとみる向きもあるが、もう少し穿ってみれば、高福はじめ中国体制内科学者の背後には江綿恒(江沢民の息子)の影がある。江綿恒は半導体物理の専門家として中国科学院副院長まで務めた人物だが、中国科学院在籍中には時の政権トップの父親の指示を受けて中国科学院上海生命科学研究所を設立するなど、中国科学院の組織改革を通じてバイオ分野の利権を上海閥・江沢民閥の手中に収めた立役者である。高福はその経歴から、こうした上海生命科学研究利権の一員とみられている。
今回の新型コロナ肺炎の発信地にある武漢ウイルス研究所の39歳の若き女性所長・王延軼の夫、舒紅兵(武漢大学副校長)も、江綿恒バイオ利権に連なる人物だとみられている。舒を武漢大学にねじ込んだのは江綿恒、その妻を通じて間接的武漢ウイルス研究所を軍の生物兵器研究の地盤としてコントロールさせていた、というまことしやかな噂もあった。
ちなみに「王延軼が実験動物を華南海鮮市場に横流ししていた」という告発が自称・武漢ウイルス研究所研究員の微信アカウントから発信されたことがあった。この研究員のアカウントはすぐに閉鎖され、研究所はこれをデマだと反論している。
そう考えてくるとネットでささやかれる「ウイルス漏洩説」は、習近平と江沢民派バイオ研究者・衛生官僚らの権力闘争が背景にあるとみる向きも出てくるわけだ。
中国、異例の全人代延期で“責任者”探しの泥沼へ 習近平が抑え切れなくなってきた政権批判の声
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/59407?page=4
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新型コロナウイルス肺炎関連、子宮頸がんワクチン薬害、放射能汚染、【あとがき】新型コロナウイルス肺炎の最新情報【目次】
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881040030/episodes/1177354054894186552
新型コロナウイルス記事が78,351アクセス、僕のnoteでよく読まれている記事ベスト110!という名の【目次】
(目次リンク製作中)
洗脳社会<マトリックス>の謎を解く〜科学も医学も迷信だった〜(坂崎文明) - カクヨム祝77万PV超えの人気エッセイ!? 真の科学と医学エッセイ!
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小説家になるための戦略ノート(坂崎文明) - カクヨム
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日本経済とサラリーマンの人生サバイバル戦略(坂崎文明) - カクヨム
サラリーマンのサバイバル戦略とかニュースを考察
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薬害調査官 飛騨亜礼(坂崎文明) - カクヨム
厚生労働省秘密査察部、厚生労働省内部の不正を秘密裏に調査する部署であるhttps://kakuyomu.jp/works/1177354054886111161
●2020/2/25
新型ウイルス中国研究機関から流出?
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古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)
「古森義久の内外透視」
【まとめ】
・新型ウイルス、武漢の国立ウイルス研究機関から流出した疑い。
・中国研究の米人学者、NYの新聞に寄稿。
・ウイルスが人間への接触で同実験室から外部に流出した可能性有。
アメリカのベテラン中国研究学者が武漢市で発生した感染症の新型コロナウイルスは同市内にある国立のウイルス研究機関から流出した疑いが濃いという趣旨の論文を2月下旬、米国の新聞に発表した。中国政府はこの説を否定しているが、発生源についての具体的な情報を明らかにしてもいない。
1970年代から中国に頻繁に滞在して、各地方の人口動態や社会状況を研究してきたアメリカ人学者のスティーブン・モシャ―氏はニューヨークの有力新聞「ニューヨーク・ポスト」2月22日付に「異様拡散したコロナウイルスは中国のウイルス実験所から流出した公算が強い」と題する寄稿論文を発表した。
▲写真 スティーブン・モシャー(Steven W. Mosher)氏 出典:opulation Research Institute
同氏はこの論文で今回の新型コロナウイルスは武漢市内にある国立のウイルス研究実験機関の「国立生物安全実験室」(中国語での正式名称は中国科学院武漢国家生物安全実験室)から流出された確率が高い、と強調していた。
国立生物安全実験室は同じ武漢市内にある「中国科学院武漢ウイルス研究所」(中国の公式名称は中国科学院武漢病毒研究所)の付属機関で、ウイルスでも最も危険度の高いレベル4を扱う研究施設とされている。
新型コロナウイルスの流出や拡散についてはモシャ―氏は実験室での研究員が意図せずに衣服などにつけて外部へ流出したか、ウイルス感染の動物を外部に出したという可能性をあげていた。同氏はこの実験室からの流出説の根拠として以下の諸点をあげていた。
●中国政府の科学技術省が2月中旬に「新型コロナウイルスのような高度のウイルスを扱う微生物実験室の生物安全保障の強化に関する指令」を出した。これほど高度のウイルスを扱う研究機関は中国全土でもきわめて少なく、武漢の生物安全実験室はその一つである。
●人民解放軍の高度ウイルス使用の生物戦争の最高権威で細菌学者の陳薇少将が1月に武漢へ派遣された。陳少将は軍内部でこれまでSARS(重症急性呼吸器症候群)やエボラ熱、炭素病はじめコロナウイルスの研究しており、武漢の生物安全実験室との関係が深い。
●中国当局は武漢の海鮮物市場からコロナウイルスが発生したという説を流しているが、当初の感染者たちはいずれも同市場に足を踏み入れたことがなかった。同市場で売買されたコウモリが発生源という説もあるが、この市場では当時、コウモリは売られていなかった。
●センザンコウと呼ばれるアリクイが発生源ともいわれたが、当時の同市場ではセンザンコウも取引されていなかった。ヘビが感染媒体だという説も流れたが、ヘビは一般にコロナウイルスに感染することがない。
▲写真 センザンコウ 出典:U.S. Fish and Wildlife Service Headquarters
●残された可能性としてはこのコロナウイルスが生物安全実験室から流出した確率が高くなる。研究者が意図せずに衣服などにウイルスをつけて外部に出たか、あるいはウイルスに感染した実験動物を実験室内で処理せず、故意、あるいは不作為に外部に出した可能性も考えられる。またある種の動物は民間で高く売買されることがある。
以上のようなモシャー氏の主張する可能性に確証はないが、もし事実だった場合、今回の病原菌の広まりの意味が大きく異なり、中国の国家としてのあり方が根幹から問われることとなろう。
▲写真 閉鎖された武漢の海鮮市場 出典:Photo by システム12
この可能性はアメリカの戦略動向や米中関係の軍事動向に詳しいベテラン・ジャーナリストのビル・ガーツ記者により米紙ワシントン・タイムズ1月24日付でも大きく報道されていた。
この報道記事は「ウイルスに襲われた武漢には中国の生物戦争計画にかかわる二つの実験所がある」という見出しで、武漢市内で発生した新型ウイルス感染症が実は同市内の「武漢国家生物安全実験室」からもれたウイルスが原因である可能性があると述べていた。モシャー氏が指摘したのと同じ研究機関だった。
同実験室は2015年に建設が開始され、2017年に完成した毒性の強いウイルスの研究機関で、エボラ出血熱やニパウイルス感染症などのウイルスの研究にあたってきたという。同実験室は武漢市内でも中国当局が今回の新型コロナウイルスを最初に発見したとする海鮮市場から30キロほどの距離にある。
ガーツ記者は中国の生物(細菌)兵器に詳しいイスラエル軍事情報機関の専門家ダニー・ショハム氏から取材した結果として
(1)「武漢国家生物安全実験室」は中国人民解放軍の生物戦争のための兵器開発に関与していた
(2)同実験室は今回のコロナウイルスの研究にもかかわっていた可能性が高い
(3)同コロナウイルスが人間への接触で同実験室から外部に流出した可能性がある
――などと報じていた。
●中国・雲南省で急死の労働者から「ハンタウイルス」…2週間の潜伏期経て発熱・呼吸困難
2020/03/28 19:42
【北京=比嘉清太】中国雲南省臨滄市の保健当局は、今月23日に急死した労働者から、ネズミが媒介する病原体として知られるハンタウイルスが検出されたと発表した。
共産党機関紙・人民日報系の健康時報(電子版)などによると、感染者はバスで長距離を移動中に体調が悪くなり、急死した。バスにはほかに29人が乗っていたが、感染の広がりは確認されていないという。
国立感染症研究所によると、ハンタウイルスは2週間の潜伏期を経て発熱や呼吸困難を引き起こす。中国の有力ネットメディア「澎湃新聞」は専門家の見解として、かつては致死率が高かったが現在はワクチンがあり、早期に発見すれば治療が可能だと伝えた。
●中国の教授「コロナ、武漢市場近くの実験室から流出」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.02.17 10:0316 글자 작게
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中国だけで1660人以上の死亡者を出した新型コロナウイルス感染症(コロナ19)が中国実験室から流出した可能性を提起した論文を中国の学者が発表していた。
16日、明報や蘋果日報など香港メディアによると、中国広東省広州の華南理工大学生物科学と工程学院の肖波涛教授は今月6日にグローバル学術サイト「ResearchGate(リサーチゲート)に論文を発表した。論文は新型コロナがコウモリから中間宿主を経て人に伝染した可能性よりも、湖北省武漢の実験室2カ所から流出した可能性を提起した。肖教授は武漢ウイルス研究所よりも武漢疾病予防管理センターが震源地である可能性が高いとみられると主張した。武漢ウイルス研究所は新型コロナが集中的に検出された華南水産市場から12キロメートル程度離れているのに対し、武漢疾病対策予防管理センターはわずか280メートルの距離にあるためだ。
肖教授は実験室からの流出とみている理由について、新型コロナの天然宿主である「キクガシラコウモリ」は武漢から900キロメートル離れた雲南省・浙江省などに棲息していて、食用としては特に使われていない点を挙げた。また、武漢市政府の報告書や武漢市民の証言を総合すると、華南水産市場でこのようなコウモリは扱われていなかったという。
反面、武漢疾病予防管理センターは2017年と2019年、実験用に多くのコウモリを捕まえた。2017年には湖北省・浙江省などで約600匹のコウモリを捕まえたが、この中には重症急性呼吸器症候群(SARS)ウイルスを持つキクガシラコウモリも含まれていた。当時、同センターの研究員は、勤務中にコウモリに噛まれたり尿をかけられたりしたと話した。同センターはコウモリの細胞組織を分離させてDNAとRNA配列などの研究を行ったが、ここで出た汚染されたゴミがウイルスの温床になったというのが肖教授の主張だ。
初期に新型コロナに感染した患者が訪れた場所として知られている協和がん病院は武漢疾病対策センターとは通り一つを挟んだところにあったと論文は伝えた。こうした中、科学技術部の呉遠彬局長は15日、「実験室でウイルスを研究する際に安全にさらに注意を傾ける内容の指導意見を発表した」と明らかにした。現在、肖教授とは連絡が取れず、該当論文はサイトから削除された状態だ。
共産党の理論紙「求是」は、習近平首席が先月7日の政治局常務委員会会議でウイルス事態を予防・統制するために努力するよう指示したと16日、公開した。今回の公開で習主席が新型コロナを初期に把握していただけでなく、対処の指揮さえしていたと認めるようなもので、習主席の対応失敗責任論が強まっているとニューヨーク・タイムズ(NYT)は報じた。
一方、台湾で新型コロナの感染によって初めて死亡者が出たと中国現地メディアが16日、伝えた。この患者はB型肝炎と糖尿にも罹患していた。中国本土を除く地域で死亡者が出てきたのはこれで5例目となる。
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●2020/3/19
科学者向けのグローバル情報共有プラットフォーム「リサーチゲート」に2月6日、中国の理系トップクラスの国立大学、華南理工大学(広東省広州市)の肖波涛教授と、武漢科技大学附属天佑医院に在籍し、科学調査も行う人物との連名で発表された「2019−nCoVコロナウイルスの可能な起源」という英文リポートだ。
肖氏は、生理学・生物物理や、医薬生物学、生物データ学、生化・分子生物学、微生物学が専門で、2011年から13年まで米ハーバード大学医学部ボストン小児病院に籍を置き、帰国後、17年まで武漢市の華中科技大学物理学院生物物理所の教授と副所長だった。
「武漢市疾病予防管理センターが協和病院に隣接している」の記述
私(河添)も入手した、リポートの一部を紹介しよう。
《(新型コロナウイルスはコウモリ由来とされるが)コウモリは武漢の海鮮市場では売買されていない。市場に飛んでくる可能性も非常に低い。他に感染経路はあるのか? われわれは、2つの研究所を特定した》
《第1の研究所は、海鮮市場から280メートル以内にある「武漢市疾病予防管理センター」。研究目的で動物を確保し、病原体収集と識別を専門にしていた。過去2年以内にコウモリを湖北省から155匹、浙江省から450匹調達している》
《第2の研究所は、海鮮市場から約12キロメートルのところにある「中国科学院武漢病毒研究所」。この研究所は、中国の馬蹄コウモリが、重度のSARS(重症急性呼吸器症候群)の大流行を2002年から03年に引き起こしたと報告している》
《誰かが、コロナウイルスの進化に関係していた》《ウイルスや、その誘導体が実験室から漏れる可能性はある》《ウイルスはおそらく、武漢の研究所で発生した》
もう一つ、このリポートで注目すべきは、《武漢市疾病予防管理センターは、医者らのグループが最初に感染した協和病院に隣接している》という部分である。
協和病院は今年1月中旬以降、医療関係者が「1人の肺炎患者を治療したところ、14人の医療従事者が同時感染した」「われわれの多くが感染しているはずだが、検査すらしてもらえない。われわれは隔離ではなく、軟禁状態にある」などとSNSで発信した“渦中の病院”なのだ。
肖氏らのリポートが正しければ、中国側の責任は重いとみられる。
ただ、「リサーチゲート」に掲載された肖氏らのリポートは削除されてしまった。しかも、肖氏らは現在、行方不明とされる。
中国では、昨年12月に「原因不明の肺炎発生」にいち早く警鐘を鳴らしながら、公安当局に「デマを広めた」と摘発され、今年2月に新型肺炎で亡くなった武漢市の男性医師、李文亮氏のようなケースがある。
肖氏のリポートは、より具体的であるため都合が悪かったのか…。おそらく、トランプ氏率いる米国は、全真相をつかんでいるはずだ。
■河添恵子(かわそえ・けいこ) ノンフィクション作家。1963年、千葉県生まれ。名古屋市立女子短期大学卒業後、86年より北京外国語学院、遼寧師範大学へ留学。著書・共著に『米中新冷戦の正体−脱中国で日本再生』(ワニブックス)、『世界はこれほど日本が好き』(祥伝社黄金文庫)、『覇権・監視国家−世界は「習近平中国」の崩壊を望んでいる』(ワック)など。
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新型コロナウイルスは、石正麗チームがエイズウイルスと合成か。
2020年2月22日2020年3月15日
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日本のテレビでは偏向報道だらけなので情報が拾えない。
衝撃
ネットでいろいろな情報を探すしかないのだが、藤井厳喜氏と林建良氏(りん けんりょう)のYoutubeで、以前からも噂になっていた新型コロナウイルスは、「武漢ウイルス研究所の石正麗(せきしょうれい)」がエイズウイルスと合成して作成したものとコメントした。
※厳密にいうとHIV(ヒト免疫不全ウイルス)の通称をエイズウイルスと言うようです。ややこしいですね。
正直、最初は映画の見過ぎ…的な感じで見たが…検証はできていないにせよ、全てが繋がる感じがした。
※林建良氏の発言を引用して書いていますが、真実かの検証はこれからだと思われます。
※偶然にエイズウイルスとの配列と似ているだけと言う証言もあります。
※生物兵器説は弱いかもしれません。研究所からの流出説が強くなったか?
いずれにしよ、噂の段階です。
石正麗の学会論文に。
コロナウイルスは王冠のような突起が存在していて、その突起が人間と結合すれば感染する仕組みで、もともと、コウモリの中にいたコロナウイルスは人間と結合できなかった状態だった。
インドとイスラエルの、遺伝子配列を研究する専門家からも、表面にある4つのタンパク質が自然界には存在しえない配列を持っており、SARSにエイズウイルスが合成されているものだと指摘をしている。
エイズウイルスの治療薬が効いたのはそのための可能性も…。
患者の状態も、コロナよりエイズに近い症状が出ていると…。
2015年の論文に石正麗が「SARSウイルスとコウモリウイルスを組み合わせることによって、最初に、ヒトの気道に感染する新しいタイプのコロナウイルスを作成したと」掲載されている。
実は、今年1月下旬に中国共産党の公式軍事ページの西陸網で「人工的に作成したもので、武漢ウイルス研究所の石正麗研究員とそのチームがコロナウイルスを生成し、流出させた」と記事が掲載され、新コロナウイルスが、人工的に作られてたものであることを認めていた。※後日削除された。
1/24日の、ワシントンポストでも、間違いなく武漢のP4研究所で作成流出したものと断言できるとも専門家が語っている。他にもハーバード大学の教授は間違いなく細菌兵器だと語っている。
日本のWHOの元専門家等は、そんなことはありえない、自国民を窮地になんて追い込む馬鹿は居ない的な事を言っていたが、ずさんな管理の中国で実験動物を裏取引で売買したなんてことは日常茶飯事だそうで、故意では無いにしろ、十分あり得る事です。
岩田健太郎教授が中国にはアメリカのCDCみたいな組織があると褒めちぎってましたが、形だけの張子の虎では残念なだけだ。
2020.2.27のJBpressで気になる記事が出ています。
異例の公表、中国軍で新型コロナが大規模感染か
異例の公表、中国軍で新型コロナが大規模感染か 空軍にも海軍にも感染者、試される中
異例の公表、中国軍で新型コロナが大規模感染か 空軍にも海軍にも感染者、試される中
新型肺炎は相手を選ばない。泣く子も黙る解放軍内にも感染が広がっている気配がある。護衛艦や国産空母 ...
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/59502
肯定、否定の両方が専門家では言われており、ロシアはアメリカの生物兵器だと言われている。ただ、武漢研究所でコロナウイルスを研究していたのは間違いなさそうですね。
以下抜粋(全文はJPressの記事をご覧ください)
きわめて早かった解放軍の動き
解放軍としては当初、バイオテロ対策級の危機感をもって初期対応に動いていた可能性もある。それを見たからこそ、米国も1月29日、武漢から米国人を脱出させた米政府のチャーター機をカリフォルニア州の空軍基地におろし、機内消毒にあたった米CDC(疾病対策センター)の検査官が生物化学兵器対応の防護服を着用していたのだろう。
「生物兵器」説と「実験室から漏洩」の可能性
彼らはこの新型コロナウイルスの変異が人為的なものではなく自然変異によるものだという大量の証拠がある(中略)
生物兵器かどうかは別として、実験室からヒューマンエラーで漏洩したウイルスの可能性は、いまのところ明確に否定できる根拠はない。(中略)
コロナウイルスの実験は、最も危険な病原体を扱えるBSL(バイオセーフティレベル)4ではなく、BSL2の基準で行われていたという説もある。
解放軍が危険視していた新型コロナウイルス
27人の感染したウイルスの同一の起源が10月1日にさかのぼることを突き止めている。
(中略)
エボラや炭疽菌といったウイルスではなく「新型コロナウイルス」に対する防疫訓練星としていたことに、なにやら疑いをもつ人たちも少なくないわけだが、まさか本物のコロナウイルスを使って訓練したわけではあるまい。ただSARSのような「新型コロナウイルス」に関する研究が、軍内ではそれだけ重視され、解放軍にとって訓練対象にするくらい危険なウイルスだという認識だったともいえる。
●著名キャスターの“反乱”で発覚! 中国人75%が「新型コロナは人工的ウイルス」 習政権の“世論操作”にも物議
2020/3/11(水) 16:56配信夕刊フジ
【断末魔の中国】
「新型コロナウイルスは、『(1)天然ウイルス 自然に感染』『(2)天然ウイルス 過失漏れ』『(3)人工ウイルス 過失漏れ』『(4)人工ウイルス 悪意ある拡散』のいずれだと思うか?」
新型肺炎(COVID19)の流行が世界へ拡大していた2月28日、ある著名な中国人がツイッター上で、このような世論調査を行った。
これに反応した、ツイッターを使用できる環境にある中国人ネットユーザーから、1日で1万人以上の回答を得た。
結果は、「人工ウイルス 過失漏れ」が51・1%、「人工ウイルス 悪意ある拡散」が23・8%、「天然ウイルス 過失漏れ」が13%、そして、12%と最も少なかったのが「天然ウイルス 自然に感染」だった。
この調査に答えた人たちの、実に約75%が、新型コロナウイルスについて「人工的なウイルス」と考えており、発生源は中国科学院武漢病毒研究所の「武漢P4研究室」だと推測しているようだ。SARS(重症急性呼吸器症候群)や、エボラ出血熱といった危険な病原体を研究するために指定された、中国で唯一の研究室である。
「個人の世論調査」という、思い切った行動をとったのは中国中央テレビ(CCTV)の著名なニュースキャスターだった崔永元氏である。詳細は省くが、さまざまなスキャンダルのなかで国営テレビ局を辞めて久しい。近年、中国のトップ女優、范冰冰(ファン・ビンビン)氏の巨額の脱税疑惑を暴露するなど、彼の名前が再浮上していた。
一方、習近平政権から絶大なる支持を得ている国家衛生健康委員会ハイレベル専門家グループのグループ長、鐘南山氏は2月下旬、「感染はまず中国で発生したが、ウイルス発生源が中国だとはかぎらない」と語り、「人民日報」などの官製メディアで発信され、国内外で物議を醸している。
反応のなかには、「中国政府が今、『米国が中国でウイルスを拡散した』とのプロパガンダを始めていることの一環だ」と指摘する有識者の声もある。すなわち、中国湖北省武漢市が感染源ではないかのような世論操作すら始めているのだ。
習国家主席の片棒を担いでいるのが、世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長である。「習主席のリーダーシップを他の国も見習うべきだ」と語るなど、「親中」姿勢を隠そうともしないテドロス氏は今月2日、新型コロナウイルスの感染拡大について、「WHOは韓国、イタリア、イラン、日本の情勢を最も懸念している」「過去24時間の感染件数の増加は、中国国外が国内の約9倍」などと指摘した。
日本の総感染者数は1000人を超えたが、大部分は英国船籍のクルーズ船「ダイヤモンドプリンセス号」の乗船者(約700人)なのだ。
さて、五輪開催国として日本政府がすべきことは、「中国からの入国制限」とともに、経済的ダメージなど国民への影響を最小限に食い止めるための財政出動ではないだろうか。
■河添恵子(かわそえ・けいこ) ノンフィクション作家。1963年、千葉県生まれ。名古屋市立女子短期大学卒業後、86年より北京外国語学院、遼寧師範大学へ留学。著書・共著に『米中新冷戦の正体−脱中国で日本再生』(ワニブックス)、『世界はこれほど日本が好き』(祥伝社黄金文庫)、『覇権・監視国家−世界は「習近平中国」の崩壊を望んでいる』(ワック)など。
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最終更新:3/11(水) 20:13
夕刊フジ
●中国、新型コロナ巡る米批判に反発 「米軍が持ち込んだ可能性も」
2020/3/13(金) 2:39配信ロイター
中国、新型コロナ巡る米批判に反発 「米軍が持ち込んだ可能性も」
中国外務省の報道官は12日、米軍が湖北省武漢に新型コロナウイルスを持ち込んだ可能性があると発言した。証拠は示していない。バージニア州アーリントンで2018年11月撮影(2020年 ロイター/Yuri Gripas)
[北京 12日 ロイター] - 中国外務省の報道官は12日、米軍が湖北省武漢に新型コロナウイルスを持ち込んだ可能性があると発言した。証拠は示していない。
複数の米政府高官が最近、中国の新型コロナ対応のスピードや透明性を巡り批判していることに中国側は反発しており、言葉の応酬が続いている。
外務省の趙立堅報道官はツイッターへの投稿で「米国でペイシェントゼロ(感染源)確認はいつなのか?何人が感染しているのか?病院はどこなのか?米軍が新型コロナの流行を武漢に持ち込んだのかもしれない。データを公表し、透明性を向上させるべきだ。米国は中国に説明する義務がある!」と述べた。
前日にはオブライエン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が前日、中国が新型コロナに適切に対応しなかったため、世界は感染拡大に対する準備を整えるための2カ月を失ったと述べた。
中国外務省の耿爽報道官はこの日、新型コロナの世界流行が中国による対応の責任とする米政府高官らの発言を「道義に反し、無責任」と批判。「複数の米高官らは中国に責任をなすりつけるのではなく、新型コロナ対応に全エネルギーを注ぎ、協調を促進することを望む」と述べた。
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最終更新:3/13(金) 2:39
ロイター
●ウイルスはエアロゾルの風にのって〜(06)
12
racoco
2020/02/24 09:47
新型コロナ、武漢「美人すぎる39歳の研究所長」が握る発生の謎
やはり何らかの「事故」があったのでは 近藤 大介 記事 2020/2/18
「石正麗」氏と真っ向対立する王延軼(ワン・イエンイー)所長、その話題がいま沸騰している。まるで古代中国覇権政権奪取の筋書きでも読んでいるような錯覚すら感じた。単刀直入にいってこれは歴史的権力闘争顛末記か。
39歳の美人所長・王延軼氏。王延軼(ワン・イエンイー)所長は、2004年に北京大学生命科学学院を卒業、2006年に米コロラド大学で修士号を取得。帰国して2010年、武漢大学で博士号を取得した。取得後すぐに武漢大学副教授となった。2012年に武漢病毒研究所に入り、病理研究センター副主任を経て、2018年に37歳の若さで、所長に就任した。
武漢「美人すぎる39歳の研究所長」が握る発生の謎
いまや日本も中国も、新型コロナウイルスのニュース一色の感があるが、それと一見関係なさそうで、実は大いにあるかもしれない中国の話から始めたい。
先月3日、新型コロナウイルスの震源地である湖北省武漢市から2183kmも北上した吉林省松原市の中級人民法院(地方裁判所)で、「2015年第15号」と呼ばれる汚職事件の裁判の判決が出た。それは、李寧(リー・ニン)被告(57歳)に12年の実刑、及び罰金300万元(約4700万円)、かつ賄賂として得たすべてのものを国庫に上納させるという厳しい判決だった。
李寧被告は、中国の農業部門の最高学府である北京の中国農業大学の教授だった。私の友人に、中国農業大学の卒業生がいるが、確認したらクローン研究の第一線に立つスター教授だったという。
クローン研究の第一人者だった李寧被告
この判決文は、計20ページもある長文で、日本人の私からすれば、「まさか!」と思うようなことが縷々書き連ねられている。それらを簡述すると、以下の通りだ。
〈 被告人:李寧、男、1962年7月9日江西省信豊県生まれ、漢族、博士、中国工程院院士、中国農業大学教授、中国農業大学生物技術国家重点実験室主任、北京済普霖生物技術株式会社社長、北京市海淀区在住。2014年6月21日に逮捕し、吉林省拘置所に拘置中。
罪状:李寧被告は2008年7月から2012年2月の期間、課題の研究の中で科学研究費を使って、実験用の豚と牛を購入した。李寧被告は課題研究の実験を終えた豚、牛、牛乳を、不法に処理した。その過程で、1017万9201.86元(約1億6000万円)を個人の銀行口座に振り込ませた。
かつ、研究費の残額2559万1919元(約4億円)を着服していた。また、人件費621万2248.51元(約9800万円)を虚偽申告していた。
これらも含めて、李寧被告は部下の張磊研究員と共に、職務上の権限を利用して、国有財産3756万6488.55元(約5億9000万円)を着服した。これは中華人民共和国刑法第382条、第383条の規定に抵触し、汚職の罪で刑事責任を負うべきである。かつこの共同犯罪において、李寧被告が主導的な役割を担っており、主犯として処罰されるべきである。
本訴は、2015年4月10日に起訴され、同日に吉林省松原市人民法院が受理した。2015年8月20日、21日、及び2019年12月30日に公開の審理を裁判所にて行い、結審した 〉
この判決の日、杜岩裁判長は、異例とも言えるメディアとの一問一答を許可した。正確に言えば、実際には行っていない「メディアとの一問一答」という形式で、判決文の正しさを主張したいために補足説明を発表したのである。これは中国人民銀行などでも使われている手法だ。
杜裁判長は、その中で罪状について、こう述べている。
「李寧の汚職は3つのものを含んでいる。第一に、実験後の動物や牛乳を売って利益を得ていたこと。第二に、本人及び他人名義で課題研究費を着服していたこと。第三に、本人及び他人名義で人件費を着服していたことだ。
その中で、李寧は本人名義の課題研究費を着服していた以外に、虚偽の領収書を223枚も切っていた。それによって他人名義の科学研究費2092万元(約3億3000万円)を着服していた。これは全体の82%にあたる。検察機関はそれらの書証を調べ上げ、証人の証言を取り、共犯者の供述と照らし合わせ、証拠を確定させていったのだ」
この1月3日に判決が出された刑事事件が、いま中国で、にわかに注目を集めている。それは、農業部門における中国の最高学府である中国農業大学でさえ、「実験を終えた豚や牛、牛乳を、密かに業者に売り渡していた」という事実が明らかになったからだ。業者はそれらを素知らぬ顔で市場へ持って行き、市場では他の豚や牛、牛乳と一緒に売られていたに違いない。
これと同じことが、新型コロナウイルスの発生源と言われる湖北省武漢の華南海鮮市場でも行われていたのではないか――そんな疑念が、中国のインターネットやSNS上で飛び交っているのである。
「武漢病毒研究所」が怪しい
中国のネットやSNS上で飛び交う情報というのは、中国当局が指摘するように「流言飛語」の類も一部にはある。例えば私は「安倍晋三が突然死した」「金正恩が逮捕された」といった「ニュース速報」を見たこともある。
だが、後で振り返ると真実だったというニュースも少なくない。特に、新型コロナウイルスに関しては、中国全土で現在、「戦い」が続けられている最中であり、かつ多くの中国人が自宅待機を余儀なくされている。そのため、「伝えられていない正しい情報」を知ると、それを拡散させようとする傾向が強い。その結果、それらを一刻も早く削除しようとする中国当局との壮絶なイタチごっこが続いている。
そんな中、いまネットやSNS上で疑惑の目が向けられているのは、「中国科学院武漢病毒研究所」である。新型コロナウイルスの発生源とされる華南海鮮市場から、わずか15.8qしか離れていない。
中国科学院武漢病毒研究所のホームページによれば、いまの中国が建国されて7年後の1956年に創設された。中国で初めてのP4(国際的な生物安全の最高クラス)生物実験室を備えている中国最高峰の病毒学の研究所である。
研究所内には、分子病毒学病理研究センター、分析微生物学ナノ生物学研究センター、微生物菌毒種資源応用センター、新型伝染病研究センター、それに2018年11月に中国科学院、国家衛生健康委員会、湖北省人民政府が共同で創設した中国科学院生物安全大科学研究センターがある。
また、国家衛生健康委員会が指定した「国家級保存センター」として、微生物菌毒種保存センター、国家アフリカ豚コレラ実験室、病原生物学生物安全重点実験室などを備えている。合わせて34の研究学科グループがあり、325人の研究者が研究に従事している。
この巨大組織を率いているのは、39歳の美人所長・王延軼氏である。
中国のネット上で話題になっている「美人すぎる武漢病毒研究所長」
王延軼(ワン・イエンイー)所長は、2004年に北京大学生命科学学院を卒業、2006年に米コロラド大学で修士号を取得。帰国して2010年、武漢大学で博士号を取得した。取得後すぐに武漢大学副教授となった。2012年に武漢病毒研究所に入り、病理研究センター副主任を経て、2018年に37歳の若さで、所長に就任した。
王所長は今年の正月、武漢病毒研究所のホームページで、次のような新年の辞を述べている。
〈 2019年、武漢病毒研究所は、重要な責務に勇気を持って挑み、担当してきました。生物安全大科学研究センターの活動は、重要な進展を見せました。同センターの第1回理事会第1次会議を北京で開き、国家衛生健康委員会、湖北省政府、中国科学院の3者が共通認識を持ち、生物安全国家実験室の建設を推進していくことになったのです。
湖北省の肖菊華副省長(注:昨年9月に湖北省副省長に抜擢された時、やはり53歳の美人副省長として話題になった)も武漢病毒研究所を視察し、同センターの建設を全力で支持すると述べました。(以下は割愛)
本訴は、2015年4月10日に起訴され、同日に吉林省松原市人民法院が受理した。2015年8月20日、21日、及び2019年12月30日に公開の審理を裁判所にて行い、結審した 〉
この判決の日、杜岩裁判長は、異例とも言えるメディアとの一問一答を許可した。正確に言えば、実際には行っていない「メディアとの一問一答」という形式で、判決文の正しさを主張したいために補足説明を発表したのである。これは中国人民銀行などでも使われている手法だ。
記事 現代ビジネス講談社 引用
新型コロナ、武漢「美人すぎる39歳の研究所長」が握る発生の謎(近藤 大介) @gendai_biz
いまや日本も中国も、新型コロナウイルスのニュース一色の感があるが、それと一見関係なさそうで、実は大いにあるかもしれない中国
gendai.ismedia.jp
日本で起きた「STAP細胞」疑惑は2014年1月は、いまだに決着に至っていない。
STAP細胞
2014年1月に小保方晴子(理化学研究所)と笹井芳樹(理化学研究所)らが、チャールズ・バカンティ(ハーバード・メディカルスクール)や若山照彦(山梨大学)と共同で発見したとして論文2本を学術雑誌ネイチャー(1月30日付)に発表した。発表直後には、生物学の常識をくつがえす大発見とされ、小保方が若い女性研究者であることもあって、世間から大いに注目された。STAP細胞は小保方氏だけでなく、笹井芳樹氏(理化学研究所、自殺)、若山照彦氏(山梨大学)らとの共同研究だ。
●新型コロナウイルス「生物兵器論」は本当なのか
専門家見解「人工で製造することは不可能」
財新編集部
2020/02/12 5:10
不安心理から真偽不明の情報も多数飛び交っている(写真:新華社/アフロ)
「新型コロナウイルスは人間が造った生物化学兵器だ」という言説が、中国の内外で広まり始めている。中国の独立系メディア「財新」の取材班は、疑惑の根拠とされる論文や国内外の専門家を独自に取材。生物兵器説の真偽を検証している。
「陰謀論者は科学を信じません。私は国の専門機関が調査を行い、私たちの潔白を証明してくれることを望んでいます」。中国科学院武漢ウイルス研究所の女性研究員である石正麗は、2月4日、財新記者の取材に返信してこう述べた。「私自身の言葉には説得力がありません。私は他人の考えや言論をコントロールすることはできないのです」
本記事は『財新』の提供記事です
石正麗は、中国科学院の新興および劇症ウイルスとバイオセーフティーの重点実験施設の主任や武漢ウイルス研究所新興感染症研究センターの主任、河北省科学技術庁「2019新型肺炎救急科学技術難関攻略研究プロジェクト」救急難関攻略専門家グループのグループ長を務めている。
新型コロナウイルス肺炎の感染拡大が厳しい状況を迎える中で、彼女の所属する実験施設が新型コロナウイルスの発生源ではないか、という「疑惑」の渦中へと巻き込まれた。
「新型コロナウイルスは人間が造った生物化学兵器だ」「新型コロナウイルスは武漢ウイルス研究所の実験施設から流出したものだ」……。新型コロナウイルスの感染が爆発的に拡大して以降、新型コロナウイルスと中国科学院が武漢に持つウイルス研究所との間に関連があるとソーシャルメディアで発信する人が後を絶たない。
公開されている資料によれば、中国科学院が武漢に持つウイルス研究所は中国で唯一のバイオセーフティーレベルP4の実験施設を有している。石正麗は当該実験施設の副主任であり、バイオセーフティーレベルP3の実験施設の主任だ。
P4とは国際基準で危険度が最も高い病原体を扱えるバイオセーフティーレベル(BSL)の最高防護レベルを表し、高度に危険な研究やいまなおワクチンや治療方法が知られていない病原体を専門的に扱う研究施設で用いられる。
なぜ武漢に集中して新型ウイルスが拡散しているのか
噂は人々の心の中に疑惑を植え付け、想像をかき立てた。例えば、なぜ武漢に集中して新型ウイルスが拡散しているのか。なぜウイルスを人に伝えた病原体、つまり中間媒介に当たる宿主が見つからないのか。ウイルスのもともとの宿主はコウモリであり、そして石正麗の実験施設はまさにコウモリに関するウイルス研究における学術的な権威なのだ。
石正麗のチームはかつて2017年に、SARS(重症急性呼吸器症候群)ウイルスがいくつかのコウモリを起源とする、SARS型コロナウイルスが変異したものであることを突き止めた。
新型コロナウイルスの感染が爆発的に拡大して以降、石正麗のチームは1月23日に、生物学論文のプレプリント・プラットフォーム(注:論文原稿を査読の前にいち早く公開するためのサーバー)であるbioRxivで、「新型コロナウイルスの発見とそれがコウモリを起源とする可能性について」という研究論文を発表した。
その研究の中で、新型コロナウイルスと2003年のSARSウイルス(SARS-CoV)のDNA配列の一致率は79.5%、雲南キクガシラコウモリに存在するRaTG13コロナウイルスとの一致率は96%に達していることが明らかにされており、コウモリが新型コロナウイルスの起源である可能性が示されている。
この研究はすでに実験レベルにおいて新型コロナウイルスとSARSウイルスの関連性を証明しており、またその起源がコウモリである可能性を示している。この論文は査読を終えた後の2月3日、国際的なトップレベルの学術ジャーナル誌『ネイチャー』で発表された。
新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちら(画像をクリックすると週刊東洋経済プラス緊急リポートのページにジャンプします)
外部からの疑惑と非難に直面した石正麗は、2月2日、微信(WeChat)のモーメンツで怒りに燃えて次のように反応した。「2019年の新型コロナウイルスは大自然が人類の愚かな生活習慣に与えた罰だ。私、石正麗は自分の命をかけて保証する。実験施設とは関係がない。不良メディアのデマを信じて拡散する人、インドの科学者の信頼できないいわゆる学術的な分析を信じる人にご忠告申し上げる。お前たちの臭い口を閉じろ」と。
その後、石正麗は財新記者に対して、専門的な問題を専門家ではない人々とは議論したくないと説明し、「話が通じない」「無益で、時間の浪費だ」と語った。彼女はまた「私があなたに言えるのは、私たちが合法的にルールにのっとって実験活動を行ってきたということです」と述べた。
ソーシャルメディアにおける疑惑の声
最も早く石正麗の実験施設と新型コロナウイルスとを関連づけた言説の1つは、1月下旬のものだ。中国中央電視台(CCTV)で2018年に、武漢ウイルス研究所が主導する科学技術チームがコウモリに起源を持つ新型コロナウイルスの一種(SADS-CoV)を発見した、と報道されていたのをある人物が見つけ、新型コロナウイルス(2019-nCoV)との関連性があるのではないかと臆測した。
実際には、2018年に発見されたのは「豚急性下痢症コロナウイルス」で、新型コロナウイルスとは分類学上異なる種類のウイルスだ。二者のDNA配列の相似率は50%であり、そこには大きな隔たりがある。
それに続いて、別の人物が国際医学誌の『Nature Medicine』で2015年11月9日に発表された石正麗が関与している研究論文を見つけた。当該研究論文は中国馬蹄コウモリで見つかったSARSに似たコロナウイルスの一種(SHC014-CoV)が疾病を引き起こす可能性に関するもので、研究者はSARSの遺伝子をリバースジェネティクス(逆遺伝学)の手法を活用して一種のキメラ・ウイルスを生成ならびに同定した。
簡単に言えば、このキメラ・ウイルスはSHC014の表面タンパク質とSARSウイルスの骨格によって構成されている。キメラ・ウイルスは人体の呼吸器細胞に感染できたので、人体細胞のキーとなるレセプターと結合して感染するのに必要な仕組みを、SHC014の表面タンパク質が備えていることが証明された。
キメラ・ウイルスはネズミの疾病を引き起こしたが、死に至らしめることはなかった。研究論文では、コウモリの間で現在流行しているウイルスがSARS-CoV(SARSウイルス)の感染拡大を再び引き起こす潜在的なリスクについて述べられている。
指摘する必要がある点は、この論文には全部で15名の執筆者がいることだ。執筆者たちはそれぞれアメリカのノースカロライナ大学、アーカンソー州やジェファーソン市の食品薬物管理局国家毒物学研究センターなどに所属しており、そのうちの2名が中国科学院武漢ウイルス研究所の研究者である葛行義と石正麗なのだ。
執筆者の中で、葛行義は偽型実験を担当し、石正麗はSHC014の棘突起タンパク質のDNA配列とプラスミドを提供している。実験の計画と実施はどちらもノースカロライナ大学チャペルヒル校の実験施設で進められた。
疑問を呈する人々はこの研究を根拠として、新型コロナウイルスが4年前の実験によって改変されたウイルスであり、実験施設から流出したという可能性について論じている。
彼らはまた、『ネイチャー』の経験豊富な記者デクラン・バトラー(Declan Butler)が2015年に書いた記事や、パスツール(Pasteur)研究所のウイルス学者ウェイン・ホブソン(Simon Wain-Hobson)がかつて述べた「もしウイルスが流出したなら、その拡散する経路は誰にも予測できないだろう」という言葉を引き合いに出している。
その後、この都合よく背景と前後の因果関係を切り取られた情報は、ソーシャルメディア上で広められた。石正麗と彼女のチームを「実名で通報」したり、直接顔を合わせて問いただしたりする人々さえいた。ここで述べておかなければならないのは、それらの疑惑を呈した人々はいずれもウイルス関連分野の専門家ではなかったということだ。
財新記者は『ネイチャー』のバトラー記者が書いた上記の記事を調べてみた。実際には、バトラー記者の記事は中立的な立場で、彼は異なる2つの見方を両方とも引用しており、「機能獲得性研究」が引き起こした議論について詳述している。
ウイルスの「機能獲得性研究」とは、実験施設の中で病原体が持つ毒性や拡散の容易性を増強するか、またはウイルスの宿主の範囲を拡大し、ウイルスの特性を研究し、新しい伝染病として評価する研究手法を指す。
バトラー記者の記事によれば、ある専門家はこの種の研究に反対している。例えば、ウェイン・ホブソンがそうした実験に反対する理由は、この種の研究には何ら有益な点がなく、コウモリの体内に潜む野生のSHC014ウイルスが人間にもたらすいかなるリスクをも明らかにするものではないと考えているからだ。
アメリカのラトガース大学に所属する分子生物学者であり、ワクスマン微生物研究所の実験施設主任でもあるリチャード・エブライト(Richard Ebright)は、「この種のプロジェクトのもたらす唯一の成果は、実験施設の中で新しい非自然的なリスクを作り出すことだ」と考えている。ウェイン・ホブソンとリチャード・エブライトは共に「機能獲得性研究」を長年にわたって批判している研究者だ。
報道によれば、アメリカの国立衛生研究所(NIH)は、2013年10月から、この種の研究に対するすべての援助を一時的に停止しているが、この実験が当該機関による審査期間中は継続されることを許した。この種のプロジェクトには研究を停止させるほどのリスクが認められないとNIHが結論を下したからだ。
実験は病原体を識別する助けになる
だが、この種の研究には確かに有益な点があると考える学者もいる。例えば、研究組織「生体健康連盟」の総裁であるピーター・ダザック(Peter Daszak)は、この種の実験が取り急ぎその危険性を考慮しなければならない病原体を識別する助けになり、いっそうの関心を集めることができる、と考えている。彼は例を挙げて、もしこの研究が行われなかったなら、SHC014ウイルスは今でも脅威とは見なされていなかっただろうと述べている。
科学者たちはこれまで、分子の水平モデリングとそのほかの研究に基づいて、このウイルスが人には感染しないと考えていたが、実験によって初めてこのウイルスがすでに人のレセプターと結合できることが明らかにされたのだ。ピーター・ダザックはかつて石正麗のチームと一緒に協力して科学研究を行ったことがある。
→次ページ「科学はもろ刃の剣なのです」
国内の生物化学の専門家の1人が財新記者に解説してくれたところによると、バイオセーフティーを保証できるという前提のもとで、この種の病原体の機能獲得性研究は、ウイルスの作用や拡散の仕組み、特性をいっそう深く認識し、未知のウイルスをよりよく予防するのに役立つそうだ。
「細菌についての研究は相対的に進んでいますが、動物に由来するウイルスについてわかっていることはまだまだ多くありません。もしウイルスを研究するなら、獲得性の機能研究が確実に必要とされるでしょう。ただし、各種の流出を防止しなければなりません」と、その専門家は語っていた。「科学はもろ刃の剣なのです」と。
インドの科学者の論文が引き起こした議論
これまでに述べた石正麗とその実験施設について疑惑を呈した人々はみな非専門家だった。だがその後、インドの科学者がbioRxivで公表した論文(現在は撤回されている)が新たな議論を引き起こした。
1月31日、インドのデリー大学とインド理工学院に所属する研究者たちが、bioRxivで「2019新型コロナウイルスの棘突起タンパク質に含まれる独特な挿入配列とエイズウイルスのHIV-1 dp120、Gagタンパク質との間で見られる奇妙な相似性」という研究論文を発表した。
簡単に言えば、彼らは新型コロナウイルスとSARSウイルスの棘突起タンパク質の配列を比較し、SARSウイルスと比べると新型コロナウイルスの棘突起タンパク質には4つの新しい挿入配列があることを発見したのだ。その後、彼らはこの4つの挿入配列をデータベース中の配列と比較した結果、4つの挿入配列がともにエイズウイルスのタンパク質配列の中にあることを見つけた。
この研究論文によれば、この種の特異な同一性/相似性が自然界の中で偶然に起こる現象とは考えられず、またこの4つの挿入配列は新型コロナウイルスに独特なもので、そのほかのコロナウイルスには存在しない、とされている。
このニュースがまたもやネットユーザーの想像と臆測――新型コロナウイルスは、SARSウイルスとエイズウイルスを人工的に合成したものなのではないか、という疑いを引き起こした。
しかし、その後、このインドの研究者たちは研究論文を撤回している。現在のところ、この研究論文のURLには論文のタイトルしか残っておらず、アブストラクト(要旨)には「当該論文は執筆者によって撤回されました。執筆者は同じ分野の研究者による該当論文の手法と結論、解釈に対するフィードバックに基づき修正を行うつもりです」という文章に置き換えられている。
研究論文の執筆者の1人がbioRxivにコメントを残しており、次のように述べている。
「これは初期段階の研究です。私たちには陰謀論にその議論の根拠を提供する意図はありません。私たちは同じ分野の研究者たちがbioRxivおよびその他の場所で行う批評と査読を尊重していますが、このストーリーはすでにソーシャルメディアとニュースメディアにおいて異なる仕方で解釈され、拡散してしまいました。
世界的な範囲でいっそうの誤解と混乱を引き起こす事態を避けるため、私たちは現在のプレプリント版を撤回し、さらなる分析を行ってから修正版を提出することに決定しました」
bioRxivも公式サイト上に黄色の「警告」テープを表示して、次のように述べている。「bioRxivは新型ウイルスと関係のあるたくさんの新しい研究論文を受け取っています。必ず以下の点にご注意ください。
これらの研究論文は同じ分野の研究者たちによる査読をまだ受けていません。決定的な結論を述べたものだと見なされるべきではありませんし、臨床試験や健康と関わる行為についての指針ともなりません。また、既成事実としてニュースメディア上で報道されるべきでもありません」。
実際に、インドの研究者たちによる研究論文の結論には、研究論文が撤回される前から多くの国際的な専門家たちにより疑問が呈されていた。アメリカのスタンフォード大学に所属する生物化学の助教授シルヴァーナ・コナーマン(Silvana Konermann)は、インドの研究者たちの研究論文を調べた結果、いわゆる相似性は偽物だったと発見したとTwitterで述べている。
「彼らは新型コロナウイルスとSARSウイルスを比較して、4つの新しく挿入された遺伝子配列を発見しました。そのうち2つはすでにコウモリのコロナウイルスの中で発見されているものです。残りの2つの挿入配列のうち、1つはHIVウイルスの配列にいちばんよく似ていますが、非常に短く、偶然性が高いとはいえません。
もう1つの挿入配列とHIVウイルスを除く13種類のウイルスの配列はより似ていますが、これらの相似性も偶然性が高いというわけではありません(挿入部分の大きさとウイルスのタンパク質データベースの大きさから考えて)」
アメリカのワシントン大学 医学部とゲノム科学部の副教授であり、フレッド・ハッチンソン(Fred Hutchinson)がん研究センターに所属する生物情報学の専門家トレバー・ベッドフォード(Trevor Bedford)はTwitterで、「自ら比較を再現してみた結果、これらの短い挿入配列が確かに新型コロナウイルスに存在することを確認したが、これらの挿入配列は多くの種類の生物(の配列)とマッチングするもので、HIVウイルスの配列だと結論する理由はない」と、述べている。
コロナウイルスとエイズウイルスの大きな違い
アメリカのオハイオ州立大学・ウイルスと新興病原学センターの主任である劉善慮はオンライン学術メディア「知識分子」のインタビューを受けたときに次のように指摘している。
「科学とウイルス進化の角度から述べれば、コロナウイルスと逆転写ウイルスであるエイズウイルスの間には大きな違いがあります。相同性が低すぎるため、DNA間で組み換えが起こる可能性が低いのです。
さらに、経験からいえば、私たちが比較するすべての遺伝子配列の中ではいつも、数十個のヌクレオチドまたは数個のアミノ酸がいくつかのまったく関連のないものと完全に、または非常に似ていることが発見されています。でもそこには何ら生物学的な意義はありません」
多くの専門家が、新型コロナウイルスに存在しそのほかのコロナウイルスには存在しないこの挿入配列がHIVウイルスの中で発見された配列に類似していると考えている。だが、大切な点は、これらの遺伝子の暗号配列がそのほかのウイルスにも存在することだ。それらがすべてHIVウイルスから来たと信じる理由はない。
2020年1月21日、「中国科学:生命科学」英語版はオンラインで掲載した研究論文において、武漢のコロナウイルスが人に感染する仕組みを明らかにした。武漢のコロナウイルスは、S-タンパク質が人のACE2と相互に作用する分子の仕組みを通して、人の呼吸器官の表皮細胞に感染する。
研究論文を執筆した研究者の1人である中国科学院上海パスツール研究所の研究員 郝沛によると、「人体に作用する仕組みが一致しているところから見て、武漢のコロナウイルスの感染能力はSARSウイルスと同程度であると考えられるが、感染能力はウイルスの拡散度合に影響する要素の1つにすぎない」という。さらにウイルスの複製、ウイルスが拡散する経路など、ウイルスの拡散度合に影響を及ぼす要素はほかにもある。
1月22日、北京大学、広西漢方薬大学、寧波大学および武漢生物エンジニアリング学院の研究者たちが連名で、「Journal of Medical Virology」のオンライン版で研究論文を発表した。その研究によれば、新型コロナウイルス2019-nCoVは、コウモリのコロナウイルスと起源が未知のコロナウイルスとの間で遺伝子が組み替えられることによって発生したウイルスであるらしい。
では、結局のところ、新型コロナウイルスが人工で製造された、遺伝子工学の産物である可能性はあるのだろうか? 財新記者は多くの専門家や研究者をインタビューしたが、彼らの一致した判断は、「不可能」だ。
遺伝子工学を起源とする証拠はない
トレバー・ベッドフォードは財新記者に、新型コロナウイルスが遺伝子工学を起源とすることを示す証拠はないと語った。彼の解説によれば、コウモリの身体に見られるウイルス(RaTG13コロナウイルス)と相互に比較すると、新型コロナウイルスに存在する遺伝子の差異は自然進化によるものと一致する。
「もしゲノム編集(遺伝子編集)したウイルスであれば、大量の遺伝物質を置換する必要がありますが、今のところその種の痕跡は観察されていません。反対に、自然進化したと思われる、まばらで分散的な変異しか見られません」
トレバー・ベッドフォードはオープンソースのウェブサイト(nextstrain.org)を開設し、各種の病原体の遺伝子配列についての分析と可視化を行えるようにした。
その中には以前から知られているコロナウイルスのファミリー(コウモリ、ハクビシン、SARS)の遺伝子配列の系譜から、世界的なインフルエンザウイルスの共有データベースGISAID(Global Initiative on Sharing All Influenza Data)で共有されている新型コロナウイルス関連肺炎患者53人のウイルス遺伝子の全配列が含まれている。
ベッドフォードは、ウイルス間のヌクレオチドの差異とほかのコロナウイルスの仮定突然変異率の推計を結び合わせて、RaTG13コロナウイルスと新型コロナウイルスという2種類のウイルスは「25〜65年前に1つの共同の祖先から生まれた」としている。つまり、RaTG13ウイルスが新型コロナウイルスへと変異するには数十年の時間が必要だろうということだ。
ベッドフォードの分析によれば、RaTG13コロナウイルスと新型コロナウイルスの間には1100個近いヌクレオチドの差異が認められる。これと比較できるのは、ハクビシンのコロナウイルスと人のSARSウイルスとの間に認められる差異がたった10個のヌクレオチドにすぎないという点だ。
中国科学院の生物情報学分野の研究者の1人が財新記者に述べたところによれば、新型コロナウイルスは「どう見ても天然のもので、人工のものである可能性はない」。その根拠としては、新型コロナウイルスの全配列の分析によって、その遺伝子配列が雲南キクガシラコウモリに存在するRaTG13コロナウイルスと最もよく似ていることが明らかになっており、その一致率が96%に上ることが挙げられる。
ただし、この4%の遺伝子の差異は極めて大きい。人とマウスの遺伝子の相似度も90%に上るからだ。このような差異を人工的に補填することは決してできない。なぜなら、新型コロナウイルスは3万個近いヌクレオチドを持ち、4%といえば1200カ所の遺伝子変異に当たるからだ。「大自然だけがそのようなことを行えます。長年にわたる進化がこのようなウイルスを造り出したのです」と、この研究者は述べている。
そのほか、ウイルスが遺伝子断片を失うのはよくあることで、そうやって自己をスリム化し、ウイルスは各周期にゲノムを合成する。ウイルスにとっては機能がシンプルであるほど効率が高い。しかし実は、逆にウイルスが遺伝子断片を獲得して自己に挿入するのは難しいのだ。
「(陰謀論者は)人類の偉大さを買いかぶりすぎています。人が(これらの遺伝子断片の挿入を)実行できるとしても、どうして1200カ所もの遺伝子変異を作り出す必要があるのでしょうか? わずかな改変ではダメなのですか? なぜこんなに複雑なことを? 結果を自分でも制御できないのに?」
アメリカのペンシルバニア大学医学部の副研究員である李懿澤は財新記者に、新型コロナウイルスを実験施設で製造するのは不可能だ、と述べた。
人工的に改変された痕跡は残っていない
「実験施設でウイルスを製造するには遺伝子のリバースジェネティクス(逆遺伝学)が必要です。そしてその核心は配列のつなぎ合わせですが、配列のつなぎ合わせには人工的に酵素の一種であるエンドヌクレアーゼを導入する必要があり、そうすると人工的に改変された痕跡が残ります。
配列の中に(エンドヌクレアーゼが)人工的に導入された箇所が見つかれば、基本的にはそのウイルスが人工的に製造されたものだと認められるでしょう。そのような痕跡を残さないことは不可能です。そして、新型コロナウイルスには人工的に導入されたエンドヌクレアーゼの痕跡がありません。ですから、実験施設で製造されたものである可能性はありません」
前述した「機能獲得性研究」の批判者であるリチャード・エブライトは、現在の時点におけるウイルスの遺伝子配列の分析に基づけば、ウイルスがゲノム編集されたということを証明する実質的な証拠はない、と財新記者に語った。
だが、彼は次のように注意を促している。ウイルスがゲノム編集されたかどうか(この種の可能性はすでに排除されている)とウイルスが実験施設での事故によって人々の間に広まったかどうか(現在のところその可能性は排除できない)は分けて考えなければならない。これは重要な点だ。
「今すぐ感染拡大に立ち向かうのが最も重要です。感染拡大が終結した後、法科学調査(forensic investigation)を行い、感染が爆発的に拡大した今回のウイルスの起源を確定する必要があるでしょう」と、彼は述べている。
アメリカのオハイオ州立大学 獣医予防学の終身教授である王秋紅も、最近「中国科学報」のインタビューを受けたときに政府の介入を呼びかけている。彼女は、感染拡大が発生して以来、とても多くのデマが出現したことを指摘した。
ある者はウイルスが中国科学院武漢ウイルス研究所によって製造されたものだと言い、またある者はノースカロライナ大学チャペルヒル校のラルフ・バリック(Ralph Baric)実験施設から流出したもので、バリック実験施設ではかつてSARSウイルスをマウスに感染させる実験を進めていたと言っている。
「国が専門家チームを設立してデマを打ち消すことを切に希望しています」と、彼女は述べている。「現在、遺伝子配列がすでに公表されています。この配列の分析から、ウイルスが人工的に製造されたことを示す箇所は見つかりません。実験施設から流出したものである可能性はないのです。完全に自然界のウイルスです」
1月31日に『ネイチャー』が掲載した記事によると、大多数の研究者が、ウイルスの遺伝子配列は、新型コロナウイルスが武漢のウイルス研究所から来たものだという見方を否定している、と考えている。
新しい疾病やウイルスが出現するたびに言われる話
かつて石正麗と協力して研究を行ったピーター・ダザックは『ネイチャー』に次のように語っている。「新しい疾病やウイルスが出現するたびに、いつも同じようなことが言われます。これは某機関が放出もしくは流出させたものだ、もしくはゲノム編集を施されたウイルスだ、といった具合です。残念なことです」。
確かに、重大な感染病の発生にはいつも似たような陰謀論がつきまとう。例えば、2003年にSARSが蔓延していた時期、「SARSは人工的に製造された兵器だ」というデマが一時期盛んに取り沙汰された。2014年、エボラが西アフリカのギニア共和国などで爆発的に感染を拡大したときにも、アメリカ人がエボラウイルスを製造したというデマがあった。
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マサチューセッツ工科大学政治学部の教授であるヴィピン・ナラン(Vipin Narang)は、最近Twitterで次のような意見を表明した。今回の感染拡大が生物兵器によるものであることを示す証拠はない、故意にこの種のデマを拡散するのは「まったくもって無責任」なことだ、と。
「実際のところ、(もし仮にこれが生物兵器だったとしたら)本当にお粗末な生物兵器です。なぜなら、自分も害を被るリスクがあるからです。いい生物兵器は致死率が高く、感染力が低いものでなければなりません」と、彼は述べている。
(財新記者: 楊睿、馮禹丁、趙今朝)
●●新型コロナ、武漢「美人すぎる39歳の研究所長」が握る発生の謎
2020/2/18(火) 7:01配信現代ビジネス
ある判決から沸いた「疑念」
いまや日本も中国も、新型コロナウイルスのニュース一色の感があるが、それと一見関係なさそうで、実は大いにあるかもしれない中国の話から始めたい。
新型コロナウイルス、実は「マスク着用」より先にやるべきことがある
先月3日、新型コロナウイルスの震源地である湖北省武漢市から2183kmも北上した吉林省松原市の中級人民法院(地方裁判所)で、「2015年第15号」と呼ばれる汚職事件の裁判の判決が出た。それは、李寧(リー・ニン)被告(57歳)に12年の実刑、及び罰金300万元(約4700万円)、かつ賄賂として得たすべてのものを国庫に上納させるという厳しい判決だった。
李寧被告は、中国の農業部門の最高学府である北京の中国農業大学の教授だった。私の友人に、中国農業大学の卒業生がいるが、確認したらクローン研究の第一線に立つスター教授だったという。
この判決文は、計20ページもある長文で、日本人の私からすれば、「まさか!」と思うようなことが縷々書き連ねられている。それらを簡述すると、以下の通りだ。
〈 被告人:李寧、男、1962年7月9日江西省信豊県生まれ、漢族、博士、中国工程院院士、中国農業大学教授、中国農業大学生物技術国家重点実験室主任、北京済普霖生物技術株式会社社長、北京市海淀区在住。2014年6月21日に逮捕し、吉林省拘置所に拘置中。
罪状:李寧被告は2008年7月から2012年2月の期間、課題の研究の中で科学研究費を使って、実験用の豚と牛を購入した。李寧被告は課題研究の実験を終えた豚、牛、牛乳を、不法に処理した。その過程で、1017万9201.86元(約1億6000万円)を個人の銀行口座に振り込ませた。
かつ、研究費の残額2559万1919元(約4億円)を着服していた。また、人件費621万2248.51元(約9800万円)を虚偽申告していた。
これらも含めて、李寧被告は部下の張磊研究員と共に、職務上の権限を利用して、国有財産3756万6488.55元(約5億9000万円)を着服した。これは中華人民共和国刑法第382条、第383条の規定に抵触し、汚職の罪で刑事責任を負うべきである。かつこの共同犯罪において、李寧被告が主導的な役割を担っており、主犯として処罰されるべきである。
本訴は、2015年4月10日に起訴され、同日に吉林省松原市人民法院が受理した。2015年8月20日、21日、及び2019年12月30日に公開の審理を裁判所にて行い、結審した 〉
この判決の日、杜岩裁判長は、異例とも言えるメディアとの一問一答を許可した。正確に言えば、実際には行っていない「メディアとの一問一答」という形式で、判決文の正しさを主張したいために補足説明を発表したのである。これは中国人民銀行などでも使われている手法だ。
杜裁判長は、その中で罪状について、こう述べている。
「李寧の汚職は3つのものを含んでいる。第一に、実験後の動物や牛乳を売って利益を得ていたこと。第二に、本人及び他人名義で課題研究費を着服していたこと。第三に、本人及び他人名義で人件費を着服していたことだ。
その中で、李寧は本人名義の課題研究費を着服していた以外に、虚偽の領収書を223枚も切っていた。それによって他人名義の科学研究費2092万元(約3億3000万円)を着服していた。これは全体の82%にあたる。検察機関はそれらの書証を調べ上げ、証人の証言を取り、共犯者の供述と照らし合わせ、証拠を確定させていったのだ」
この1月3日に判決が出された刑事事件が、いま中国で、にわかに注目を集めている。それは、農業部門における中国の最高学府である中国農業大学でさえ、「実験を終えた豚や牛、牛乳を、密かに業者に売り渡していた」という事実が明らかになったからだ。業者はそれらを素知らぬ顔で市場へ持って行き、市場では他の豚や牛、牛乳と一緒に売られていたに違いない。
これと同じことが、新型コロナウイルスの発生源と言われる湖北省武漢の華南海鮮市場でも行われていたのではないか――そんな疑念が、中国のインターネットやSNS上で飛び交っているのである。
「武漢病毒研究所」が怪しい
中国のネットやSNS上で飛び交う情報というのは、中国当局が指摘するように「流言飛語」の類も一部にはある。例えば私は「安倍晋三が突然死した」「金正恩が逮捕された」といった「ニュース速報」を見たこともある。
だが、後で振り返ると真実だったというニュースも少なくない。特に、新型コロナウイルスに関しては、中国全土で現在、「戦い」が続けられている最中であり、かつ多くの中国人が自宅待機を余儀なくされている。そのため、「伝えられていない正しい情報」を知ると、それを拡散させようとする傾向が強い。その結果、それらを一刻も早く削除しようとする中国当局との壮絶なイタチごっこが続いている。
そんな中、いまネットやSNS上で疑惑の目が向けられているのは、「中国科学院武漢病毒研究所」である。新型コロナウイルスの発生源とされる華南海鮮市場から、わずか15.8qしか離れていない。
中国科学院武漢病毒研究所のホームページによれば、いまの中国が建国されて7年後の1956年に創設された。中国で初めてのP4(国際的な生物安全の最高クラス)生物実験室を備えている中国最高峰の病毒学の研究所である。
研究所内には、分子病毒学病理研究センター、分析微生物学ナノ生物学研究センター、微生物菌毒種資源応用センター、新型伝染病研究センター、それに2018年11月に中国科学院、国家衛生健康委員会、湖北省人民政府が共同で創設した中国科学院生物安全大科学研究センターがある。
また、国家衛生健康委員会が指定した「国家級保存センター」として、微生物菌毒種保存センター、国家アフリカ豚コレラ実験室、病原生物学生物安全重点実験室などを備えている。合わせて34の研究学科グループがあり、325人の研究者が研究に従事している。
この巨大組織を率いているのは、39歳の美人所長・王延軼氏である。
王延軼(ワン・イエンイー)所長は、2004年に北京大学生命科学学院を卒業、2006年に米コロラド大学で修士号を取得。帰国して2010年、武漢大学で博士号を取得した。取得後すぐに武漢大学副教授となった。2012年に武漢病毒研究所に入り、病理研究センター副主任を経て、2018年に37歳の若さで、所長に就任した。
王所長は今年の正月、武漢病毒研究所のホームページで、次のような新年の辞を述べている。
〈 2019年、武漢病毒研究所は、重要な責務に勇気を持って挑み、担当してきました。生物安全大科学研究センターの活動は、重要な進展を見せました。同センターの第1回理事会第1次会議を北京で開き、国家衛生健康委員会、湖北省政府、中国科学院の3者が共通認識を持ち、生物安全国家実験室の建設を推進していくことになったのです。
湖北省の肖菊華副省長(注:昨年9月に湖北省副省長に抜擢された時、やはり53歳の美人副省長として話題になった)も武漢病毒研究所を視察し、同センターの建設を全力で支持すると述べました。(中略)
新たな一年に入り、私たちは党中央、国務院及び国務院党組織の各決定を真摯に貫徹していき、科学技術のイノベーション能力を不断に引き上げ、生物安全大科学研究センターのさらなる建設準備の進展を進めていきます 〉
日本と同様の年功序列社会である中国の公的機関で、なぜ王所長はこんなスピード出世できたのか? それは、中国ではしばしばあることだが、バックに強力なパトロンがいるからに他ならない。パトロンとは、15歳年上の夫・舒紅兵(シュイ・ホンビン)武漢大学副学長だ。
1967年重慶生まれの舒紅兵副学長は、免疫学が専門で、蘭州大学を卒業後、1995年に米エモリー大学で博士号を取得した。2000年から2004年まで北京大学生命科学学院で特任教授をしていた時、教え子だった王延軼氏と知り合い、後に結婚。2005年に武漢大学生命科学学院院長になり、2013年から武漢大学副学長、2014年からは武漢大学医学研究院長も兼任している。
中国のネット上では、舒副学長にとって王所長は4回目の結婚相手とも書かれているが、真偽は不明である。確かなのは、王所長には舒副学長という「外助の功」が大きく役立っているということだ。そして王所長自身が新年の辞で、自分が進める新たな研究センターを誇っているように、「外からカネを持ってこられる所長」ということで、周囲も受け入れていたのかもしれない。
「スキャンダル」の臭いがする
だが、新型コロナウイルス騒動が、すべてを変えてしまった。
武漢病毒研究所に疑惑の目が向けられる中、北京首都医科大学の饒毅学長(元北京大学生命科学学院教授)が、旧知の舒紅兵副学長に、「微信」(WeChat)でメッセージを送った。
〈 紅兵、私が注意した武漢病毒研究所の所長の問題だが、彼女はかつて北京大学の生命科学学院の学生だった。それは私が北京大学へ行く前のことだったが(私が就任してからは教え子との恋愛は禁止した。おそらくもうそのような問題は起きないだろうが)、いくつか苦言を呈したい。
おそらく最良の解決方法は、彼女に辞職願を提出させて、中国科学院に害を及ぼさないようにすることだ。あなたの夫人は、武漢病毒研究所のリーダーとして、実に不適切である。
1)彼女の専門は、病毒学でも微生物学でもない。免疫学とはスレスレのところだが、実際には細胞生物学が専門だ。武漢病毒研究所の研究の中心は病毒学であり、彼女はあまりに専門性に欠ける。おそらく研究所内の多くの研究者たちも、彼女をリーダーとして認めていないだろう。これでは研究所内の威信やリーダーシップもあったものではない。
2)彼女の研究レベルは、やはり比較的低い。少なくとも病毒研究所内で群を抜いたものではない(言っているのは学問的レベルであって人間的評価ではない)。彼女のレベルでは、北京大学、清華大学などでは、副教授にさえなれない。一般的に言って、おそらく助理教授のレベルさえもないだろう。そんな状況下で、武漢病毒研究所は国内で尊重されないし、発展もおぼつかない。
3)彼女は若すぎる。もしも上記の2点が極めて突出しているというなら、若者がリーダーとなることにも道理がある。だが専門もレベルも問題があって、しかも若造ということになると、これは雪の上に霜が加わる(注:泣きっ面に蜂の意)というものだ。(中略)
武漢病毒研究所長と中国科学院長にもこれを同時に送っておく 〉
このメッセージは、武漢病毒研究所の管理が杜撰だったことを示唆していると言えないだろうか。全体を読んでも、饒毅学長は知っていることのうちごくわずかしか書いていないというニュアンスが伝わってくる。
加えて、中国科学院長にもこのメッセージを送ったということは、美人所長を早くクビにすることで、何らかのスキャンダルが中国科学院全体に及ぶのを事前に防ぐべきだという進言とも考えられる。そして王所長本人にも同時に送信することで、「早く辞めろ」とプレッシャーをかけたのだ。
武漢では、すでにこの美人所長が追い詰められていることを物語る「人事」もあった。
武漢市が「封鎖」された1月23日、湖北省は新型肺炎応急科学研究攻撃専門家グループの第1回会議を開き、湖北省の科学技術庁、衛生健康委員会、疾病コントロールセンター、伝染病の専門家らが一堂に会した。
そこでグループ長に選ばれたのは、王所長ではなく、同じ武漢病毒研究所の石正麗・新型伝染病研究センター主任だった。アメリカ微生物科学院の正会員でもある実力派の55歳で、ネット上では「上司の美人所長と最も激しく対立している女性研究員」と書かれていた。
この日、湖北省は、石正麗グループ長と武漢病毒研究所が中心になって今後の新型コロナウイルス対策を進めていくと決めたにもかかわらず、王所長は13人の専門家グループの一員になったにすぎなかった。
いまなお「封鎖」が続く武漢では、2月16日までに、1309人もの死者を出している。現段階では救急治療が最優先だが、新型コロナウイルスの流行が一段落した暁には、武漢病毒研究所の問題が浮上してくる可能性がある。
美人所長が送った一斉メール
2月16日には、また一つ、「王延軼所長のメール」が暴露された。1月2日午前10時28分に、武漢病毒研究所の職員全員に宛てて、次のようなメールを打っていたというのだ。
メールのタイトルは、「重要提示 武漢の原因不明の肺炎に関する公開を厳禁する通知に関して」。
〈 最近、原因不明の肺炎が、すでに社会の騒動を引き起こしている。われわれは関連した業務を、現在進行している。衛生健康委員会が要求しているのは、メディア、インターネット、SNS、提携する技術会社などを含む外部に対して、今回の肺炎の状況を公布することを禁止するということだ 〉
このメールが本物ならば、すでに1月2日の段階で、中国政府の衛生健康委員会は事実を隠蔽するよう指示を出していたことになる。また、王所長が書いた「われわれは関連した業務を、現在進行している」という文字も意味深である。
科学技術部(省)社会発展司(局)の呉遠彬司長は2月15日、「新型ウイルスの高レベルウイルス微生物実験室生物安全管理の指導意見に関して」という通達を出したと、会見で述べた。つまり今後は、ウイルス微生物実験室の安全管理を徹底させるということだ。
ということはやはり、何らかの「事故」が発生していたということではないのか?
中国の整形外科医の武小華博士は2月4日、多くの中国人の疑念を代弁するかのように、SNS上でこう述べている。
「今回の新型コロナウイルスの原因はコウモリとの見方が支配的だが、コウモリから人間にウイルスが移る過程で、中間に一、二の媒介や変異がある。つまりネズミと霊長類との間で、ある種の人工的なタンパク質が関わっているわけだ。そうしたタンパク質を生成できるのは、ネズミを使って実験している実験室しかない」
近藤 大介(『週刊現代』特別編集委員)
●「日本は手遅れ」生物兵器の世界的権威が断じる理由
2020/3/9(月) 6:01配信JBpress
「日本は手遅れ」生物兵器の世界的権威が断じる理由
3月6日、武漢市のキリスト教教会を消毒するボランティアの人々(写真:AP/アフロ)
(ジャーナリスト:吉村剛史)
中国湖北省武漢市で発生し、瞬く間に世界に感染が拡大した新型コロナウイルス。発生当初から「兵器」の可能性も排除せず、危機感をもって情報収集に取り組むよう訴えてきた台弯出身、米国在住の化学者で毒物研究の世界的権威、杜祖健(と・そけん)氏(89)=英語名アンソニー・トゥー氏=が緊急来日した。
【写真】3月2日、マスクを求める人々でソウルのデパート前には長蛇の列ができていた。あまりのマスク不足でパニックになった韓国では、ついに「マスク配給制」が導入されることに。
滞在に同行し、改めてインタビューすると、杜氏は、諸状況からみて「武漢の病毒研究所で研究、培養していた新型ウイルスが何らかの不手際から外部に漏れたというのが一番適当な説明だろう」と推測。日本の初期対応については「すでに手遅れ」と断じた。
杜氏は、今後は現状の感染拡大防止措置の強化、徹底などをはかり、治療薬の開発を急ぐとともに、日本の政権中枢に対しては国家レベルでの対外情報収集力の強化や、有事の際の隔離病院船の整備など、教訓を将来に生かすことの重要性を訴えている。
(参考記事)燻る「新型ウイルス=生物兵器」説、専門家が解説
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/59197
■ 米国CDCの専門家派遣申し出を黙殺した中国の意図
米コロラド州立大名誉教授である杜氏は、新型コロナウイルスの感染拡大に対する各国・地域の初期対応について、早期に中国からの入境に全面的な制限を設けた米国、台湾の警戒感、危機意識の高さを評価。
同時にロシア、北朝鮮でも初期対応が厳密だったことに着目しており、「いずれも生物・化学兵器研究に力を入れてきた実績から、防御意識も高い」と指摘した。
当初、新型ウイルスは武漢・漢口の市場で売られていた動物が発生源とされたが、ヘビ毒研究が本来専門の杜氏は、旧ソビエト連邦崩壊時、多くのロシア人らから「(ソ連の)生物研究所のヘビ毒を(横流しして売るので)買ってほしい」と依頼の手紙、電話があったといい、そうした自身の体験に照らし、「規律の状況などによっては、現場の人間が使用済みの実験動物を焼却せず、換金目的で市場に横流しするなどの行為はあり得る」とみている。
杜氏はこれまでも、1979年に旧ソ連・スべルドロフスクの研究所から炭疽菌が漏れ、多くの市民が死亡した実例などから、「研究施設から病毒が漏れることはよくある」としてきた。
加えて今回の新型ウイルス問題発生後、米国のCDC(疾病コントロールセンター)が伝染病の専門家を武漢に派遣し、感染拡大阻止に協力したいと申し出たことに対し、中国側が対応しなかったことも、「中国側には知られたくない事情があることが疑われる」とみる。
■ 否定できない「実験中のウイルスが不手際で漏出」の可能性
また、中国当局が1月末、中国科学院武漢病毒研究所に人民解放軍の女性少将、陳薇氏を派遣した点について、「女史は浙江大学卒業後に軍に入り、生物兵器に関連してアフリカでエボラウイルスなどを研究した人物で、中国軍事医学科学院の生物工学研究所長」「本来なら現地には医学の専門家を送るべきだが、中国で最も優れた生物兵器の専門家を送り込んだことは注意すべき動向」といぶかしむ。
「そもそも武漢病毒研究所のようなバイオセーフティーレベル4(BSL-4)施設を持つ研究所は、兵器レベルの研究、開発が主眼とみられる」「発症前にヒトからヒトへ感染し、一度発症して回復したのち、再び罹患するなどの特徴も蔓延阻止の対応を困難にしており、この点も人為を疑う要素」という。
杜氏は「これらはいずれも間接的な、いわば状況証拠にすぎない。確かに生物兵器として危険な病源体やウイルスを培養するのだとしたら、つくる側は同時にワクチンや抗毒剤を大量に準備しないといけない」としつつも、「私見では新型ウイルスは実験、研究の途中で、何らかの不手際が発生し、武漢の研究所内から外部に漏れたのではないか。その説明が最も納得できると思う」と総括した。
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最終更新:3/9(月) 6:01
JBpress
●2020/2/26(水) 19:55配信
産経新聞
【北京=西見由章】新型コロナウイルスの最初の発生源は中国湖北省武漢市の華南海鮮市場で取引されていた野生動物だ−。そうした中国当局による従来の見解が揺らいでいる。政府系の機関が、ウイルスは別の地域から同市場に流入したとの分析結果を示したためだ。ただ「最初の感染者」がどこでどのように生まれたのかを突き止める手掛かりは少なく、謎が深まっている。
中国科学院シーサンパンナ熱帯植物園(雲南省)などが26日までに公表した論文によると、中国など12カ国で採取された新型コロナウイルスの遺伝子情報を分析した結果、華南海鮮市場で検出されたウイルスは別の地域から流入していたことがわかった。早ければ11月下旬には別の場所で「人から人」感染が始まっていた可能性があると指摘。その後、同市場を拠点に感染が拡大するルートもできたと分析した。
こうした見方は、武漢市の医師らが1月、英医学誌「ランセット」に公表した論文と符合する。論文は、12月1日に発症した最初の患者をはじめ、当初確認された感染者41人のうち14人が市場とは無関係だったと指摘。ウイルスの自然宿主であるコウモリも同市場で取引されていないとした。
発生源はどこなのか。香港メディアなどによると、華南理工大(広東省広州)の肖波濤(しょう・はとう)教授は今月6日、研究者向けサイトに投稿した論文で、同市場から280メートルの近距離にある武漢疾病予防コントロールセンターからウイルスが流出した可能性を指摘した。
論文によると、同センターでは浙江省などで600匹以上のコウモリを実験用に捕獲。研究員1人がコウモリに攻撃されてその血液が皮膚に付着したり、尿が体にかかったりしたことがあり、その都度14日間の自主隔離を行ったという。サンプルや汚染されたごみがウイルス流出の原因になったとの見方を示した。
ただこの論文はその後、サイトから削除された。中国外務省の耿爽(こう・そう)報道官は20日、ウイルスが「実験室から流出した」「生物兵器として開発された」などとする説について「世界の著名な専門家たちは全く科学的根拠がないと認識している」と述べている。
●新型コロナ、武漢「美人すぎる39歳の研究所長」が握る発生の謎
2/18(火) 7:01配信
現代ビジネス
新型コロナ、武漢「美人すぎる39歳の研究所長」が握る発生の謎
写真:現代ビジネス
武漢病毒研究所」が怪しい
中国のネットやSNS上で飛び交う情報というのは、中国当局が指摘するように「流言飛語」の類も一部にはある。例えば私は「安倍晋三が突然死した」「金正恩が逮捕された」といった「ニュース速報」を見たこともある。
だが、後で振り返ると真実だったというニュースも少なくない。特に、新型コロナウイルスに関しては、中国全土で現在、「戦い」が続けられている最中であり、かつ多くの中国人が自宅待機を余儀なくされている。そのため、「伝えられていない正しい情報」を知ると、それを拡散させようとする傾向が強い。その結果、それらを一刻も早く削除しようとする中国当局との壮絶なイタチごっこが続いている。
そんな中、いまネットやSNS上で疑惑の目が向けられているのは、「中国科学院武漢病毒研究所」である。新型コロナウイルスの発生源とされる華南海鮮市場から、わずか15.8qしか離れていない。
中国科学院武漢病毒研究所のホームページによれば、いまの中国が建国されて7年後の1956年に創設された。中国で初めてのP4(国際的な生物安全の最高クラス)生物実験室を備えている中国最高峰の病毒学の研究所である。
研究所内には、分子病毒学病理研究センター、分析微生物学ナノ生物学研究センター、微生物菌毒種資源応用センター、新型伝染病研究センター、それに2018年11月に中国科学院、国家衛生健康委員会、湖北省人民政府が共同で創設した中国科学院生物安全大科学研究センターがある。
また、国家衛生健康委員会が指定した「国家級保存センター」として、微生物菌毒種保存センター、国家アフリカ豚コレラ実験室、病原生物学生物安全重点実験室などを備えている。合わせて34の研究学科グループがあり、325人の研究者が研究に従事している。
この巨大組織を率いているのは、39歳の美人所長・王延軼氏である。
王延軼(ワン・イエンイー)所長は、2004年に北京大学生命科学学院を卒業、2006年に米コロラド大学で修士号を取得。帰国して2010年、武漢大学で博士号を取得した。取得後すぐに武漢大学副教授となった。2012年に武漢病毒研究所に入り、病理研究センター副主任を経て、2018年に37歳の若さで、所長に就任した。
王所長は今年の正月、武漢病毒研究所のホームページで、次のような新年の辞を述べている。
〈 2019年、武漢病毒研究所は、重要な責務に勇気を持って挑み、担当してきました。生物安全大科学研究センターの活動は、重要な進展を見せました。同センターの第1回理事会第1次会議を北京で開き、国家衛生健康委員会、湖北省政府、中国科学院の3者が共通認識を持ち、生物安全国家実験室の建設を推進していくことになったのです。
湖北省の肖菊華副省長(注:昨年9月に湖北省副省長に抜擢された時、やはり53歳の美人副省長として話題になった)も武漢病毒研究所を視察し、同センターの建設を全力で支持すると述べました。(中略)
新たな一年に入り、私たちは党中央、国務院及び国務院党組織の各決定を真摯に貫徹していき、科学技術のイノベーション能力を不断に引き上げ、生物安全大科学研究センターのさらなる建設準備の進展を進めていきます 〉
日本と同様の年功序列社会である中国の公的機関で、なぜ王所長はこんなスピード出世できたのか? それは、中国ではしばしばあることだが、バックに強力なパトロンがいるからに他ならない。パトロンとは、15歳年上の夫・舒紅兵(シュイ・ホンビン)武漢大学副学長だ。
1967年重慶生まれの舒紅兵副学長は、免疫学が専門で、蘭州大学を卒業後、1995年に米エモリー大学で博士号を取得した。2000年から2004年まで北京大学生命科学学院で特任教授をしていた時、教え子だった王延軼氏と知り合い、後に結婚。2005年に武漢大学生命科学学院院長になり、2013年から武漢大学副学長、2014年からは武漢大学医学研究院長も兼任している。
中国のネット上では、舒副学長にとって王所長は4回目の結婚相手とも書かれているが、真偽は不明である。確かなのは、王所長には舒副学長という「外助の功」が大きく役立っているということだ。そして王所長自身が新年の辞で、自分が進める新たな研究センターを誇っているように、「外からカネを持ってこられる所長」ということで、周囲も受け入れていたのかもしれない。
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次ページは:「スキャンダル」の臭いがする
「スキャンダル」の臭いがする
だが、新型コロナウイルス騒動が、すべてを変えてしまった。
武漢病毒研究所に疑惑の目が向けられる中、北京首都医科大学の饒毅学長(元北京大学生命科学学院教授)が、旧知の舒紅兵副学長に、「微信」(WeChat)でメッセージを送った。
〈 紅兵、私が注意した武漢病毒研究所の所長の問題だが、彼女はかつて北京大学の生命科学学院の学生だった。それは私が北京大学へ行く前のことだったが(私が就任してからは教え子との恋愛は禁止した。おそらくもうそのような問題は起きないだろうが)、いくつか苦言を呈したい。
おそらく最良の解決方法は、彼女に辞職願を提出させて、中国科学院に害を及ぼさないようにすることだ。あなたの夫人は、武漢病毒研究所のリーダーとして、実に不適切である。
1)彼女の専門は、病毒学でも微生物学でもない。免疫学とはスレスレのところだが、実際には細胞生物学が専門だ。武漢病毒研究所の研究の中心は病毒学であり、彼女はあまりに専門性に欠ける。おそらく研究所内の多くの研究者たちも、彼女をリーダーとして認めていないだろう。これでは研究所内の威信やリーダーシップもあったものではない。
2)彼女の研究レベルは、やはり比較的低い。少なくとも病毒研究所内で群を抜いたものではない(言っているのは学問的レベルであって人間的評価ではない)。彼女のレベルでは、北京大学、清華大学などでは、副教授にさえなれない。一般的に言って、おそらく助理教授のレベルさえもないだろう。そんな状況下で、武漢病毒研究所は国内で尊重されないし、発展もおぼつかない。
3)彼女は若すぎる。もしも上記の2点が極めて突出しているというなら、若者がリーダーとなることにも道理がある。だが専門もレベルも問題があって、しかも若造ということになると、これは雪の上に霜が加わる(注:泣きっ面に蜂の意)というものだ。(中略)
武漢病毒研究所長と中国科学院長にもこれを同時に送っておく 〉
このメッセージは、武漢病毒研究所の管理が杜撰だったことを示唆していると言えないだろうか。全体を読んでも、饒毅学長は知っていることのうちごくわずかしか書いていないというニュアンスが伝わってくる。
加えて、中国科学院長にもこのメッセージを送ったということは、美人所長を早くクビにすることで、何らかのスキャンダルが中国科学院全体に及ぶのを事前に防ぐべきだという進言とも考えられる。そして王所長本人にも同時に送信することで、「早く辞めろ」とプレッシャーをかけたのだ。
武漢では、すでにこの美人所長が追い詰められていることを物語る「人事」もあった。
武漢市が「封鎖」された1月23日、湖北省は新型肺炎応急科学研究攻撃専門家グループの第1回会議を開き、湖北省の科学技術庁、衛生健康委員会、疾病コントロールセンター、伝染病の専門家らが一堂に会した。
そこでグループ長に選ばれたのは、王所長ではなく、同じ武漢病毒研究所の石正麗・新型伝染病研究センター主任だった。アメリカ微生物科学院の正会員でもある実力派の55歳で、ネット上では「上司の美人所長と最も激しく対立している女性研究員」と書かれていた。
この日、湖北省は、石正麗グループ長と武漢病毒研究所が中心になって今後の新型コロナウイルス対策を進めていくと決めたにもかかわらず、王所長は13人の専門家グループの一員になったにすぎなかった。
いまなお「封鎖」が続く武漢では、2月16日までに、1309人もの死者を出している。現段階では救急治療が最優先だが、新型コロナウイルスの流行が一段落した暁には、武漢病毒研究所の問題が浮上してくる可能性がある。
美人所長が送った一斉メール
2月16日には、また一つ、「王延軼所長のメール」が暴露された。1月2日午前10時28分に、武漢病毒研究所の職員全員に宛てて、次のようなメールを打っていたというのだ。
メールのタイトルは、「重要提示 武漢の原因不明の肺炎に関する公開を厳禁する通知に関して」。
〈 最近、原因不明の肺炎が、すでに社会の騒動を引き起こしている。われわれは関連した業務を、現在進行している。衛生健康委員会が要求しているのは、メディア、インターネット、SNS、提携する技術会社などを含む外部に対して、今回の肺炎の状況を公布することを禁止するということだ 〉
このメールが本物ならば、すでに1月2日の段階で、中国政府の衛生健康委員会は事実を隠蔽するよう指示を出していたことになる。また、王所長が書いた「われわれは関連した業務を、現在進行している」という文字も意味深である。
科学技術部(省)社会発展司(局)の呉遠彬司長は2月15日、「新型ウイルスの高レベルウイルス微生物実験室生物安全管理の指導意見に関して」という通達を出したと、会見で述べた。つまり今後は、ウイルス微生物実験室の安全管理を徹底させるということだ。
ということはやはり、何らかの「事故」が発生していたということではないのか?
中国の整形外科医の武小華博士は2月4日、多くの中国人の疑念を代弁するかのように、SNS上でこう述べている。
「今回の新型コロナウイルスの原因はコウモリとの見方が支配的だが、コウモリから人間にウイルスが移る過程で、中間に一、二の媒介や変異がある。つまりネズミと霊長類との間で、ある種の人工的なタンパク質が関わっているわけだ。そうしたタンパク質を生成できるのは、ネズミを使って実験している実験室しかない」
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近藤 大介(『週刊現代』特別編集委員
中国ウイルス、武漢肺炎、中国コロナ、中国肺炎、武漢コロナ、武漢ウイルス、新型コロナウイルス、COVID-19、新型肺炎、新型コロナ、新型ウイルスはどこで発生したのか?
ネット上の記事はすぐに消えてしまうことが多いので、
自分が興味を引かれた記事をここに
自分用の記録(備忘録)として保管しておきます。
●発生元は?、中国ウイルス、武漢肺炎、中国コロナ、中国肺炎、武漢コロナ、武漢ウイルス、新型コロナウイルス、COVID-19、新型肺炎、新型コロナ、新型ウイルスはどこで発生したのか?、
令和2年7月4日更新
●WHO、初期対応の時系列を修正 第一報は中国のWHO事務所から
2020/7/4(土) 13:59配信
AFP=時事
世界保健機関のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長(2020年7月3日撮影)。【翻訳編集】 AFPBB News
【AFP=時事】世界保健機関(WHO)は今週、新型コロナウイルス危機の初期段階に行った説明を修正し、中国・湖北(Hubei)省武漢(Wuhan)で初めて肺炎の症例が確認された際に報告を受けたのは中国ではなく、同国内のWHO事務所からだったと明らかにした。
【写真】新型ウイルスへの警告を最初にした中国の李文亮医師
WHOは4月9日、流行発生の初期対応への批判に応える意味も含め、コロナ対応をめぐる時系列の動きを公表。これには、武漢市衛生健康委員会が昨年12月31日に肺炎症例の発生についてWHOに報告したとのみ記載されており、具体的に誰が知らせたかについては明記されていなかった。
WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は4月20日の記者会見で、中国から最初に報告があったと述べ、報告したのが中国当局か別の情報源かについては明らかにしていなかった。しかしWHOが今週公表した新たな時系列の報告には、発生に関する情報がもっと詳しく記されている。
これによると、12月31日に武漢市衛生健康委員会のウェブサイト上で「ウイルス性肺炎」の感染発生についてメディア向けの発表を見つけてWHOの地域連絡窓口に報告したのは、中国国内のWHO事務所だった。
WHOの疫病情報機関は同日、世界各地の疫病情報を監視する米拠点のネットワーク、感染症速報「ProMED-mail」が、武漢での原因不明の肺炎が集団発生した事例に関する別の報道を伝えていることを確認。WHOは1月1日と2日に、中国当局にこの2件の報告について問い合わせ、同3日に当局から回答が得られたという。
WHOの緊急事態対応を統括するマイケル・ライアン(Michael Ryan)氏は3日、記者会見で、各国は症例について公式に確認し、性質や発生原因についてWHOに追加情報を提供するまで24〜48時間の猶予が与えられると説明。WHOが中国当局に症例報告について確認を求めた際、同当局は迅速に報告したと述べた。【翻訳編集】 AFPBB News
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最終更新:7/4(土) 18:29
AFP=時事
●峯村健司/《米中コロナ戦争》CIAと武漢病毒研究所の暗闘〈習近平はなぜ絶体絶命のピンチを切り抜けたか〉――文藝春秋特選記事【全文公開】
5/27(水) 6:00配信
文春オンライン
新型コロナウイルスを巡り、米国大統領、ドナルド・トランプの中国批判が止まらない。
「中国国内で食い止められた可能性もあったが、実際はそうならなかった。ミスにより収拾がつかなくなってしまったのか、意図的だったのか。両者には大きな違いがある。故意だったとしたら報いを受けるべきだ」
トランプが4月18日の会見でこう語ったように、いま、焦点となっているのは、ウイルスの「発生源」である。特に、米国から疑念の目を向けられているのが湖北省武漢市にある政府系研究機関「中国科学院武漢病毒(ウイルス)研究所」だ。発端は4月14日付けのワシントン・ポストの報道である。同研究所を視察した米外交官が、2018年に本国に送った外交電報の内容を明らかにしたのだ。
「この研究所ではコウモリに寄生するコロナウイルスの研究をしているが、安全に運営するための訓練を受けた技術者が不足している。このウイルスは人に感染する恐れがあり、重症急性呼吸器症候群(SARS)のような感染拡大を引き起こす危険性がある」
新型コロナはコウモリ起源とみられている。つまりこの記事は、米政府が2年前の時点で、SARSの再来を懸念していたことを明らかにしたのだ。
記事を執筆した同紙コラムニストのジョシュ・ロギンは、筆者が勤務していた朝日新聞アメリカ総局の元同僚で、ホワイトハウスや国務省の幹部に幅広い人脈を持っている。今回の電報は政権内部から入手したとみられ、信頼性の高い報道だろう。
実は筆者も武漢ウイルス研究所に関心を抱いていた。武漢には多くの重要な軍事関連施設があり、北京特派員時代にしばしば取材で足を運んでいた。軍と関係があると言われている武漢ウイルス研究所にも着目しており、今年1月に新型コロナの感染が表面化したとき、すぐにその名前が思い浮かんだ。
改めて研究所のHPを確認すると、ワシントン・ポストが指摘したように、2018年3月に米外交官が訪問し、研究員の石正麗らが応対した様子が写真付きで紹介されていた。石は新型コロナがコウモリを感染源とすることを示した論文の執筆メンバーの1人だ。現在、このHP上の記載は削除されている。
ワシントン・ポストの報道から5日後の4月19日、武漢ウイルス研究所研究員の袁志明は「絶対に研究所から出たものではない。我々には厳しい管理制度・科学研究基準があり、自信がある」と流出疑惑を強く否定した。
一方、冒頭でトランプが「故意」を疑ったように、ネット上で同研究所が開発した、「生物兵器説」が根強く囁かれていた。同研究所内には、有効な治療薬や予防法がない病原体について研究する「バイオセーフティレベル4」の施設を備える国家生物安全実験室があることも疑惑を深める。
●武漢ウイルス研究所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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中華人民共和国国務院 > 中国科学院 > 武漢ウイルス研究所
中国科学院武漢ウイルス研究所[1]
正式名称 中国科学院武汉病毒研究所
日本語名称 中国科学院武漢ウイルス研究所[1]
略称 WIV
組織形態 感染症研究所
所在地 中華人民共和国の旗 中華人民共和国
〒430071
湖北省武漢市武昌区小洪山中区44号
北緯30度32分21.9秒東経114度21分3.07秒座標: 北緯30度32分21.9秒 東経114度21分3.07秒
活動領域 感染症・ウイルス学
設立年月日 1956年
上位組織 中国科学院
所管 中国科学院
保有施設 武漢国家生物安全実験室
公式サイト http://www.whiov.cas.cn/
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中国科学院武漢ウイルス研究所(ちゅうごくかがくいんぶかんウイルスけんきゅうじょ、簡: 中国科学院武汉病毒研究所)は中華人民共和国 湖北省武漢にある、ウイルス学研究所である。1956年設立。中華人民共和国国家重点実験室に指定されている。
2016年12月現在、研究所には合計266人の研究員がおり、内訳は科学研究職189名、大学院生253名(博士課程124名と修士課程129名)などが在籍する[2]。
所長は王延軼(中国語版)。党委員会書記は肖庚富(中国語版)。
目次
1 沿革
2 付属施設
3 研究機器
4 歴代所長
5 歴代党委員会書記
6 疑惑
7 脚注
7.1 出典
8 関連項目
9 外部リンク
沿革
1956年、「中国科学院武漢微生物研究室」として設立。
同年6月5日、中国科学院が武漢大学と華中農業大学と協力して武漢に微生物学研究所を設立することを決定。
研究室の設立は、武漢大学学部長で微生物学の主任教員を務めていた高尚蔭(中国語版)を筆頭として行われた。 研究室は、各分野の研究のために次の4つのグループに分かれていた[3]。
研究分野 研究内容 指導者
ウイルス学 動物および植物ウイルス、細菌ウイルス 武漢大学学部長兼微生物教育研究主任 高尚蔭(中国語版)
土壤微生物学 土壌微生物の生命活動と植物および土壌との関係 華中農学院土壤農学研究主任 陳華癸(中国語版)
植物病理学 微生物を利用した植物病の抑制 華中農学院植物保護研究主任 楊新美(中国語版)
微生物変異学、遺伝学および育種学 細菌(放線菌を含む)およびそれらのファージ変異、遺伝学および選択 武漢大学微生物教育研究副主任 趙保国(中国語版)
1961年11月、「中国科学院中南微生物研究所」[4]、さらに1962年10月には「武漢微生物研究所」に改名され、1966年に中国科学院の地方分院が廃止されるとともに湖北省科学技術委員会の所管となり、「湖北微生物研究所」となった。1978年の科技大会(中国語版)の前に中国科学院の管轄に戻され、「中国科学院武漢病毒所」として改編された[5]。
付属施設
中国科学院武漢国家生物安全実験室(中国科学院武汉国家生物安全实验室、National Biosafety Laboratory (NBL), Wuhan[6])は、武漢P4ラボまたは地元では単にP4ラボとも呼ばれる、武漢市政府と共同で建設されたP4(バイオセーフティレベル4:BSL-4)研究所である。
2015年1月31日に完成し、2018年1月5日に正式な運営が開始された。
新型コロナウイルスの感染拡大が顕在化する以前は、実験施設を対外的にアピールしており、2017年2月23日には当時のフランス首相、ベルナール・カズヌーブが視察を行っている[7]。
研究機器
日立製作所 H-7000FA透過型電子顕微鏡
Amray 1000B走査型電子顕微鏡
ギルソン GIAPD多機能分析システム
島津製作所 GC-9Aガスクロマトグラフィーシステム
島津製作所 UV-300紫外可視近赤外分光光度計
アジレント・テクノロジー Super NOVA 極薄スライサー[5]
歴代所長
# 姓名 任期 備考
1 高尚蔭(中国語版) 1956年6月−1984年3月
2 丁達明(中国語版) 1985年9月−1987年9月
3 何添福(中国語版) 1994年4月−2000年10月
4 胡志紅(中国語版) 2000年10月−2008年8月
5 陳新文(中国語版) 2008年8月−2018年10月
6 王延軼(中国語版) 2018年10月−
歴代党委員会書記
# 姓名 任期 備考
1 許 力 1958年3月−1959年2月
2 劉 然 1961年3月−1979年12月
3 曹 健 1980年1月−1984年7月
4 湯吉梅 1987年9月−1992年4月
5 何添福 1992年4月−1996年6月
6 李興革 1996年6月−2004年8月
7 袁志明 2004年8月−2013年8月
8 肖庚富 2018年12月−
疑惑
「2019新型コロナウイルス」、「2019新型コロナウイルスによる急性呼吸器疾患」、「新型コロナウイルス感染症の流行 (2019年-)」、および「2019年コロナウイルス感染症流行に関連する誤情報」も参照
2015年にアメリカ国立衛生研究所は研究の委託として370万ドルの資金援助を行うなど同研究所はコロナウイルスを積極的に研究している[8][9]。
2017年頃から、施設管理の面からウイルス漏洩の可能性が指摘されており、現在、武漢華南海鮮卸売市場とともにCOVID-19の感染源であるとの疑惑が上がっている[10][11]。
アメリカ合衆国のFOXニュースやワシントン・ポストでは2018年にアメリカの外交官が同研究所を視察した際に「危険性」があると、研究所の安全面の不備についてアメリカ国務省に公電にて伝達していたとする報道があり[12][13]、これについて米政府も調査中である[14][15][16]。
これに対し、武漢ウイルス研究所の幹部は「ありえない」話だとして全否定[17][18][19][20]、日本の外務省に当たる中華人民共和国外交部も同研究所からウイルスが流出したとの説を否定した[21]。
さらに、世界保健機関(WHO)もウイルスは動物由来で、人工のものではないとしたうえで、「研究所から流出した可能性はないとみている」とした[22]。アメリカのインテリジェンス・コミュニティーを統括する国家情報長官室(ODNI)もウイルスは人工のものではないと発表し[23]、英語圏5カ国の諜報当局が運営するUKUSA協定(ファイブアイズ)も「研究所から流出した可能性は極めて低いとみている」と報じられた[24]。
2020年5月18日にテレビ会議形式で開かれたWHOの総会では、中国での新型コロナウイルスの発生源について国際的な独立調査を行うことで同意した[25][26][27]。
●中国の「コウモリ女」 発生源めぐる非難に反論
2020/5/26(火) 21:10配信テレ朝 news
All Nippon NewsNetwork(ANN)
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新型コロナウイルスの発生源を巡ってアメリカと中国が非難の応酬を続けるなか、中国の「コウモリ女」と呼ばれる研究員が「長年の研究がウイルスの迅速な識別を可能にした」と反論しました。
武漢ウイルス研究所の“コウモリ女”・石正麗研究員:「私たちは2004年にコウモリコロナウイルスの研究を始めた。研究の蓄積が(原因不明の肺炎の病原体を)最短で明らかにした」
武漢ウイルス研究所の石正麗研究員は長年、コウモリとウイルスの研究を続け、中国の「コウモリ女」とも呼ばれています。石研究員は中国国営メディアのインタビューで研究が新型コロナウイルスの起源となったことを否定し、「科学を政治的に利用している」と反論しました。その一方で「15年間、コロナウイルスを研究してきた蓄積により、病原体を最短で明らかにできた」と強調しました。トランプ大統領は、ウイルスが「武漢ウイルス研究所」から流出したと主張していて、ここでコウモリ関連のコロナウイルス研究を統括してきた石研究員に注目が集まっていました。
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最終更新:5/26(火) 21:33
テレビ朝日系(ANN)
●武漢の研究所長が否定 コロナ発生源疑惑 中国
2020/5/24(日) 15:14配信
時事通信
【北京時事】新型コロナウイルスの発生源の可能性があるとして米政府が調査している中国科学院武漢ウイルス研究所の王延軼所長は「ありもしないことをつくりだそうとしている。われわれは昨年12月30日に初めて原因不明肺炎のサンプルを受け取った」と述べ、同研究所から漏えいしたなどとする疑惑を否定した。
国営中央テレビの国際ニュースチャンネルが24日、王所長へのインタビューの様子を伝えた。王所長がメディアに登場するのは、新型コロナ発生以降初めて。2018年に37歳で所長に就任した王氏をめぐっては中国のネット上で、今年1月初めに全所員宛てに出した電子メールで肺炎の情報を外部に漏らさないよう指示したことや情実人事疑惑が取り沙汰されていた。
同研究所に所属するコウモリ由来のウイルス研究者、石正麗氏のチームが過去に検出したウイルスについても、王所長は「重症急性呼吸器症候群(SARS)ウイルスとの相似性は最高96%だったが、新型コロナとは同79.8%にすぎない」とし、別物だと強調した。
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トランプ氏「中国間違い犯した」 コロナ拡大また批判
最終更新:5/24(日) 18:32
時事通信
●【解説】新型コロナの流出源? 武漢研究所を取り巻く疑惑
2020年4月18日 5:30 発信地:武漢/中国 [ 中国 中国・台湾 ]
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【解説】新型コロナの流出源? 武漢研究所を取り巻く疑惑‹ ›
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中国・武漢で、武漢ウイルス研究所の病原体レベル4(P4)実験室が入る建物(2020年4月17日撮影)。(c)Hector RETAMAL / AFP
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【4月18日 AFP】新型コロナウイルス流行の中心地となった中国・武漢(Wuhan)のはずれの山沿いに位置する「武漢ウイルス研究所(Wuhan Institute of Virology)」──。厳重な警備下に置かれたこの施設が新型ウイルスのパンデミック(世界的な大流行)の発生源だった可能性があるとの疑惑が今、米国で取り沙汰されている。
以下に、同研究所をめぐる主な疑問をまとめた。
■どのような施設なのか?
同研究所内には中国ウイルス培養物保存センター(CCVCC)がある。公式ウェブサイトによると、同センターはアジア最大のウイルス保管施設で、1500株以上を保管している。
同研究所では2015年、病原体レベル4(P4)を扱える最高水準の安全性を確保した実験室が完成し、2018年に稼働を開始。P4は人から人への感染の危険性が高いウイルスを指し、エボラウイルスなどが含まれる。
P4実験室の建設に当たっては、仏バイオ企業の創業者アラン・メリュー(Alain Merieux)氏が顧問を務めた。同研究所では病原体レベル3(P3)実験室も2012年に稼働を開始している。
AFP記者が最近、同研究所を訪れたところ、内部に人の動きはみられなかった。
■新型ウイルスはここで発生したのか?
米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)とFOXニュース(Fox News)は匿名の情報筋の話として、新型ウイルスがこの研究所から誤って流出した可能性があると報じた。
ワシントン・ポスト紙が入手した外交公電からは、当局者らが特に重症急性呼吸器症候群(SARS)に類似したコウモリコロナウイルスの取り扱いをめぐる安全対策の不備に懸念を示していたことが明らかになった。
FOXニュースは、同施設で研究対象となっていたコウモリ由来のウイルス株に感染した人物が「0号患者」となり、そこからウイルスが武漢の住民に広まった可能性があると伝えた。
中国の科学者らは、新型コロナウイルスは武漢の野生動物市場で動物から人へと感染した可能性が高いとしているが、インターネット上では武漢ウイルス研究所が起源だとの疑惑をめぐるさまざまな陰謀説が拡散。ついには米政府もこの疑惑に言及し、当局がウイルスの出所をめぐり「徹底的な調査」を行っていることをマイク・ポンペオ(Mike Pompeo)国務長官が表明するに至った。
同研究所は17日、コメントを拒否したものの、今年2月にはうわさを否定する声明を出していた。また中国外務省の趙立堅(Zhao Lijian)報道官は17日、同研究所から新型コロナウイルスが流出したとの説を否定した。
■新型ウイルスについて分かっていることは?
科学者らは、新型ウイルスの起源はコウモリだと考えており、そこからセンザンコウを媒介して人へと感染した可能性があるとみている。センザンコウは絶滅が危惧されているが、中国国内ではそのうろこが伝統薬の材料として違法に取引されている。
だが今年1月、英医学誌ランセット(Lancet)に発表された中国科学者チームの論文では、最初の感染者と、初期に感染が確認された41人のうちの13人が、ウイルス発生源とされる武漢の野生動物市場とはつながりがなかったことが明らかにされた。
中国を代表するコウモリコロナウイルス研究者の一人で、武漢ウイルス研究所P4実験室の副所長でもある石正麗(Shi Zhengli)氏は、新型コロナウイルスがコウモリ由来であることを初めて示した論文を出した研究チームの一員だ。
米科学雑誌サイエンティフィック・アメリカン(Scientific American)のインタビューに応じた石氏は、新型コロナウイルスのゲノム配列は自身の研究所がこれまでに収集・研究したコウモリコロナウイルスのいずれとも一致しなかったと述べた。
英ロンドン大学キングスカレッジ(King's College London)のバイオセキュリティー研究者、フィリッパ・レンツォス(Filippa Lentzos)氏はAFPに対し、新型ウイルスが武漢の研究所から流出したとする説には今のところ証拠がないとする一方、野生動物市場が発生源だとする説にも「確固たる証拠はない」と指摘。「私にとって、パンデミックの起源は依然として未解決の疑問だ」と語った。(c)AFP/Jing Xuan Teng with Laurie Chen in Beijing
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●中国がドイツに「報復」、経済的攻防がコロナで激化
5/16(土) 8:00配信JBpress
中国がドイツに「報復」、経済的攻防がコロナで激化
2017年7月、ドイツを訪問した習近平主席(前列中央)はドイツのメルケル首相とともに中国とドイツの青少年サッカー親善試合を観戦した。前列左は習主席の夫人・彭麗媛氏(写真:新華社/アフロ)
(譚 璐美:作家)
4月15日、欧州でコロナ禍が吹き荒れる中、ドイツ最大のタブロイド紙「ビルト」が社説「私たちへの中国の負債」を掲載して激しく中国を批判した。コロナウイルスが世界中に拡大したのは「中国が全世界を欺いた」からであり、ドイツが受けた経済的損失の約1650億ドル(約18兆1500億円)を、中国は支払うべきだとも要求した。
【写真】新型コロナウイルス感染拡大の経緯について独立した調査が必要と提起し、中国の猛反発を受けているオーストラリアのスコット・モリソン首相
翌日、中国は「劣悪な要求だ」と反論したが、同紙は一歩も引かず、習近平主席を名指しして、「あなたの友好とは・・・微笑で偽装した帝国主義であり、トロイの木馬なのだ」と、激烈な批判を展開し、激しい舌戦はなおも続いている。
■ “経済的パートナー”ドイツからの厳しい言葉
メルケル首相も4月20日、「中国がウイルスの発生源について、より透明性を持てば、各国がよりくわしく学ぶことができる」と、控えめながら中国政府に「透明性」を求めた。
習近平主席にとって、メルケル首相の言葉は予想外のものだったろう。というのも、ほんのひと月前の3月22日、習近平主席はドイツに電報を送り、コロナウイルスの感染が拡大中のドイツに慰問の意を表し、「ドイツと共に努力することで両国の全方位的なパートナー関係を深め、中国とヨーロッパの関係発展を促進していきたい」と強調したばかりだったからだ。
新型コロナウイルスの発生源などをめぐり、各国首脳から中国の対応に疑念の声が相次ぐ中で、唯一、経済的に重要なパートナーだと思いこんでいたドイツの冷めたい反応は、大きな衝撃だったにちがいない。
コロナ禍をきっかけにして、今、ドイツと中国の間で再び経済的攻防が火花を散らしている。
■ 蜜月関係にあるドイツの優良企業が中国企業のM&Aの標的に
振り返れば、ドイツと中国の間には歴史的な禍根が少ない。20世紀初頭にドイツ帝国が清国の山東省膠州湾を租借したものの、第一次世界大戦の時期に、中国侵略を企てた日本がドイツの権益を奪って以降、ドイツはヨーロッパ戦線に忙殺されて、どちらかといえば中国と疎遠な関係にあった。そのためドイツ人も中国に対して固定観念を持たず、悪感情を抱いていなかったのである。それが21世紀に入り、中国が経済成長すると、両国は急接近した。
2005年、メルケル首相は首相就任後、景気低迷にあえぐドイツ経済を再興しようと、対中貿易の促進に踏み切り、現在まで合計12回の訪中をしている。日本には、2回のサミットを含めて5回しか訪問していないのとは大違いだ。
中国にとっても「渡りに船」だった。
中国は建国100年目の2049年に世界制覇を目指して、国家的大構想「一帯一路」プロジェクトを立ち上げ、欧州と中国を陸と海で結んで貿易取引を発展させようと考えた。長距離鉄道を敷設して「陸のルート」を開設する一方、「海のルート」を確立するため、航路沿線にあるアジア、中東各国の港湾を強引な手段で次々と獲得していった。
2015年には具体的な戦略「中国製造2025」も打ち出した。2025年までに欧米先進国と日本に追いつき、追い越すために、10の重点分野を発展させる計画だ。重点分野は、省エネルギー産業、新エネルギー自動車、電力設備、バイオ医療、ロボット分野などの最先端技術ばかりだ。だが、中国はこれらを自ら研究開発するのではなく、外国企業を買収して手っ取り早く最先端技術を奪おうと目論んだ。その主要なターゲットとなったのが、「蜜月関係」にあるドイツの先端企業だった。
JETROのレポート『中国からの直接投資とドイツのジレンマ』(2020年1月9日付)が紹介したドイツ連邦銀行の経済統計によれば、中国からドイツへの直接投資が急増したのは2016年。手法は主としてM&Aだった。
2016年6月、中国の大手家電メーカーの美的集団がドイツの産業用ロボットメーカーのクーカを買収したのを皮切りに、中国企業は次々にドイツ企業にM&Aをしかけた。
2016年の中国のドイツへの投資総額は、前年比24倍の125億6000万ドルに達し、2017年には過去最高額の136億8400万ドルを記録した。
■ ドイツで急速に高まった対中警戒感
そこまで事態が進むと、さすがにドイツ人は貴重な先端技術が流出するのではないかと不安になり、ドイツ政府は2017年7月、対外経済法施行令を改正して、軍事産業や安全保障、ハイテク、インフラ、エネルギー分野で、EUおよび欧州自由貿易連合(EFTA)加盟国以外の外国企業がドイツ企業を買収する場合、買収通知の提出と資本参加の審査を義務化するなど、規制を強化した。
だが、中国の勢いは止まらず、2018年2月、吉利汽車がダイムラーへ資本参加して筆頭株主になり、寧波の自動車部品メーカー、継峰汽車零部件もドイツの自動車内装部品メーカー大手のグラマーの株式を取得して、議決権を84%取得した。
危機感を覚えたドイツ政府はついに「拒否権」を発動した。
2018年7月、国家電網(SGCC)による送電大手の50ヘルツ(50Hertz)の株式取得を阻止するため、ドイツ復興金融公庫(KFW)が株式20%を買い取った。同年8月、煙台市台海集団による精密機械メーカーのライフェルト・メタル・スピニングの買収も拒否した。同社は従業員200人の小規模ながら、宇宙船や航空機の部品製造の技術は世界的に評価が高く、原子力発電や核関連分野にも利用されている優良企業だ。
5カ月後の12月、ドイツは万全を期すため、EUおよびEFTA加盟国以外の外国企業が、安全保障上重要なインフラ企業の株式を取得する際の審査基準を、従来の決議権25%以上から10%以上に引き下げ、中国企業による買収に歯止めをかけた。
その結果、2018年のドイツ企業に対する中国企業の直接投資は2割減の106億8100万ドルとなり、2019年上半期には5億500万ドルと激減した。
だが、二度にわたる規制強化にも関わらず、2019年1月、中国のアリババ集団はドイツのデータ分析のスタートアップ企業であるデータ・アルチザンスを9000万ユーロで買収し、なおもM&A攻勢の手を緩めてはいない。
■ 一帯一路の“要所”となる地域で集中的にM&A
ところで、中国企業によるM&Aの約60%は、ドイツの特定地域に集中している。バーデン・ヴュルテンベルク州、ノルトライン・ヴェストファーレン州、バイエルン州の3州で、最先端技術をもつ企業がひしめく地域だ。
3州のひとつ、ノルトライン・ヴェストファーレン州はドイツ経済の中心地で、現在、華為技術(ファーウェイ)、中興通訊(ZTE)、徐工集団(XCMG)、三一重工(Sany Heavy Industry)など、中国の有名企業の欧州本部が置かれているほか、1100社の中国企業があり、約1万人の従業員がいる。また、同州のドイツ企業2700社以上が中国に駐在員事務所をもち、ドイツの対中投資額の4分の1を占めている。メルケル首相がかつて推進した経済交流の蜜月時代の所産でもある。
実は、同州はドイツで最初に中国の「一帯一路」プロジェクトに署名した州で、州政府の官員の中には共産主義者も少なくないと指摘されている。
中国が同州に目を付けた最大の利点は、同州にあるデュイスブルク港だ。欧州最大の内陸港として知られ、720キロメートルの内陸航路に120の港湾があり、北海、バルト海、大西洋、地中海、黒海に通じ、欧州の重要なハブになっている。2018年の中国政府の公式ウェブサイトによれば、デュイスブルク港には、中国の重慶を起点として、週に35〜40本の長距離鉄道が運行されている。
同州の州都デュッセルドルフ市は、2015年に中国総領事館が設置された後、武漢市と姉妹都市を締結して、毎年「中国祭」を開催するなど密接な関係を保っている。2019年9月には、米国が強く警告する中で、ファーウェイと「スマートシティ」プロジェクトの開発契約を結んだ。
一言でいえば、ノルトライン・ヴェストファーレン州などドイツ3州は、ここ5年間で中国と深く結びつき、ドイツ経済の根幹を中国に握られるほど密着してしまったのである。そして、この経済的な密着こそ、今回のコロナウイルスが感染拡大した最大の要因となったのである。
ドイツでは、コロナウイルスの感染者は17.2万人で、死者は7551人(5月8日現在)にのぼる。その中で被害が最も多いのが、バイエルン州(感染者4万4265人、死者2153人)、ノルトライン・ヴェストファーレン州(同3万4964人、1425人)、バーデン・ヴュルテンベルク州(同3万3287人、1542人)の3州である。
武漢で発生した新型コロナウイルスは、文字通り「一帯一路」プロジェクトの「陸のルート」を通って、武漢から長距離鉄道でドイツに伝わり、「海のルート」の欧州の入り口であるイタリア同様、欧州各国へと感染が拡大していったのである。事ここに至って、冒頭で触れた「ビルト」紙のような、公然とした中国批判が噴出するようになった。
だが、コロナ禍を巡ってドイツ政府やメディアが中国を非難する中で、中国は「報復外交」ともいえる対抗手段で、すでに布石を打っていた。
ドイツの「ドイチェベレ中国語電子版」(2020年1月16日付)は、ドイツ公共放送連盟の経済番組「プラスマイナス」を引用する形で、中国が2020年に導入予定の「企業版社会信用システム」に、数社のドイツ企業を「ブラックリスト」に載せたことが判明したと報じた。
同報道によれば、ドイツのフォルクスワーゲン・フィナンシャル・リーシング社(天津大衆汽車公司)、ドイツ大手建設会社ツプリン社の中国子会社など数社が「ブラックリスト」に掲載されているという。理由はいずれも商取引上の行き違いや、10年も前の税金申告漏れなど、些細な内容ばかりのようだが、はっきりとはわからない。
ボッシュ、BMW、ZFフリードリヒハーフェン社の上海子会社なども、企業データ、金融データ、社会的交流、ネット言論の内容に至るまで、逐一中国政府のデータ庫に保存されているとされる。
■ 中国の意に沿わない外国企業を窮地に追いやることもできる
中国ですでに導入されている個人対象の「社会信用システム」は、AIを使った厳しい監視体制が国民のプライバシーを過度に侵害するものとして外国でも知られているが、「企業版社会信用システム」が本格的に導入されれば、ドイツ企業ばかりか、中国でビジネスを展開する外国企業にとって、まことに深刻な事態である。すべての外国企業や合弁企業は中国政府に企業データを提供する義務が生じ、中国政府は外国企業の先端技術をたやすく獲得して、政治的に活用することが可能になる。
中国政府の意に沿わない外国企業は信用度が低くなり、融資や商取引の面で数々の不利が生じる。高級管理職の外国人の言動も制限され、企業イメージにも大きな影響を及ぼす。取引相手の信用度とも関連するため、企業同士で互いに疑心暗鬼に陥ることも考えられる。「ブラックリスト」に載せられたら、取り消されるまで数年もかかり、ビジネス展開のうえで致命的なダメージを被る。そしてなにより「企業版社会信用システム」の評価基準があいまいで、中国政府の腹ひとつで信用度が大きく左右されることが、最大の懸念になっている。
ドイツへの直接投資を阻止された中国は、なりふり構わず「報復外交」を展開し、留まるところを知らない。両国の経済的攻防はこれからも続いていくのは必定だろう。
コロナ禍を契機に、今、ドイツを含めたEU諸国が一致協力して、中国の脅威に対抗しようと動き出したことこそ、未来への明るい希望である。
譚 璐美
●中国政府に口封じされた……武漢・中国人女性医師の手記〈幹部はこう指示した。「肺炎について絶対言うな」〉/アイ・フェン――文藝春秋特選記事【全文公開】
5/14(木) 6:00配信 有料文春オンライン
3月10日、中国共産党系人民出版社傘下の月刊誌『人物』に、武漢市中心病院救急科主任のアイ・フェン(艾芬)医師のインタビュー記事(文・(尤+共)菁g/編集・金石)が掲載された。だが、発売と同時に回収され、インターネット掲載記事も2時間後に削除され、転載も禁じられた。しかし義憤を覚えた市民たちが、外国語、絵文字、甲骨文字、金石文字、モールス信号、点字、QRコードを駆使して記事を拡散させた。本稿はその全文の日本語訳である。
武漢市中心病院は、感染源と見られた「華南海鮮市場」の近くにあり、医療関係者の感染が最も多い病院の一つとなった。新型ウイルスの流行拡大にいち早く警鐘を鳴らし、他の7名とともに地元公安当局から「訓戒処分」を受けた眼科の李文亮医師も、武漢市中心病院の勤務医で、その後、自身も感染して新型肺炎で亡くなってしまうが、人工呼吸器を装着した姿と地元警察に無理矢理、署名させられた「訓戒書」は、“武漢で真っ先に告発した医師の悲劇”として世界で大きく報じられた。
李医師が、2019年12月30日、グループチャットで医療関係者と共有し、「訓戒処分」の原因となった画像は、そもそもアイ・フェン医師が流したものだ。原因不明の肺炎患者のウイルス検査報告を入手したアイ・フェン医師が、「SARSコロナウイルス」と書かれた箇所を赤丸で囲み、大学同期の仲間に送信したのが、「警鐘」の発端となったのである。
「本当に悔しい。こうなると初めから分かっていたら、譴責など気にかけずに」と後悔を口にするアイ・フェン医師の告白はあまりに痛ましい。最初に武漢で何が起きたのか? 武漢でこれほど感染拡大したのはなぜか? それを知るための貴重な証言である。
◆◆◆
2019年12月16日、1人の患者が、私たち武漢市中心病院南京路分院の救急科に運び込まれた。原因不明の高熱が続き、各種の治療薬を投与しても効果が現れず、体温も全く下がらなかった。
22日、患者を呼吸器内科に移し、ファイバースコピーで検査し、気管支肺胞洗浄を行い、検体サンプルを外部の検査機関に送ったところ、シーケンシング技術によるハイスループット核酸配列の検査が行われ、「コロナウイルス」との検査結果が口頭で報告された。病床を管理する同僚は、私の耳元で「艾主任、あの医師は『コロナウイルス』と報告しましたよ」と何度も強調した。後に、患者は武漢市の華南海鮮卸売市場で働いていたことが分かった。
12月27日、また1人の患者が南京路分院に運び込まれた。同僚の医師の甥で、40代で何の基礎疾患もないのに、肺が手の施しようのない状態で、血中酸素飽和度は90%しかなかった。他の病院で10日間治療を受けたが、症状は全く好転しなかった。そのため、呼吸器内科の集中治療室に移され、先の患者と同様に、ファイバースコピーで検査と気管支肺胞洗浄を行い、ハイスループット核酸配列の検査に回された。
●2020/05/06(水) 16:32
■石正麗(Shi Zhengli) 55歳女性 武漢ウイルス研究所 研究主任
彼女は2015年のNature Medicine誌において、「SARSコロナウイルスバックボーンと中国キクガシラコウモリの遺伝子操作により
人間のACE2受容体と結合できるハイブリッドコロナウイルスを設計した」と発表。
コロナウイルスには王冠のような突起があり、その突起が人間と結合すれば感染する仕組みだが、コウモリの中にいた元のコロナウイルスは人間とは結合できない種類。
しかし石正麗はそのコロナウイルスを改造し、人間への感染を可能にした新型コロナウイルスを開発。
その上で更に研究を進め、ヒトが新型コロナに対して免疫を持ちにくくするため、HIVウイルスとの遺伝子合成する研究も行っていた。
https://www.nature.com/articles/nm.3985
■新型コロナウイルスは「免疫細胞を無効化する」という研究結果
研究が進むにつれて、研究者たちは新型コロナウイルスの破壊的な能力を新たに発見しました。
上海の復旦大学ル・ル氏とニューヨーク血液センターのチャン・シボ氏の研究者チームによって、新型コロナウイルスが人の免疫細胞を殺すことを発見したのです。
この免疫破壊作用は、コロナウイルスの感染症である重症急性呼吸器症候群(SARS)にはなく、新型コロナウイルス特有のものであるとのこと。
研究の詳細は4月7日、「Cellular and Molecular Immunology」誌に掲載されました。
https://nazology.net/archives/56567
●「新型コロナの真相調査を!」叫ぶオーストラリアに中国がちらつかせる“制裁”
西岡省二 | ジャーナリスト
2020/4/30(木) 15:39
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29日の記者会見で発言するモリソン豪首相=ABCのウェブサイトより
新型コロナウイルスの感染拡大をめぐり、中国とオーストラリアの間に険悪なムードが漂う。新型コロナウイルスの起源を調べるための独立調査機関の設立を呼び掛けるオーストラリアに対し、中国は経済的圧力をちらつかせて封じ込めを図っているためだ。ただ国際社会では中国の責任を問う声が日増しに強まり、包囲網の拡大に中国は危機感を募らせている。
◇中豪の激しい応酬
オーストラリアの公共放送ABCによると、ダットン豪内相は4月17日のテレビ番組でこう主張した。
「米国は『新型コロナウイルスに特定の経路あるいは起源があることを示す証拠を持っている』と言っている」
「何が起きたかを正確に理解して再発を防止するためにも、中国にはこうした(新型コロナウイルスに関する)疑問に答え、情報を提供する義務があると思う」
さらにペイン外相も19日のABCの番組で「(中国の透明性への懸念が)非常に高まっている」と指摘したうえ、発生源▽どう対処したか▽世界保健機関(WHO)とどのようなやり取りをしたか――などのすべてをテーブルに乗せて検証する必要があると訴えた。
これに対し、中国が激しく反発した。
外務省の耿爽副報道局長は20日の定例記者会見で「ペイン外相の発言は事実に基づくものではない」と反発。駐豪大使館報道官は21日にウェブサイト上で「オーストラリアの一部政治家は最近、中国を攻撃する米国側の主張をオウム返しのように述べている」と皮肉った。
さらに成競業駐豪大使は27日付の豪紙のインタビューで「中国国民は、今のオーストラリアに失望し、動揺し、落胆している」と指摘し、豪州産ワインや同国への旅行のボイコットにつながりかねないと言及し、経済的圧力を前面に押し出した。
また共産党機関紙・人民日報系「環球時報」の胡錫進編集長は28日に中国版ツイッター「微博」上でオーストラリアを取り上げ、「中国の靴の裏にくっついたチューインガムのようだ。時には、それを取り除くための石を探さねばならない」と侮辱した。
そもそもオーストラリアと中国は緊張関係にある。オーストラリアは同盟国・米国とともに太平洋諸国の盟主として周辺国の援助を担って存在感を維持してきたが、近年はこの地域での中国の影響力が浸透して利害関係が対立しているためだ。
◇高まる真相究明の声
中国側がオーストラリアに対する圧力を強化する一方で、中国に向けて真相究明を求める声は高まっている。
英国では4月16日、首相代行を務めていたラーブ外相が「科学的手法に基づき、事後検証を極めて深く実施する必要があるのは明らかだ」と強調。そのうえで将来の中国との関係について、次のような見解を表明した。
「間違いなく言えるのは、危機が去ったとしても、すべてが元通りになるわけではないということ。そして、新型コロナウイルス感染が発生した経緯や、どうすれば拡大を早期に食い止められたのかという点を、厳しく問いたださなければならないということだ」
トランプ米大統領も27日の記者会見で「われわれは中国に不満がある。新型コロナウイルスの発生源において(感染拡大を)素早く食い止められたはずであり、そうしていれば世界中に拡大しなかったはずだ」との認識を示した。そのうえで「(中国に)責任を負わせる方法はたくさんある。我々は非常に重要なことを調査している」と述べ、中国に対して損害賠償を請求する可能性をにじませた。
また、ドイツ大衆紙ビルトは15日の段階で「中国に1490億ユーロ(約17兆円)の損害賠償を請求する」との記事を掲載し、話題になった。
記事では3〜4月の「損失」として▽観光産業240億ユーロ▽映画業界72億ユーロ▽ルフトハンザドイツ航空は1時間当たり100万ユーロ▽ドイツ国内中小企業500億ユーロ――などと主張した。ドイツの国内総生産(GDP)が4.2%減少し、ドイツ人1人当たりの損失は1784ユーロになると訴えている。
中国側の激しい反発を受け、オーストラリアのモリソン首相は29日、記者会見でこう訴えた。
「新型コロナウイルスは世界で20万人の命を奪い、世界経済をシャットダウンした。世界中の人々が教訓を学び、再発を防止するために、これがいかにして起きたのかという点で独立した評価を得たいと思うのは、まったくもって妥当であり、良識的であると思う」
●米政府がターゲットにした新型コロナ“コウモリ女”&「テレワーク」Zoom創始者の謎の組み合わせ
西岡省二 | ジャーナリスト
2020/5/8(金) 15:46
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米政府のターゲットにされた石正麗氏(武漢ウイルス研究所のウェブサイトより)
新型コロナウイルス感染をめぐる米中衝突が激しくなるなか、米教育省がテキサス大学システムに対し、中国の研究機関などとやり取りした電子メールなどの提出を要求している。その中で、コウモリ関連のコロナウイルス研究を統括して「コウモリ女」と呼ばれる石正麗氏と、コロナ禍で急成長したビデオ会議システム「Zoom」の創業者、袁征(エリック・ユアン)最高経営責任者(CEO)のふたりだけがターゲットとして名指しされており、この謎めいた組み合わせが関係者の話題になっている。
◇電子メールや契約書の開示要求
米教育省がホームページ上で公開した書簡(4月24日付)によると、同省がテキサス大学システムに提出を求めたのは▽中国科学院▽武漢ウイルス研究所▽石正麗氏▽袁征氏――との間で交わされた電子メールや契約などのあらゆる記録。同時に中国共産党やその代理人などとのやり取りに関しても情報共有を求めている。
中国科学院や武漢ウイルス研究所、石正麗氏は今回の新型コロナウイルス感染拡大のカギを握る組織・人物であり、米国としては、中国の責任を問うために、こうした対象に関する情報を可能な限り収集しておきたい。特に石正麗氏に関しては「秘密文書を持ち出して逃亡した」との噂が飛び交い、その動向が注目されている。(参考資料:新型コロナで注目の“コウモリ女”が「中国から機密文書を持ち出して米国に亡命」情報の真偽)
ただ、新型コロナウイルスに絡む中国との衝突に関連して、米政府がなぜZoomの袁征氏とテキサス大学システムとのやり取りに関心を抱いているのか、書簡だけでははっきりしない。
ほかにも同省は、北京大学や上海大学、中国通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)など、20以上の中国の大学や大手企業、共産党機関からの寄付や契約に関する資料の提出を求めている。
◇「ビル・ゲイツ氏に感銘」
調査の対象となった袁征氏は米国籍を持つ中国人(漢族)。米中メディアの情報を総合すると、1970年、中国山東省泰安で生まれ、現在の山東科学技術大学を卒業した。
1994年に4カ月間、横浜に滞在。その時、ビル・ゲイツ氏の「情報ハイウェイ」に関する演説を聞いて感銘を受け、シリコンバレーを目指した。ところが米国ビザの取得が難航し、94〜95年に計8回拒否されたという。
1997年に米企業WebExにエンジニアとして入り、同社がコンピュータネットワーク機器開発会社Ciscoに買収されたのちには技術部門の責任者を務めた。2011年に離職し、「Zoom Video Communications」(本社・米カリフォルニア州サンノゼ)を設立した。
新型コロナウイルスの感染が拡大し、外出自粛などの措置が取られるなか、Zoomは新たなコミュニケーションツールになって「オンライン飲み会」などで使われ、昨年末時点で1000万人だった1日当たりの利用者は、今年3月に2億人以上に急増。4月下旬には3億人を突破した。
一方で、プライバシーや安全性に関連した問題が続出する。英ニュースサイト・インディペンデントがZoomを使って社内会議を開いたところ、英経済紙フィナンシャル・タイムズの記者が無断で侵入したと報じられるなど、トラブルが相次いでいる。
◇外国資金に警戒
米教育省が外国からの資金に関する調査を実施するのは、中国などが米国の研究者の活動を支援して知的財産を獲得しようとしている、との懸念があるためだ。
英BBCによると、米教育省は今年2月、中国やサウジアラビアなどから寄付や契約として何億ドルもの資金提供を受けたにもかかわらず正確に報告していなかったとして、ハーバード大とエール大を調査した。合わせて華為技術との関係についての説明も求めた。
教育省の記録では、米国内の複数の大学は1990年ごろから中国やサウジアラビアなどから少なくとも66億ドル(約7020億円)を受け取ったのに、適切に報告していなかったという。
●新型コロナの危険察知の“コウモリ女”の口を封じた17歳下“美人”上司
西岡省二 | ジャーナリスト
2020/5/11(月) 15:15
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武漢ウイルス研究所の王延軼所長(研究所ホームページより)
中国湖北省の中国科学院武漢ウイルス研究所でコウモリ関連のコロナウイルス研究を統括してきた石正麗氏(1964年生まれ)について、オーストラリアのメディアが「中国当局に口止めされていた」と伝え、波紋を呼んでいる。そこには“情実人事”で研究所トップに抜擢された30代女性も関与しており、石氏ら第一線研究者との確執が複雑に絡んでいる。
◇「情報を漏らすな」
オーストラリアのニュースサイト「news.com.au」は5月3日、石氏と武漢ウイルス研究所をめぐる確執を詳細に記している。
同サイトは、中国当局が12月30日、石氏の研究チームに血液サンプルを分析するよう求めた▽分析の結果、石氏は新型コロナウイルスが人を殺すということを知った▽したがって石氏は、新型コロナウイルス感染により武漢で人が死んでいたことを知る世界最初の科学者の1人ということになる――と位置づけている。
新型コロナウイルス感染拡大後、石正麗氏は中国人ジャーナリストと接触。このジャーナリストは同サイトの取材に「武漢ウイルス研究所は今年1月2日の段階で遺伝子配列と関連の実験を終えていた。だが口封じされた」との見方を示したという。実験の詳細は記されていない。
これを裏付けるかのように、同じ1月2日、同研究所の王延軼所長が「重要提示」「武漢の原因不明の肺炎に関連した(情報の)公開を厳禁とする通知に関して」と題する電子メールを研究所の全職員に送っている。その中で王延軼氏は次のように記している。
「最近、原因不明の肺炎が社会のパニックを引き起こしている。我々は現在(それに)関連した業務を進めている。国家衛生健康委員会はメディアや個人メディア、ソーシャルメディア、提携企業を含む部外者に今回の肺炎の情報を漏らさないよう要求している」
研究所による「遺伝子配列と関連の実験」と所長のメールの関係は不明だが、こうした事実関係が正確であれば、中国当局は1月2日の段階で、事態の深刻さを把握して情報管理を進めていたことになる。
同サイトは、石正麗氏が4月のオンライン講義で「自分たちのチームは1月14日、自分たちが特定したウイルスが、ヒトに感染する可能性があることを確認した」と話した、と伝えている。中国当局が「ヒト・ヒト感染確認」と発表(1月20日)する6日前だ。
石氏をめぐっては現在、オーストラリアを含む英語圏5カ国の情報ネットワーク「ファイブ・アイズ」が調査を試みているとされる。同サイトによると、石氏は「安全管理が不十分なため誤って新型コロナウイルスが漏れ出たのではない」との主張を続けているという。ただ、米科学雑誌とのインタビューでは、石氏は感染が爆発的に拡大した際には「眠れぬ夜が続いた」と弱気になっていたようだ。
オーストラリアは新型コロナウイルスの起源を調べるための独立調査機関の設立を呼び掛けており、中国との関係が険悪化している。(参考資料:「新型コロナの真相調査を!」叫ぶオーストラリアに中国がちらつかせる“制裁”)
◇“情実昇進?”美人所長
実は、武漢ウイルス研究所では所長の王延軼氏をめぐるいざこざが起きていた。
王延軼氏は1981年生まれ。2004年に北京大学生命科学学院卒業後、2006年に米コロラド大学で修士号を取得。帰国して2010年、武漢大学生命科学学院で博士号を取得した。2012年に武漢ウイルス研究所に入り、2018年に37歳で所長になるというスピード出世を果たしている。
この人事に批判が集中している。本人の実力ではなく、15歳年上の夫・舒紅兵武漢大学副学長の七光りをバックにしているという声が根強いのだ。
舒紅兵氏は1967年、重慶生まれ。免疫学が専門で、2013年には武漢大学副学長、2014年には武漢大学医学研究院長を兼任している。北京大学生命科学学院で特任教授を務めていた2000〜2004年、教え子だった王延軼氏と知り合った。インターネット上では「王延軼氏は舒紅兵氏の4度目の結婚相手」と噂されている。
こうした事情もあり、武漢ウイルス研究所では不満が噴出し、規律が緩んでいたという。
事態を案じた中国生命科学界の権威、饒毅・北京首都医科大学学長(元北京大学生命科学学院教授)は2月3日夜、舒紅兵氏に「微信」(WeChat)でメッセージを送り、こう苦言を呈している。
「武漢ウイルス研究所の研究はウイルス学が中心であり、王延軼氏はその専門家ではない。多くの研究者たちも彼女をリーダーとして認めていないだろう。これでは研究所の威信は保てず、指導力も発揮できない」
「彼女の研究レベルはまだ低い。そんな状況では武漢ウイルス研究所は国内で尊重されず、発展も難しい」
「彼女は若すぎる」
そのうえで「最良の解決方法は、彼女に辞職願を提出させ、中国科学院に害を及ぼさないようにすることだ。あなたの夫人は明らかに、武漢ウイルス研究所のリーダーとして適任ではない」と強烈に批判している。
また饒毅氏はメッセージの冒頭で、舒紅兵氏が、教え子だった王延軼氏に手を出した点にも触れ、「私が(北京大学生命科学学院教授に)就任してからは教え子との恋愛は禁止した」と記し、舒紅兵氏自身にも批判の矛先を向けている。
武漢ウイルス研究所をめぐるトラブルはこの後も続く。
王延軼氏が全職員に送ったメールが流出したのが2月16日。その翌日には、実在する武漢ウイルス研究所の研究員が中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」上で身分証番号を明らかにしたうえで王延軼氏を誹謗中傷する文章を公開した。
「新型コロナウイルスは王所長が漏らした」
「王所長はいつも研究所から実験用動物を持ち出して、武漢華南海鮮卸売市場で売っていた」
この投稿はデマとして扱われ、削除された。研究所のホームページは即日、当該研究員名義で「事実ではない」とする声明を出すほどの神経の使い方だった。
こんな険悪なムードの中で持ち上がっているのが、石正麗氏亡命の噂というわけだ。(参考資料:新型コロナで注目の“コウモリ女”が「中国から機密文書を持ち出して米国に亡命」情報の真偽)
●新型コロナで注目の“コウモリ女”が「中国から機密文書を持ち出して米国に亡命」情報の真偽
西岡省二 | ジャーナリスト
2020/5/7(木) 16:42
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「石氏が行方不明」と伝えるインドテレビ局のウェブサイト(筆者キャプチャー)
中国湖北省の中国科学院武漢ウイルス研究所でコウモリ関連のコロナウイルス研究を統括してきた石正麗氏について、インターネット上で「家族と共にフランスの米国大使館に亡命申請した」との噂が広がり、中国側が火消しを急いでいる。この研究所は、米国などがたびたび“新型コロナウイルスの発生源”などと疑惑の目を向ける施設で、そこの専門家である石氏は「蝙蝠女侠(コウモリ女)」と呼ばれるキーパーソンだ。欧米各国が中国への損害賠償請求の動きを見せるなか、核心人物亡命の噂に各国メディアは浮足立っている。
◇野生動物の商取引に警告
石氏が主任を務める武漢ウイルス研究所新興感染症研究センターには、中国各地のコウモリ生息地から集められたコロナウイルスなどの大量の病原体が保管されている。
米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)によると、石氏は武漢の大学で生物学を学び、2000年には仏モンペリエ大学でウイルス学の博士号を取得した。英語だけでなくフランス語も堪能。英紙デイリー・テレグラフなどによると、02〜03年に重症急性呼吸器症候群(SARS)が大流行したあとの06年、石氏はオーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)管轄下のオーストラリア疾病予防センター(ACDP)で3カ月間、訪問学者としてコウモリを研究していた。テーマは「SARSとコウモリの関係」だったという。
WSJは「石氏がこれまで論文や講演で『野生動物の商取引を規制するという具合にその危険性に注意が払われなければ、彼女のチームがコウモリの体内で発見してきた各種コロナウイルスが、SARSと同じように猛威を振るうことになる』と絶えず警告してきた」と記している。
また、WSJは「石氏のチームが2013年に雲南省で採取したサンプルと、今回の新型コロナウイルス感染症を引き起こしたウイルスの遺伝子配列は、約96%一致している」と伝え、ここから“石氏の研究施設から流出して武漢市民に感染したのではないか”という説に結びつく、と記している。
◇「臭い口を閉じるよう忠告」
こうした見方に石氏は激しく反応する。2月のSNS上の投稿で、ウイルス発生源が自身の研究所でないことを「命に賭けて約束する」と表明し、「悪意のあるメディアの噂を信じて拡散する人たちには、その臭い口を閉じるよう忠告する」と反撃した。
ところが、4月末ごろになって、インターネット上に次のような話が書き込まれるようになった。
「石氏が1000件近い秘密文書を持ち出して、家族と共に欧州に逃亡し、フランスの米国大使館に亡命を申請した」
これがネット上で広まり、中国のネットユーザーの間で「石氏は裏切者だ」という批判が出た。筆者が情報を検索してみると、インドのニュース専門テレビ局WIONも5月6日に「彼女は有名なウイルス学者で、世界が求めている問いに対する答えを持っているかもしれない」としたうえ「だが彼女は行方不明になっている」と伝えている。
この「亡命説」について、中国共産党機関紙・人民日報系「環球時報」は5月2日の段階で、石氏が中国版LINE「微信(WeChat)」上で友人に向けて書いたものとして、次の文章を掲載した。
「私と私の家族はみな元気です。いかに多くの困難があろうと、『叛逃(国に背いて亡命すること)』のデマにあるような状況にはなりえない」と否定したうえ「我々は何も間違ったことはしていない。我々の心の中には、科学に対する揺るぎない信念がある」
WSJが伝えたカリフォルニア大学デービス校のパンデミック専門家、ジョナ・マゼット氏の話によると、石氏は長年研究の対象としてきたすべてのコロナウイルスを目録にしているという。ただ、石氏はマゼット氏に「今回の新型コロナウイルスがヒトに感染するまで、自分たちの研究所はこのウイルスを持っていなかった」と伝えたそうだ。
マゼット氏は、この10年間、仕事を通して石氏と交流があるといい、「今回のことで、彼女は信じられないほどの緊張とストレスにさらされている」と話している。
◇ファイブ・アイズが石氏らを調査?
米国と中国の間では新型コロナウイルスの発生源をめぐって緊張が続く。
トランプ米大統領とポンペオ米国務長官は最近、「発生源が武漢ウイルス研究所であることを示す膨大な証拠がある」「中国は非常におぞましいミスをした。隠そうとした」などと、武漢ウイルス研究所をターゲットにした発言を繰り返している。
複数の米メディアは相次いで、トランプ政権は同研究所と新型コロナウイルスの関わりについて調査を進めている▽ポンペオ長官は研究施設の公開を中国側に要求した▽2年前にこの研究所を視察した米外交官が「コロナウイルスを研究している。だが安全対策が不十分である」と警告する公電を送っていた――などと伝えている。
またデイリー・テレグラフは、英語圏5カ国(米国、英国、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド)の情報ネットワーク「ファイブ・アイズ」が石氏らに対する調査を試みていると伝えた。ただ当局者はこの報道に関する確認は避けている。
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西岡省二
ジャーナリスト
大阪市出身。毎日新聞入社後、大阪社会部、政治部、中国総局長などを経て、外信部デスクを最後に2020年独立。大阪社会部時代には府警捜査4課担当として暴力団や総会屋を取材。計9年の北京勤務時には北朝鮮関連の独自報道を手掛ける一方、中国政治・社会のトピックを現場で取材した。「音楽」という切り口で北朝鮮の独裁体制に迫った著書「『音楽狂』の国 将軍様とそのミュージシャンたち」は小学館ノンフィクション大賞最終候補作。
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●豪提案「独立調査」に中国猛反発 コロナ発生源、WHO総会控え
2020/5/10(日) 15:43配信共同通信
豪提案「独立調査」に中国猛反発 コロナ発生源、WHO総会控え
中国陝西省を視察する習近平国家主席(右から2人目)=4月(新華社=共同)
【北京共同】新型コロナウイルスの発生源や感染拡大の経緯を巡り、独立した調査が必要だと主張するオーストラリアに、中国が猛反発している。オーストラリアは今月半ばの世界保健機関(WHO)総会で議題になるとの立場を示しており、中国はウイルス拡散を巡る「中国責任論」の高まりを警戒している。
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「何が起きたのか、独立した調査が必要だ」。オーストラリアのモリソン首相は4月23日の記者会見でこう強調した。
独立した公衆衛生の検査官がパンデミック(世界的大流行)の関係地に行き、迅速に状況を把握する重要性を指摘。情報が得られれば「多くの生命を救える」と訴えた。
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最終更新:5/10(日) 19:53
共同通信
●中国農家による遺伝子組み換えトウモロコシの違法栽培
2016年1月14日 yusuke.saito GMO, トウモロコシ, 中国, 違法栽培, 遺伝子組み換え
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国際環境NGO・Greenpeaceは水曜日、中国北東部の農家で遺伝子組み換えトウモロコシが違法に栽培されていると報告書上で発表した。これにより中国政府は、国産食品の安全性に対する信頼をさらに損なう可能性がある。
14億人の人口の食糧供給を目指し、中国政府は遺伝子組み換え作物に数十億ドルという投資を行ってきたが、遺伝子組み換えに対する抵抗感が根強い中、いまだ商業栽培は許可していない。
Greenpeaceの報告書は、商業栽培が一度許可されれば政府当局による遺伝子組み換え作物の監督が難しくなり、遺伝子組み換え種子が拡散することで食物連鎖が汚染される懸念を裏付けることになりそうだ。報告書によれば、中国の主要農業地帯である遼寧省内5県のトウモロコシ畑から採取されたサンプルの93%に遺伝子組み換えの陽性反応が確認された。
さらには、同地域の種子市場およびスーパーマーケットから採取した、種子のサンプルとトウモロコシ製品のほとんどから遺伝子組み換えが検出された。違法な遺伝子組み換えトウモロコシはすでに国中の貯蔵倉庫、卸売および小売市場に出回り、最終的には市民の食卓にまで達している可能性が高いとGreenpeaceは述べている。Greenpeaceは遺伝子組み換えトウモロコシがどのような経緯で市場に流入したかは不明だとするが、以前より実地試験で栽培された遺伝子組み換え作物が違法に農家に売られている疑いが指摘されていた。
そのような発表を受け、遺伝子組み換え技術に対する国民の反感は高まっている。一部の遺伝子組み換え反対活動グループは、政府が遺伝子組み換え作物の輸入および国内での栽培認可計画の開示を怠ったとして訴訟を起こすに至っている。遼寧省の種子市場で陽性反応が出た6株のトウモロコシ種子のうち、3株は中華人民共和国農業部(日本の農林水産省に概ね該当)による認可を受けておらず、残り3株は通常の種子として認可を受けたものであり、遺伝子組み換え種子による汚染を受けたと考えられると団体は述べている。
中国農業部はGreenpeace報告書に対するコメント依頼に対し、すぐには返答しなかった。同部は昨年、開発中のバイオ関連製品の監督強化のために規制変更を行っていると述べていた。
調査で特定された遺伝子組み換えトウモロコシの株は、国際企業であるモンサント社(Monsanto)、シンジェンタ社(Syngenta)、デュポン・パイオニア農場(Du Pont Pioneer)のものであるとGreenpeaceはいう。デュポン・パイオニアは法律上中国にバイオテック種子を販売することはないと述べ、未承認のバイオテック作物の流出元について憶測は控えるとした。「知的財産権はどの市場においても懸念される問題だ。なぜならそれは、農家に販売する商品の品質保証のためにも、企業が当社の投資を回収し、当社が新技術への投資を持続するためにも、重要な要素となるためである。」と同社の広報担当者は述べた。モンサント社とシンジェンタ社はコメントを求めるEメールに返答していない。
違法な種子の生産および販売の原因は、種子市場の“非常に手ぬるく無秩序な”管理システムにあるとGreenpeaceは指摘する。同団体は、トウモロコシの品種改良を行う全企業に対する調査と、違法遺伝子組み換え種子の処分を中国政府に推奨している。また中国北部における播種期の年次調査、遺伝子組み換え作物の研究および栽培の監督強化が必要だとした。遺伝子組み換え作物の処分により生じた損失は補償されるべきであると主張している。
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・シンジェンタ買収 中国におけるGMOへの影響
参考:http://www.eco-business.com/news/chinese-farmers-are-illegally-growing-gmo-corn-greenpeace/
●2018.01.24 No.887
遺伝子組み換え
■中国の害虫抵抗性GM米 米国FDAが承認
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米国食品医薬品局(FDA)は1月9日、中国・華中農業大学(湖北省武漢市)が開発し申請した害虫抵抗性の遺伝子組み換えイネ「華恢1号」を承認した。米国環境保護庁(EPA)の承認も得たという。この遺伝子組み換えイネは、2006年以来たびたび見つかって問題となっている、日本では未承認のBt63と同じもののようだ。
FDAは、華中農業大学のチェン氏に宛てた書簡で、「(華恢1号の)構成、安全性と他の関連したパラメータが、現在市場に出ている米を原料とする食品や飼料と実質的に異なるとは考えていないと理解している。遺伝子組み換えの華恢1号は、FDAによる市販前審査または承認を必要とする問題を提起していない」と述べ、食品や飼料として問題がないとしている。
公開されたFDAの書簡では、この華恢1号は、ニカメイガやコブノメイガなどの鱗翅目(チョウ目)害虫に対する殺虫性毒素を作り出す細菌(バチルス・チューリンゲンシス)由来の遺伝子Cry1AbとCry1Acを組み込んだものとしている。
環球時報(英語版)によれば、中国政府は2009年、この遺伝子組み換えイネ華恢1号についてバイオセーフティ証明を出したものの商業栽培を許可しなかった。中国では2009年の試験栽培に関する承認を最後に、遺伝子組み換えイネの商業栽培に関する承認はないという。この米国FDAの承認によって、すぐに遺伝子組み換え米の流通につながるということではないだろう。
しかし、このFDAの承認は、「安全評価、栄養評価の実験方法及びデータが、米国関連機関から完全に承認されたことを意味する」(人民網)として中国に自信を与えていることは確かだろう。
この数年、遺伝子組み換え食品に慎重だった中国政府は、徐々に解禁の方向に舵を切っているように見える。中国政府は2016年8月、「新しい害虫抵抗性の綿とトウモロコシ、除草剤耐性の大豆の商業栽培の推進」を公表している。一方で中国の消費者は、遺伝子組み換え食品への忌避感が強いとも報じられている。中国黒竜江省は2017年2月、9割の市民の反対を受けて、省全域での遺伝子組み換え作物栽培を禁止するGMOフリーゾーンを決めている。
商業栽培の承認がないとしても、中国国内では研究機関から流出した遺伝子組み換え米が違法に栽培されていることも確かなことであり、輸入の米加工品から検出される可能性がなくなったわけではない。
・FDA, 2018-1-9
Biotechnology Notice File No. BNF 000156
・人民網日本語版, 2018-1-22
中国の遺伝子組み換え耐虫性稲が米国で食用の許可取得
・Global Times, 2018-1-22
China's first GM rice gets US FDA approval
・Reuters, 2018-1-23
U.S. gives safety approval to Chinese genetically modified rice strain
●欧州のウイルス専門家、新型コロナウイルスに「消すことのできない人工的痕跡」
2020年02月13日 15時28分
欧州在住の伝染病研究者である董宇紅氏はこのほど、新唐人テレビの番組に出演し、新型コロナウイルスについて「人工的に作られた可能性が大きい」と指摘した(新唐人テレビより)
欧州在住の伝染病研究者である董宇紅氏はこのほど、新唐人テレビの番組に出演し、新型コロナウイルスについて「人工的に作られた可能性が大きい」と指摘した(新唐人テレビより)
中国で猛威を振るう新型コロナウイルスについて、一部の海外の専門家は、同ウイルスが実験室で人工的に合成されたと指摘した。米ホワイトハウスはこのほど、アメリカの科学者に対して、ウイルスの発生源について調査するよう求めた。
欧州在住の中国出身ウイルス学者・董宇紅氏は2月9日、新唐人テレビの「熱点互動」番組に出演し、新型コロナウイルスが人工的な産物だとの見方を示した。
董宇紅氏は、中国の北京大学医学部を卒業、伝染病学博士を取得したのち、北京大学附属第一医院で勤務していた。現在、スイスのバイオテクノロジー会社、SunRegen Healthcare AGで首席科学官を務めている。
以下は、番組インタビューの内容である。
司会者:新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大につれ、医学界はこのウイルスの発生源について関心を寄せています。最近、複数の医学研究者がこのウイルスの構造と特性について研究を行い、このウイルスには人工的に作られた痕跡があると指摘しました。欧州に住むウイルス専門家の董宇紅さんは先日、大紀元に寄稿し、新型コロナウイルスについて自らの見解を示しました。
董さん:視聴者の皆さんこんにちは。
司会者:董さん、こんにちは。董さんは先日、大紀元に寄稿されました。この寄稿の中で、董さんは、一部の医学研究報告を分析した結果、新型コロナウイルス(2019-nCoV)について、今まで見たことのない特徴があると述べました。つまり、このウイルスは自然発生の可能性が非常に低いということです。言い換えれば、人によって作られたと言えます。なぜこのような結論にたどり着いたのでしょうか?
董さん:私の専門は伝染病研究です。80代の両親と他の親戚、兄弟は皆、都市封鎖措置が実施された湖北省黄岡市と武漢市に住んでいます。今、家族や親戚は非常に不安になっています。家族の話を聞いて、私は事態の重大さに気づきました。実に、2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)がまん延していた際、私は北京にいました。あの時、私は体調が悪くて、北京市内の病院で1、2カ月間入院していました。その時の北京市内も、市民はかなり不安でしたが、しかし今の新型肺炎は、比べものになりません。それに、当時、感染拡大の影響で外出に少々不便はありましたが、都市封鎖の措置はなかったのです。アメリカの研究者、エリック・ファイグルーディン(Eric Feigl-Ding)博士は新型肺炎について、「熱核反応のような」大流行だと警告しました。
多くの医学研究報告が、新型コロナウイルスにこれまで見られなかった特徴があると指摘しました。
イギリスの医学誌「ランセット(The Lancet)」に最近掲載された報告書では、41人の感染者を臨床研究しました。このうちの3分の1の患者が集中治療室(ICU)での治療を受けなければならなかったのです。半分の患者に呼吸困難の症状が見られました。さらに、致死率が15%に達したと報告されました。医師として、私はこの感染拡大は尋常ではないと直感しました。
それに親、他の親族や友人、中国のすべての国民は今、非常に不安になっています。これを見て、私はこのウイルスがどういうものかと考え、「ランセット」「サイエンス」「ネイチャー」など国際医学誌で発表された研究資料を調べ始めました。これは、感染防止の最前線にいる中国の医師や科学者による研究資料です。なかに、中国疾病予防管理センターや国家生物安全重点実験室、武漢市金銀潭医院の専門家や医師がいるので、信ぴょう性が高いと思います。
新型コロナウイルスのゲノム配列情報は、すでに国際的な遺伝子データベースに送られたので、海外の専門家は非常に注目しています。各国の研究者はこのゲノム配列の情報を基に、それぞれ研究を行っています。私は、客観的公平性を重視しているので、公式に発表された論文しか読まないようにしています。それで、おおよそ10数本の論文を読みました。ここで今まで得た知見を皆さんに紹介したいと思います。
司会者:はい、お願いします。
董さん:科学者が新しいウイルスを発見した時、一般的にまず、ウイルスのゲノム配列を調べるのです。つまり、この新しいウイルスは他のウイルスと比較して、配列にどのような違いがあるのかを調べるのです。この配列とすでに知られているウイルスのゲノム配列の類似性から、ウイルスの種類を分類していきます。
1つ目は、多くの研究論文は、この新型コロナウイルス(2019-nCoV)をコロナウイルスに分類しました。しかし、新型コロナウイルスは、コロナウイルスの中で「非常に新しいメンバー」だと言えます。新型コロナウイルスは、2種類のコウモリ由来のコロナウイルスと非常に似ていますが、それでもそのゲノム配列の類似性は高くないのです。
これを見て最初に、私は、新型コロナウイルスのタンパク質をさらに調べる必要があると思いました。なぜなら、ゲノムはタンパク質が(生体の)機能を決めるからです。
2つ目は、皆さんが知っているように、ウイルスと言うのは寄生体で、宿主の細胞に寄生してはじめて生きられます。では、新型コロナウイルスの場合、どのようにして宿主の細胞に入ったのでしょうか。これは、受容体と呼ばれるヒトの細胞のタンパク質がこのウイルスの表面にあるタンパク質と結合しなければならないということになります。新型コロナウイルスの表面にあるタンパク質が「鍵」であるなら、ヒトの細胞の表面にある受容体は「錠」です。受容体がウイルスのタンパク質と結合した後、受容体を持つ細胞には食作用(phagocytosis)が起きます。つまり、細胞が細胞外にある物質を取り込むエンドサイトーシス(endocytosis)が発生するのです。これによって、ウイルスが宿主の細胞に侵入するのに成功したと言えます。ここから、ウイルスは宿主の細胞の構造とタンパク質や酵素を利用して、自身の生命活動と増殖を始めるのです。だから、ウイルスは非常に狡猾な微生物だと言えます。細胞内に入り込んだ後増殖するというこのウイルスの特徴から、抗ウイルス剤による薬物治療が難しくなっており、ワクチンの開発も困難です。
コロナウイルスには共通点があります。この種のウイルスは特有のスパイク・タンパク質(Spike Protein)を持っています。専門家は、このスパイク・タンパク質が人の細胞の内部に侵入するコロナウイルスの表面にあるタンパク質であると認識しています。このスパイク・タンパク質は、宿主に感染する際に親和性を大きく発揮しているだけではなく、毒性も発揮しています。
スパイク・タンパク質について、多くの論文はある共通の現象に言及しています。このスパイク・タンパク質のゲノム断片は、新型コロナウイルスの他のタンパク質、つまり、スパイク・タンパク質ではないタンパク質のゲノム断片と大きく異なり、それぞれのゲノム配列も違っています。仮に、新型コロナウイルスのその他のタンパク質が同種類のコロナウイルスと、80〜90%似ているとします。しかし、新型コロナウイルスのスパイク・タンパク質と同種類のコロナウイルスのスパイク・タンパク質の類似性は70%しかないです。この差は歴然です。
なぜこのように大きく異なっているのでしょうか? 専門家は、新型コロナウイルスのスパイク・タンパク質の中間配列について困惑しています。この中間配列の源を見つけることができていないのです。多くの研究者は、このウイルスのゲノム配列を解析していますが、しかし、そのうちの数千の塩基対(base pair、略してbp)はすべてのウイルスデータベースに照合しても、見つけることができませんでした。だから、専門家はみな驚いています。
3つ目、新型コロナウイルスのスパイク・タンパク質のタンパク質構造にも、異なる点があります。ご存知のように、タンパク質は三次構造となっています。一部のゲノム配列はタンパク質の表面に現れます。これが、他の受容体と結合する際大きな役割を果たすのです。
ある2本の論文は、新型コロナウイルスのスパイク・タンパク質にある4つの重要なアミノ酸残基が人為的に替えられたと指摘しました。4つのアミノ酸残基が替えられたにもかかわらず、スパイク・タンパク質と受容体の結合性に変化がないのです。1本の論文は、中国科学院パスツール研究所の専門家、崔傑氏が書いたものです。もう1本の論文は、インド工科大学のプラダン(Pradhan)教授らが執筆したものです。インドの研究チームは、新型コロナウイルスのタンパク質はHIVウイルスと酷似していると指摘しました。中国の研究チームは、新型コロナウイルスがACE2(血管機能に関わるアンジオテンシン変換酵素2)細胞受容体に結合して感染するとの見方を示しました。
遺伝子の突然変異について、特にウイルスの遺伝子突然変異は一般的に、自然突然変異と言います。これは無作為で、いかなる機能性や目的性を持たないので、遺伝的浮動(genetic drift)と言い、ウイルスの自然的な再集合とも言います。しかし、新型コロナウイルスについて、われわれはこのウイルスが、受容体タンパク質の働きを保ちながら、正確に「異変」していることに驚いています。
このウイルスはなぜ、その働きを保ちながら、正確に異変したのでしょうか。自然界では、このような現象はありますが、しかしウイルス研究者として、このような現象を目にする確率は非常に低いのです。だから、その2本の論文は、新型コロナウイルスが人為的に合成されたものだという仮説を唱えたのです。
新型コロナウイルスにpShuttle挿入の痕跡
司会者:董さんは大紀元に寄稿された後、米国の科学者、ジェームス・ライオンズ・ウェイラー(James Lyons-Weiler)博士と意見を交換したと聞きました。ライオンズ・ウェイラーさんは、別の角度から新型コロナウイルスを研究して、同じような結論にたどり着きました。
董さん:このアメリカの科学者は生物遺伝学の専門家です。彼はエボラウイルス(Ebola)について研究してきました。中国で新型コロナウイルスの感染が拡大してから、ウェイラー博士は新型コロナウイルスに注目し、ウイルスのデータベースを通じて、新型コロナウイルスのゲノム配列を調べていました。彼は自分のブログで研究結果を掲載しています。
新型コロナウイルスを調べている私がウェイラー博士のブログを読んだ後、彼に連絡しました。ウェイラー博士もまず、新型コロナウイルスのスパイク・タンパク質が、このウイルスのほかのタンパク質のゲノム配列と大きく相違していると指摘しました。
彼はこのように言いました。「なぜこのウイルス(2019-nCoV)の多くの遺伝子の中で、このタンパク質だけが配列が全く異なっているのでしょうか。これは全く筋道が通らないことです。他の場所から由来したとしか考えられません」
ジェームス博士の専門は進化生物学だから、この現象に違和感を感じたのでしょう。彼は最初、中国の科学者が発表した新型コロナウイルスのゲノム配列の論文に注目しました。この論文は、新型コロナウイルスのスパイク・タンパク質のゲノム配列にマッチするゲノム配列がないと気づき、仮説として、ヘビ由来のコロナウイルスのゲノム配列と関連性があると主張しました。しかし、その後この仮説は覆されました。
ジェームス博士はその後、分子生物学のゲノム解析方法で、新型コロナウイルスのあの不自然なシークエンスを、非ウイルス由来のシークエンスと比較しました。この結果、博士は、SARSウイルスの再集合に必要なpShuttle-SNと呼ばれる特異の遺伝子配列に非常に近いと気づきました。Shuttle bus、シャトルバスをよく聞きますね。Shuttleは、定期往復便という意味です。遺伝子の研究では、Shuttleというのはある種を別の種に運ぶことを指します。遺伝子を運ぶ道具だと言えましょう。このpShuttle-SNを開発した実験室は、中国のSARS遺伝子ワクチンタンパク質を生成した実験室であります。
ジェームス博士は、新型コロナウイルスが人為的に作られた生物兵器だとは思っていませんが、しかし実験室で行われた遺伝子組み換えによって、非常に危険なウイルスが合成されたとの見方をしています。研究員があるウイルスの一部の配列を別のウイルスの一部の配列に組み込んだことで、人工的な遺伝子組み換えウイルスを作り出したのです。このような人工的な遺伝子組み換えウイルスは、予想もしなかった毒性を持つようになるかもしれません。
司会者:一部の専門家は、新型コロナウイルスにpShuttleを挿入した痕跡がはっきりしていて、指紋を残したかのようだと指摘しました。
董さん:そうですね。このpShuttleはウイルスに見られますが、生物には存在しないのです。この配列は、一般的に遺伝子組み換えを行うときに使われます。これは人の指紋のようです。人の指紋がそれぞれ異なっているのと同じように、生物の遺伝子の一部の配列も特徴的です。特徴的な配列はそれぞれ違うのです。だから、(pShuttleを挿入したことは)まるで「絶対に消すことができない人工的な痕跡」を残したということになります。
司会者:ジェームス博士の結論は?
董さん:ジェームス博士は、この新型コロナウイルスについて、90〜95%の確率で「ラボ・イベント(lab event)」によって引き起こされたとの結論を付けました。ラボ・イベントは、人為的にウイルスを改造する実験室を指します。
米政府が調査を要求
司会者:アメリカ政府の科学技術政策局(OSTP)は最近、科学者や医療研究者宛てに公開書簡を送って、新型コロナウイルスの源を迅速に解明するよう求めました。
董さん:中国で新型肺炎の感染拡大は深刻で、突如に現れた災いと言えます。このウイルスの生物学的特徴、感染ルート、遺伝子断片、毒性の強さなどはまだわかっていません。さらに、このウイルスによる動物実験や臨床研究においても、データが混在していて不明な部分が多いです。
世界を巻き込む重大な公衆衛生事件として、中国だけではなく、全世界に脅威を与えています。アメリカには、世界トップレベルのウイルスや伝染病の研究者がいます。アメリカ政府は、新型肺炎の感染拡大を阻止するために、中国や国際社会に協力する義務があると思います。
もちろん、アメリカだけでなく、他の国も医師や研究者チームを中国に派遣すべきだと考えます。なぜなら、中国に降りかかった災いは全世界の人々の災難であり、中国の問題は全世界の人々の問題でもあると思います。
司会者:董さんがおっしゃったように、新型コロナウイルスが人為的に作られた、あるいは実験室のミスによって合成されたものだとすれば、誰がこの責任を負うべきだと思いますか?
董さん:バイオテクノロジーにおいて、現在、遺伝子操作や遺伝子組み換えの技術があります。過去数十年来、科学者たちは、さまざまな遺伝子組み替え技術を通じて、ウイルスを改造したり、ウイルスを再集合させたりしてきました。この技術によって新しいウイルス、新しいワクチンが生まれました。また、この技術で治療のために、有益なタンパク質を人体に組み込みました。
しかし、物事は弁証的に見なければなりません。物事にプラスの面があれば、マイナスの面もあります。たとえば、私が読んだ一部の論文は、遺伝子操作技術によって作られたキメラウイルスについて研究しています。研究者は、野生由来のウイルスにある毒性の高いタンパク質を、すでに知られたウイルスの中に結合させてから、その後遺伝子組み換えによって生じたタンパク質や、この新ウイルスの毒性を調べています。この技術は分子生物学の研究のためにあります。しかし、新しく作られたウイルスの毒性はもっと強い可能性があります。人類に潜在的な脅威を与えることになります。
アメリカの分子生物学者のリチャード・エブライト(Richard Ebright)博士は2015年、「ネイチャー」誌に論文を発表しました。エブライト博士はウイルスの遺伝子組み換えによって新しいウイルスを生成したことは、「実験室で新しい非自然のリスクを作り出した」と警告しました。先ほど話したジェームス博士は、新型コロナウイルスはSARSワクチンの研究と関係があるという仮説を唱えています。
なぜなら、SARSワクチンも遺伝子組み換え技術によって作り出されたからです。新型コロナウイルスが実験室で人為的に合成されたとすれば、その動機とやり方はともかく、実験室は、毒性を持つウイルスが外部に漏れないように責任を持って扱うべきだと思います。
私は科学の発展が重要だと考えています。しかし、これは人類にとって有益で、人類の基本的な道徳観に基づくものであるべきだと思います。道徳観を無視して科学を発展させるのは、必ず大きな危機を招くことになります。人類は、科学技術の過剰な発展によって壊滅される危険性にされされています。
なぜ街で市民が突然倒れるのか
司会者:一部のネットユーザーは、中国の街で、あるいはスーパーなどで、市民がバタッと倒れる様子の写った動画を投稿しています。このことについて、どう思いますか。
董さん:私もこのような動画をたくさん見ました。本当に恐ろしいです。今までの医療活動で、あるいは(中国で)SARSがまん延した当時もこの現象を見たことがないです。動画では、市民は買い物袋やトランクを持っていて、突然、倒れました。しかも、倒れた後、びくともしないです。
これは、苦痛やけいれんが見られないので、心臓や肺の機能が停止したと見受けられます。一般的に心肺停止状態になると、人が死亡したと判断しても良いです。しかし、検視報告書を読まなければ、この現象について結論を付けることはできません。
このような突然死に関して、まず中国の衛生当局が数十件の検視報告を提供しなければならないです。その次に、心肺停止になった原因を調べなければならないと思います。
新型コロナウイルスに感染した患者の半分以上に呼吸困難が報告されました。そのうちの12%の患者に急性の心臓損傷がみられました。さらに、60%以上の患者には急性リンパ球減少が起きました。これは、血液に流れたサイトカインというタンパク質と関係します。サイトカインは砲弾のように、各臓器の細胞を攻撃し、多臓器の機能障害や多臓器不全を引き起こします。あの突然死の映像を見ると心が痛みます。今までこのような現象を見たことがなかったです。今後これについての研究報告を期待します。
新型コロナウイルス新たな現象
司会者:現在、新型コロナウイルスに関する研究の発見が多くなっています。一部では、このウイルスが変異し続けています。報道では、マスクを着けない場合、数十秒の接触でこのウイルスに感染するとか、無症状感染、母子感染などがあります。中国当局も、エアロゾル感染の可能性も示しました。
董さん:ウイルスの人体への危害を判断する上で2つの基準があります。1つ目は伝播性、あるいは感染力です。人々の間で感染が広まる速度とその能力です。2つ目はウイルスの毒性です。先の質問は、新型コロナウイルスの感染力に関する話です。
中国当局の発表では、このウイルスには2つの感染ルートがあります。1つ目は、SARSと同じように、咳やくしゃみなどによる飛沫感染です。2つ目は、接触感染です。しかし、最も恐ろしいのは無接触感染、またはエアロゾル感染という感染経路があります。中国当局は、エアロゾル感染は新型コロナウイルスを含んだ飛沫が空気中で微粒子となって、空気の流れとともにさらに遠く飛ばされ、これを吸い込むと感染すると説明しました。つまり、新型ウイルスは遠距離伝播ができるということです。このエアロゾル感染は新型コロナウイルスの伝播能力を反映していると思います。
司会者:遠距離伝播はどのくらいの距離ですか?
董さん:私が今まで見た伝染病ウイルスの症例の中に、このような遠距離伝播ができるエアロゾル感染がないです。なので、正確には言えないです。しかし、近距離伝播の5〜10メートルまでより遠くなることは間違いないです。武漢市政府はなぜ、厳戒令を発動するのではなく、都市封鎖措置を実施したのかを考えると、やはり中国当局は新型コロナウイルスの感染力の速さと広さに気づいたからだと思います。当局が、数十メートル、あるいは数百メートル、さらに遠い距離でも他の人にこのウイルスを感染させてしまうことがわかったと推測します。
新型コロナウイルスのもう一つの特徴は、ヒトからヒトへの強い感染力です。このウイルスの潜伏期間に、他の人に感染する可能性があるのです。一般的なウイルス性伝染病の場合、症状が現れてから、初めて他の人に感染するのです。なぜなら、症状が出た時、体内にあるウイルスの毒性がピークになっているから、人にうつすことが可能です。
しかし、新型コロナウイルスは潜伏期間内に他人にうつしています。公共施設にいる市民のなかに、誰がこのウイルスの感染者かを知る余地もないでしょう。だから、感染拡大防止に大きな困難をもたらしました。すべての人にウイルス検査を行うのは不可能だからです。
新型コロナウイルスの致死率の高さにも注目しなければならないです。SARSが発生した当時は、致死率が9.3%でした。最近、医学誌「ランセット」で発表された論文は41人の感染者について調査を行い、致死率が15%だという見方を示しました。
したがって、新型コロナウイルスの毒性が非常に強いとわかるのです。毒性は、ウイルスのタンパク質の機能と特性によって決められます。これが、私がなぜ新型コロナウイルスのゲノム配列をさらに研究する必要性を訴えるかの理由です。スパイク・タンパク質はこのウイルスの感染力を決めるのです。スパイク・タンパク質によってこのウイルスが人体の細胞に侵入するのです。だから、どのようなタンパク質がこのウイルスの毒性を生じさせたのか、どのように受容体、あるいは細胞に結合するのかなど、このような研究にさらに取り組む必要があります。
中国当局に「情報の透明性を」
司会者:医師として、中国当局の対応をどのように見ていますか?
董さん:中国は今、今まで見たことのない危機と災難に直面しています。中国当局は最大限に情報やデータを公開する必要があります。当局は、現在把握している症例、研究結果を公にするべきです。これができて、はじめて各国の専門家や医師が中国当局に支援の手を差し伸べることができます。
新型コロナウイルスの由来、毒性の特徴、感染力、人体の臓器組織への危害を明らかにして、われわれ研究者ははじめて感染防止の方法を見出すことができます。
同時に、中国側は国際社会の支援を受け入れるべきだと思います。感染者が毎日急増しています。だから、これは極めて困難な防疫任務で、全世界の科学者と医師、政府関係者が一丸となって共に解決していく必要があります。新型肺炎のまん延は人命にかかわる重大なことです。中国で起きた今回の災難は、重大な人道的な災難だと言えます。われわれは、すべての資料を公開するよう中国当局に呼び掛けています。
司会者:ありがとうございました。
(翻訳編集・張哲)
●【解説】 新型ウイルスの「研究所流出」説、証拠はあるのか?
2020年04月18日
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ポール・リンコン科学編集長、BBCニュースウェブサイト
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新型コロナウイルスを検査するギリシャの研究室
アメリカ国務省の公電によると、在中アメリカ大使館の職員から、中国・武漢市にあるウイルス研究所のバイオセキュリティーについて懸念の声があがっている。この研究所は、新型コロナウイルスのアウトブレイク(大流行)が最初に世界の注目を集めたのと同じ都市にある。
ドナルド・トランプ大統領は、新型ウイルスがこの研究所から流出したものだという未確認情報について調査すると発言している。
この説は果たして、現在のパンデミック(世界的流行)の理解に寄与するのだろうか?
国務省の情報とは?
米紙ワシントン・ポストは、入手した外交公電をもとに、これについて報じている。それによると、2018年にアメリカの科学専門の外交官がたびたび、中国の研究施設視察に繰り返し派遣されていた。その上で本国の政府へ、研究所の安全性に問題があるという警告を2件送っていた。
記事によると、米外交官たちは、武漢ウイルス研究所(WIV)の安全性と管理体制にぜい弱性があり、支援が必要だと求めていた。
また、この研究所が行っていたコウモリのコロナウイルスの研究が、重症急性呼吸器症候群(SARS)のようなパンデミックを起こしかねないと、視察した米当局者たちは懸念してたと、ワシントン・ポストは続けている。
その上で同紙は、米政府内ではこの外交公電をもとに、WIVあるいは武漢市内の別の研究所が、今のパンデミックを起こしているウイルスの発生源ではないかという議論が加速していると報じた。
米保守系フォックス・ニュースも、研究所が新型ウイルス発生源だという説を支持する記事を掲載した。
新型ウイルスは昨年12月に存在が確認され、初期の症例は武漢の食品市場との関連が指摘されている。しかしインターネット上で研究所説が急激に拡散されているにも関わらず、Sars-CoV-2(新型ウイルスの正式名称)が研究所から流出してしまったののだという証拠は一切出ていない。
研究所のセキュリティー対策はどんなものか
ウイルスやバクテリアを取り扱う研究所は、バイオセーフティーレベル(BSL)と呼ばれる安全基準に従っている。
BSLは世界保健機関(WHO)が制定した実験室生物安全指針に基づき、扱う病原体によって4つのレベルに分けられている。
最も低いBSL-1は、人間に害がなく、研究の進んでいる病原体を扱う研究所に適用される。
レベルは封じ込めの度合いと共に上昇し、最高レベルのBSL-4の研究所では、天然痘ウイルスやエボラウイルス、マールブルグウイルスといった、ワクチンや治療法の少ない病原体を扱っている。
このうち天然痘ウイルスについては、アメリカとロシアの2カ所の研究所でしか取り扱いが認められていない。
BSLの基準は国際的に使用されているが、地域ごとのバリエーションもあるという。
英キングス・コレッジ・ロンドンでバイオセキュリティーを専門とするフィリッパ・レンツォス博士は、「たとえばロシアでは最低レベルを4、最高レベルを1としており、BSL水準とは逆になっている。でも実際に行われている安全策やインフラ要請は似ている」と説明した。
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ハンガリーのこの研究所を含め、検査機関は4レベルに分かれた安全基準に沿って作業する。4つのレベルは、扱う病原体の危険性によって異なる
だが、WHOが各レベルについて必要な指針を発表しているものの、BSLは国際条約で義務付けられている基準ではない。
レンツォス博士はBSLについて、「研究所職員が自分たちや地域住民を感染させないため、そして偶発的な汚染を防ぐため、安全に働ける環境づくりのために開発されたもの」だと説明する。
その一方で、「基準を守るかどうかは財布のひも次第だ。国際パートナーと共同プロジェクトを進めたければ、一定の基準を順守していることが条件になる。市場で販売する製品や検査といったサービスを提供する場合も、国際基準に則っていることが原則だ」
WIVに関して言えば、アメリカからの資金提供に加え、いつくかの米研究施設の支援を受けている。だからこそ米外交官は、米政府に追加支援の必要性を伝えたのだ。
米外交官が指摘した「安全上の懸念」とは何か
端的に言えば、ワシントン・ポスト記事からは、分からない。
しかし一般的には、ウイルスなど生物由来物資を取り扱う研究所は、様々な形で安全対策に違反する可能性がある。
レンツォス博士によると、「研究所に誰が入れるのか、科学者や技術者がどういう訓練を受けているのか、記録の取り方、標識の付け方、病原体の在庫リスト、事故対応の訓練、緊急対応」などが、安全基準違反の原因になり得る。
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武漢の初期症例は市内の海鮮市場に関連すると言われていた
しかし、外交公電にかかれた懸念点は、特筆すべき異例のものだったのだろうか。
これまでも事故は起きている。2014年にはワシントン近郊の研究センターで、天然痘ウイルス入りの小びんの入った段ボール箱が放置されていたのが見つかった。2015年にはアメリカ軍が誤って、死んだ炭疽菌サンプルの代わりに生きたものを、国内の9カ所の研究所と韓国の軍事基地に送りつけていた。
また、BSLレベルの低い多くの研究所では、安全基準がまちまちだという。小規模の安全違反は特にニュースにもならない。
一方で、BSL-4に指定されている研究所は少ない。WikipediaにはWIVを含む50カ所以上がBSL-4と記載されているものの、正式なリストは存在しない。
BSL-4の研究施設は最も危険な病原体を扱うため、非常に高度な設計に基づいて建設される。そのため一般的には、その安全性は評価されている。
つまり、BSL-4施設の運営状態について懸念が指摘されたというだけでも、十分に注目に値する。
これまでにもウイルスが流出したという主張は
あった。新型ウイルスに注目が集まってすぐに、その出所をめぐり憶測が飛び交った。そのほとんどは根拠のないものだった。
1月には、このウイルスは生物兵器として操作されたものだという説がインターネット上で拡散した。しかし、新型ウイルスは動物由来、恐らくはコウモリによるものだという研究結果が発表されており、兵器説は複数の科学者によって何度も否定されている。
基礎的な科学研究のために、ウイルス操作が行われることもある。たとえば、ウイルスがどうやって変異するのかを調べる機能獲得実験は、病原体の感染力を高める可能性がある。
しかし、新型コロナウイルスについて、アメリカの研究チームが3月に発表したゲノム研究は、遺伝子操作された形跡は見つからなかったとしている。論文の共同筆者、米スクリプス研究所のクリスティアン・アンデルセン氏は、「既知のコロナウイルスの塩基配列と比べた結果、Sars-CoV-2が自然発生したものだと断定できる」と述べている。
その後、新型ウイルスは研究所から流出した自然のウイルスだという疑惑が持ち上がった。アウトブレイクが明らかになった武漢の海鮮市場の近くには、感染症の研究をしている研究所が少なくとも2カ所あり、これが疑惑を加速させている。
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新型コロナウイルスは野生動物が発生源で、おそらくコウモリだろうといわれている
WIVがコウモリ由来のコロナウイルスの研究を行っていたことは公式記録に残されている。この研究は完全に合法で、国際的な学術誌にも掲載されている。2000年代にSARSのアウトブレイクを経験した国の行う研究としても、全く驚くものではない。
レンツォス博士は、ウイルスの発生源は「非常に難しい問題」だとした上で、「海鮮市場が発生源だという意見は中国側が強力に主張しているものだが、バイオセキュリティーの専門家の間では、これを疑問視する議論が舞台裏で、静かに続いている」と話した。
しかし現時点では、武漢にある研究所がSars-CoV-2の発生源だという証拠は何一つない。
中国外務省の趙立堅報道官は16日の記者会見でこの問題を取り上げ、WHOは「新型ウイルスが研究所で作られたものだという証拠はないと何度も言っている」と述べた。
一方で、政府のパンデミック対応について国内の批判が高まる中、トランプ大統領は、この研究所説を政府として調査すると発表した。
中国政府はかねて、アウトブレイク初期の状況や対応について透明性に欠けていると非難されており、マイク・ポンペオ国務長官は、中国は知っていることを「明らかにする必要がある」と指摘している。
アメリカと中国が舌戦を繰り広げる中、新型ウイルスの発生源を突き止めるため、実に精緻で慎重な研究が水面下で続いている。
(英語記事 Is there any evidence for coronavirus lab release idea?)
関連トピックス
●遺伝子組み換え作物に対する中国のジレンマ
チャン・チューリン(Zhang Zhulin)
ジャーナリスト
訳:大津乃子
農業大国中国が、遺伝子組み換え作物(GMO)をめぐって揺れている。2018年1月、中国の研究者によって開発された遺伝子組み換え米の安全性が、初めてアメリカ食品医薬品局によって承認された。しかし、この遺伝子組み換え米を中国国内で生産することはできない。中国政府は、GMOの研究は奨励するが、懐疑的な世論に配慮して、公式にはGMOの栽培を制限するといった、矛盾する対応を取っている。[日本語版編集部]
(仏語版2018年2月号より)
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≪ 原文 ≫
2017年5月。午前中ずっとタクシーを走らせて、寿山の曲がりくねった道を走り回り、ようやく遺伝子組み換えの米を栽培する試験場を見つけた。(中国南東部に位置する)福建省の省都である福州市から約20キロ離れた、亜熱帯植物が繁茂した山の中にある人口1万6,000人のこの町では、私がインタビューをした住人の中に「遺伝子組み換え作物」(GMO)という言葉を知っている人はいなかった。
しかし、行き止まりの道の奥に、検査なしで通れる金属製の小扉が大きく開いていて、そこにかかっているプレートには「国立遺伝子組み換え米の中間試験および製品化センター」と書かれている。2009年以来、中央政府からの600万元(76万9,000ユーロ)の資金提供と地方政府からの400万元(51万2,000ユーロ)の出資を受けて、中国におけるGMO研究の第一人者の1人である研究者、ヂュ・ヂォン氏の北京チームと協力した福建省農業科学院が170畝(ムー)(11.33ヘクタール)の土地を管理している。8つの温室にある普通の米の水田の中のセメントでできた100程度の容器には、数千の遺伝子組み換え米の若い苗が生えている。一つひとつの容器には土に挿したラベルがあり、植付の日にちと管理しているチームの名前が書いてある。
有名なテレビ番組で明かされた新事実
この遺伝子組み換え米の存在は、2010年11月26日、福建省当局のプレスリリースによって誤って知られることとなった。食品局、食料安全保障部、農業および農業の商品化と産業化機関がサインをした「遺伝子組み換え米の検査と管理強化に関する情報」と題されたこの発表によると、福建省の市場では遺伝子組み換え米の販売は禁止されていた。そのプレスリリースが政府のウェブサイトに載っていたのは数日だけだったが、それ以降、GMOが存在するという疑念が湧き上がった。
中国はGMO開発における先駆的な国の1つで、1988年からウイルスに耐性があるタバコの生産さえしている(1)。しかし現在、中国が商業目的での遺伝子組み換え栽培を許可しているのは2品目だけで、それは綿とパパイヤだ。農業省は数え切れないくらい何度も、他の作物は存在しないと公式に断言してきた。しかし、中国の中央部に位置する湖北省の省都である武漢市で2014年7月に最初の大きなスキャンダルが巻き起こった。中国の中央テレビ(CCTV)の有名な調査番組「新聞調査」のおかげで、GMOの栽培に関する論争が全国に拡がった。ジャーナリストたちは、彼らが街のスーパーで買った5つの米袋のうち3つに、苗木を害するメイガを駆除するCry1Acという毒素を作り出すよう遺伝子コードが組み替えらた米「Bt63」が含まれていたと指摘した。Bt63は中国科学院のヂャン・チーファ氏のチームによって導入された。同氏は武漢市の華中農業大学の教授で、遺伝子組み換え米の研究プログラムの責任者だった。
中国ではよくあることだが、そのニュースは外国から入ってきたもので、そこでは10年前から知られていることだったが、中国国内では大スクープとなった。確かに2004年12月、ヂャン・チーファ氏はアメリカの雑誌ニューズウィークで、武漢市の種子企業が遺伝子組み換え米の種子を販売しているとはっきり認めていた。彼は100ヘクタール以上にわたって栽培が行われているとまで詳しく述べていた(2)。
グリーンピース・チャイナは当時、2カ月間の現地調査を行っていた。2005年4月に発表された「違法な遺伝子組み換え米に汚染される中国米」と題した調査報告によると、既に950から1,200トンの遺伝子組み換え米が湖北省の市場に流通していた。その作付面積は1,333から1,666ヘクタールに及び、グリーンピースはその栽培の拡大リスクについて警告していた。非政府組織(NGO)が当局に厳しく監視されているこの国では(3)、グリーンピースは現地で調査をできるほぼ唯一の組織だ。彼らの調査の一つひとつが、厳しく統制されているはずの中国のメディアで大きく報道されている。このことは、国の指導者たちの意見が割れていることを示している。
5年後、北京の雑誌チャイナニューズウィークリーのルポルタージュでは、再度調査を行い、湖北省において遺伝子組み換え米の大規模な栽培が行われていることが示された。許可はされていないが、「商品化を目的とした遺伝子組み換え米の栽培は紛れもない現実である」と同誌は認めていた。2010年のグリーンピースの新しい報告によると、遺伝子組み換え米は(その派生商品とともに)中国の南東部にある3つの省(広東省、福建省、湖南省)で商品化されていた。さらに2年後、中国科学院植物学研究所の主席研究員であるジィァン・ガオミン氏は自身のブログで、南東部の別の省である浙江省で850万人の住民が既にそれとはまったく知らずに遺伝子組み換え米を食べただろうと推定していた。
農業省はわれわれの問い合わせには答えず、「GMOの無認可での栽培は存在しない」と公式に繰り返すにとどめている。しかしながら、中国の外でそれは見つかっている。欧州委員会の欧州食品安全機関によると2006年から2013年の間、委員会は中国と香港からの「遺伝子組み換え」の表示がないGMOを含んだ製品に対して197件の警告を発したが、そのうち194件は米に関するものだった。(入手可能な直近の数字である)2014年から2016年にかけては、警告の件数は減少傾向にあり、米が19件、パパイヤが1件だった。
2016年の初め、中国の穀物生産における戦略的地域の1つである(東北部の)遼寧省での8カ月間に及ぶ調査の後、グリーンピースはもう1つ(別の)大スクープを放った。すなわちトウモロコシの種子の市場で採取された7つのサンプルのうち6つは遺伝子組み換えだった、というものだ。畑では、5つの地区でグリーンピースがランダムに採取したサンプルのうち93%がGMOだった。これらはアメリカ企業のモンサント社、スイス企業のシンジェンタ社(2017年に中国の化学系コングロマリットのケムチャイナに買収された)、およびアメリカの種子企業であるパイオニアハイブレッド社とダウ・ケミカル社からのものだ。「これらの遺伝子組み換えトウモロコシのうち、中国で商業目的の栽培が許可されているものはない」とグリーンピース・チャイナはウェブサイトで公開している報告の中で強調している。政府は、それは例外的な事例だと断言している。
良質な穀物栽培で知られている近隣の黒竜江省でも同様のことが起こっている。北京の経済誌チャイナビジネスジャーナルがこう主張している。「黒竜江省の農民は遺伝子組み換え大豆を栽培している(2013年から2014年の収穫の時に発覚した)。種子がどこから来たのかは謎だ」。3,000キロ西にある新疆ウイグル自治区にも同じ謎がある。2016年5月、アルタイ地区のブルルトカイ県の農業庁は、違法に遺伝子組み換えトウモロコシを栽培している133ヘクタールの畑をつぶした。しかしながら、疑いをかけられた農業従事者のリィゥ・ヨンジュン氏は財新誌の記者に対して自分は無実だと誓った。「問題の原因は種子企業です。私は知らなかったのですから」と彼は断言した。
公式には、GMOの栽培を可能にするには、5つの段階を踏まなければならない。すなわち研究室での研究、面積が0.2ヘクタール以下の半閉鎖式の場所での1年から2年間の中間試験、1年から2年に及ぶ2ヘクタールまでの水田における栽培の後の環境試験、1年から2年間の商品化前の試験、バイオセキュリティの証明(安全証明書)の交付による許可である。中国政府は7品目にしか安全の証明を認めていない。それはトマト、ペチュニア、唐辛子、米、トウモロコシ、パパイヤと綿である。そのうち最後の2品目のみが栽培し、商品化できる。
「中国政府は紙の上では多くの条件が必要だという態度をとっています。実際には問題があるのです」と、グリーンピース・チャイナの農業と食品計画の責任者であるリー・イーファン氏は慎重だ。北京の中央民族大学生命科学学院の教授であるシュェ・ダーユェン氏によると、「これらの遺伝子組み換え種子は中国の研究者がもたらしたもの」で、彼らはそれを輸入するかあるいは作っている。彼は2005年に栽培が許可されていなかった田圃が差し押さえられたことを指摘する。すなわち公式には湖北省の農業庁の命令で666ヘクタール以上の農地がつぶされたというものだ。「実際に破壊されたのは6.66ヘクタールだけです」と彼は推定する。「誰が中国で666ヘクタールの耕作地をつぶせるでしょうか?」。特に「何人かの研究者は自分たちの研究の成果を売り込み、自分たちの生産物をテストするためにまさにそれを利用したいと思っているのです」
このテーマについてルポルタージュのシリーズを制作した、匿名希望の広州の記者によると、「(ある研究者たちの)目的は、既成事実を作り上げること」だ。現在のところ、種子企業も小売業者も研究チームも農民もこれらの種子の違法な流通の責任を認めていない。
種子企業の影響を受けた研究調査
消極的な人々を納得させるため、逆キャンペーンを張る研究者もいる。2013年5月と6月に、約20の町で遺伝子組み換え米の試食会がおこなわれ、数千人が参加した。これらのイベントは部分的に華中農業大学によって主催されたもので、やはりある疑いを呼び起こすものであった。「なぜヂャン・チーファ教授は私たちにこの試食会の場面を見せたのでしょう? 科学教育目的のほかにどんな魂胆があるのでしょう?」と広州の記者は自問する。その答えはおそらくヂャン・チーファ教授が作成し、61人の研究者が署名した公開書簡の中にある。そこには「遺伝子組み換え米の産業化を遅らせるべきではない。さもなければ、国に害をなす恐れがある(4)」とある。
フランスではフランス国立農学研究所(INRA)のチームが、研究者と種子企業の密接なつながりによる影響を明らかにした。すなわち「利益相反関係は研究成果の結論に明らかに作用を及ぼしている。利益相反があると[利益相反がない場合よりも]49%高い確率で種子企業に有利な結論が出る(5)」。研究者と種子企業が切っても切れない関係にある中国では、必然的な現実だ。かくして、2004年12月2日、種子企業のLeFengが公式発表で「昆虫に耐性がある遺伝子組み換えのハイブリッド米の新種を研究開発するために、Fengleグループ、中国科学院遺伝・発育生物学研究所および福建省の農業科学院とバイオテクノロジーの企業を創設することを決定した」と伝えたとき、同社の株価は株式市場で高騰した。この会社の時価総額は3,000万元(380万ユーロ)だった。上述の2つの研究機関は同社株のそれぞれ18%、17%を保有し、お互いのノウハウと知名度を交換したのだった(6)。福建省の農業科学院の研究者であるスー・ジュン氏は、少なくとも3年前から同科学院はこのバイオテクノロジーの会社の株を保有していないと、現在では断言している。
中国のGMOの大家であるヂャン・チーファ氏はといえば、利益相反の疑惑から逃げられない。中国科学院のメンバーでBt63米の研究の責任者である彼は、同時にモンサント社の奨学金評価委員会の委員長でもある(7)。さらに同氏は2001年2月に創設された武漢市の遺伝子組み換え米専業のKeni社の社長でもあった。この会社は4年後には解散した。
巨額の投資をしている政府
より一般的にいえば、安全証明書を交付する委員会の3分の2の委員(セッションによって58人から75人になる)は、GMO専門の研究者である。その中の複数の研究者は、公にはしていないにしろ、証明書を持っているか、あるいは申請手続き中だ。環境や食品安全性の研究の専門家はほとんどいない。ジャ・シーロン氏はその完璧な例だ。中国農業科学院のバイオテクノロジー研究所の研究者、深圳市にある種子企業の研究責任者で重役である彼は、2002年から2013年にかけて安全委員会の第1セッションから第3セッションの委員だった。「委員会による評価は公正で公平なのでしょうか?」とシュェ・ダーユェン氏はいぶかる。
研究者と企業のこうした不透明な関係に加えて、何人かの研究者の職業倫理の欠如には背筋が凍る思いだ。2008年、湖南省で6歳から8歳の25人の子どものグループが、ベータカロチンの含有量を増やすために遺伝子組み換えをした「金の米」のためのモルモット代わりに使われた。5月20日から6月23日まで、子どもたちは毎日昼食に60gの米を食べていた。彼らは遺伝子組み換え米を食べていることを知らなかったし、親たちも知らされていなかった。この調査は生物学の研究者でアメリカのタフツ大学の健康安全研究室の責任者であるタン・グゥァンウェン氏によって行われ、アメリカ農務省の支援を受けていた。4年後にこの事実が発覚したとき(8)、中国全土で抗議が巻き起こった。
中国の指導者たちはしばしば同国が抱えるジレンマを引き合いに出す。中国は地球上の耕作可能地の7%を所有しているが、それで世界の人口の20%に近い人々を養わなければならないのだ。2006年に発表された国家中長期科学技術発展計画(2006年-2020年)において、遺伝子組み換え品種の研究には油田やガス田の開発、あるいは航空宇宙計画における大型飛行機事業と同じ優先度が与えられた。2年後には、中央政府はGMOの研究に対して2020年までに200億元(25億6,000万ユーロ)の投資を行うとした。
農業省の目には、農業大国である中国が遺伝子組み換え技術において地位を獲得するのは至極当然に映るようだ。ハン・チャンフー大臣は2014年3月6日の北京での記者会見で、「大豆油のようなGMOを原材料にした食品を」食べるとさえ宣言した。しかし立て続けに食品に関するスキャンダルを経験したこの国では、年を追うごとに食品の安全性に関して政府は全く信頼を失っており、ますます高まる人々の不信感に直面して、政府の態度ははっきりしないままだ。かくして2014年、習近平国家主席は、GMOは「新しいテクノロジー」であり、「社会で論争と疑念を引き起こしているが、それは当然だ」と認めた。「われわれは研究においては大胆でなければならないが、商品化においては慎重でなければならない」。そして「外国企業に市場を独占させるわけにはいかない」と明言した(9)。
反対意見は70%以上
それ以降、既に不利な状況にあった反対派は、よりいっそう立場が弱くなったようだ。CCTVで花形の司会者だったツイ・ヨンユェン氏は、GMO反対運動における中心人物の1人になった。政府に「助言を与える」ために年に1度開催される中国人民政治協商会議のメンバーだが、彼には他のメンバーよりも効果的な手段があるわけではない。「最初は、指導者たちはGMOの問題点に関する私の提案を検討するふりをするが、それ以降の会議では彼らはそれを完全に無視する」と彼は残念そうに言う。彼は中国でもっとも影響力があるSNSであるウェイボーで、検査を強化することと食品安全の表示と独立した評価システムの創設を提案した。しかし、その投稿記事はなんと彼のアカウントから消えてしまった。
中国科学技術発展戦略研究院と科学技術ジャーナルが実施した世論調査を発表した「中国社会の分析と長期的見通し2017年版」という白書によれば、中国人の70%以上が明確にGMOに反対の態度を示している(10)。国際アグリバイオ事業団(Isaaa)の調査が正しいとするならば、GMOの耕作面積は減少している。つまり、2016年には世界8番目の280万ヘクタールだったのが、1年足らずで90万ヘクタール減少したのだ。中国の小麦の主要生産地である黒竜江省の立法議会は、2016年末に同省におけるGMOの耕作を完全に禁止する法律を発布した。同地方政府によって13の町で行われた世論調査に対する明確な回答である。その調査で調査対象者の90%以上がこれらの製品に反対していることがわかった……。
外部からの圧力も無視できない役割を果たしている。2017年3月28日に国際大豆生産者同盟によって開催された、アメリカにおける持続的な生産と中国との貿易に関するフォーラムで、農家組合代表のペドロ・マニュエル・ヴィニョー氏はこう告白した。「もし適当なときに、中国で遺伝子組み換えに関するある技術が認可されなければ、われわれはこの遺伝子組み換え大豆をアルゼンチンで栽培できなくなるでしょう(11)」。福州市にある福建省の農業科学院の事務所では、研究者のスー・ジュン氏はときが来るのを待っている。「ひとたびアメリカ合衆国が遺伝子組み換えの小麦の商品化を許可したら、あるいは干ばつのような深刻な自然災害が起きれば、中国で遺伝子組み換え米は商品化されるでしょう」。2016年の時点で既に、中国はその大部分が遺伝子組み換えの大豆8,391万トンを輸入している。
(1) Cf. Zhang Tao et Zhou Shundong, ≪ L’impact économique et social de l’utilisation d’organismes génétiquement modifiés en Chine ≫, Perspectives chinoises, Hongkong, mars-avril 2003.
(2) Craig Simons, ≪Of rice and men≫, Newsweek, New York, 20 décembre 2004.
(3) ギヨーム・ピトロン「環境保護運動を阻む中国の『レッドライン』」(ル・モンド・ディプロマティーク日本語版2017年7月号)参照
(4) Nanfang Dushi bao, Canton, 20 octobre 2013.
(5) Thomas Guillemaud, Éric Lombaert et Denis Bourguet, ≪Conflicts of interest in GM Bt crop efficacy and durability studies ≫, Plos One, 15 décembre 2016, http://journals.plos.org
(6) Nanfang Zhoumo, Canton, 9 décembre 2014.
(7) 2009年2月13日に設立されたモンサント社の奨学金制度では、毎年、華中農業大学の学生25人に奨学金を給付する。奨学金の金額は5年で、160,000ドル。
(8) The Beijing News, 7 décembre 2012.
(9) Chuin-Wei Yap, ≪ Xi’s remarks on GMO signal caution ≫, China real time report, 9 octobre 2014.
(10) フランスでは10人に8人が反対の意見を示している。 IFOP- Dimanche Ouest-France, 27 septembre 2013.
(11) Caixin, Pékin, 29 mars 2017.
(ル・モンド・ディプロマティーク 仏語版2018年2月号より)
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●やっぱり中国は隠してる「新型コロナ」感染拡大はこうして起こった
5/8(金) 11:01配信現代ビジネス
やっぱり中国は隠してる「新型コロナ」感染拡大はこうして起こった
写真:現代ビジネス
武漢のウイルス研究所に向けられる疑惑
『Fox News』や『The Washington Post』が、コウモリ由来の新型コロナウイルスは湖北省武漢の海鮮市場ではなく、武漢のウイルス学研究所から流出したのではないかと、米政府内で議論になっていると報じた。
【写真】失踪した中国人研究者の「消されたコロナ論文」衝撃の全訳を公開する
その理由として、以下の3点を挙げている。
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1.感染者が出た当時は武漢の市場にコウモリはなかった。
2.2018年に適切に訓練された研究者と技術者の深刻な不⾜で安全性に問題があると警告していた。
3.コロナウイルスの危険な研究していた。
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科学雑誌『SCIENTIFIC AMERICAN』によれば、この研究所には雲南省などの洞窟にいるコウモリからコロナウイルスを採取していて、「コウモリ女」とあだ名される研究者がいると紹介されてるほどで、流出の条件としては揃っている。
余談だが、武漢の大学でコメの遺伝子組み換えを研究していたところ、研究室からそのコメが流出して、あっという間に中国南部に拡がったことがあった。
管理が非常に杜撰だったからだが、そんなことを考えるとウイルスの流出はあり得ない話ではない。ただ、いずれも直接証拠になるようなものはなく、どこまで信憑性があるかはわからない。
武漢ウイルス学研究所では、少数のコウモリコロナウイルスが培養されていたことは間違いないという。また、3の「コロナウイルスの危険な研究」とは、キメラウイルスを作ってマウスで実験をしていた(Nature Medicine)ことを指しているのだろう。
だから、ウイルスが研究所から漏れたという説は完全に否定できないのだが、かといって、自然界もしくは市場で売られているコウモリから感染したという説も否定できない。
ただ『The Washington Post』によると、実際、感染が始まった当時は武漢の市場にコウモリは売られていなかったそうである。
しかし、新型コロナウイルスは感染しても8割近くが無症状だということ考えれば、どこかで感染した人物が、知らないうちに周囲を感染させていたということも考えられる。
もちろん、研究所はウイルスが漏れたということは否定している。また、研究所が、新型コロナウイルスをサンプリングして、研究所が保管しているウイルスと比較してみたが一致するものがなかったという。
それでも、研究所から漏れたという説がいつまでもくすぶっているのは、中国がこの研究所を第3者に査察させないからである。
なぜパンデミックになったのかを知ることが、次のパンデミックを防ぐためには不可欠のはずだ。それゆえ、査察を受け入れないのは何かを隠しているのではないかと疑ってしまうのだろう。
新型コロナウイルスの系統図が教えるもの
武漢に出現したこの新型コロナウイルスが、中国から国外に出てパンデミックになるまで何があったのか。これまで海外で報じられてきたことを時系列にたどりながら検証してみたい。
それには格好の材料がある。「中国国家生物情報センター」というところが公開している新型コロナウイルスの詳細な系統図である。
武漢のウイルスが、ランダムにゲノムを変えながら、どのように世界中に広がっていったかを、全世界の新型コロナウイルスをサンプリングしながら、ウイルスの拡散と進化を追跡していったものだ。おそらく、1つのウイルスをここまで解析したのは初めてだろう。
この系統図とは別に、2月15日に中国の研究者が医学雑誌『THE LANCET』に発表した論文がある。おそらく論文公開に当たって、中国政府は深く関与したはずだから、重要なデータは隠されているはずで、それを承知で参照してみた。
この論文によると、新型コロナウイルスに感染した最初の患者が現れたのは12月1日だった。
新型コロナウイルスに感染した人物をXとするが、感染ルートについては何も書かれていない。ただ、武漢のシーフード市場とは関係がないとしている。この感染者は発熱や呼吸器に問題はなく、「その後の症例との間に疫学的関連は見られなかった」としているが、では、その後どうなったかについてはまったく触れていない。
市場と接触した感染者が現れるのは12月10日以降である。1月2日までに入院した患者は41名。そのうち27名(66%)が武漢シーフード市場にいたとしているが、残りの14名がどこで感染したかについてはわからない。ただ、疑惑の人物Xは14名の一人に含まれているようである。
また、武漢の病院には12月16日から入院記録はあるそうだが、おそらくその中に感染者Xも含まれているはずだが、まったく触れていない。
中国は隠し続ける
「中国国家生物情報センター」の系統図に現れる最初のウイルスは12月23日である。これが12月10日以降に市場で感染した患者のウイルスだろうか。では、12月1日に現れた最初の感染者のゲノムはなぜここにないだのだろう。
また『The Washington Post』によれば、当時、武漢シーフード市場ではコウモリを売ってなかったことや「中国は初期のコロナウイルスのサンプルをアメリカの専門家に提供していない」と書いている。12月1日のゲノムは「中国国家生物情報センター」の系統図にも載せていない。なぜ隠すのだろうか。
中国側の発表によると、原因不明の肺炎を発見したのは12月末で、30日には管轄の医療機関に緊急通達を出したとしていて、論文にある12月1日のことや、系統図にある12月23日にはふれていない。
台湾が、原因不明の肺炎は人から人へ感染していることをWHOに警告したのは12月31日。しかし、年が明けると、北京から専門家チームが武漢に派遣されてくるが、彼らは人から人へ感染させる明確な兆候は見られないと報告している。おそらくWHOにもこうした報告をしたのだろう。
しかし、先ほどの論文によれば「家族感染も1つ見つかった」としているから、すでに初期の段階で人から人に感染することは認識していたはずである。
たとえば、12月30日に「SARS(重症急性呼吸器症候群)の患者が7名いる」とSNAに発信して処罰を受けた李文亮医師は、「ヒトからヒトへ感染するということは明らかです」(『財新』)と語っている。北京から派遣されたような専門家が、なぜ嘘を報告しなければならなかったのだろうか。
全人代の前に騒ぎを起こすな
1月7日に習近平主席が「指示を出した」とされているが、どんな指示だったかは不明である。ただ翌日に「病原体は新型コロナウイルス」と断定したことを発表しているからこのことだろうか。これは、翌日に日本の新聞も報じている。
系統図を見ると、ウイルスは12月末から変異しながら複雑に分岐していくが、1月8日には、ついに国境越えてタイに感染が拡大している。
1月11日、上海公衆衛生臨床センターは、世界で初めて新型コロナウイルスのゲノムを公開したが、なぜかすぐに閉鎖され、関係者は姿を消したという 。
1月13日、タイで再び感染者が出た。そのことを内部報告によって知った「北京の指導者たちはパンデミックの可能性を認めた」という。翌日には関係者で電話会議が行われ「春節で多くの人が旅行するので感染の拡大のリスクが高い。パンデミックに備えなければならない」(いずれもAP通信)と確認したという。
それにもかかわらず、北京の指導者たちは動かなかった。おそらく3月5日から始まる予定だった全国人民代表大会(中国の国会に相当)の前に余計な騒ぎを起こすなという判断ではなかったか。
パンデミックで大勢の人が死ぬ可能性よりも、彼らには全人代をいかに成功させるかのほうが大切だったのだろう。1月下旬に当時の武漢市長が「私は(中央から)許可を得た後でなければ情報を開示できない」と語って驚かせたが、おそらく北京の最高幹部から公にしないように指示が出されていたと思われる。
そして1月19日、WHOのテドロス事務局長が「人から人への感染リスクは少ない」と発表して、世界中を安心させてしまった。
その翌日、習近平は「真剣に受け止めなければならない」と初めてパブリックコメントを出し、ウイルスは人から人へ感染させることを認めたが、すでにこの時点で中国国内では 3000人以上の感染者がでていた。
春節を契機に世界中に広まった
1月23日、ついに武漢は封鎖されたが、それ以外の人の移動が禁じられたわけではなかった。こうして春節を利用した何千万という中国人が世界に散っていくのである。
そして1月には、日本だけで97万人の中国人観光客がやってきた。結果的に彼らは日本中にウイルスをばらまいたというわけである。
この系統図では、日本でサンプリングしたゲノムが出てくるのは1月23 日。まさしく春節に入る直前だった。まだ他国の出来事のように思っていた日本人の間で、静かに感染が広がっていたのである。
系統図から、1月中に各国でウイルスがサンプリングされた日を時系列に並べてみると、1月8日にタイ、1月13日タイとネパール→19日アメリカ→22日オーストラリア→23日フランス→25日台湾およびカナダ→27日カンボジアおよびインド→28日ドイツ→29日イタリア→30日韓国と広がり、春節をきっかけにしてウイルスが全世界にばらまかれたことがわかる。
2月6日、台湾が素早く中国人の入国を全面禁止したのは、中国が公表したデータを信じていなかったからだろう。北朝鮮は中国と似た国だから、本能的になにか隠しているとわかったのか、1月24日という早い段階で中国との国境を閉鎖している。
もし中国が、パンデミックの可能性を理解した1月13日、世界に向けて公表していたら、これほどのパンデミックにはなっていなかったし、少なくとも25万人(5月5日)もの命が奪われなくてすんだはずなのだ。
奥野 修司
●コロナ「武漢研究所起源」説、米情報当局が異例の調査確認
By Warren P. Strobel
2020 年 5 月 1 日 02:52 JST
【ワシントン】米情報当局は、新型コロナウイルスが中国・武漢の研究所から流出し、パンデミック(世界的大流行)につながった可能性を巡り、調査を行っていることを公式に確認した。これは米情報当局が出す声明としては異例のものだ。
●新型コロナ「武漢研究所起源はありえる」WHO顧問、中国に抗議しなかったWHOを疑問視
飯塚真紀子 | 在米ジャーナリスト
5/4(月) 11:08
WHO諮問委員は、新型コロナが事故で武漢研究所から流出した可能性を指摘。(写真:ロイター/アフロ)
新型コロナの“武漢研究所起源”疑惑について議論が続く中、米ポンペオ国務長官が、米ABCテレビの”This Week”で発言した。
「新型コロナが武漢の研究所に由来するという大きな証拠がある」
先日、トランプ氏も新型コロナが中国の研究所から発生した証拠を確認したと豪語していたが、それをバックアップした格好となった。
ちなみにポンペオ氏は、新型コロナが人工ウイルスであるとまでは言及せず、“ウイルスは遺伝子操作されたり、人工的に作られたりしたものではない”と結論づけた米国家情報長官室(ODNI)の報告に同意した。
「情報機関の報告を見た。彼らの報告が間違いであるとは考えられない」
米情報機関が、武漢研究所から何らかの事故で新型コロナが流出した可能性も調査していることを考えると、ポンペオ氏は事故による流出に関する大きな証拠を掴んだのだろうか? しかし、ポンペオ氏はその大きな証拠が何であるかは明らかにしなかった。
ちなみに、米紙ワシントン・ポストが入手した、在中国米国大使館の外交官が米政府に2年前に送った外交公電に、武漢研究所の安全運営上の問題が指摘されていたことも、“事故による新型コロナ流出説”に信ぴょう性を与えていた。
WHO顧問は事故流出の可能性を指摘
一方、WHO(世界保健機関)は武漢研究所起源については一貫して否定、同機関のマイケル・ライアン氏も「配列を調査した多くの研究者に何度も確認した。我々はこのウイルスが自然起源によるものだと確信している」と述べて、武漢研究所起源説を改めて否定している。
しかし、WHOの顧問の中からは、武漢研究所から事故で新型コロナが流出した可能性はあるとの声も上がっている。
「ヒトゲノム編集に関するWHO国際諮問委員会」のメンバーの1人であるジェイミー・メツル氏が、「ナショナル・レビュー誌」のインタビューに対し、こんな発言をしたのだ。
「中国での感染爆発を見た場合、動物からヒトへのウイルスのジャンプは、武漢や湖北省ではなく、広東省南部か雲南省で起きる傾向がある。武漢研究所は中国にある、ただ1つのレベル4のウイルス研究所で、武漢にあり、危険なコロナウイルスの研究を行なっている。危険なウイルスを研究している中国の研究所があり、そのウイルスと非常に類似したウイルスがその研究所のすぐそば(海鮮市場は研究所から9マイルのところにある)から出たことを考えると、論理的に考えて(武漢研究所が起源であると)推論してもおかしくないだろう」
WHOは中国に抗議することができたのに
メツル氏は1月から武漢研究所起源の可能性はあると考えていたとし、
「WHOは、12月終わりから1月初めにかけて中国から出された情報に対し、もっと懐疑的になることができたのではないか」
と話している。
メツル氏は、中国の新型コロナ対応を一貫して高評価してきたWHOの中国寄りな姿勢にも疑問を感じていたようだ。
自身のウェブサイトで、「中国は、過去にバイオ・セキュリティー上の問題があった」と述べ、
「武漢研究所からの事故による新型コロナ流出の可能性を含め、何が感染の起源であったとしても、危険で現在も進行している中国の情報抑圧活動がこの危機の下地となっている。感染発生初期の重要な時期に、中国がWHOの専門家の武漢訪問を拒否した時、WHOはそれに抗議することができたのではないか(WHOの調査チームはすぐには武漢訪問ができなかった)。WHOは中国のプロパガンダをオウム返しに繰り返す必要はなかった。WHOは、もっと早くから(新型コロナ危機の)警告を発することができただろうに」
とWHOの対応の遅れにも疑問を投げかけている。
政府の研究資金打ち切り
メツル氏はまた、トランプ政権の新型コロナ対応に対しても批判的で、
「リーダーシップの点でアメリカ史上でも最大の失敗をした。トランプ政権は(感染症専門家の)警告を聞き入れなかったり、検査体制を台無しにしたりしただけでなく、トランプ氏は国民に間違った情報をぶちまけ、コロナ危機を否定していた」
と話している。
ところで、前記事で、米国立衛生研究所から武漢研究所に370万ドルの研究資金が流れていたとするメディアの指摘を紹介したが、トランプ政権は、この研究資金を武漢研究所に送っていたと目されている伝染病研究機関「エコヘルス・アライアンス」への研究資金を突然打ち切ってしまった。
それにしても、トランプ政権は、武漢研究所に立ち入ることなく新型コロナの起源を立証するのは難しいと言われる中で、いったいどんな証拠を得たというのか?
新型コロナ危機への対応が批判されているトランプ氏は、秋の大統領選で苦戦することが予想されている。「証拠あり」と豪語した背景には、中国という米共和党が歴史的に敵視してきた国に矛先を向けることで、政権の求心力を高めようとする狙いもあるのかもしれない。
米国家情報長官室は事故流出説について、果たしてどんな評価を下すのか? 結果報告が待たれる。
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【新型コロナ】公電が示す“武漢研究所起源説”の信憑性 研究所には米政府の金が流れていた
飯塚真紀子
在米ジャーナリスト
大分県生まれ。早稲田大学教育学部英語英文科卒業。出版社にて編集記者を務めた後、渡米。ロサンゼルスを拠点に、政治、経済、社会問題、トレンドなどをテーマに、様々な雑誌に寄稿している。ノーム・チョムスキー、ロバート・シラー、ジェームズ・ワトソン、ジャレド・ダイアモンド、エズラ・ヴォーゲルなど多数の知識人にインタビュー。著書に『9・11の標的をつくった男 天才と差別ー建築家ミノル・ヤマサキの生涯』(講談社刊)、『そしてぼくは銃口を向けた」』、『銃弾の向こう側』、『ある日本人ゲイの告白』(草思社刊)、訳書に『封印された「放射能」の恐怖 フクシマ事故で何人がガンになるのか』(講談社 )がある。
●【新型コロナ】公電が示す“武漢研究所起源説”の信憑性 研究所には米政府の金が流れていた
飯塚真紀子 | 在米ジャーナリスト
4/19(日) 9:38
コロナ研究を行なっている武漢研究所。写真:www.thesun.ie
新型コロナウイルスは武漢研究所が発生源。
科学者たちが“トンデモ説”と言って否定してきた新型コロナの“武漢研究所起源説”が、今、にわかに信憑性を帯び始めている。
武漢研究所とは「中国科学院武漢ウイルス研究所」のことで、ここでは、危険性が最も高い、バイオセイフティーレベル4のウイルスや病原体が研究されており、コロナウイルス研究の中心的な研究所としても知られている。
この研究所で感染した科学者が“感染者第1号”となって、地域に感染を広めたという“武漢研究所起源説”は“新型コロナ生物兵器説”とともに、“トンデモ説”として、科学者たちに否定されているが、今、トランプ政権は、この説の検証を進めている。
2年前の公電の中で、武漢研究所の安全運営上の問題が指摘されていることがわかったからだ。
一方、検証を進めているトランプ政権にとっては、好ましくない情報も流れている。英米メディアが、武漢研究所のコロナウイルスの研究に、米政府が莫大な研究資金を援助していたことを報じているからだ。
つまり、もし、この研究所から新型コロナが流出していたことが証明された場合、新型コロナの感染拡大には、間接的ではあるが、米政府も関与していたということになる。米の議員は、米国民の税金が中国の危険な研究に使われた可能性があるとして、怒りの声をあげている。
安全運営が不十分な研究所
武漢研究所の安全運営の問題について報じたのは、4月14日付のワシントン・ポスト電子版だ。
2年前、北京のアメリカ大使館の外交官が、武漢研究所を数度訪問、その際、研究所の安全性に問題があることに気づかされた外交官は、米政府に「コウモリのコロナウイルスに関する危険な研究を行なっている研究所の安全性が不十分である」と警告する公電を2回送っていたという。
2018年1月19日付の公電は、
「この研究所には、高度に密閉された研究室の安全運営に必要な、訓練された技術者や調査員が非常に不足している」
と安全運営の問題を指摘。
さらに、公電は、コウモリ由来のコロナウイルスは人に伝染して疾病を引き起こし、将来、コロナウイルスによる感染爆発が起きる可能性も指摘している。
「最も重要なのは、研究者が、SARSのようなコロナウイルスは、ACE2という人の受容体と結びつくことを示したことだ。これは、コウモリ由来のSARSのようなコロナウイルスが人に伝染し、SARSのような疾病を引き起こすことを示唆している。公衆衛生の観点から、コウモリが持っているSARSのようなコロナウイルスの調査と、将来発生するコロナウイルスの感染爆発の防止に重要なアニマルーヒト・インターフェイスの研究を継続して行う必要がある」
トランプ政権の国家安全保障担当の高官らは、武漢研究所から新型コロナが流出した可能性と、新型コロナが人工的に開発された生物兵器であるという可能性を考えていた。しかし、後者の可能性はゲノム解析の結果、人工的に作られたものではないとわかり、否定された。
そして、2ヶ月前から、2年前のこの公電がトランプ政権内を駆け巡り始め、安全運営に問題があったと指摘されていた武漢研究所から新型コロナが流出した可能性が議論され始めたという。
米政府は研究資金を援助
では、どうやって新型コロナは流出したのか?
英紙デイリーメールは、新型コロナを含んだ血を浴びた武漢研究所の科学者が感染者第1号となり、その科学者が地域に感染が広めた可能性があると報じている。
公電はまた、コウモリのコロナウイルス研究は重要かつ危険であることから、米政府は武漢研究所を支援するよう訴えているが、実際、米政府は研究所に研究資金を援助をしていたと英米のメディアは指摘している。
英デイリーメールが入手した書類によると、アメリカは武漢研究所のコロナウイルス研究に370万ドルの資金援助を行なっていたという。
武漢研究所は、研究所から1千マイル以上離れた雲南省の洞窟に住むコウモリをコロナウイルスの実験に使っていたが、同紙によれば、その実験には、米国立衛生研究所(NIH)が出した370万ドルの研究資金が投じられていたというのだ。
また、フォックスニュースも、武漢研究所は、米国立衛生研究所から710万ドル相当の研究資金を得ていたと報じている。うち、370万ドルが前述のコウモリのコロナウイルス研究に関する研究資金で、340万ドルがウイルスをねずみの脳に注入する研究資金だったという。
ちなみに、中国は、コロナウイルス研究を通して、中国はアメリカ並みかアメリカ以上に、コロナウイルスの発見に取り組んでいることを示したかったようだ。
新型コロナの感染爆発を警告していた
また、武漢研究所の主任研究員で「コウモリ女」というニックネームを持つジェンリー・シー氏は、1年前に発表した論文で、コウモリに由来するSARSのようなコロナウイルスの感染爆発が中国で起きることを、以下のように警告していたという。
「将来起きるSARSやMERSのようなコロナウイルスによる感染爆発はコウモリに由来する可能性が非常に高い。そして、感染爆発は中国で起きる可能性が高まっている」
アメリカ人の死は中国の責任
米政府の資金援助で行われたコロナウイルス研究の過程で新型コロナが流出し、感染が世界に拡大した可能性があることに対し、アメリカの議員たちは怒りを抑えきれない。
「米国立衛生研究所は370万ドルの研究資金を武漢研究所に提供し、研究所はそのお金でコロナウイルスの研究者を募集、その後に、武漢で新型コロナ感染が発生した。アメリカ政府が何年間も、武漢研究所の危険で残酷な動物実験に資金提供を行い、それが、新型コロナ感染の世界拡大を引き起こした可能性があることを知り、むかついている」(共和党下院議員のマット・ガエズ氏)
「アメリカ人が死んでいるのは中国共産党政府の責任であることに疑いの余地はない。彼らは、新型コロナの起源を隠蔽することで、アメリカ人の命を危険にさらしている。米国立衛生研究所はすぐにアメリカ人の税金を中国の危険な研究に投じるのをやめなければならない」(共和党上院議員のマーサ・マクサリー氏)
ところで、武漢研究所に資金提供していたのはアメリカだけではなかった。
カナダも、直近では、先月、この研究所に資金提供していたことを、カナダのレベルニュースが伝えている。カナダの研究機関は、3月初め、新型コロナと闘うための研究開発資金を同研究所に提供すると発表したという。
海鮮市場起源はおかしい
信憑性を帯びてきた、武漢研究所起源説。
しかし、武漢研究所も中国政府も感染爆発は研究所とは無関係と主張しており、多くの専門家も関係性を否定している。
一方で、新型コロナが武漢の海鮮市場に由来するという中国政府の主張はおかしいという指摘もある。
ランセットに出された中国人研究者の論文によると、昨年12月1日に確認された最初の感染者や、最初の感染者集団の3分の1以上の人々は海鮮市場と繋がりがなく、また、市場ではコウモリが売られていなかったからだ。
また、中国政府は新型コロナの感染源に関する情報を完全に封じ込め、アメリカ人専門家に、初期の患者から採取した新型コロナの検体をまだ提供していないという。
1月11日に新型コロナのゲノムを発表した上海の研究所はすぐに閉鎖され、医者や初期に感染拡大を報じたジャーナリストは姿を消してしまったとも言われている。
新型コロナは武漢研究所発なのか?
トランプ政権がこの研究所から新型コロナが流出したという証拠を突き止めるのは難しいという声もあるが、今後の行方が注目されるところだ。
飯塚真紀子
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大分県生まれ。早稲田大学教育学部英語英文科卒業。出版社にて編集記者を務めた後、渡米。ロサンゼルスを拠点に、政治、経済、社会問題、トレンドなどをテーマに、様々な雑誌に寄稿している。ノーム・チョムスキー、ロバート・シラー、ジェームズ・ワトソン、ジャレド・ダイアモンド、エズラ・ヴォーゲルなど多数の知識人にインタビュー。著書に『9・11の標的をつくった男 天才と差別ー建築家ミノル・ヤマサキの生涯』(講談社刊)、『そしてぼくは銃口を向けた」』、『銃弾の向こう側』、『ある日本人ゲイの告白』(草思社刊)、訳書に『封印された「放射能」の恐怖 フクシマ事故で何人がガンになるのか』(講談社 )がある。
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●2020/05/03(日) 23:16
新型コロナウィルスの発祥地とも言われている武漢。そんな中、ドナルドトランプ米大統領が武漢にある
研究所からウィルスが漏れたのではないかと指摘。その証拠もあるとしているが証拠は出せないとしている。
そんな中、武漢にあるウィルス研究所の研究員である石正麗(せきせいれい)が家族と共にフランスの
アメリカ大使館に亡命していたことがわかった。研究員は1000近くもの極秘書類を持って保護を要請。
保護された人は研究員の情報共有についてはフランスとアメリカで行われるようだ。
財産と資料ともに守られており、現在この研究員はオーストラリアに送られた。
石正麗は1990年から武漢ウィルス研究所で研究実習員助手として働いており、2000年以降は研究員に就任している。
この研究員が持ち出した資料から、新型コロナウィルスの発症が研究所だと判明したら、それこと中国はかなり危うくなるのではないだろうか。
そもそも中国はなんでこんな重要な人物の国外渡航(脱出)を許可したのかすら謎だ。
追記:2020年5月3日 17時00分
石正麗の亡命について中国のメッセージサービス、WeChatに否定する投稿が行われた。
WeChatには文章とともに9枚の写真が確認されたと中国の公式メディアであるグローバルタイムズは報じている。
今回の亡命に関する報道はTwitterだけでなくサウスチャイナモーニングポストをはじめとする世界中のメディアが既に報じており、
それを否定するかたちとなった。情報戦なのか本当に亡命しなかったのかは定かではない。
ただグローバルタイムズがどのようにWeChatの文章と画像を入手したのかは不明だ。
https://gogotsu.com/archives/56983
https://gogotsu.com/wp-content/uploads/2020/05/seki.jpg
新型コロナウィルスの発生源は武漢にある研究所だと中国の教授が公表 教授が行方不明になり論文も削除
https://gogotsu.com/archives/56218
●武漢研究所ウイルス流出疑惑、米情報機関が調査結果提出へ
2020.4.18 09:44
【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米大統領は17日の記者会見で、新型コロナウイルスが中国湖北省武漢市の中国科学院武漢ウイルス研究所から流出した疑いが強まっているとされる問題で、米政府として大規模な調査を進めていることを明らかにした。
FOXニュースは同日、米情報機関が同研究所および感染初期状況に関する情報を徹底的に収集して時系列的に分析し、事態の全容解明を図っていると報道。調査結果は近くホワイトハウスに提出され、トランプ氏らは内容を精査した上で中国にどのように責任を取らせるかについて判断を示すとしている。
報道によれば、米情報機関はウイルスに関し、生物兵器として人工的に作成された可能性を現時点で排除し、研究所内で取り扱われていた自然界に存在するウイルスが武漢市に流出したとの見方をとっている。
トランプ氏は、ウイルスが研究所から流出したかどうかについて、断定は避けつつ、一連の説は「理にかなっているように思われる」と述べ、支持する姿勢を示唆した。
●武漢市「ウイルス研究所」に“中国とフランスの闇”は暴かれるのか? 仏の全面的協力で完成した「P4実験室」が発生源の可能性
4/28(火) 16:56配信夕刊フジ
新型コロナウイルスをめぐる米中対立が激化するなか、欧州でも発生国・中国への不信感が強まっている。初動対応の失敗や隠蔽疑惑に加え、「マスク外交」を展開して自己正当化に利用しているのだ。こうしたなか、米国メディアが報じた湖北省武漢市の「ウイルス研究所」設立に協力したとされる、フランスの動向が注目されている。感染者約12万1300人、死者約2万2200人(25日、世界保健機関=WHO=調べ)という甚大な被害を受けた科学・文化大国は対中戦線に加わるのか。ノンフィクション作家、河添恵子氏の緊急寄稿第12弾−。
◇
「われわれが知らないことが起きているのは明らかだ」
フランスのエマニュエル・マクロン大統領は4月中旬、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)紙のインタビューでこう述べた。この表現には、同国ならではの「特別な事情」が含まれていそうだ。
武漢には、「中国科学院武漢病毒(ウイルス)研究所」が2カ所(武昌区と江夏区)存在する。米国などは「新型コロナウイルスの発生源の可能性がある」として、フランスの全面的協力で完成した「P4実験室」が備わる研究所(通称『新しいラボ』=江夏区)の査察を求めている。
フランス大統領府は一応、「現時点で、新型コロナウイルスの由来が『新しいラボ』であることを証明するものは何もない」との声明を発表している。
だが、ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)の中国語版などを読むと、識者による10数年の「中仏共同プロジェクト」の経緯とともに、「中国への強烈な不信感」をにじませる内容が噴出している。
中国とフランスが「中仏予防・伝染病の制御に関する協力」の枠組みを締結したのは、SARS(重症急性呼吸器症候群)が流行した翌年(2004年)。当時から、フランスの細菌戦争の専門家らは反対を唱えていたという。
なぜなら、01年9月の米中枢同時テロ後、米国で炭疽(たんそ)菌によるテロ事件が発生するなど、世界で生物兵器への警戒が強まっていた。フランスの国防国家安全保障事務総局(SGDSN)は、「『P4実験室』は将来、生物兵器庫に変容するのではないか」との懸念を抱いていたのだ。
フランス議会の総意ともほど遠いなか、ジャック・シラク大統領(当時)と、ジャン=ピエール・ラファラン首相(同)は「中仏共同プロジェクト」の合意へと突き進んだ。医療機器関連や製薬業界が後押しした、との話もある。そして、専門性の高い10数社のフランス企業が、武漢の「新しいラボ」の設計、技術支援に携わったという。
フランス人作家で雑誌記者のアントワーヌ・イザンバール氏は「P4実験室は、特定の部品のシーリングの点で、わが国の原子力潜水艦のそれに匹敵する」と説明する。
ただ、中国との共同プロジェクトを進めるうちに、フランス側は徐々に不信感を高めていったようだ。
「新しいラボ」は15年1月に完成するが、中仏共同プロジェクトの首席、アラン・メリュー氏は辞任した。メリュー氏はフランス・リヨン出身で、1963年にメリュー生物科学研究センターを設立した。工業規模のワクチン製造法を開発し、多数の人々にワクチン接種を行えるようにした功績などで世界的にも著名だ。
17年2月には、フランスのベルナール・カズヌーヴ首相(当時)と、保健大臣が「武漢P4実験室に、フランス人研究者50人を5年間送り込む」ことを発表した。実験室のバイオセーフティーレベルを向上させる、中仏共同研究プログラムの作成と実行を目指し、技術的な専門知識の提供を中国側に約束した。
ところが、フランス側の発信によると、現在に至るまで、フランスは十分に関与できていないという。それどころか、「16年以降、両国の感染症委員会の会合すらない」「フランスの研究者は武漢入りできない」との話まである。「両国で締結した内容、フランス側の意図に反して、武漢の『新しいラボ』は中国人の研究者で占められ、フランスの科学者による制御を逃れている」というのだ。
これらは、フランスの一部から噴出した「言い分」としても、フランス全体にとっては「言い訳」になりそうだ。
そのうえで、注目に値するのは、中国が18年、北京の人民大会堂で行った改革開放40周年を祝賀する式典で、外国人10人に送られた「中国改革友誼章」だ。大平正芳元首相や、パナソニックの創業者・松下幸之助氏らとともに、メリュー氏が選ばれていたのだ。
武漢のP4実験室は、習近平国家主席が14年3月に訪れたリヨンのP4実験室の技術と設備が導入されているが、メリュー家のビジネスは、中国においてますます発展型のようだ。
フランス政界の「黒幕」で、武漢の「新しいラボ」竣工(しゅんこう)へと突き進んだシラク氏は昨年9月に鬼籍に入った。もう1人は、07年に「フランスは売り手でも買い手でもなく、中国の戦略的パートナーだ」と語り、中国への技術移転に邁進(まいしん)し、「武漢P4」の認可を後押ししたニコラ・サルコジ元大統領という。
そして、中国側の「黒幕」は、江沢民元国家主席と、長男の江綿恒氏と噂される。この度のパンデミックにより“中仏の闇”は暴かれるのか?
■河添恵子(かわそえ・けいこ) ノンフィクション作家。1963年、千葉県生まれ。名古屋市立女子短期大学卒業後、86年より北京外国語学院、遼寧師範大学へ留学。著書・共著に『米中新冷戦の正体−脱中国で日本再生』(ワニブックス)、『世界はこれほど日本が好き』(祥伝社黄金文庫)、『覇権・監視国家−世界は「習近平中国」の崩壊を望んでいる』(ワック)など。
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夕刊フジ
●新型コロナウイルス、7年前すでに中国の洞窟で発見
2020/4/27(月) 20:08配信
朝鮮日報日本語版
(写真:朝鮮日報日本語版)
科学者らが2013年、中国の洞窟で新型コロナウイルス(Covid-19)の祖先と推定される新種のウイルスをすでに発見していた事実が明らかになった。
ウイルス専門の非営利機関「エコヘルス・アライアンス」のピーター・ダスザック代表は26日(現地時間)、CNNとのインタビューで「わが研究チームは1万5000羽を超えるコウモリのサンプルを採取し、約500種の新しいコロナウイルスを究明した」「このうち2013年に中国のある洞窟で発見したウイルスが(現在流行している)コロナウイルスの祖先だという可能性がある」と述べた。エコヘルス・アライアンスは人間や動物、環境を脅かす各種の感染症に対処するために1971年に設立された機関だ。2009年に米国国際開発庁(USAID)が資金を支援して発足した流行病防止プロジェクト「プレディクト(Predict)」に、カリフォルニア大学デイビス校、スミソニアン協会、野生動物保護協会などと共に参加している。プレディクトは過去10年間に31か国で活動し、このうちエコヘルス・アライアンスは20か国でウイルス究明作業を進めた。
エコヘルス・アライアンスは中国の南西部にある雲南省地域でコウモリの研究を集中的に行っている。ダスザック代表は「初めはSARS(重症急性呼吸器症候群)の起源を探し出すために中国で研究を始めたが、ほかに数百種の危険なウイルスがあることを把握し、それを突き止める研究へと方向転換した」と話した。
ダスザック代表によると、新型コロナウイルスの流行が始まったとき、武漢ウイルス研究所の石正麗研究員はまずエコヘルス・アライアンスが究明した新種のウイルス500種と比較したが、予想は的中した。ダスザックはCNNに対し「新しいコロナウイルスは2013年に雲南省の洞窟で採取したコウライキクガシラコウモリのウイルスのサンプルと96.2%一致した」として「遺伝子3.8%の差異を勘案すると、ヒトに伝染する際に中間宿主を介した可能性が高い」と述べた。CNNは「これは該当サンプルのウイルスが、パンデミックを引き起こした新型ウイルスの祖先か親戚という可能性があることを意味する」と伝えた。
ダスザック代表は「コロナウイルスがどこに由来しているのかを知ることは、変異(ウイルス)がどのようにして人間に伝染するのかを理解し、今後の発生を予防する上で役に立つだろう」とも述べた。同代表は「可能な限り早く、迅速に(中国に)行ってコロナウイルスが正確にはどこからやって来たのかを突き止めることに全ての努力を集中させたい」と話した。
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朝鮮日報日本語版
●著名キャスターの“反乱”で発覚! 中国人75%が「新型コロナは人工的ウイルス」 習政権の“世論操作”にも物議
2020.3.11 20:00
【断末魔の中国】
「新型コロナウイルスは、『(1)天然ウイルス 自然に感染』『(2)天然ウイルス 過失漏れ』『(3)人工ウイルス 過失漏れ』『(4)人工ウイルス 悪意ある拡散』のいずれだと思うか?」
新型肺炎(COVID19)の流行が世界へ拡大していた2月28日、ある著名な中国人がツイッター上で、このような世論調査を行った。
これに反応した、ツイッターを使用できる環境にある中国人ネットユーザーから、1日で1万人以上の回答を得た。
結果は、「人工ウイルス 過失漏れ」が51・1%、「人工ウイルス 悪意ある拡散」が23・8%、「天然ウイルス 過失漏れ」が13%、そして、12%と最も少なかったのが「天然ウイルス 自然に感染」だった。
この調査に答えた人たちの、実に約75%が、新型コロナウイルスについて「人工的なウイルス」と考えており、発生源は中国科学院武漢病毒研究所の「武漢P4研究室」だと推測しているようだ。SARS(重症急性呼吸器症候群)や、エボラ出血熱といった危険な病原体を研究するために指定された、中国で唯一の研究室である。
「個人の世論調査」という、思い切った行動をとったのは中国中央テレビ(CCTV)の著名なニュースキャスターだった崔永元氏である。詳細は省くが、さまざまなスキャンダルのなかで国営テレビ局を辞めて久しい。近年、中国のトップ女優、范冰冰(ファン・ビンビン)氏の巨額の脱税疑惑を暴露するなど、彼の名前が再浮上していた。
一方、習近平政権から絶大なる支持を得ている国家衛生健康委員会ハイレベル専門家グループのグループ長、鐘南山氏は2月下旬、「感染はまず中国で発生したが、ウイルス発生源が中国だとはかぎらない」と語り、「人民日報」などの官製メディアで発信され、国内外で物議を醸している。
反応のなかには、「中国政府が今、『米国が中国でウイルスを拡散した』とのプロパガンダを始めていることの一環だ」と指摘する有識者の声もある。すなわち、中国湖北省武漢市が感染源ではないかのような世論操作すら始めているのだ。
習国家主席の片棒を担いでいるのが、世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長である。「習主席のリーダーシップを他の国も見習うべきだ」と語るなど、「親中」姿勢を隠そうともしないテドロス氏は今月2日、新型コロナウイルスの感染拡大について、「WHOは韓国、イタリア、イラン、日本の情勢を最も懸念している」「過去24時間の感染件数の増加は、中国国外が国内の約9倍」などと指摘した。
日本の総感染者数は1000人を超えたが、大部分は英国船籍のクルーズ船「ダイヤモンドプリンセス号」の乗船者(約700人)なのだ。
さて、五輪開催国として日本政府がすべきことは、「中国からの入国制限」とともに、経済的ダメージなど国民への影響を最小限に食い止めるための財政出動ではないだろうか。
■河添恵子(かわそえ・けいこ) ノンフィクション作家。1963年、千葉県生まれ。名古屋市立女子短期大学卒業後、86年より北京外国語学院、遼寧師範大学へ留学。著書・共著に『米中新冷戦の正体−脱中国で日本再生』(ワニブックス)、『世界はこれほど日本が好き』(祥伝社黄金文庫)、『覇権・監視国家−世界は「習近平中国」の崩壊を望んでいる』(ワック)など。
●百田尚樹氏が指摘 新型コロナ“中国製造説”のもう一つの不安
4/19(日) 16:43配信東スポWeb
百田尚樹氏が指摘 新型コロナ“中国製造説”のもう一つの不安
百田尚樹氏
作家の百田尚樹氏(64)が19日、自身のツイッターを更新し、現在、フランスで大きな話題になっている、新型コロナウイルスが人工的に作られたものだとする説に触れた。
百田氏は作家・辻仁成氏の「エイズウイルスを発見し、2008年にノーベル生理学医学賞を受賞したリュック・モンタニエ博士が、新型コロナウイルスは人工的に作られたものだ、と発言し、今、フランスメディアは騒然となっています」というツイートを引用し「これ、本当だとしたら、どこの国が作ったのだ。それが明らかになれば、世界は許さないだろうね。あくまで、事実ならね」と投稿した。
その後、再びこの件に触れて「ノーベル賞(医学生理学賞)を受賞した医学博士が数学者と共に分析した結果、『新型コロナウイルスは人工ウイルスである』と断言したことは重い。もしこのウイルスが中国で作られたとしたら、世界は中国に対して怒りを表明するどころではなくなるだろう」とコメント。
さらに「新型コロナウイルスは中国が人工的に作ったものだとわかれば、世界は中国に対して厳しい経済制裁を開始するだろう。その時、私が心配するのは、日本が中国を助けないかということだ。日本にいる親中派の議員たちが猛烈に頑張ると思うが、果たしてそれを止められるか!」と私見を述べた。
フランス国内の報道では、ウイルス学者のリュック・モンタニエ博士(87)が新型コロナウイルスは中国が作ったものであり、武漢のウイルス研究所から事故で漏洩したものである可能性が高いと発表したという。
もともと中国が作ったという説はあったが、都市伝説のようなものと受け取られていた。しかし、今回はHIVの発見者で2008年にノーベル生理学・医学賞を授与されたモンタニエ博士の発言だけに、その重さが違うといえるが、果たして…。
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最終更新:4/19(日) 16:44
東スポWeb
●中国・武漢の研究所員がウイルス流出疑惑を否定→流出を否定できる具体的な証拠はあるのか?
米政府は追及姿勢
4/19(日) 13:57配信産経新聞
【北京=三塚聖平】新型コロナウイルスが中国湖北省武漢市の中国科学院武漢ウイルス研究所から流出したと米メディアで報じられていることについて、同研究所の袁志明(えんしめい)研究員は19日までに「このウイルスは絶対にわれわれのところから出たものではない」と中国国営メディアのインタビューで否定した。米政府は、この問題について真相を追及する姿勢を見せている。
インタビューは外国語放送の「中国環球電視網(CGTN)」が行った。袁氏は「研究所では退職者や学生、職員の誰も感染していない」と強調。その上で「われわれには厳格な管理制度がある」と主張した。
中国外務省の趙立堅(ちょうりつけん)報道官は16日の記者会見で「世界の多くの有名な医学専門家が、実験室から漏れたといった見解には科学的な根拠が全くないと考えている」と否定したが、詳細な反論は行わなかった。
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中国当局が関与!?新型コロナ「人工ウイルス」証拠論文が“消滅”
最終更新:4/19(日) 15:43
産経新聞
●中国当局が関与!?新型コロナ「人工ウイルス」証拠論文が“消滅” 超エリート教授が迫った「2つの研究所」と「ウイルス流出説」
2020.3.17
産経新聞
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習国家主席(新華社=共同)1/1枚ノンフィクション作家・河添恵子氏が緊急寄稿
<< 下に続く >>
中国発の新型コロナウイルスの感染拡大が、世界の脅威となっている。世界全体で感染者は15万人を超え、死者は6000人を上回った(共同通信、15日集計)。中国の習近平国家主席は、被害が深刻な韓国とイタリア、イランの各首脳に「心からの見舞い」を伝える電報を送ったというが、初動対応の遅れは「人類に対する罪」ではないのか。中国当局による情報操作や隠蔽疑惑への不信感も高まっている。こうしたなか、中国人の超エリート教授が「ウイルスの起源」に迫った英文リポートが注目されている。2月に英文で発表されたが、すぐ削除されたのだ。中国当局の関与も疑われている。ノンフィクション作家の河添恵子氏が迫った。
「習氏と私は、ウイルスがどこから来たのかを知っている」
ドナルド・トランプ米大統領は13日、ホワイトハウスで国家非常事態を宣言した記者会見でこう語り、周囲の笑いを誘った。
中国外務省の趙立堅報道官が前日、「米軍が(湖北省)武漢市に今回のウイルスを持ち込んだのかもしれない。米国はわれわれに説明すべきだ」とツイッターに書き込んだことへの、余裕のカウンターアタック(反撃)とみられる。
中国の挑発的な“責任転換”発言に対しては、デービッド・スティルウェル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)が13日、中国の崔天凱駐米大使を国務省に呼びつけて、厳重に抗議した。
共和党のジョシュア・ホーリー上院議員(ミズーリ州)も、「中国外務省の道化師が、ツイッターに『露骨なウソ』を書き込んだので、それに反論したところ、私をブロックしたことを喜んでお伝えする」とツイッターで発信したことも話題になった。
WHO(世界保健機関)がようやく、新型コロナウイルスの感染拡大を「パンデミック(世界的大流行)」と認めたことで、中国や習政権に対する風当たりが強まっている。
また、世界の科学者や専門家が少なからず、「天然ではなく人工の可能性」を示唆していることもあるのか、中国側は白々しく「米国が拡散した」「日本ウイルス」「イタリアウイルス」などと表現するなど、明らかにウイルスの“脱中国化”を進めようとしている。
これに対し、マイク・ポンペオ米国務長官は、以前から新型コロナウイルスを意図的に「武漢ウイルス」と呼ぶなど、中国の情報操作を許さず、「中国・武漢が発生源だ」と断言し続けてきた。
こうしたなか、カギを握る、あるリポートが注目されている。
科学者向けのグローバル情報共有プラットフォーム「リサーチゲート」に2月6日、中国の理系トップクラスの国立大学、華南理工大学(広東省広州市)の肖波涛教授と、武漢科技大学附属天佑医院に在籍し、科学調査も行う人物との連名で発表された「2019−nCoVコロナウイルスの可能な起源」という英文リポートだ。
肖氏は、生理学・生物物理や、医薬生物学、生物データ学、生化・分子生物学、微生物学が専門で、2011年から13年まで米ハーバード大学医学部ボストン小児病院に籍を置き、帰国後、17年まで武漢市の華中科技大学物理学院生物物理所の教授と副所長だった。
「武漢市疾病予防管理センターが協和病院に隣接している」の記述
私(河添)も入手した、リポートの一部を紹介しよう。
《(新型コロナウイルスはコウモリ由来とされるが)コウモリは武漢の海鮮市場では売買されていない。市場に飛んでくる可能性も非常に低い。他に感染経路はあるのか? われわれは、2つの研究所を特定した》
《第1の研究所は、海鮮市場から280メートル以内にある「武漢市疾病予防管理センター」。研究目的で動物を確保し、病原体収集と識別を専門にしていた。過去2年以内にコウモリを湖北省から155匹、浙江省から450匹調達している》
《第2の研究所は、海鮮市場から約12キロメートルのところにある「中国科学院武漢病毒研究所」。この研究所は、中国の馬蹄コウモリが、重度のSARS(重症急性呼吸器症候群)の大流行を2002年から03年に引き起こしたと報告している》
《誰かが、コロナウイルスの進化に関係していた》《ウイルスや、その誘導体が実験室から漏れる可能性はある》《ウイルスはおそらく、武漢の研究所で発生した》
もう一つ、このリポートで注目すべきは、《武漢市疾病予防管理センターは、医者らのグループが最初に感染した協和病院に隣接している》という部分である。
協和病院は今年1月中旬以降、医療関係者が「1人の肺炎患者を治療したところ、14人の医療従事者が同時感染した」「われわれの多くが感染しているはずだが、検査すらしてもらえない。われわれは隔離ではなく、軟禁状態にある」などとSNSで発信した“渦中の病院”なのだ。
肖氏らのリポートが正しければ、中国側の責任は重いとみられる。
ただ、「リサーチゲート」に掲載された肖氏らのリポートは削除されてしまった。しかも、肖氏らは現在、行方不明とされる。
中国では、昨年12月に「原因不明の肺炎発生」にいち早く警鐘を鳴らしながら、公安当局に「デマを広めた」と摘発され、今年2月に新型肺炎で亡くなった武漢市の男性医師、李文亮氏のようなケースがある。
肖氏のリポートは、より具体的であるため都合が悪かったのか…。おそらく、トランプ氏率いる米国は、全真相をつかんでいるはずだ。
■河添恵子(かわそえ・けいこ) ノンフィクション作家。1963年、千葉県生まれ。名古屋市立女子短期大学卒業後、86年より北京外国語学院、遼寧師範大学へ留学。著書・共著に『米中新冷戦の正体−脱中国で日本再生』(ワニブックス)、『世界はこれほど日本が好き』(祥伝社黄金文庫)、『覇権・監視国家−世界は「習近平中国」の崩壊を望んでいる』(ワック)など。
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●【解説】新型コロナの流出源? 武漢研究所を取り巻く疑惑
AFPBB News 2020/04/18 05:30
配布するマスクを紹介する有田市の望月良男市長=2020年4月17日、和歌山県有田市の市消防本部、滝沢貴大撮影市が1世帯にマスク50枚 地元企業寄付
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中国・武漢で、武漢ウイルス研究所の病原体レベル4(P4)実験室が入る建物(2020年4月17日撮影)。c Hector RETAMAL / AFP 中国・武漢で、武漢ウイルス研究所の病原体レベル4(P4)実験室が入る建物(2020年4月17日撮影)。
【AFP=時事】新型コロナウイルス流行の中心地となった中国・武漢(Wuhan)のはずれの山沿いに位置する「武漢ウイルス研究所(Wuhan Institute of Virology)」──。厳重な警備下に置かれたこの施設が新型ウイルスのパンデミック(世界的な大流行)の発生源だった可能性があるとの疑惑が今、米国で取り沙汰されている。
中国・武漢にある武漢ウイルス研究所の病原体レベル4(P4)実験室で作業を行う職員(2017年2月23日撮影)。c JOHANNES EISELE / AFP 中国・武漢にある武漢ウイルス研究所の病原体レベル4(P4)実験室で作業を行う職員(2017年2月23日撮影)。
以下に、同研究所をめぐる主な疑問をまとめた。
中国・武漢にある武漢ウイルス研究所の病原体レベル4(P4)実験室を視察した当時の仏首相、ベルナール・カズヌーブ氏(中央、2017年2月23日撮影)。c JOHANNES EISELE / AFP 中国・武漢にある武漢ウイルス研究所の病原体レベル4(P4)実験室を視察した当時の仏首相、ベルナール・カズヌーブ氏(中央、2017年2月23日撮影)。
■どのような施設なのか?
同研究所は中国典型培養物保蔵センター(CCTCC)の所在地。公式ウェブサイトによると、同センターはアジア最大のウイルス保管施設で、1500株以上を保管している。
同研究所では2015年、病原体レベル4(P4)を扱える最高水準の安全性を確保した実験室が完成し、2018年に稼働を開始。P4は人から人への感染の危険性が高いウイルスを指し、エボラウイルスなどが含まれる。
P4実験室の建設に当たっては、仏バイオ企業の創業者アラン・メリュー(Alain Merieux)氏が顧問を務めた。同研究所では病原体レベル3(P3)実験室も2012年に稼働を開始している。
中国・武漢にある武漢ウイルス研究所の病原体レベル4(P4)実験室で作業を行う職員(2017年2月23日撮影)。c JOHANNES EISELE / AFP 中国・武漢にある武漢ウイルス研究所の病原体レベル4(P4)実験室で作業を行う職員(2017年2月23日撮影)。
AFP記者が最近、同研究所を訪れたところ、内部に人の動きはみられなかった。
■新型ウイルスはここで発生したのか?
米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)とFOXニュース(Fox News)は匿名の情報筋の話として、新型ウイルスがこの研究所から誤って流出した可能性があると報じた。
中国・武漢で、武漢ウイルス研究所の病原体レベル4(P4)実験室が入る建物(中央奥、2020年4月17日撮影)。c Hector RETAMAL / AFP 中国・武漢で、武漢ウイルス研究所の病原体レベル4(P4)実験室が入る建物(中央奥、2020年4月17日撮影)。
ワシントン・ポスト紙が入手した外交公電からは、当局者らが特に重症急性呼吸器症候群(SARS)に類似したコウモリコロナウイルスの取り扱いをめぐる安全対策の不備に懸念を示していたことが明らかになった。
FOXニュースは、同施設で研究対象となっていたコウモリ由来のウイルス株に感染した人物が「0号患者」となり、そこからウイルスが武漢の住民に広まった可能性があると伝えた。
中国の科学者らは、新型コロナウイルスは武漢の野生動物市場で動物から人へと感染した可能性が高いとしているが、インターネット上では武漢ウイルス研究所が起源だとの疑惑をめぐるさまざまな陰謀説が拡散。ついには米政府もこの疑惑に言及し、当局がウイルスの出所をめぐり「徹底的な調査」を行っていることをマイク・ポンペオ(Mike Pompeo)国務長官が表明するに至った。
同研究所は17日、コメントを拒否したものの、今年2月にはうわさを否定する声明を出していた。また中国外務省の趙立堅(Zhao Lijian)報道官は17日、同研究所から新型コロナウイルスが流出したとの説を否定した。
中国・武漢にある武漢ウイルス研究所の病原体レベル4(P4)実験室で作業を行う職員(2017年2月23日撮影)。c JOHANNES EISELE / AFP 中国・武漢にある武漢ウイルス研究所の病原体レベル4(P4)実験室で作業を行う職員(2017年2月23日撮影)。
■新型ウイルスについて分かっていることは?
科学者らは、新型ウイルスの起源はコウモリだと考えており、そこからセンザンコウを媒介して人へと感染した可能性があるとみている。センザンコウは絶滅が危惧されているが、中国国内ではそのうろこが伝統薬の材料として違法に取引されている。
だが今年1月、英医学誌ランセット(Lancet)に発表された中国科学者チームの論文では、最初の感染者と、初期に感染が確認された41人のうちの13人が、ウイルス発生源とされる武漢の野生動物市場とはつながりがなかったことが明らかにされた。
中国・武漢で、武漢ウイルス研究所の病原体レベル4(P4)実験室が入る建物(中央、2020年4月17日撮影)。c Hector RETAMAL / AFP 中国・武漢で、武漢ウイルス研究所の病原体レベル4(P4)実験室が入る建物(中央、2020年4月17日撮影)。
中国を代表するコウモリコロナウイルス研究者の一人で、武漢ウイルス研究所P4実験室の副所長でもある石正麗(Shi Zhengli)氏は、新型コロナウイルスがコウモリ由来であることを初めて示した論文を出した研究チームの一員だ。
米科学雑誌サイエンティフィック・アメリカン(Scientific American)のインタビューに応じた石氏は、新型コロナウイルスのゲノム配列は自身の研究所がこれまでに収集・研究したコウモリコロナウイルスのいずれとも一致しなかったと述べた。
中国・武漢にある武漢ウイルス研究所の病原体レベル4(P4)実験室を視察した当時の仏首相、ベルナール・カズヌーブ氏(前列右、2017年2月23日撮影)。c JOHANNES EISELE / AFP 中国・武漢にある武漢ウイルス研究所の病原体レベル4(P4)実験室を視察した当時の仏首相、ベルナール・カズヌーブ氏(前列右、2017年2月23日撮影)。
英ロンドン大学キングスカレッジ(King's College London)のバイオセキュリティー研究者、フィリッパ・レンツォス(Filippa Lentzos)氏はAFPに対し、新型ウイルスが武漢の研究所から流出したとする説には今のところ証拠がないとする一方、野生動物市場が発生源だとする説にも「確固たる証拠はない」と指摘。「私にとって、パンデミックの起源は依然として未解決の疑問だ」と語った。
中国・武漢にある武漢ウイルス研究所の病原体レベル4(P4)実験室で作業を行う職員(2017年2月23日撮影)。c JOHANNES EISELE / AFP 中国・武漢にある武漢ウイルス研究所の病原体レベル4(P4)実験室で作業を行う職員(2017年2月23日撮影)。
【翻訳編集】AFPBB News
●米で武漢研究所への疑念浮上 新型コロナ発生源めぐり
2020年04月16日20時35分
新型コロナウイルスに感染し病院に収容される患者=1月18日、中国湖北省武漢市(EPA時事)
新型コロナウイルスに感染し病院に収容される患者=1月18日、中国湖北省武漢市(EPA時事)
【ワシントン時事】新型コロナウイルスをめぐり、中国湖北省武漢市の研究所で行われていたコウモリのコロナウイルス研究の危険性を指摘したり、「研究所が新型ウイルスの発生源」と指摘したりする米メディアの報道が相次いでいる。新型ウイルスは武漢市で最初に発生したが、中国側は発生源の特定を避けている。
新型コロナ再拡大に懸念 楽観ムード戒め―武漢封鎖解除
FOXテレビ(電子版)は15日、複数の関係筋の話として、新型コロナウイルスの起源は武漢市にある研究所だったと報じた。生物兵器として開発していたのではなく、中国のウイルス研究が米国と同等以上だと示すための取り組みだったという。関係筋は、ウイルスがコウモリから所員に感染し、それから武漢に広がったとの見方を示した。
トランプ大統領は15日の記者会見でこの報道について聞かれ、「それについては話したくない。この恐ろしい状況の徹底的な調査をしている」と述べるにとどめ、確認を避けた。
ワシントン・ポスト紙(同)も14日、米当局者が2018年1月に武漢のウイルス研究所を訪問した後、同研究所がコウモリのコロナウイルスに関する危険性の高い研究を行い、安全性の確保が十分でないと指摘する公電を送っていたと報じた。公電はこのウイルスが人間に感染し、重症急性呼吸器症候群(SARS)のような世界的流行を引き起こす危険性を警告していたという。
一方、ニューヨーク・タイムズ紙(同)は11日、トランプ政権内に「研究所発生源説」を唱える高官がいるが、米情報機関はその証拠を得ていないと指摘している。
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●新型コロナウイルス、研究所で作られた証拠ないとWHO=中国
→
それならば中国はウイルスが武漢のウイルス研究所で作られたものではないと言う証拠を示すべきだ
2020/04/16 19:17
新型コロナウイルス、研究所で作られた証拠ないとWHO=中国c Reuters/CARLOS GARCIA RAWLINS 新型コロナウイルス、研究所で作られた証拠ないとWHO=中国
[北京 16日 ロイター] - 中国外務省の趙立堅報道官は16日、新型コロナウイルスが研究所で作られた証拠はないと世界保健機関(WHO)が表明していると述べた。
トランプ米大統領は15日、ウイルスが湖北省武漢市のウイルス研究所から流出したものかどうかを米政府が調査中だと述べた。
趙報道官は定例会見で、トランプ氏の発言には直接触れず、「(WHOの当局者らが)ウイルスが研究所で作られたという証拠はないと何度も言っている」と述べた。
●中国「流行終息段階」の信用度と「人工的ウイルス」の可能性 BCG接種と新型コロナ死亡率には相関関係も
2020/4/14(火) 16:56配信夕刊フジ
中国「流行終息段階」の信用度と「人工的ウイルス」の可能性 BCG接種と新型コロナ死亡率には相関関係も
新型コロナウイルスについて語る杜祖健氏
中国発の新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めが利かない。米ジョンズ・ホプキンズ大学の集計によると、世界全体の感染者は12日、180万人を超え、死者も11万人を超えた。日本の感染者は同日、累計7378人(クルーズ船除く)、死者は計150人。こうしたなか、毒性学や生物兵器・化学兵器の世界的権威である、米コロラド州立大学名誉教授の杜祖健(アンソニー・トゥー)氏(89)を、ノンフィクション作家の河添恵子氏が緊急寄稿第10弾で再取材した。中国では国内流行が終息段階と伝えられるが、信用できるのか。「人工的ウイルス」の可能性は。結核を予防するBCG接種と新型コロナウイルス死亡率の相関関係などを、一気に聞いた。
「中国は自宅で亡くなった人を死者数に加えておらず、症状が軽い患者は退院させて、患者数を低く操作しているとも聞いている。習近平国家主席の側近が、発生地である湖北省武漢市に送り込まれたので、『患者が少なくなったのは、習氏の指導のおかげ』と宣伝したいのだろう」
杜氏はまず、こう語った。
米ブルームバーグ通信が今月初め、米情報機関が「中国政府は、新型コロナウイルスの感染者と死者を、実数よりも少ない虚偽の数字を公表している」という機密報告書をホワイトハウスに提出した−と報じたことを受けた感想だ。
杜氏は1930年に台北生まれ。台湾大学卒業後に渡米、スタンフォード大学やイエール大学で化学研究に従事し、コロラド州立大学教授に。天然毒が専門で、80年代にはソ連の生物兵器開発について、毒物のデータベース作成などで米政府に協力した。オウム真理教による一連のサリン事件で、サリンの分析方法を日本の警察当局に指導し、2009年に旭日中綬章を受章した。
先月初めに緊急来日した際、政府・与党関係者と接触したうえ、日本の複数メディアに登場して、新型コロナウイルスについて「世界(の専門家の間)では『人工的なウイルスだろう』という意見が多い」と発言して、注目された。
この発言に対して、異論・反論もあったが、杜氏は続ける。
「反論の根拠を聞くと、『ウイルスはいずれ自分の所にも戻ってくる。そんな危険なものを使うはずがない』といった希薄なものだった。だが、2001年の米中枢同時テロ後、米国では炭疽(たんそ)菌によるテロ事件が発生している。攻撃用として生物・化学兵器を準備している国は存在する。米国は『防御のため』に研究している。ウイルスが漏れたり、使用される可能性はある。先入観を排除して情報収集すべきだ」
海外では、結核予防のBCGワクチンが、新型コロナウイルス感染症の発症や重症化を防ぐ可能性が指摘され、オランダやオーストラリア、英国、ドイツなどで臨床治験が始まっている。
日本では0歳児を対象に定期接種が行われているが、米国やイタリアなどでは一律での接種を行っていない。新型コロナウイルスの死亡数とBCG接種国を色分けしたグラフを見ると、接種中止国などに死者数が多い。
杜氏は「(医学的な効果は不明だが)グラフを見る限り(BCG接種との)関係はあり得る」といい、「日本が他国と比べて感染者や死者の増加が遅いのは、衛生環境が優れていることが背景にあると思う」と述べた。
ちなみに、日本ワクチン学会も、BCG接種による効果は科学的に確認されていないとの見解を公表している。
米国では昨年10月以降、季節性インフルエンザで1万6000人が亡くなっている。そのため、一部では「実は、新型コロナウイルスだったのではないか?」との噂が出ている。
この件については、台湾初の医学博士となった杜氏の父、杜聡明博士を尊敬する日本在住の台湾人医師、林建良氏が次のように答えた。
「新型コロナウイルスが、季節性インフルエンザと明らかに異なる点は、肺に体液が一気に充満して、肺が溺れたような状態となって死に至ることだ。それから、肺だけなく、ほぼ全ての臓器にウイルスが入り込む可能性があること。SARS(重症急性呼吸器症候群)のようにウイルスが消えるかどうかは、現時点で誰にも分からない。ウイルスの抗体ができても、エイズのように体内から消えない可能性もある」
ともかく、「死のウイルス」には厳重警戒すべきだ。
■河添恵子(かわそえ・けいこ) ノンフィクション作家。1963年、千葉県生まれ。名古屋市立女子短期大学卒業後、86年より北京外国語学院、遼寧師範大学へ留学。著書・共著に『米中新冷戦の正体−脱中国で日本再生』(ワニブックス)、『世界はこれほど日本が好き』(祥伝社黄金文庫)、『覇権・監視国家−世界は「習近平中国」の崩壊を望んでいる』(ワック)など。
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最終更新:4/14(火) 19:43
夕刊フジ
●米当局、中国・武漢の研究に警鐘 コウモリのコロナウイルス
2020/4/15(水) 16:47配信共同通信
米当局、中国・武漢の研究に警鐘 コウモリのコロナウイルス
新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真(米国立アレルギー感染症研究所提供)
【ワシントン共同】米紙ワシントン・ポストは14日、米当局者が2018年に中国湖北省武漢市の中国科学院武漢ウイルス研究所を訪問後、同研究所が行っていたコウモリのコロナウイルス研究の危険性に警鐘を鳴らす公電を米国務省に送っていたと伝えた。新型コロナウイルスが同研究所から漏えいした証拠はないが、トランプ政権内でこの公電が再び注目を集めているという。
【写真】バンクシーも在宅勤務? 新作公表
同紙によると、在中国米大使館員らは18年1月に研究所を数回視察。公電には研究内容に関し「コウモリのコロナウイルスが人に感染し、SARSのような病気を引き起こす可能性を強く示唆している」と明記していたという。
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最終更新:4/16(木) 10:22
共同通信
●2020/04/15(水) 08:00
State Department cables warned of safety issues at Wuhan lab studying bat coronaviruses
Two years before the novel coronavirus pandemic upended the world, U.S. Embassy officials visited a Chinese research facility in the
city of Wuhan several times and sent two official warnings back to Washington about inadequate safety at the lab,
which was conducting risky studies on coronaviruses from bats.
2年前、米国大使館職員は武漢市の中国の研究施設を数回訪問し、コウモリからのコロナウイルスの危険な研究を行っていた中国の研究室について
安全性が不十分であり危険だと公式に警告をワシントンに送っていました。
ワシントンポスト 2020年4月14日午後7時
https://www.washingtonpost.com/opinions/2020/04/14/state-department-cables-warned-safety-issues-wuhan-lab-studying-bat-coronaviruses/
前
前
https://hayabusa9.5ch.net/test/read.cgi/news/1586876336/
●第240話 中国人告発動画「中国武漢P4研究所爆発真実を日本の方に伝えたいです」を検証する
中国武漢P4研究所爆発真実を日本の方に伝えたいです
457,294 回視聴•2020/02/20
MOTOYAMA チャンネル登録者数 1.84万人
https://youtu.be/VzNqd7B_gko
事故現場で埋められる中国の高速鉄道の車両
92,423 回視聴•2011/07/25
朝日新聞社 チャンネル登録者数 26.7万人
https://youtu.be/25Nf0xvZQTE
中国武漢P4研究所が爆発されたという情報ですが、本当なんでしょうか?
ちょっとまだ未確認なですが、すでにブログとかにアップされてる。
新幹線が事故ったら埋めてしまうお国柄ですから本当かもしれませんねえ。
武漢のP4研究所が爆破された疑い【新型コロナウイルス】
http://wonder-creatures.com/%E6%AD%A6%E6%BC%A2%E3%81%AEp4%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%89%80%E3%81%8C%E7%88%86%E7%A0%B4%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%E7%96%91%E3%81%84%E3%80%90%E6%96%B0%E5%9E%8B%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E3%82%A6%E3%82%A4/
武漢のP4研究所というのは、今回の新型コロナウイルスに深く関わってる、中国のバイオセーフティレベル4のウイルス研究所です。
武漢のP4研究所はウイルス研究においてはほぼ最高峰の研究所になり、「ヒトあるいは動物に生死に関わる程度の重篤な病気を起こし、容易にヒトからヒトへ直接・間接の感染を起こす。有効な治療法・予防法は確立されていない。多数存在する病原体の中でも毒性や感染性が最強クラスである。エボラウイルス・マールブルグウイルス・天然痘ウイルスなど」を扱う研究所になります。
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バイオセーフティーレベル(英: biosafety level, BSL)とは、細菌・ウイルスなどの微生物・病原体等を取り扱う実験室・施設の格付け。
呼称
例えば「レベル4」の実験室はよく BSL-4 と呼ばれる。かつては物理的封じ込め (Physical containment) と呼ばれ、P4 ともいわれていたが、P が "Pathogen"(病原体)や "Protection level"(防御レベル)の略などとされることもあって混乱が生じたため、現在ではバイオセーフティーレベルもしくは BSL の名称を用いるようになった[1]。
世界保健機関 (WHO) が制定した Laboratory biosafety manual[2](日本語訳:実験室生物安全指針[3])に基づき、各国で病原体の危険性に応じて4段階のリスクグループが定められており、それに応じた取り扱いレベル(バイオセーフティーレベル)が定められている。
リスクグループ
微生物・病原体などはその危険性に応じ、各国により次の4段階のリスクグループに分類される。
病原体などの危険性は地域の環境に左右されるため、病原体などのリスク分類は、地域ごとに定めることになっている ([2]p. 2)。日本では、厚生労働省所管の国立感染症研究所が、国立感染症研究所病原体等安全管理規定(第三版)[4]の別表2・別表3 (p. 19-36) において日本国独自のリストを作成した。特に別表3は感染症法の定める特定病原体などをリスク分類したものである。
グループ1
ヒトあるいは動物に病気を起こす可能性の低い微生物。
グループ2
ヒトあるいは動物に病気を起こすが、実験者およびその属する集団や家畜・環境に対して重大な災害を起こす可能性はほとんどない。実験室感染で重篤感染を起こしても、有効な治療法・予防法があり、感染の拡大も限られている。インフルエンザウイルスなど。
グループ3
ヒトあるいは動物に生死に関わる程度の重篤な病気を起こすが、有効な治療法・予防法がある。黄熱ウイルス・狂犬病ウイルスなど。
グループ4
ヒトあるいは動物に生死に関わる程度の重篤な病気を起こし、容易にヒトからヒトへ直接・間接の感染を起こす。有効な治療法・予防法は確立されていない。多数存在する病原体の中でも毒性や感染性が最強クラスである。エボラウイルス・マールブルグウイルス・天然痘ウイルスなど。
バイオセーフティーレベル 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%82%BB%E3%83%BC%E3%83%95%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%99%E3%83%AB
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一説によるとここが新型コロナウイルスの発生源で、ここから漏洩したとも言われていて、中国の人民解放軍の生物化学兵器部門最高責任者の女性少将が武漢ウイルス研究所に着任したというニュースもありました。
陳薇チェン・ウェイという名の54歳の「女性士官」のようです。
第236話 人民解放軍の生物化学兵器部門最高責任者の女性少将が武漢ウイルス研究所に着任、新型コロナウイルス肺炎対策は気分と自然免疫を上げて乗り切れ!
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881040030/episodes/1177354054894226881
中国の人民解放軍のこの女性少将の役割は、おそらく、武漢の新型コロナウイルス騒動の調査なんだろうけど、この研究所自体は江沢民派の牙城だと言われていて、今回の非常事態に乗じて習近平派が占領したとも言えます。
以前のここの所長は若い女性王延軼ワン・ヤンイ(1981 - )さんで、北京大学で学士号を取得した後、アメリカのコロラド大学で修士号を取得したエリート中のエリートです。
その後、武漢大学生命科学部の准教授にまで昇進した後、2012年3月、武漢ウイルス研究所に異動となり、2018年10月に所長に就任しています。
どうも武漢のP4研究所は上海閥・江沢民閥のバイオ利権の中核らしく、江綿恒(江沢民の息子)が武漢大学副校長にした舒紅兵の妻が武漢ウイルス研究所の39歳の若き女性所長・王延軼ワン・ヤンイです。
武漢のP4研究所の設立には中国の経験不足もあり、フランスの協力もあったようで、その後、研究は米国の研究者との共同研究もあったようです。
つまり、武漢のP4研究所はほとんど、欧米の技術を導入して作られた研究所で、中国の武漢の研究所でありながら、カナダや米国との繋がりが深いウイルス研究所とも言えます。
北京閥・習近平閥からすれば、是非、手に入れておきたい研究所である訳で、今回の中国武漢P4研究所爆発はデマの可能性が高いです。
もしくは、上海閥・江沢民閥の者が、何らかの問題発覚をおそれて爆破した可能性もなくはないです。
確かなことは、この上海閥・江沢民閥と北京閥・習近平閥の責任問題の権力闘争が行われていることです。
上海の医療関係がアメリカへ脱出武漢の現場について
161,518 回視聴•2020/02/29
MOTOYAMA チャンネル登録者数 1.84万人
みんな生きていく為です
https://youtu.be/kwFoFZG3INc
三月一日の最新動画ですが、上海の医療関係がアメリカへ脱出して、武漢の現場について語ってます。
武漢では中国の官僚のコネがないと治療を受けられない現状があるようです。
武漢の患者の名札には印があって、官僚の誰々の親戚とかでないと満足な治療が受けられない。
武漢からの脱出もお金があれば可能だそうで、上海の医療関係がアメリカへ脱出するのも仕方ないという話です。
中国共産党の幹部が台湾に脱出したという情報もありましたね。
【新型コロナ】「新型コロナと習近平のジレンマ」 - 武漢肺炎がついに首都北京を襲う ヤバイ日本の大企業/武漢肺炎ショック/二階ショック
126,305 回視聴 2020/02/29
藤井厳喜の『ワールド・フォーキャスト』 チャンネル登録者数 15.3万人
https://youtu.be/F1sdOPRFv54
この動画観てたんですが、WHOが武漢に調査団を送るそうですが、中国側としてはすでに証拠隠滅してるだろうという見方もあって、中国武漢P4研究所爆発は本当かも知れませんね。
全く中国は困ったものです。
#P4施設 #爆破 #人民解放軍
P4施設を人民解放軍が爆破!その後6機のヘリコプターが・・・【最後に爆破映像あり】 146,350 回視聴•2020/02/27に公開済み
葵栄治【知的好奇心追求系YouTuber】AoiProject!TV
チャンネル登録者数 3.34万人
P4施設を人民解放軍が爆破!
その後6機のヘリコプターが・・・
【最後に爆破映像あり】
https://youtu.be/0-DxaTcBiCE
中国武漢P4研究所の爆破映像が出てきましたが、本当がかどうかは定かではないですが、中国の方の勇気ある告発動画を疑って申し訳ない。
どうも日本でも中国共産党の工作員が活躍して動画やSNSの情報を消しているようです。
とはいえ、僕は状況から考えて、米国仕掛けた細菌戦だと思ってます。
9.11と状況が似ているし、米国お得意のショックドクトリンのような気がしてならないです。
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こういったリークは、習近平に衛生官僚たちが不満をもっていることが背景にあると考えるべきだろう。単純に責任のなすり合いとみる向きもあるが、もう少し穿ってみれば、高福はじめ中国体制内科学者の背後には江綿恒(江沢民の息子)の影がある。江綿恒は半導体物理の専門家として中国科学院副院長まで務めた人物だが、中国科学院在籍中には時の政権トップの父親の指示を受けて中国科学院上海生命科学研究所を設立するなど、中国科学院の組織改革を通じてバイオ分野の利権を上海閥・江沢民閥の手中に収めた立役者である。高福はその経歴から、こうした上海生命科学研究利権の一員とみられている。
今回の新型コロナ肺炎の発信地にある武漢ウイルス研究所の39歳の若き女性所長・王延軼の夫、舒紅兵(武漢大学副校長)も、江綿恒バイオ利権に連なる人物だとみられている。舒を武漢大学にねじ込んだのは江綿恒、その妻を通じて間接的武漢ウイルス研究所を軍の生物兵器研究の地盤としてコントロールさせていた、というまことしやかな噂もあった。
ちなみに「王延軼が実験動物を華南海鮮市場に横流ししていた」という告発が自称・武漢ウイルス研究所研究員の微信アカウントから発信されたことがあった。この研究員のアカウントはすぐに閉鎖され、研究所はこれをデマだと反論している。
そう考えてくるとネットでささやかれる「ウイルス漏洩説」は、習近平と江沢民派バイオ研究者・衛生官僚らの権力闘争が背景にあるとみる向きも出てくるわけだ。
中国、異例の全人代延期で“責任者”探しの泥沼へ 習近平が抑え切れなくなってきた政権批判の声
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/59407?page=4
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新型コロナウイルス肺炎関連、子宮頸がんワクチン薬害、放射能汚染、【あとがき】新型コロナウイルス肺炎の最新情報【目次】
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881040030/episodes/1177354054894186552
新型コロナウイルス記事が78,351アクセス、僕のnoteでよく読まれている記事ベスト110!という名の【目次】
(目次リンク製作中)
洗脳社会<マトリックス>の謎を解く〜科学も医学も迷信だった〜(坂崎文明) - カクヨム祝77万PV超えの人気エッセイ!? 真の科学と医学エッセイ!
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881040030
カクヨム、noteではじめる小説家、クリエーター生活(坂崎文明) - カクヨムnote、カクヨムを中心にWeb小説サイトの攻略法を考察しますhttps://kakuyomu.jp/works/1177354054880246141
小説家になるための戦略ノート(坂崎文明) - カクヨム
小説家になろうでユニーク44万人、98万PVを超える人気エッセイ!https://kakuyomu.jp/works/1177354054891063418
日本経済とサラリーマンの人生サバイバル戦略(坂崎文明) - カクヨム
サラリーマンのサバイバル戦略とかニュースを考察
https://kakuyomu.jp/works/1177354054891813216
薬害調査官 飛騨亜礼(坂崎文明) - カクヨム
厚生労働省秘密査察部、厚生労働省内部の不正を秘密裏に調査する部署であるhttps://kakuyomu.jp/works/1177354054886111161
●2020/2/25
新型ウイルス中国研究機関から流出?
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古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)
「古森義久の内外透視」
【まとめ】
・新型ウイルス、武漢の国立ウイルス研究機関から流出した疑い。
・中国研究の米人学者、NYの新聞に寄稿。
・ウイルスが人間への接触で同実験室から外部に流出した可能性有。
アメリカのベテラン中国研究学者が武漢市で発生した感染症の新型コロナウイルスは同市内にある国立のウイルス研究機関から流出した疑いが濃いという趣旨の論文を2月下旬、米国の新聞に発表した。中国政府はこの説を否定しているが、発生源についての具体的な情報を明らかにしてもいない。
1970年代から中国に頻繁に滞在して、各地方の人口動態や社会状況を研究してきたアメリカ人学者のスティーブン・モシャ―氏はニューヨークの有力新聞「ニューヨーク・ポスト」2月22日付に「異様拡散したコロナウイルスは中国のウイルス実験所から流出した公算が強い」と題する寄稿論文を発表した。
▲写真 スティーブン・モシャー(Steven W. Mosher)氏 出典:opulation Research Institute
同氏はこの論文で今回の新型コロナウイルスは武漢市内にある国立のウイルス研究実験機関の「国立生物安全実験室」(中国語での正式名称は中国科学院武漢国家生物安全実験室)から流出された確率が高い、と強調していた。
国立生物安全実験室は同じ武漢市内にある「中国科学院武漢ウイルス研究所」(中国の公式名称は中国科学院武漢病毒研究所)の付属機関で、ウイルスでも最も危険度の高いレベル4を扱う研究施設とされている。
新型コロナウイルスの流出や拡散についてはモシャ―氏は実験室での研究員が意図せずに衣服などにつけて外部へ流出したか、ウイルス感染の動物を外部に出したという可能性をあげていた。同氏はこの実験室からの流出説の根拠として以下の諸点をあげていた。
●中国政府の科学技術省が2月中旬に「新型コロナウイルスのような高度のウイルスを扱う微生物実験室の生物安全保障の強化に関する指令」を出した。これほど高度のウイルスを扱う研究機関は中国全土でもきわめて少なく、武漢の生物安全実験室はその一つである。
●人民解放軍の高度ウイルス使用の生物戦争の最高権威で細菌学者の陳薇少将が1月に武漢へ派遣された。陳少将は軍内部でこれまでSARS(重症急性呼吸器症候群)やエボラ熱、炭素病はじめコロナウイルスの研究しており、武漢の生物安全実験室との関係が深い。
●中国当局は武漢の海鮮物市場からコロナウイルスが発生したという説を流しているが、当初の感染者たちはいずれも同市場に足を踏み入れたことがなかった。同市場で売買されたコウモリが発生源という説もあるが、この市場では当時、コウモリは売られていなかった。
●センザンコウと呼ばれるアリクイが発生源ともいわれたが、当時の同市場ではセンザンコウも取引されていなかった。ヘビが感染媒体だという説も流れたが、ヘビは一般にコロナウイルスに感染することがない。
▲写真 センザンコウ 出典:U.S. Fish and Wildlife Service Headquarters
●残された可能性としてはこのコロナウイルスが生物安全実験室から流出した確率が高くなる。研究者が意図せずに衣服などにウイルスをつけて外部に出たか、あるいはウイルスに感染した実験動物を実験室内で処理せず、故意、あるいは不作為に外部に出した可能性も考えられる。またある種の動物は民間で高く売買されることがある。
以上のようなモシャー氏の主張する可能性に確証はないが、もし事実だった場合、今回の病原菌の広まりの意味が大きく異なり、中国の国家としてのあり方が根幹から問われることとなろう。
▲写真 閉鎖された武漢の海鮮市場 出典:Photo by システム12
この可能性はアメリカの戦略動向や米中関係の軍事動向に詳しいベテラン・ジャーナリストのビル・ガーツ記者により米紙ワシントン・タイムズ1月24日付でも大きく報道されていた。
この報道記事は「ウイルスに襲われた武漢には中国の生物戦争計画にかかわる二つの実験所がある」という見出しで、武漢市内で発生した新型ウイルス感染症が実は同市内の「武漢国家生物安全実験室」からもれたウイルスが原因である可能性があると述べていた。モシャー氏が指摘したのと同じ研究機関だった。
同実験室は2015年に建設が開始され、2017年に完成した毒性の強いウイルスの研究機関で、エボラ出血熱やニパウイルス感染症などのウイルスの研究にあたってきたという。同実験室は武漢市内でも中国当局が今回の新型コロナウイルスを最初に発見したとする海鮮市場から30キロほどの距離にある。
ガーツ記者は中国の生物(細菌)兵器に詳しいイスラエル軍事情報機関の専門家ダニー・ショハム氏から取材した結果として
(1)「武漢国家生物安全実験室」は中国人民解放軍の生物戦争のための兵器開発に関与していた
(2)同実験室は今回のコロナウイルスの研究にもかかわっていた可能性が高い
(3)同コロナウイルスが人間への接触で同実験室から外部に流出した可能性がある
――などと報じていた。
●中国・雲南省で急死の労働者から「ハンタウイルス」…2週間の潜伏期経て発熱・呼吸困難
2020/03/28 19:42
【北京=比嘉清太】中国雲南省臨滄市の保健当局は、今月23日に急死した労働者から、ネズミが媒介する病原体として知られるハンタウイルスが検出されたと発表した。
共産党機関紙・人民日報系の健康時報(電子版)などによると、感染者はバスで長距離を移動中に体調が悪くなり、急死した。バスにはほかに29人が乗っていたが、感染の広がりは確認されていないという。
国立感染症研究所によると、ハンタウイルスは2週間の潜伏期を経て発熱や呼吸困難を引き起こす。中国の有力ネットメディア「澎湃新聞」は専門家の見解として、かつては致死率が高かったが現在はワクチンがあり、早期に発見すれば治療が可能だと伝えた。
●中国の教授「コロナ、武漢市場近くの実験室から流出」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.02.17 10:0316 글자 작게
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中国だけで1660人以上の死亡者を出した新型コロナウイルス感染症(コロナ19)が中国実験室から流出した可能性を提起した論文を中国の学者が発表していた。
16日、明報や蘋果日報など香港メディアによると、中国広東省広州の華南理工大学生物科学と工程学院の肖波涛教授は今月6日にグローバル学術サイト「ResearchGate(リサーチゲート)に論文を発表した。論文は新型コロナがコウモリから中間宿主を経て人に伝染した可能性よりも、湖北省武漢の実験室2カ所から流出した可能性を提起した。肖教授は武漢ウイルス研究所よりも武漢疾病予防管理センターが震源地である可能性が高いとみられると主張した。武漢ウイルス研究所は新型コロナが集中的に検出された華南水産市場から12キロメートル程度離れているのに対し、武漢疾病対策予防管理センターはわずか280メートルの距離にあるためだ。
肖教授は実験室からの流出とみている理由について、新型コロナの天然宿主である「キクガシラコウモリ」は武漢から900キロメートル離れた雲南省・浙江省などに棲息していて、食用としては特に使われていない点を挙げた。また、武漢市政府の報告書や武漢市民の証言を総合すると、華南水産市場でこのようなコウモリは扱われていなかったという。
反面、武漢疾病予防管理センターは2017年と2019年、実験用に多くのコウモリを捕まえた。2017年には湖北省・浙江省などで約600匹のコウモリを捕まえたが、この中には重症急性呼吸器症候群(SARS)ウイルスを持つキクガシラコウモリも含まれていた。当時、同センターの研究員は、勤務中にコウモリに噛まれたり尿をかけられたりしたと話した。同センターはコウモリの細胞組織を分離させてDNAとRNA配列などの研究を行ったが、ここで出た汚染されたゴミがウイルスの温床になったというのが肖教授の主張だ。
初期に新型コロナに感染した患者が訪れた場所として知られている協和がん病院は武漢疾病対策センターとは通り一つを挟んだところにあったと論文は伝えた。こうした中、科学技術部の呉遠彬局長は15日、「実験室でウイルスを研究する際に安全にさらに注意を傾ける内容の指導意見を発表した」と明らかにした。現在、肖教授とは連絡が取れず、該当論文はサイトから削除された状態だ。
共産党の理論紙「求是」は、習近平首席が先月7日の政治局常務委員会会議でウイルス事態を予防・統制するために努力するよう指示したと16日、公開した。今回の公開で習主席が新型コロナを初期に把握していただけでなく、対処の指揮さえしていたと認めるようなもので、習主席の対応失敗責任論が強まっているとニューヨーク・タイムズ(NYT)は報じた。
一方、台湾で新型コロナの感染によって初めて死亡者が出たと中国現地メディアが16日、伝えた。この患者はB型肝炎と糖尿にも罹患していた。中国本土を除く地域で死亡者が出てきたのはこれで5例目となる。
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●2020/3/19
科学者向けのグローバル情報共有プラットフォーム「リサーチゲート」に2月6日、中国の理系トップクラスの国立大学、華南理工大学(広東省広州市)の肖波涛教授と、武漢科技大学附属天佑医院に在籍し、科学調査も行う人物との連名で発表された「2019−nCoVコロナウイルスの可能な起源」という英文リポートだ。
肖氏は、生理学・生物物理や、医薬生物学、生物データ学、生化・分子生物学、微生物学が専門で、2011年から13年まで米ハーバード大学医学部ボストン小児病院に籍を置き、帰国後、17年まで武漢市の華中科技大学物理学院生物物理所の教授と副所長だった。
「武漢市疾病予防管理センターが協和病院に隣接している」の記述
私(河添)も入手した、リポートの一部を紹介しよう。
《(新型コロナウイルスはコウモリ由来とされるが)コウモリは武漢の海鮮市場では売買されていない。市場に飛んでくる可能性も非常に低い。他に感染経路はあるのか? われわれは、2つの研究所を特定した》
《第1の研究所は、海鮮市場から280メートル以内にある「武漢市疾病予防管理センター」。研究目的で動物を確保し、病原体収集と識別を専門にしていた。過去2年以内にコウモリを湖北省から155匹、浙江省から450匹調達している》
《第2の研究所は、海鮮市場から約12キロメートルのところにある「中国科学院武漢病毒研究所」。この研究所は、中国の馬蹄コウモリが、重度のSARS(重症急性呼吸器症候群)の大流行を2002年から03年に引き起こしたと報告している》
《誰かが、コロナウイルスの進化に関係していた》《ウイルスや、その誘導体が実験室から漏れる可能性はある》《ウイルスはおそらく、武漢の研究所で発生した》
もう一つ、このリポートで注目すべきは、《武漢市疾病予防管理センターは、医者らのグループが最初に感染した協和病院に隣接している》という部分である。
協和病院は今年1月中旬以降、医療関係者が「1人の肺炎患者を治療したところ、14人の医療従事者が同時感染した」「われわれの多くが感染しているはずだが、検査すらしてもらえない。われわれは隔離ではなく、軟禁状態にある」などとSNSで発信した“渦中の病院”なのだ。
肖氏らのリポートが正しければ、中国側の責任は重いとみられる。
ただ、「リサーチゲート」に掲載された肖氏らのリポートは削除されてしまった。しかも、肖氏らは現在、行方不明とされる。
中国では、昨年12月に「原因不明の肺炎発生」にいち早く警鐘を鳴らしながら、公安当局に「デマを広めた」と摘発され、今年2月に新型肺炎で亡くなった武漢市の男性医師、李文亮氏のようなケースがある。
肖氏のリポートは、より具体的であるため都合が悪かったのか…。おそらく、トランプ氏率いる米国は、全真相をつかんでいるはずだ。
■河添恵子(かわそえ・けいこ) ノンフィクション作家。1963年、千葉県生まれ。名古屋市立女子短期大学卒業後、86年より北京外国語学院、遼寧師範大学へ留学。著書・共著に『米中新冷戦の正体−脱中国で日本再生』(ワニブックス)、『世界はこれほど日本が好き』(祥伝社黄金文庫)、『覇権・監視国家−世界は「習近平中国」の崩壊を望んでいる』(ワック)など。
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新型コロナウイルスは、石正麗チームがエイズウイルスと合成か。
2020年2月22日2020年3月15日
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日本のテレビでは偏向報道だらけなので情報が拾えない。
衝撃
ネットでいろいろな情報を探すしかないのだが、藤井厳喜氏と林建良氏(りん けんりょう)のYoutubeで、以前からも噂になっていた新型コロナウイルスは、「武漢ウイルス研究所の石正麗(せきしょうれい)」がエイズウイルスと合成して作成したものとコメントした。
※厳密にいうとHIV(ヒト免疫不全ウイルス)の通称をエイズウイルスと言うようです。ややこしいですね。
正直、最初は映画の見過ぎ…的な感じで見たが…検証はできていないにせよ、全てが繋がる感じがした。
※林建良氏の発言を引用して書いていますが、真実かの検証はこれからだと思われます。
※偶然にエイズウイルスとの配列と似ているだけと言う証言もあります。
※生物兵器説は弱いかもしれません。研究所からの流出説が強くなったか?
いずれにしよ、噂の段階です。
石正麗の学会論文に。
コロナウイルスは王冠のような突起が存在していて、その突起が人間と結合すれば感染する仕組みで、もともと、コウモリの中にいたコロナウイルスは人間と結合できなかった状態だった。
インドとイスラエルの、遺伝子配列を研究する専門家からも、表面にある4つのタンパク質が自然界には存在しえない配列を持っており、SARSにエイズウイルスが合成されているものだと指摘をしている。
エイズウイルスの治療薬が効いたのはそのための可能性も…。
患者の状態も、コロナよりエイズに近い症状が出ていると…。
2015年の論文に石正麗が「SARSウイルスとコウモリウイルスを組み合わせることによって、最初に、ヒトの気道に感染する新しいタイプのコロナウイルスを作成したと」掲載されている。
実は、今年1月下旬に中国共産党の公式軍事ページの西陸網で「人工的に作成したもので、武漢ウイルス研究所の石正麗研究員とそのチームがコロナウイルスを生成し、流出させた」と記事が掲載され、新コロナウイルスが、人工的に作られてたものであることを認めていた。※後日削除された。
1/24日の、ワシントンポストでも、間違いなく武漢のP4研究所で作成流出したものと断言できるとも専門家が語っている。他にもハーバード大学の教授は間違いなく細菌兵器だと語っている。
日本のWHOの元専門家等は、そんなことはありえない、自国民を窮地になんて追い込む馬鹿は居ない的な事を言っていたが、ずさんな管理の中国で実験動物を裏取引で売買したなんてことは日常茶飯事だそうで、故意では無いにしろ、十分あり得る事です。
岩田健太郎教授が中国にはアメリカのCDCみたいな組織があると褒めちぎってましたが、形だけの張子の虎では残念なだけだ。
2020.2.27のJBpressで気になる記事が出ています。
異例の公表、中国軍で新型コロナが大規模感染か
異例の公表、中国軍で新型コロナが大規模感染か 空軍にも海軍にも感染者、試される中
異例の公表、中国軍で新型コロナが大規模感染か 空軍にも海軍にも感染者、試される中
新型肺炎は相手を選ばない。泣く子も黙る解放軍内にも感染が広がっている気配がある。護衛艦や国産空母 ...
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/59502
肯定、否定の両方が専門家では言われており、ロシアはアメリカの生物兵器だと言われている。ただ、武漢研究所でコロナウイルスを研究していたのは間違いなさそうですね。
以下抜粋(全文はJPressの記事をご覧ください)
きわめて早かった解放軍の動き
解放軍としては当初、バイオテロ対策級の危機感をもって初期対応に動いていた可能性もある。それを見たからこそ、米国も1月29日、武漢から米国人を脱出させた米政府のチャーター機をカリフォルニア州の空軍基地におろし、機内消毒にあたった米CDC(疾病対策センター)の検査官が生物化学兵器対応の防護服を着用していたのだろう。
「生物兵器」説と「実験室から漏洩」の可能性
彼らはこの新型コロナウイルスの変異が人為的なものではなく自然変異によるものだという大量の証拠がある(中略)
生物兵器かどうかは別として、実験室からヒューマンエラーで漏洩したウイルスの可能性は、いまのところ明確に否定できる根拠はない。(中略)
コロナウイルスの実験は、最も危険な病原体を扱えるBSL(バイオセーフティレベル)4ではなく、BSL2の基準で行われていたという説もある。
解放軍が危険視していた新型コロナウイルス
27人の感染したウイルスの同一の起源が10月1日にさかのぼることを突き止めている。
(中略)
エボラや炭疽菌といったウイルスではなく「新型コロナウイルス」に対する防疫訓練星としていたことに、なにやら疑いをもつ人たちも少なくないわけだが、まさか本物のコロナウイルスを使って訓練したわけではあるまい。ただSARSのような「新型コロナウイルス」に関する研究が、軍内ではそれだけ重視され、解放軍にとって訓練対象にするくらい危険なウイルスだという認識だったともいえる。
●著名キャスターの“反乱”で発覚! 中国人75%が「新型コロナは人工的ウイルス」 習政権の“世論操作”にも物議
2020/3/11(水) 16:56配信夕刊フジ
【断末魔の中国】
「新型コロナウイルスは、『(1)天然ウイルス 自然に感染』『(2)天然ウイルス 過失漏れ』『(3)人工ウイルス 過失漏れ』『(4)人工ウイルス 悪意ある拡散』のいずれだと思うか?」
新型肺炎(COVID19)の流行が世界へ拡大していた2月28日、ある著名な中国人がツイッター上で、このような世論調査を行った。
これに反応した、ツイッターを使用できる環境にある中国人ネットユーザーから、1日で1万人以上の回答を得た。
結果は、「人工ウイルス 過失漏れ」が51・1%、「人工ウイルス 悪意ある拡散」が23・8%、「天然ウイルス 過失漏れ」が13%、そして、12%と最も少なかったのが「天然ウイルス 自然に感染」だった。
この調査に答えた人たちの、実に約75%が、新型コロナウイルスについて「人工的なウイルス」と考えており、発生源は中国科学院武漢病毒研究所の「武漢P4研究室」だと推測しているようだ。SARS(重症急性呼吸器症候群)や、エボラ出血熱といった危険な病原体を研究するために指定された、中国で唯一の研究室である。
「個人の世論調査」という、思い切った行動をとったのは中国中央テレビ(CCTV)の著名なニュースキャスターだった崔永元氏である。詳細は省くが、さまざまなスキャンダルのなかで国営テレビ局を辞めて久しい。近年、中国のトップ女優、范冰冰(ファン・ビンビン)氏の巨額の脱税疑惑を暴露するなど、彼の名前が再浮上していた。
一方、習近平政権から絶大なる支持を得ている国家衛生健康委員会ハイレベル専門家グループのグループ長、鐘南山氏は2月下旬、「感染はまず中国で発生したが、ウイルス発生源が中国だとはかぎらない」と語り、「人民日報」などの官製メディアで発信され、国内外で物議を醸している。
反応のなかには、「中国政府が今、『米国が中国でウイルスを拡散した』とのプロパガンダを始めていることの一環だ」と指摘する有識者の声もある。すなわち、中国湖北省武漢市が感染源ではないかのような世論操作すら始めているのだ。
習国家主席の片棒を担いでいるのが、世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長である。「習主席のリーダーシップを他の国も見習うべきだ」と語るなど、「親中」姿勢を隠そうともしないテドロス氏は今月2日、新型コロナウイルスの感染拡大について、「WHOは韓国、イタリア、イラン、日本の情勢を最も懸念している」「過去24時間の感染件数の増加は、中国国外が国内の約9倍」などと指摘した。
日本の総感染者数は1000人を超えたが、大部分は英国船籍のクルーズ船「ダイヤモンドプリンセス号」の乗船者(約700人)なのだ。
さて、五輪開催国として日本政府がすべきことは、「中国からの入国制限」とともに、経済的ダメージなど国民への影響を最小限に食い止めるための財政出動ではないだろうか。
■河添恵子(かわそえ・けいこ) ノンフィクション作家。1963年、千葉県生まれ。名古屋市立女子短期大学卒業後、86年より北京外国語学院、遼寧師範大学へ留学。著書・共著に『米中新冷戦の正体−脱中国で日本再生』(ワニブックス)、『世界はこれほど日本が好き』(祥伝社黄金文庫)、『覇権・監視国家−世界は「習近平中国」の崩壊を望んでいる』(ワック)など。
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最終更新:3/11(水) 20:13
夕刊フジ
●中国、新型コロナ巡る米批判に反発 「米軍が持ち込んだ可能性も」
2020/3/13(金) 2:39配信ロイター
中国、新型コロナ巡る米批判に反発 「米軍が持ち込んだ可能性も」
中国外務省の報道官は12日、米軍が湖北省武漢に新型コロナウイルスを持ち込んだ可能性があると発言した。証拠は示していない。バージニア州アーリントンで2018年11月撮影(2020年 ロイター/Yuri Gripas)
[北京 12日 ロイター] - 中国外務省の報道官は12日、米軍が湖北省武漢に新型コロナウイルスを持ち込んだ可能性があると発言した。証拠は示していない。
複数の米政府高官が最近、中国の新型コロナ対応のスピードや透明性を巡り批判していることに中国側は反発しており、言葉の応酬が続いている。
外務省の趙立堅報道官はツイッターへの投稿で「米国でペイシェントゼロ(感染源)確認はいつなのか?何人が感染しているのか?病院はどこなのか?米軍が新型コロナの流行を武漢に持ち込んだのかもしれない。データを公表し、透明性を向上させるべきだ。米国は中国に説明する義務がある!」と述べた。
前日にはオブライエン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が前日、中国が新型コロナに適切に対応しなかったため、世界は感染拡大に対する準備を整えるための2カ月を失ったと述べた。
中国外務省の耿爽報道官はこの日、新型コロナの世界流行が中国による対応の責任とする米政府高官らの発言を「道義に反し、無責任」と批判。「複数の米高官らは中国に責任をなすりつけるのではなく、新型コロナ対応に全エネルギーを注ぎ、協調を促進することを望む」と述べた。
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最終更新:3/13(金) 2:39
ロイター
●ウイルスはエアロゾルの風にのって〜(06)
12
racoco
2020/02/24 09:47
新型コロナ、武漢「美人すぎる39歳の研究所長」が握る発生の謎
やはり何らかの「事故」があったのでは 近藤 大介 記事 2020/2/18
「石正麗」氏と真っ向対立する王延軼(ワン・イエンイー)所長、その話題がいま沸騰している。まるで古代中国覇権政権奪取の筋書きでも読んでいるような錯覚すら感じた。単刀直入にいってこれは歴史的権力闘争顛末記か。
39歳の美人所長・王延軼氏。王延軼(ワン・イエンイー)所長は、2004年に北京大学生命科学学院を卒業、2006年に米コロラド大学で修士号を取得。帰国して2010年、武漢大学で博士号を取得した。取得後すぐに武漢大学副教授となった。2012年に武漢病毒研究所に入り、病理研究センター副主任を経て、2018年に37歳の若さで、所長に就任した。
武漢「美人すぎる39歳の研究所長」が握る発生の謎
いまや日本も中国も、新型コロナウイルスのニュース一色の感があるが、それと一見関係なさそうで、実は大いにあるかもしれない中国の話から始めたい。
先月3日、新型コロナウイルスの震源地である湖北省武漢市から2183kmも北上した吉林省松原市の中級人民法院(地方裁判所)で、「2015年第15号」と呼ばれる汚職事件の裁判の判決が出た。それは、李寧(リー・ニン)被告(57歳)に12年の実刑、及び罰金300万元(約4700万円)、かつ賄賂として得たすべてのものを国庫に上納させるという厳しい判決だった。
李寧被告は、中国の農業部門の最高学府である北京の中国農業大学の教授だった。私の友人に、中国農業大学の卒業生がいるが、確認したらクローン研究の第一線に立つスター教授だったという。
クローン研究の第一人者だった李寧被告
この判決文は、計20ページもある長文で、日本人の私からすれば、「まさか!」と思うようなことが縷々書き連ねられている。それらを簡述すると、以下の通りだ。
〈 被告人:李寧、男、1962年7月9日江西省信豊県生まれ、漢族、博士、中国工程院院士、中国農業大学教授、中国農業大学生物技術国家重点実験室主任、北京済普霖生物技術株式会社社長、北京市海淀区在住。2014年6月21日に逮捕し、吉林省拘置所に拘置中。
罪状:李寧被告は2008年7月から2012年2月の期間、課題の研究の中で科学研究費を使って、実験用の豚と牛を購入した。李寧被告は課題研究の実験を終えた豚、牛、牛乳を、不法に処理した。その過程で、1017万9201.86元(約1億6000万円)を個人の銀行口座に振り込ませた。
かつ、研究費の残額2559万1919元(約4億円)を着服していた。また、人件費621万2248.51元(約9800万円)を虚偽申告していた。
これらも含めて、李寧被告は部下の張磊研究員と共に、職務上の権限を利用して、国有財産3756万6488.55元(約5億9000万円)を着服した。これは中華人民共和国刑法第382条、第383条の規定に抵触し、汚職の罪で刑事責任を負うべきである。かつこの共同犯罪において、李寧被告が主導的な役割を担っており、主犯として処罰されるべきである。
本訴は、2015年4月10日に起訴され、同日に吉林省松原市人民法院が受理した。2015年8月20日、21日、及び2019年12月30日に公開の審理を裁判所にて行い、結審した 〉
この判決の日、杜岩裁判長は、異例とも言えるメディアとの一問一答を許可した。正確に言えば、実際には行っていない「メディアとの一問一答」という形式で、判決文の正しさを主張したいために補足説明を発表したのである。これは中国人民銀行などでも使われている手法だ。
杜裁判長は、その中で罪状について、こう述べている。
「李寧の汚職は3つのものを含んでいる。第一に、実験後の動物や牛乳を売って利益を得ていたこと。第二に、本人及び他人名義で課題研究費を着服していたこと。第三に、本人及び他人名義で人件費を着服していたことだ。
その中で、李寧は本人名義の課題研究費を着服していた以外に、虚偽の領収書を223枚も切っていた。それによって他人名義の科学研究費2092万元(約3億3000万円)を着服していた。これは全体の82%にあたる。検察機関はそれらの書証を調べ上げ、証人の証言を取り、共犯者の供述と照らし合わせ、証拠を確定させていったのだ」
この1月3日に判決が出された刑事事件が、いま中国で、にわかに注目を集めている。それは、農業部門における中国の最高学府である中国農業大学でさえ、「実験を終えた豚や牛、牛乳を、密かに業者に売り渡していた」という事実が明らかになったからだ。業者はそれらを素知らぬ顔で市場へ持って行き、市場では他の豚や牛、牛乳と一緒に売られていたに違いない。
これと同じことが、新型コロナウイルスの発生源と言われる湖北省武漢の華南海鮮市場でも行われていたのではないか――そんな疑念が、中国のインターネットやSNS上で飛び交っているのである。
「武漢病毒研究所」が怪しい
中国のネットやSNS上で飛び交う情報というのは、中国当局が指摘するように「流言飛語」の類も一部にはある。例えば私は「安倍晋三が突然死した」「金正恩が逮捕された」といった「ニュース速報」を見たこともある。
だが、後で振り返ると真実だったというニュースも少なくない。特に、新型コロナウイルスに関しては、中国全土で現在、「戦い」が続けられている最中であり、かつ多くの中国人が自宅待機を余儀なくされている。そのため、「伝えられていない正しい情報」を知ると、それを拡散させようとする傾向が強い。その結果、それらを一刻も早く削除しようとする中国当局との壮絶なイタチごっこが続いている。
そんな中、いまネットやSNS上で疑惑の目が向けられているのは、「中国科学院武漢病毒研究所」である。新型コロナウイルスの発生源とされる華南海鮮市場から、わずか15.8qしか離れていない。
中国科学院武漢病毒研究所のホームページによれば、いまの中国が建国されて7年後の1956年に創設された。中国で初めてのP4(国際的な生物安全の最高クラス)生物実験室を備えている中国最高峰の病毒学の研究所である。
研究所内には、分子病毒学病理研究センター、分析微生物学ナノ生物学研究センター、微生物菌毒種資源応用センター、新型伝染病研究センター、それに2018年11月に中国科学院、国家衛生健康委員会、湖北省人民政府が共同で創設した中国科学院生物安全大科学研究センターがある。
また、国家衛生健康委員会が指定した「国家級保存センター」として、微生物菌毒種保存センター、国家アフリカ豚コレラ実験室、病原生物学生物安全重点実験室などを備えている。合わせて34の研究学科グループがあり、325人の研究者が研究に従事している。
この巨大組織を率いているのは、39歳の美人所長・王延軼氏である。
中国のネット上で話題になっている「美人すぎる武漢病毒研究所長」
王延軼(ワン・イエンイー)所長は、2004年に北京大学生命科学学院を卒業、2006年に米コロラド大学で修士号を取得。帰国して2010年、武漢大学で博士号を取得した。取得後すぐに武漢大学副教授となった。2012年に武漢病毒研究所に入り、病理研究センター副主任を経て、2018年に37歳の若さで、所長に就任した。
王所長は今年の正月、武漢病毒研究所のホームページで、次のような新年の辞を述べている。
〈 2019年、武漢病毒研究所は、重要な責務に勇気を持って挑み、担当してきました。生物安全大科学研究センターの活動は、重要な進展を見せました。同センターの第1回理事会第1次会議を北京で開き、国家衛生健康委員会、湖北省政府、中国科学院の3者が共通認識を持ち、生物安全国家実験室の建設を推進していくことになったのです。
湖北省の肖菊華副省長(注:昨年9月に湖北省副省長に抜擢された時、やはり53歳の美人副省長として話題になった)も武漢病毒研究所を視察し、同センターの建設を全力で支持すると述べました。(以下は割愛)
本訴は、2015年4月10日に起訴され、同日に吉林省松原市人民法院が受理した。2015年8月20日、21日、及び2019年12月30日に公開の審理を裁判所にて行い、結審した 〉
この判決の日、杜岩裁判長は、異例とも言えるメディアとの一問一答を許可した。正確に言えば、実際には行っていない「メディアとの一問一答」という形式で、判決文の正しさを主張したいために補足説明を発表したのである。これは中国人民銀行などでも使われている手法だ。
記事 現代ビジネス講談社 引用
新型コロナ、武漢「美人すぎる39歳の研究所長」が握る発生の謎(近藤 大介) @gendai_biz
いまや日本も中国も、新型コロナウイルスのニュース一色の感があるが、それと一見関係なさそうで、実は大いにあるかもしれない中国
gendai.ismedia.jp
日本で起きた「STAP細胞」疑惑は2014年1月は、いまだに決着に至っていない。
STAP細胞
2014年1月に小保方晴子(理化学研究所)と笹井芳樹(理化学研究所)らが、チャールズ・バカンティ(ハーバード・メディカルスクール)や若山照彦(山梨大学)と共同で発見したとして論文2本を学術雑誌ネイチャー(1月30日付)に発表した。発表直後には、生物学の常識をくつがえす大発見とされ、小保方が若い女性研究者であることもあって、世間から大いに注目された。STAP細胞は小保方氏だけでなく、笹井芳樹氏(理化学研究所、自殺)、若山照彦氏(山梨大学)らとの共同研究だ。
●新型コロナウイルス「生物兵器論」は本当なのか
専門家見解「人工で製造することは不可能」
財新編集部
2020/02/12 5:10
不安心理から真偽不明の情報も多数飛び交っている(写真:新華社/アフロ)
「新型コロナウイルスは人間が造った生物化学兵器だ」という言説が、中国の内外で広まり始めている。中国の独立系メディア「財新」の取材班は、疑惑の根拠とされる論文や国内外の専門家を独自に取材。生物兵器説の真偽を検証している。
「陰謀論者は科学を信じません。私は国の専門機関が調査を行い、私たちの潔白を証明してくれることを望んでいます」。中国科学院武漢ウイルス研究所の女性研究員である石正麗は、2月4日、財新記者の取材に返信してこう述べた。「私自身の言葉には説得力がありません。私は他人の考えや言論をコントロールすることはできないのです」
本記事は『財新』の提供記事です
石正麗は、中国科学院の新興および劇症ウイルスとバイオセーフティーの重点実験施設の主任や武漢ウイルス研究所新興感染症研究センターの主任、河北省科学技術庁「2019新型肺炎救急科学技術難関攻略研究プロジェクト」救急難関攻略専門家グループのグループ長を務めている。
新型コロナウイルス肺炎の感染拡大が厳しい状況を迎える中で、彼女の所属する実験施設が新型コロナウイルスの発生源ではないか、という「疑惑」の渦中へと巻き込まれた。
「新型コロナウイルスは人間が造った生物化学兵器だ」「新型コロナウイルスは武漢ウイルス研究所の実験施設から流出したものだ」……。新型コロナウイルスの感染が爆発的に拡大して以降、新型コロナウイルスと中国科学院が武漢に持つウイルス研究所との間に関連があるとソーシャルメディアで発信する人が後を絶たない。
公開されている資料によれば、中国科学院が武漢に持つウイルス研究所は中国で唯一のバイオセーフティーレベルP4の実験施設を有している。石正麗は当該実験施設の副主任であり、バイオセーフティーレベルP3の実験施設の主任だ。
P4とは国際基準で危険度が最も高い病原体を扱えるバイオセーフティーレベル(BSL)の最高防護レベルを表し、高度に危険な研究やいまなおワクチンや治療方法が知られていない病原体を専門的に扱う研究施設で用いられる。
なぜ武漢に集中して新型ウイルスが拡散しているのか
噂は人々の心の中に疑惑を植え付け、想像をかき立てた。例えば、なぜ武漢に集中して新型ウイルスが拡散しているのか。なぜウイルスを人に伝えた病原体、つまり中間媒介に当たる宿主が見つからないのか。ウイルスのもともとの宿主はコウモリであり、そして石正麗の実験施設はまさにコウモリに関するウイルス研究における学術的な権威なのだ。
石正麗のチームはかつて2017年に、SARS(重症急性呼吸器症候群)ウイルスがいくつかのコウモリを起源とする、SARS型コロナウイルスが変異したものであることを突き止めた。
新型コロナウイルスの感染が爆発的に拡大して以降、石正麗のチームは1月23日に、生物学論文のプレプリント・プラットフォーム(注:論文原稿を査読の前にいち早く公開するためのサーバー)であるbioRxivで、「新型コロナウイルスの発見とそれがコウモリを起源とする可能性について」という研究論文を発表した。
その研究の中で、新型コロナウイルスと2003年のSARSウイルス(SARS-CoV)のDNA配列の一致率は79.5%、雲南キクガシラコウモリに存在するRaTG13コロナウイルスとの一致率は96%に達していることが明らかにされており、コウモリが新型コロナウイルスの起源である可能性が示されている。
この研究はすでに実験レベルにおいて新型コロナウイルスとSARSウイルスの関連性を証明しており、またその起源がコウモリである可能性を示している。この論文は査読を終えた後の2月3日、国際的なトップレベルの学術ジャーナル誌『ネイチャー』で発表された。
新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちら(画像をクリックすると週刊東洋経済プラス緊急リポートのページにジャンプします)
外部からの疑惑と非難に直面した石正麗は、2月2日、微信(WeChat)のモーメンツで怒りに燃えて次のように反応した。「2019年の新型コロナウイルスは大自然が人類の愚かな生活習慣に与えた罰だ。私、石正麗は自分の命をかけて保証する。実験施設とは関係がない。不良メディアのデマを信じて拡散する人、インドの科学者の信頼できないいわゆる学術的な分析を信じる人にご忠告申し上げる。お前たちの臭い口を閉じろ」と。
その後、石正麗は財新記者に対して、専門的な問題を専門家ではない人々とは議論したくないと説明し、「話が通じない」「無益で、時間の浪費だ」と語った。彼女はまた「私があなたに言えるのは、私たちが合法的にルールにのっとって実験活動を行ってきたということです」と述べた。
ソーシャルメディアにおける疑惑の声
最も早く石正麗の実験施設と新型コロナウイルスとを関連づけた言説の1つは、1月下旬のものだ。中国中央電視台(CCTV)で2018年に、武漢ウイルス研究所が主導する科学技術チームがコウモリに起源を持つ新型コロナウイルスの一種(SADS-CoV)を発見した、と報道されていたのをある人物が見つけ、新型コロナウイルス(2019-nCoV)との関連性があるのではないかと臆測した。
実際には、2018年に発見されたのは「豚急性下痢症コロナウイルス」で、新型コロナウイルスとは分類学上異なる種類のウイルスだ。二者のDNA配列の相似率は50%であり、そこには大きな隔たりがある。
それに続いて、別の人物が国際医学誌の『Nature Medicine』で2015年11月9日に発表された石正麗が関与している研究論文を見つけた。当該研究論文は中国馬蹄コウモリで見つかったSARSに似たコロナウイルスの一種(SHC014-CoV)が疾病を引き起こす可能性に関するもので、研究者はSARSの遺伝子をリバースジェネティクス(逆遺伝学)の手法を活用して一種のキメラ・ウイルスを生成ならびに同定した。
簡単に言えば、このキメラ・ウイルスはSHC014の表面タンパク質とSARSウイルスの骨格によって構成されている。キメラ・ウイルスは人体の呼吸器細胞に感染できたので、人体細胞のキーとなるレセプターと結合して感染するのに必要な仕組みを、SHC014の表面タンパク質が備えていることが証明された。
キメラ・ウイルスはネズミの疾病を引き起こしたが、死に至らしめることはなかった。研究論文では、コウモリの間で現在流行しているウイルスがSARS-CoV(SARSウイルス)の感染拡大を再び引き起こす潜在的なリスクについて述べられている。
指摘する必要がある点は、この論文には全部で15名の執筆者がいることだ。執筆者たちはそれぞれアメリカのノースカロライナ大学、アーカンソー州やジェファーソン市の食品薬物管理局国家毒物学研究センターなどに所属しており、そのうちの2名が中国科学院武漢ウイルス研究所の研究者である葛行義と石正麗なのだ。
執筆者の中で、葛行義は偽型実験を担当し、石正麗はSHC014の棘突起タンパク質のDNA配列とプラスミドを提供している。実験の計画と実施はどちらもノースカロライナ大学チャペルヒル校の実験施設で進められた。
疑問を呈する人々はこの研究を根拠として、新型コロナウイルスが4年前の実験によって改変されたウイルスであり、実験施設から流出したという可能性について論じている。
彼らはまた、『ネイチャー』の経験豊富な記者デクラン・バトラー(Declan Butler)が2015年に書いた記事や、パスツール(Pasteur)研究所のウイルス学者ウェイン・ホブソン(Simon Wain-Hobson)がかつて述べた「もしウイルスが流出したなら、その拡散する経路は誰にも予測できないだろう」という言葉を引き合いに出している。
その後、この都合よく背景と前後の因果関係を切り取られた情報は、ソーシャルメディア上で広められた。石正麗と彼女のチームを「実名で通報」したり、直接顔を合わせて問いただしたりする人々さえいた。ここで述べておかなければならないのは、それらの疑惑を呈した人々はいずれもウイルス関連分野の専門家ではなかったということだ。
財新記者は『ネイチャー』のバトラー記者が書いた上記の記事を調べてみた。実際には、バトラー記者の記事は中立的な立場で、彼は異なる2つの見方を両方とも引用しており、「機能獲得性研究」が引き起こした議論について詳述している。
ウイルスの「機能獲得性研究」とは、実験施設の中で病原体が持つ毒性や拡散の容易性を増強するか、またはウイルスの宿主の範囲を拡大し、ウイルスの特性を研究し、新しい伝染病として評価する研究手法を指す。
バトラー記者の記事によれば、ある専門家はこの種の研究に反対している。例えば、ウェイン・ホブソンがそうした実験に反対する理由は、この種の研究には何ら有益な点がなく、コウモリの体内に潜む野生のSHC014ウイルスが人間にもたらすいかなるリスクをも明らかにするものではないと考えているからだ。
アメリカのラトガース大学に所属する分子生物学者であり、ワクスマン微生物研究所の実験施設主任でもあるリチャード・エブライト(Richard Ebright)は、「この種のプロジェクトのもたらす唯一の成果は、実験施設の中で新しい非自然的なリスクを作り出すことだ」と考えている。ウェイン・ホブソンとリチャード・エブライトは共に「機能獲得性研究」を長年にわたって批判している研究者だ。
報道によれば、アメリカの国立衛生研究所(NIH)は、2013年10月から、この種の研究に対するすべての援助を一時的に停止しているが、この実験が当該機関による審査期間中は継続されることを許した。この種のプロジェクトには研究を停止させるほどのリスクが認められないとNIHが結論を下したからだ。
実験は病原体を識別する助けになる
だが、この種の研究には確かに有益な点があると考える学者もいる。例えば、研究組織「生体健康連盟」の総裁であるピーター・ダザック(Peter Daszak)は、この種の実験が取り急ぎその危険性を考慮しなければならない病原体を識別する助けになり、いっそうの関心を集めることができる、と考えている。彼は例を挙げて、もしこの研究が行われなかったなら、SHC014ウイルスは今でも脅威とは見なされていなかっただろうと述べている。
科学者たちはこれまで、分子の水平モデリングとそのほかの研究に基づいて、このウイルスが人には感染しないと考えていたが、実験によって初めてこのウイルスがすでに人のレセプターと結合できることが明らかにされたのだ。ピーター・ダザックはかつて石正麗のチームと一緒に協力して科学研究を行ったことがある。
→次ページ「科学はもろ刃の剣なのです」
国内の生物化学の専門家の1人が財新記者に解説してくれたところによると、バイオセーフティーを保証できるという前提のもとで、この種の病原体の機能獲得性研究は、ウイルスの作用や拡散の仕組み、特性をいっそう深く認識し、未知のウイルスをよりよく予防するのに役立つそうだ。
「細菌についての研究は相対的に進んでいますが、動物に由来するウイルスについてわかっていることはまだまだ多くありません。もしウイルスを研究するなら、獲得性の機能研究が確実に必要とされるでしょう。ただし、各種の流出を防止しなければなりません」と、その専門家は語っていた。「科学はもろ刃の剣なのです」と。
インドの科学者の論文が引き起こした議論
これまでに述べた石正麗とその実験施設について疑惑を呈した人々はみな非専門家だった。だがその後、インドの科学者がbioRxivで公表した論文(現在は撤回されている)が新たな議論を引き起こした。
1月31日、インドのデリー大学とインド理工学院に所属する研究者たちが、bioRxivで「2019新型コロナウイルスの棘突起タンパク質に含まれる独特な挿入配列とエイズウイルスのHIV-1 dp120、Gagタンパク質との間で見られる奇妙な相似性」という研究論文を発表した。
簡単に言えば、彼らは新型コロナウイルスとSARSウイルスの棘突起タンパク質の配列を比較し、SARSウイルスと比べると新型コロナウイルスの棘突起タンパク質には4つの新しい挿入配列があることを発見したのだ。その後、彼らはこの4つの挿入配列をデータベース中の配列と比較した結果、4つの挿入配列がともにエイズウイルスのタンパク質配列の中にあることを見つけた。
この研究論文によれば、この種の特異な同一性/相似性が自然界の中で偶然に起こる現象とは考えられず、またこの4つの挿入配列は新型コロナウイルスに独特なもので、そのほかのコロナウイルスには存在しない、とされている。
このニュースがまたもやネットユーザーの想像と臆測――新型コロナウイルスは、SARSウイルスとエイズウイルスを人工的に合成したものなのではないか、という疑いを引き起こした。
しかし、その後、このインドの研究者たちは研究論文を撤回している。現在のところ、この研究論文のURLには論文のタイトルしか残っておらず、アブストラクト(要旨)には「当該論文は執筆者によって撤回されました。執筆者は同じ分野の研究者による該当論文の手法と結論、解釈に対するフィードバックに基づき修正を行うつもりです」という文章に置き換えられている。
研究論文の執筆者の1人がbioRxivにコメントを残しており、次のように述べている。
「これは初期段階の研究です。私たちには陰謀論にその議論の根拠を提供する意図はありません。私たちは同じ分野の研究者たちがbioRxivおよびその他の場所で行う批評と査読を尊重していますが、このストーリーはすでにソーシャルメディアとニュースメディアにおいて異なる仕方で解釈され、拡散してしまいました。
世界的な範囲でいっそうの誤解と混乱を引き起こす事態を避けるため、私たちは現在のプレプリント版を撤回し、さらなる分析を行ってから修正版を提出することに決定しました」
bioRxivも公式サイト上に黄色の「警告」テープを表示して、次のように述べている。「bioRxivは新型ウイルスと関係のあるたくさんの新しい研究論文を受け取っています。必ず以下の点にご注意ください。
これらの研究論文は同じ分野の研究者たちによる査読をまだ受けていません。決定的な結論を述べたものだと見なされるべきではありませんし、臨床試験や健康と関わる行為についての指針ともなりません。また、既成事実としてニュースメディア上で報道されるべきでもありません」。
実際に、インドの研究者たちによる研究論文の結論には、研究論文が撤回される前から多くの国際的な専門家たちにより疑問が呈されていた。アメリカのスタンフォード大学に所属する生物化学の助教授シルヴァーナ・コナーマン(Silvana Konermann)は、インドの研究者たちの研究論文を調べた結果、いわゆる相似性は偽物だったと発見したとTwitterで述べている。
「彼らは新型コロナウイルスとSARSウイルスを比較して、4つの新しく挿入された遺伝子配列を発見しました。そのうち2つはすでにコウモリのコロナウイルスの中で発見されているものです。残りの2つの挿入配列のうち、1つはHIVウイルスの配列にいちばんよく似ていますが、非常に短く、偶然性が高いとはいえません。
もう1つの挿入配列とHIVウイルスを除く13種類のウイルスの配列はより似ていますが、これらの相似性も偶然性が高いというわけではありません(挿入部分の大きさとウイルスのタンパク質データベースの大きさから考えて)」
アメリカのワシントン大学 医学部とゲノム科学部の副教授であり、フレッド・ハッチンソン(Fred Hutchinson)がん研究センターに所属する生物情報学の専門家トレバー・ベッドフォード(Trevor Bedford)はTwitterで、「自ら比較を再現してみた結果、これらの短い挿入配列が確かに新型コロナウイルスに存在することを確認したが、これらの挿入配列は多くの種類の生物(の配列)とマッチングするもので、HIVウイルスの配列だと結論する理由はない」と、述べている。
コロナウイルスとエイズウイルスの大きな違い
アメリカのオハイオ州立大学・ウイルスと新興病原学センターの主任である劉善慮はオンライン学術メディア「知識分子」のインタビューを受けたときに次のように指摘している。
「科学とウイルス進化の角度から述べれば、コロナウイルスと逆転写ウイルスであるエイズウイルスの間には大きな違いがあります。相同性が低すぎるため、DNA間で組み換えが起こる可能性が低いのです。
さらに、経験からいえば、私たちが比較するすべての遺伝子配列の中ではいつも、数十個のヌクレオチドまたは数個のアミノ酸がいくつかのまったく関連のないものと完全に、または非常に似ていることが発見されています。でもそこには何ら生物学的な意義はありません」
多くの専門家が、新型コロナウイルスに存在しそのほかのコロナウイルスには存在しないこの挿入配列がHIVウイルスの中で発見された配列に類似していると考えている。だが、大切な点は、これらの遺伝子の暗号配列がそのほかのウイルスにも存在することだ。それらがすべてHIVウイルスから来たと信じる理由はない。
2020年1月21日、「中国科学:生命科学」英語版はオンラインで掲載した研究論文において、武漢のコロナウイルスが人に感染する仕組みを明らかにした。武漢のコロナウイルスは、S-タンパク質が人のACE2と相互に作用する分子の仕組みを通して、人の呼吸器官の表皮細胞に感染する。
研究論文を執筆した研究者の1人である中国科学院上海パスツール研究所の研究員 郝沛によると、「人体に作用する仕組みが一致しているところから見て、武漢のコロナウイルスの感染能力はSARSウイルスと同程度であると考えられるが、感染能力はウイルスの拡散度合に影響する要素の1つにすぎない」という。さらにウイルスの複製、ウイルスが拡散する経路など、ウイルスの拡散度合に影響を及ぼす要素はほかにもある。
1月22日、北京大学、広西漢方薬大学、寧波大学および武漢生物エンジニアリング学院の研究者たちが連名で、「Journal of Medical Virology」のオンライン版で研究論文を発表した。その研究によれば、新型コロナウイルス2019-nCoVは、コウモリのコロナウイルスと起源が未知のコロナウイルスとの間で遺伝子が組み替えられることによって発生したウイルスであるらしい。
では、結局のところ、新型コロナウイルスが人工で製造された、遺伝子工学の産物である可能性はあるのだろうか? 財新記者は多くの専門家や研究者をインタビューしたが、彼らの一致した判断は、「不可能」だ。
遺伝子工学を起源とする証拠はない
トレバー・ベッドフォードは財新記者に、新型コロナウイルスが遺伝子工学を起源とすることを示す証拠はないと語った。彼の解説によれば、コウモリの身体に見られるウイルス(RaTG13コロナウイルス)と相互に比較すると、新型コロナウイルスに存在する遺伝子の差異は自然進化によるものと一致する。
「もしゲノム編集(遺伝子編集)したウイルスであれば、大量の遺伝物質を置換する必要がありますが、今のところその種の痕跡は観察されていません。反対に、自然進化したと思われる、まばらで分散的な変異しか見られません」
トレバー・ベッドフォードはオープンソースのウェブサイト(nextstrain.org)を開設し、各種の病原体の遺伝子配列についての分析と可視化を行えるようにした。
その中には以前から知られているコロナウイルスのファミリー(コウモリ、ハクビシン、SARS)の遺伝子配列の系譜から、世界的なインフルエンザウイルスの共有データベースGISAID(Global Initiative on Sharing All Influenza Data)で共有されている新型コロナウイルス関連肺炎患者53人のウイルス遺伝子の全配列が含まれている。
ベッドフォードは、ウイルス間のヌクレオチドの差異とほかのコロナウイルスの仮定突然変異率の推計を結び合わせて、RaTG13コロナウイルスと新型コロナウイルスという2種類のウイルスは「25〜65年前に1つの共同の祖先から生まれた」としている。つまり、RaTG13ウイルスが新型コロナウイルスへと変異するには数十年の時間が必要だろうということだ。
ベッドフォードの分析によれば、RaTG13コロナウイルスと新型コロナウイルスの間には1100個近いヌクレオチドの差異が認められる。これと比較できるのは、ハクビシンのコロナウイルスと人のSARSウイルスとの間に認められる差異がたった10個のヌクレオチドにすぎないという点だ。
中国科学院の生物情報学分野の研究者の1人が財新記者に述べたところによれば、新型コロナウイルスは「どう見ても天然のもので、人工のものである可能性はない」。その根拠としては、新型コロナウイルスの全配列の分析によって、その遺伝子配列が雲南キクガシラコウモリに存在するRaTG13コロナウイルスと最もよく似ていることが明らかになっており、その一致率が96%に上ることが挙げられる。
ただし、この4%の遺伝子の差異は極めて大きい。人とマウスの遺伝子の相似度も90%に上るからだ。このような差異を人工的に補填することは決してできない。なぜなら、新型コロナウイルスは3万個近いヌクレオチドを持ち、4%といえば1200カ所の遺伝子変異に当たるからだ。「大自然だけがそのようなことを行えます。長年にわたる進化がこのようなウイルスを造り出したのです」と、この研究者は述べている。
そのほか、ウイルスが遺伝子断片を失うのはよくあることで、そうやって自己をスリム化し、ウイルスは各周期にゲノムを合成する。ウイルスにとっては機能がシンプルであるほど効率が高い。しかし実は、逆にウイルスが遺伝子断片を獲得して自己に挿入するのは難しいのだ。
「(陰謀論者は)人類の偉大さを買いかぶりすぎています。人が(これらの遺伝子断片の挿入を)実行できるとしても、どうして1200カ所もの遺伝子変異を作り出す必要があるのでしょうか? わずかな改変ではダメなのですか? なぜこんなに複雑なことを? 結果を自分でも制御できないのに?」
アメリカのペンシルバニア大学医学部の副研究員である李懿澤は財新記者に、新型コロナウイルスを実験施設で製造するのは不可能だ、と述べた。
人工的に改変された痕跡は残っていない
「実験施設でウイルスを製造するには遺伝子のリバースジェネティクス(逆遺伝学)が必要です。そしてその核心は配列のつなぎ合わせですが、配列のつなぎ合わせには人工的に酵素の一種であるエンドヌクレアーゼを導入する必要があり、そうすると人工的に改変された痕跡が残ります。
配列の中に(エンドヌクレアーゼが)人工的に導入された箇所が見つかれば、基本的にはそのウイルスが人工的に製造されたものだと認められるでしょう。そのような痕跡を残さないことは不可能です。そして、新型コロナウイルスには人工的に導入されたエンドヌクレアーゼの痕跡がありません。ですから、実験施設で製造されたものである可能性はありません」
前述した「機能獲得性研究」の批判者であるリチャード・エブライトは、現在の時点におけるウイルスの遺伝子配列の分析に基づけば、ウイルスがゲノム編集されたということを証明する実質的な証拠はない、と財新記者に語った。
だが、彼は次のように注意を促している。ウイルスがゲノム編集されたかどうか(この種の可能性はすでに排除されている)とウイルスが実験施設での事故によって人々の間に広まったかどうか(現在のところその可能性は排除できない)は分けて考えなければならない。これは重要な点だ。
「今すぐ感染拡大に立ち向かうのが最も重要です。感染拡大が終結した後、法科学調査(forensic investigation)を行い、感染が爆発的に拡大した今回のウイルスの起源を確定する必要があるでしょう」と、彼は述べている。
アメリカのオハイオ州立大学 獣医予防学の終身教授である王秋紅も、最近「中国科学報」のインタビューを受けたときに政府の介入を呼びかけている。彼女は、感染拡大が発生して以来、とても多くのデマが出現したことを指摘した。
ある者はウイルスが中国科学院武漢ウイルス研究所によって製造されたものだと言い、またある者はノースカロライナ大学チャペルヒル校のラルフ・バリック(Ralph Baric)実験施設から流出したもので、バリック実験施設ではかつてSARSウイルスをマウスに感染させる実験を進めていたと言っている。
「国が専門家チームを設立してデマを打ち消すことを切に希望しています」と、彼女は述べている。「現在、遺伝子配列がすでに公表されています。この配列の分析から、ウイルスが人工的に製造されたことを示す箇所は見つかりません。実験施設から流出したものである可能性はないのです。完全に自然界のウイルスです」
1月31日に『ネイチャー』が掲載した記事によると、大多数の研究者が、ウイルスの遺伝子配列は、新型コロナウイルスが武漢のウイルス研究所から来たものだという見方を否定している、と考えている。
新しい疾病やウイルスが出現するたびに言われる話
かつて石正麗と協力して研究を行ったピーター・ダザックは『ネイチャー』に次のように語っている。「新しい疾病やウイルスが出現するたびに、いつも同じようなことが言われます。これは某機関が放出もしくは流出させたものだ、もしくはゲノム編集を施されたウイルスだ、といった具合です。残念なことです」。
確かに、重大な感染病の発生にはいつも似たような陰謀論がつきまとう。例えば、2003年にSARSが蔓延していた時期、「SARSは人工的に製造された兵器だ」というデマが一時期盛んに取り沙汰された。2014年、エボラが西アフリカのギニア共和国などで爆発的に感染を拡大したときにも、アメリカ人がエボラウイルスを製造したというデマがあった。
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マサチューセッツ工科大学政治学部の教授であるヴィピン・ナラン(Vipin Narang)は、最近Twitterで次のような意見を表明した。今回の感染拡大が生物兵器によるものであることを示す証拠はない、故意にこの種のデマを拡散するのは「まったくもって無責任」なことだ、と。
「実際のところ、(もし仮にこれが生物兵器だったとしたら)本当にお粗末な生物兵器です。なぜなら、自分も害を被るリスクがあるからです。いい生物兵器は致死率が高く、感染力が低いものでなければなりません」と、彼は述べている。
(財新記者: 楊睿、馮禹丁、趙今朝)
●●新型コロナ、武漢「美人すぎる39歳の研究所長」が握る発生の謎
2020/2/18(火) 7:01配信現代ビジネス
ある判決から沸いた「疑念」
いまや日本も中国も、新型コロナウイルスのニュース一色の感があるが、それと一見関係なさそうで、実は大いにあるかもしれない中国の話から始めたい。
新型コロナウイルス、実は「マスク着用」より先にやるべきことがある
先月3日、新型コロナウイルスの震源地である湖北省武漢市から2183kmも北上した吉林省松原市の中級人民法院(地方裁判所)で、「2015年第15号」と呼ばれる汚職事件の裁判の判決が出た。それは、李寧(リー・ニン)被告(57歳)に12年の実刑、及び罰金300万元(約4700万円)、かつ賄賂として得たすべてのものを国庫に上納させるという厳しい判決だった。
李寧被告は、中国の農業部門の最高学府である北京の中国農業大学の教授だった。私の友人に、中国農業大学の卒業生がいるが、確認したらクローン研究の第一線に立つスター教授だったという。
この判決文は、計20ページもある長文で、日本人の私からすれば、「まさか!」と思うようなことが縷々書き連ねられている。それらを簡述すると、以下の通りだ。
〈 被告人:李寧、男、1962年7月9日江西省信豊県生まれ、漢族、博士、中国工程院院士、中国農業大学教授、中国農業大学生物技術国家重点実験室主任、北京済普霖生物技術株式会社社長、北京市海淀区在住。2014年6月21日に逮捕し、吉林省拘置所に拘置中。
罪状:李寧被告は2008年7月から2012年2月の期間、課題の研究の中で科学研究費を使って、実験用の豚と牛を購入した。李寧被告は課題研究の実験を終えた豚、牛、牛乳を、不法に処理した。その過程で、1017万9201.86元(約1億6000万円)を個人の銀行口座に振り込ませた。
かつ、研究費の残額2559万1919元(約4億円)を着服していた。また、人件費621万2248.51元(約9800万円)を虚偽申告していた。
これらも含めて、李寧被告は部下の張磊研究員と共に、職務上の権限を利用して、国有財産3756万6488.55元(約5億9000万円)を着服した。これは中華人民共和国刑法第382条、第383条の規定に抵触し、汚職の罪で刑事責任を負うべきである。かつこの共同犯罪において、李寧被告が主導的な役割を担っており、主犯として処罰されるべきである。
本訴は、2015年4月10日に起訴され、同日に吉林省松原市人民法院が受理した。2015年8月20日、21日、及び2019年12月30日に公開の審理を裁判所にて行い、結審した 〉
この判決の日、杜岩裁判長は、異例とも言えるメディアとの一問一答を許可した。正確に言えば、実際には行っていない「メディアとの一問一答」という形式で、判決文の正しさを主張したいために補足説明を発表したのである。これは中国人民銀行などでも使われている手法だ。
杜裁判長は、その中で罪状について、こう述べている。
「李寧の汚職は3つのものを含んでいる。第一に、実験後の動物や牛乳を売って利益を得ていたこと。第二に、本人及び他人名義で課題研究費を着服していたこと。第三に、本人及び他人名義で人件費を着服していたことだ。
その中で、李寧は本人名義の課題研究費を着服していた以外に、虚偽の領収書を223枚も切っていた。それによって他人名義の科学研究費2092万元(約3億3000万円)を着服していた。これは全体の82%にあたる。検察機関はそれらの書証を調べ上げ、証人の証言を取り、共犯者の供述と照らし合わせ、証拠を確定させていったのだ」
この1月3日に判決が出された刑事事件が、いま中国で、にわかに注目を集めている。それは、農業部門における中国の最高学府である中国農業大学でさえ、「実験を終えた豚や牛、牛乳を、密かに業者に売り渡していた」という事実が明らかになったからだ。業者はそれらを素知らぬ顔で市場へ持って行き、市場では他の豚や牛、牛乳と一緒に売られていたに違いない。
これと同じことが、新型コロナウイルスの発生源と言われる湖北省武漢の華南海鮮市場でも行われていたのではないか――そんな疑念が、中国のインターネットやSNS上で飛び交っているのである。
「武漢病毒研究所」が怪しい
中国のネットやSNS上で飛び交う情報というのは、中国当局が指摘するように「流言飛語」の類も一部にはある。例えば私は「安倍晋三が突然死した」「金正恩が逮捕された」といった「ニュース速報」を見たこともある。
だが、後で振り返ると真実だったというニュースも少なくない。特に、新型コロナウイルスに関しては、中国全土で現在、「戦い」が続けられている最中であり、かつ多くの中国人が自宅待機を余儀なくされている。そのため、「伝えられていない正しい情報」を知ると、それを拡散させようとする傾向が強い。その結果、それらを一刻も早く削除しようとする中国当局との壮絶なイタチごっこが続いている。
そんな中、いまネットやSNS上で疑惑の目が向けられているのは、「中国科学院武漢病毒研究所」である。新型コロナウイルスの発生源とされる華南海鮮市場から、わずか15.8qしか離れていない。
中国科学院武漢病毒研究所のホームページによれば、いまの中国が建国されて7年後の1956年に創設された。中国で初めてのP4(国際的な生物安全の最高クラス)生物実験室を備えている中国最高峰の病毒学の研究所である。
研究所内には、分子病毒学病理研究センター、分析微生物学ナノ生物学研究センター、微生物菌毒種資源応用センター、新型伝染病研究センター、それに2018年11月に中国科学院、国家衛生健康委員会、湖北省人民政府が共同で創設した中国科学院生物安全大科学研究センターがある。
また、国家衛生健康委員会が指定した「国家級保存センター」として、微生物菌毒種保存センター、国家アフリカ豚コレラ実験室、病原生物学生物安全重点実験室などを備えている。合わせて34の研究学科グループがあり、325人の研究者が研究に従事している。
この巨大組織を率いているのは、39歳の美人所長・王延軼氏である。
王延軼(ワン・イエンイー)所長は、2004年に北京大学生命科学学院を卒業、2006年に米コロラド大学で修士号を取得。帰国して2010年、武漢大学で博士号を取得した。取得後すぐに武漢大学副教授となった。2012年に武漢病毒研究所に入り、病理研究センター副主任を経て、2018年に37歳の若さで、所長に就任した。
王所長は今年の正月、武漢病毒研究所のホームページで、次のような新年の辞を述べている。
〈 2019年、武漢病毒研究所は、重要な責務に勇気を持って挑み、担当してきました。生物安全大科学研究センターの活動は、重要な進展を見せました。同センターの第1回理事会第1次会議を北京で開き、国家衛生健康委員会、湖北省政府、中国科学院の3者が共通認識を持ち、生物安全国家実験室の建設を推進していくことになったのです。
湖北省の肖菊華副省長(注:昨年9月に湖北省副省長に抜擢された時、やはり53歳の美人副省長として話題になった)も武漢病毒研究所を視察し、同センターの建設を全力で支持すると述べました。(中略)
新たな一年に入り、私たちは党中央、国務院及び国務院党組織の各決定を真摯に貫徹していき、科学技術のイノベーション能力を不断に引き上げ、生物安全大科学研究センターのさらなる建設準備の進展を進めていきます 〉
日本と同様の年功序列社会である中国の公的機関で、なぜ王所長はこんなスピード出世できたのか? それは、中国ではしばしばあることだが、バックに強力なパトロンがいるからに他ならない。パトロンとは、15歳年上の夫・舒紅兵(シュイ・ホンビン)武漢大学副学長だ。
1967年重慶生まれの舒紅兵副学長は、免疫学が専門で、蘭州大学を卒業後、1995年に米エモリー大学で博士号を取得した。2000年から2004年まで北京大学生命科学学院で特任教授をしていた時、教え子だった王延軼氏と知り合い、後に結婚。2005年に武漢大学生命科学学院院長になり、2013年から武漢大学副学長、2014年からは武漢大学医学研究院長も兼任している。
中国のネット上では、舒副学長にとって王所長は4回目の結婚相手とも書かれているが、真偽は不明である。確かなのは、王所長には舒副学長という「外助の功」が大きく役立っているということだ。そして王所長自身が新年の辞で、自分が進める新たな研究センターを誇っているように、「外からカネを持ってこられる所長」ということで、周囲も受け入れていたのかもしれない。
「スキャンダル」の臭いがする
だが、新型コロナウイルス騒動が、すべてを変えてしまった。
武漢病毒研究所に疑惑の目が向けられる中、北京首都医科大学の饒毅学長(元北京大学生命科学学院教授)が、旧知の舒紅兵副学長に、「微信」(WeChat)でメッセージを送った。
〈 紅兵、私が注意した武漢病毒研究所の所長の問題だが、彼女はかつて北京大学の生命科学学院の学生だった。それは私が北京大学へ行く前のことだったが(私が就任してからは教え子との恋愛は禁止した。おそらくもうそのような問題は起きないだろうが)、いくつか苦言を呈したい。
おそらく最良の解決方法は、彼女に辞職願を提出させて、中国科学院に害を及ぼさないようにすることだ。あなたの夫人は、武漢病毒研究所のリーダーとして、実に不適切である。
1)彼女の専門は、病毒学でも微生物学でもない。免疫学とはスレスレのところだが、実際には細胞生物学が専門だ。武漢病毒研究所の研究の中心は病毒学であり、彼女はあまりに専門性に欠ける。おそらく研究所内の多くの研究者たちも、彼女をリーダーとして認めていないだろう。これでは研究所内の威信やリーダーシップもあったものではない。
2)彼女の研究レベルは、やはり比較的低い。少なくとも病毒研究所内で群を抜いたものではない(言っているのは学問的レベルであって人間的評価ではない)。彼女のレベルでは、北京大学、清華大学などでは、副教授にさえなれない。一般的に言って、おそらく助理教授のレベルさえもないだろう。そんな状況下で、武漢病毒研究所は国内で尊重されないし、発展もおぼつかない。
3)彼女は若すぎる。もしも上記の2点が極めて突出しているというなら、若者がリーダーとなることにも道理がある。だが専門もレベルも問題があって、しかも若造ということになると、これは雪の上に霜が加わる(注:泣きっ面に蜂の意)というものだ。(中略)
武漢病毒研究所長と中国科学院長にもこれを同時に送っておく 〉
このメッセージは、武漢病毒研究所の管理が杜撰だったことを示唆していると言えないだろうか。全体を読んでも、饒毅学長は知っていることのうちごくわずかしか書いていないというニュアンスが伝わってくる。
加えて、中国科学院長にもこのメッセージを送ったということは、美人所長を早くクビにすることで、何らかのスキャンダルが中国科学院全体に及ぶのを事前に防ぐべきだという進言とも考えられる。そして王所長本人にも同時に送信することで、「早く辞めろ」とプレッシャーをかけたのだ。
武漢では、すでにこの美人所長が追い詰められていることを物語る「人事」もあった。
武漢市が「封鎖」された1月23日、湖北省は新型肺炎応急科学研究攻撃専門家グループの第1回会議を開き、湖北省の科学技術庁、衛生健康委員会、疾病コントロールセンター、伝染病の専門家らが一堂に会した。
そこでグループ長に選ばれたのは、王所長ではなく、同じ武漢病毒研究所の石正麗・新型伝染病研究センター主任だった。アメリカ微生物科学院の正会員でもある実力派の55歳で、ネット上では「上司の美人所長と最も激しく対立している女性研究員」と書かれていた。
この日、湖北省は、石正麗グループ長と武漢病毒研究所が中心になって今後の新型コロナウイルス対策を進めていくと決めたにもかかわらず、王所長は13人の専門家グループの一員になったにすぎなかった。
いまなお「封鎖」が続く武漢では、2月16日までに、1309人もの死者を出している。現段階では救急治療が最優先だが、新型コロナウイルスの流行が一段落した暁には、武漢病毒研究所の問題が浮上してくる可能性がある。
美人所長が送った一斉メール
2月16日には、また一つ、「王延軼所長のメール」が暴露された。1月2日午前10時28分に、武漢病毒研究所の職員全員に宛てて、次のようなメールを打っていたというのだ。
メールのタイトルは、「重要提示 武漢の原因不明の肺炎に関する公開を厳禁する通知に関して」。
〈 最近、原因不明の肺炎が、すでに社会の騒動を引き起こしている。われわれは関連した業務を、現在進行している。衛生健康委員会が要求しているのは、メディア、インターネット、SNS、提携する技術会社などを含む外部に対して、今回の肺炎の状況を公布することを禁止するということだ 〉
このメールが本物ならば、すでに1月2日の段階で、中国政府の衛生健康委員会は事実を隠蔽するよう指示を出していたことになる。また、王所長が書いた「われわれは関連した業務を、現在進行している」という文字も意味深である。
科学技術部(省)社会発展司(局)の呉遠彬司長は2月15日、「新型ウイルスの高レベルウイルス微生物実験室生物安全管理の指導意見に関して」という通達を出したと、会見で述べた。つまり今後は、ウイルス微生物実験室の安全管理を徹底させるということだ。
ということはやはり、何らかの「事故」が発生していたということではないのか?
中国の整形外科医の武小華博士は2月4日、多くの中国人の疑念を代弁するかのように、SNS上でこう述べている。
「今回の新型コロナウイルスの原因はコウモリとの見方が支配的だが、コウモリから人間にウイルスが移る過程で、中間に一、二の媒介や変異がある。つまりネズミと霊長類との間で、ある種の人工的なタンパク質が関わっているわけだ。そうしたタンパク質を生成できるのは、ネズミを使って実験している実験室しかない」
近藤 大介(『週刊現代』特別編集委員)
●「日本は手遅れ」生物兵器の世界的権威が断じる理由
2020/3/9(月) 6:01配信JBpress
「日本は手遅れ」生物兵器の世界的権威が断じる理由
3月6日、武漢市のキリスト教教会を消毒するボランティアの人々(写真:AP/アフロ)
(ジャーナリスト:吉村剛史)
中国湖北省武漢市で発生し、瞬く間に世界に感染が拡大した新型コロナウイルス。発生当初から「兵器」の可能性も排除せず、危機感をもって情報収集に取り組むよう訴えてきた台弯出身、米国在住の化学者で毒物研究の世界的権威、杜祖健(と・そけん)氏(89)=英語名アンソニー・トゥー氏=が緊急来日した。
【写真】3月2日、マスクを求める人々でソウルのデパート前には長蛇の列ができていた。あまりのマスク不足でパニックになった韓国では、ついに「マスク配給制」が導入されることに。
滞在に同行し、改めてインタビューすると、杜氏は、諸状況からみて「武漢の病毒研究所で研究、培養していた新型ウイルスが何らかの不手際から外部に漏れたというのが一番適当な説明だろう」と推測。日本の初期対応については「すでに手遅れ」と断じた。
杜氏は、今後は現状の感染拡大防止措置の強化、徹底などをはかり、治療薬の開発を急ぐとともに、日本の政権中枢に対しては国家レベルでの対外情報収集力の強化や、有事の際の隔離病院船の整備など、教訓を将来に生かすことの重要性を訴えている。
(参考記事)燻る「新型ウイルス=生物兵器」説、専門家が解説
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/59197
■ 米国CDCの専門家派遣申し出を黙殺した中国の意図
米コロラド州立大名誉教授である杜氏は、新型コロナウイルスの感染拡大に対する各国・地域の初期対応について、早期に中国からの入境に全面的な制限を設けた米国、台湾の警戒感、危機意識の高さを評価。
同時にロシア、北朝鮮でも初期対応が厳密だったことに着目しており、「いずれも生物・化学兵器研究に力を入れてきた実績から、防御意識も高い」と指摘した。
当初、新型ウイルスは武漢・漢口の市場で売られていた動物が発生源とされたが、ヘビ毒研究が本来専門の杜氏は、旧ソビエト連邦崩壊時、多くのロシア人らから「(ソ連の)生物研究所のヘビ毒を(横流しして売るので)買ってほしい」と依頼の手紙、電話があったといい、そうした自身の体験に照らし、「規律の状況などによっては、現場の人間が使用済みの実験動物を焼却せず、換金目的で市場に横流しするなどの行為はあり得る」とみている。
杜氏はこれまでも、1979年に旧ソ連・スべルドロフスクの研究所から炭疽菌が漏れ、多くの市民が死亡した実例などから、「研究施設から病毒が漏れることはよくある」としてきた。
加えて今回の新型ウイルス問題発生後、米国のCDC(疾病コントロールセンター)が伝染病の専門家を武漢に派遣し、感染拡大阻止に協力したいと申し出たことに対し、中国側が対応しなかったことも、「中国側には知られたくない事情があることが疑われる」とみる。
■ 否定できない「実験中のウイルスが不手際で漏出」の可能性
また、中国当局が1月末、中国科学院武漢病毒研究所に人民解放軍の女性少将、陳薇氏を派遣した点について、「女史は浙江大学卒業後に軍に入り、生物兵器に関連してアフリカでエボラウイルスなどを研究した人物で、中国軍事医学科学院の生物工学研究所長」「本来なら現地には医学の専門家を送るべきだが、中国で最も優れた生物兵器の専門家を送り込んだことは注意すべき動向」といぶかしむ。
「そもそも武漢病毒研究所のようなバイオセーフティーレベル4(BSL-4)施設を持つ研究所は、兵器レベルの研究、開発が主眼とみられる」「発症前にヒトからヒトへ感染し、一度発症して回復したのち、再び罹患するなどの特徴も蔓延阻止の対応を困難にしており、この点も人為を疑う要素」という。
杜氏は「これらはいずれも間接的な、いわば状況証拠にすぎない。確かに生物兵器として危険な病源体やウイルスを培養するのだとしたら、つくる側は同時にワクチンや抗毒剤を大量に準備しないといけない」としつつも、「私見では新型ウイルスは実験、研究の途中で、何らかの不手際が発生し、武漢の研究所内から外部に漏れたのではないか。その説明が最も納得できると思う」と総括した。
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最終更新:3/9(月) 6:01
JBpress
●2020/2/26(水) 19:55配信
産経新聞
【北京=西見由章】新型コロナウイルスの最初の発生源は中国湖北省武漢市の華南海鮮市場で取引されていた野生動物だ−。そうした中国当局による従来の見解が揺らいでいる。政府系の機関が、ウイルスは別の地域から同市場に流入したとの分析結果を示したためだ。ただ「最初の感染者」がどこでどのように生まれたのかを突き止める手掛かりは少なく、謎が深まっている。
中国科学院シーサンパンナ熱帯植物園(雲南省)などが26日までに公表した論文によると、中国など12カ国で採取された新型コロナウイルスの遺伝子情報を分析した結果、華南海鮮市場で検出されたウイルスは別の地域から流入していたことがわかった。早ければ11月下旬には別の場所で「人から人」感染が始まっていた可能性があると指摘。その後、同市場を拠点に感染が拡大するルートもできたと分析した。
こうした見方は、武漢市の医師らが1月、英医学誌「ランセット」に公表した論文と符合する。論文は、12月1日に発症した最初の患者をはじめ、当初確認された感染者41人のうち14人が市場とは無関係だったと指摘。ウイルスの自然宿主であるコウモリも同市場で取引されていないとした。
発生源はどこなのか。香港メディアなどによると、華南理工大(広東省広州)の肖波濤(しょう・はとう)教授は今月6日、研究者向けサイトに投稿した論文で、同市場から280メートルの近距離にある武漢疾病予防コントロールセンターからウイルスが流出した可能性を指摘した。
論文によると、同センターでは浙江省などで600匹以上のコウモリを実験用に捕獲。研究員1人がコウモリに攻撃されてその血液が皮膚に付着したり、尿が体にかかったりしたことがあり、その都度14日間の自主隔離を行ったという。サンプルや汚染されたごみがウイルス流出の原因になったとの見方を示した。
ただこの論文はその後、サイトから削除された。中国外務省の耿爽(こう・そう)報道官は20日、ウイルスが「実験室から流出した」「生物兵器として開発された」などとする説について「世界の著名な専門家たちは全く科学的根拠がないと認識している」と述べている。
●新型コロナ、武漢「美人すぎる39歳の研究所長」が握る発生の謎
2/18(火) 7:01配信
現代ビジネス
新型コロナ、武漢「美人すぎる39歳の研究所長」が握る発生の謎
写真:現代ビジネス
武漢病毒研究所」が怪しい
中国のネットやSNS上で飛び交う情報というのは、中国当局が指摘するように「流言飛語」の類も一部にはある。例えば私は「安倍晋三が突然死した」「金正恩が逮捕された」といった「ニュース速報」を見たこともある。
だが、後で振り返ると真実だったというニュースも少なくない。特に、新型コロナウイルスに関しては、中国全土で現在、「戦い」が続けられている最中であり、かつ多くの中国人が自宅待機を余儀なくされている。そのため、「伝えられていない正しい情報」を知ると、それを拡散させようとする傾向が強い。その結果、それらを一刻も早く削除しようとする中国当局との壮絶なイタチごっこが続いている。
そんな中、いまネットやSNS上で疑惑の目が向けられているのは、「中国科学院武漢病毒研究所」である。新型コロナウイルスの発生源とされる華南海鮮市場から、わずか15.8qしか離れていない。
中国科学院武漢病毒研究所のホームページによれば、いまの中国が建国されて7年後の1956年に創設された。中国で初めてのP4(国際的な生物安全の最高クラス)生物実験室を備えている中国最高峰の病毒学の研究所である。
研究所内には、分子病毒学病理研究センター、分析微生物学ナノ生物学研究センター、微生物菌毒種資源応用センター、新型伝染病研究センター、それに2018年11月に中国科学院、国家衛生健康委員会、湖北省人民政府が共同で創設した中国科学院生物安全大科学研究センターがある。
また、国家衛生健康委員会が指定した「国家級保存センター」として、微生物菌毒種保存センター、国家アフリカ豚コレラ実験室、病原生物学生物安全重点実験室などを備えている。合わせて34の研究学科グループがあり、325人の研究者が研究に従事している。
この巨大組織を率いているのは、39歳の美人所長・王延軼氏である。
王延軼(ワン・イエンイー)所長は、2004年に北京大学生命科学学院を卒業、2006年に米コロラド大学で修士号を取得。帰国して2010年、武漢大学で博士号を取得した。取得後すぐに武漢大学副教授となった。2012年に武漢病毒研究所に入り、病理研究センター副主任を経て、2018年に37歳の若さで、所長に就任した。
王所長は今年の正月、武漢病毒研究所のホームページで、次のような新年の辞を述べている。
〈 2019年、武漢病毒研究所は、重要な責務に勇気を持って挑み、担当してきました。生物安全大科学研究センターの活動は、重要な進展を見せました。同センターの第1回理事会第1次会議を北京で開き、国家衛生健康委員会、湖北省政府、中国科学院の3者が共通認識を持ち、生物安全国家実験室の建設を推進していくことになったのです。
湖北省の肖菊華副省長(注:昨年9月に湖北省副省長に抜擢された時、やはり53歳の美人副省長として話題になった)も武漢病毒研究所を視察し、同センターの建設を全力で支持すると述べました。(中略)
新たな一年に入り、私たちは党中央、国務院及び国務院党組織の各決定を真摯に貫徹していき、科学技術のイノベーション能力を不断に引き上げ、生物安全大科学研究センターのさらなる建設準備の進展を進めていきます 〉
日本と同様の年功序列社会である中国の公的機関で、なぜ王所長はこんなスピード出世できたのか? それは、中国ではしばしばあることだが、バックに強力なパトロンがいるからに他ならない。パトロンとは、15歳年上の夫・舒紅兵(シュイ・ホンビン)武漢大学副学長だ。
1967年重慶生まれの舒紅兵副学長は、免疫学が専門で、蘭州大学を卒業後、1995年に米エモリー大学で博士号を取得した。2000年から2004年まで北京大学生命科学学院で特任教授をしていた時、教え子だった王延軼氏と知り合い、後に結婚。2005年に武漢大学生命科学学院院長になり、2013年から武漢大学副学長、2014年からは武漢大学医学研究院長も兼任している。
中国のネット上では、舒副学長にとって王所長は4回目の結婚相手とも書かれているが、真偽は不明である。確かなのは、王所長には舒副学長という「外助の功」が大きく役立っているということだ。そして王所長自身が新年の辞で、自分が進める新たな研究センターを誇っているように、「外からカネを持ってこられる所長」ということで、周囲も受け入れていたのかもしれない。
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「スキャンダル」の臭いがする
だが、新型コロナウイルス騒動が、すべてを変えてしまった。
武漢病毒研究所に疑惑の目が向けられる中、北京首都医科大学の饒毅学長(元北京大学生命科学学院教授)が、旧知の舒紅兵副学長に、「微信」(WeChat)でメッセージを送った。
〈 紅兵、私が注意した武漢病毒研究所の所長の問題だが、彼女はかつて北京大学の生命科学学院の学生だった。それは私が北京大学へ行く前のことだったが(私が就任してからは教え子との恋愛は禁止した。おそらくもうそのような問題は起きないだろうが)、いくつか苦言を呈したい。
おそらく最良の解決方法は、彼女に辞職願を提出させて、中国科学院に害を及ぼさないようにすることだ。あなたの夫人は、武漢病毒研究所のリーダーとして、実に不適切である。
1)彼女の専門は、病毒学でも微生物学でもない。免疫学とはスレスレのところだが、実際には細胞生物学が専門だ。武漢病毒研究所の研究の中心は病毒学であり、彼女はあまりに専門性に欠ける。おそらく研究所内の多くの研究者たちも、彼女をリーダーとして認めていないだろう。これでは研究所内の威信やリーダーシップもあったものではない。
2)彼女の研究レベルは、やはり比較的低い。少なくとも病毒研究所内で群を抜いたものではない(言っているのは学問的レベルであって人間的評価ではない)。彼女のレベルでは、北京大学、清華大学などでは、副教授にさえなれない。一般的に言って、おそらく助理教授のレベルさえもないだろう。そんな状況下で、武漢病毒研究所は国内で尊重されないし、発展もおぼつかない。
3)彼女は若すぎる。もしも上記の2点が極めて突出しているというなら、若者がリーダーとなることにも道理がある。だが専門もレベルも問題があって、しかも若造ということになると、これは雪の上に霜が加わる(注:泣きっ面に蜂の意)というものだ。(中略)
武漢病毒研究所長と中国科学院長にもこれを同時に送っておく 〉
このメッセージは、武漢病毒研究所の管理が杜撰だったことを示唆していると言えないだろうか。全体を読んでも、饒毅学長は知っていることのうちごくわずかしか書いていないというニュアンスが伝わってくる。
加えて、中国科学院長にもこのメッセージを送ったということは、美人所長を早くクビにすることで、何らかのスキャンダルが中国科学院全体に及ぶのを事前に防ぐべきだという進言とも考えられる。そして王所長本人にも同時に送信することで、「早く辞めろ」とプレッシャーをかけたのだ。
武漢では、すでにこの美人所長が追い詰められていることを物語る「人事」もあった。
武漢市が「封鎖」された1月23日、湖北省は新型肺炎応急科学研究攻撃専門家グループの第1回会議を開き、湖北省の科学技術庁、衛生健康委員会、疾病コントロールセンター、伝染病の専門家らが一堂に会した。
そこでグループ長に選ばれたのは、王所長ではなく、同じ武漢病毒研究所の石正麗・新型伝染病研究センター主任だった。アメリカ微生物科学院の正会員でもある実力派の55歳で、ネット上では「上司の美人所長と最も激しく対立している女性研究員」と書かれていた。
この日、湖北省は、石正麗グループ長と武漢病毒研究所が中心になって今後の新型コロナウイルス対策を進めていくと決めたにもかかわらず、王所長は13人の専門家グループの一員になったにすぎなかった。
いまなお「封鎖」が続く武漢では、2月16日までに、1309人もの死者を出している。現段階では救急治療が最優先だが、新型コロナウイルスの流行が一段落した暁には、武漢病毒研究所の問題が浮上してくる可能性がある。
美人所長が送った一斉メール
2月16日には、また一つ、「王延軼所長のメール」が暴露された。1月2日午前10時28分に、武漢病毒研究所の職員全員に宛てて、次のようなメールを打っていたというのだ。
メールのタイトルは、「重要提示 武漢の原因不明の肺炎に関する公開を厳禁する通知に関して」。
〈 最近、原因不明の肺炎が、すでに社会の騒動を引き起こしている。われわれは関連した業務を、現在進行している。衛生健康委員会が要求しているのは、メディア、インターネット、SNS、提携する技術会社などを含む外部に対して、今回の肺炎の状況を公布することを禁止するということだ 〉
このメールが本物ならば、すでに1月2日の段階で、中国政府の衛生健康委員会は事実を隠蔽するよう指示を出していたことになる。また、王所長が書いた「われわれは関連した業務を、現在進行している」という文字も意味深である。
科学技術部(省)社会発展司(局)の呉遠彬司長は2月15日、「新型ウイルスの高レベルウイルス微生物実験室生物安全管理の指導意見に関して」という通達を出したと、会見で述べた。つまり今後は、ウイルス微生物実験室の安全管理を徹底させるということだ。
ということはやはり、何らかの「事故」が発生していたということではないのか?
中国の整形外科医の武小華博士は2月4日、多くの中国人の疑念を代弁するかのように、SNS上でこう述べている。
「今回の新型コロナウイルスの原因はコウモリとの見方が支配的だが、コウモリから人間にウイルスが移る過程で、中間に一、二の媒介や変異がある。つまりネズミと霊長類との間で、ある種の人工的なタンパク質が関わっているわけだ。そうしたタンパク質を生成できるのは、ネズミを使って実験している実験室しかない」
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近藤 大介(『週刊現代』特別編集委員